2002.07.16  横浜 GRASS ROOTS   報告者 うすあげ

出演  野澤享司  MR.キョリック 

 店に入ったのは8時少し前でした。そのとき野澤氏はカウンター席でお客さんとマスターを相手にマジック・ショウの真っ最中、おおいに盛り上がっていました。感動するギャラリーに野澤氏の芸名を教えてさしあげようと、つい口をはさんでしまいました。ところが、「マギー享司郎」と言ったところ、野澤氏はえらくがっかりした様子。どうしてなのかわけがわかりませんでしたが、そのまま私にとっては初のソロライブを聴いて帰宅しました。
 あとになって「MR.キョリック」と言わなければならないと指摘されて愕然としました。「MR.キョリック」の名はまるっきり頭にありませんでした。反省しています。これは私が、元になったMR.マリックなるマジシャンの顔を知らなかったために、印象が薄かったせいです。それではなぜ「マギー享司郎」かというと、話し方が似ているからではなく(マギー司郎は茨城県の出身だそうです)、アダチ龍光やゼンジー北京と違って名前に共通の文字があるからなのです。ちなみに「マギー享司郎」と命名したのは、とちぎポップ資料館の現在の主任学芸員であるとここで明かしておきます。
 それではセットリストです。タイトルのわからなかった曲名は野澤氏ご本人にお訊きしたのですが、表記までは確認しなかったので、もしかしたら間違いがあるかもしれません。間違っていたらゴメンナサイ。

1.目覚めと喧噪
2.Keep on Travelin'
3.今夜もよろしくね (タイトル命名 harry山科)
4.悲しみは Blues で
5.オーバー・ザ・レインボウ
6.君が気がかり (不完全版)
7.ほろ酔い気分で
 ここで新しいチューニングメーターを出す
8.New Morning やすらぎの明日へ
9.Get Back
 (「オレに思いきりキツイ捨てゼリフ吐いて」という歌詞で始まる野澤ヴァージョン)
10.大河の見る夢
 〜 休憩 〜
11.迷走
12.I walk with my brothers & sisters
13.大地の鼓動
14.Whiskey River Blues
15.Everyday
 (歌詞の変更あり「気がつきゃ四十も半ば」→「気がつきゃ五十を過ぎた」)
16.上を向いて歩こう(途中でハープを換えた)
17.Come Together 〜 それでも Lucy は空に
 〜 アンコール 〜
  マジック・ショウ その1 お札とペン
           その2 煙草とコイン
19.セントトーマスから胎内回帰への旅
20.アコースティックなリズム&ブルース
21.遙かな海へ
22.Whistle Blues
23.きつい廻り道

 6月のライブで活躍した新しいギターは、今回は持ってきたけれども調子が悪いとのことで、おなじみのエピフォンとマーチンでの演奏でした。
 グラスルーツは、雰囲気のいい店ですが、ライブハウスではないために条件はよくありません。サラリーマンが仲間うちで談笑している声がじゃまで、野澤氏も少し気にしているようでした。あろうことか「小椋佳をやれ」などというリクエストがとんだりして。初台ドアーズの手拍子リズム音痴男とともに「今度会ったらただじゃおかないヤツ」のリストに入れておきます。
 今回はソロライブということで普段聴けない曲も数多くありました。その中では、「Get Back」が印象的でした。ビートルズのヒット曲ですが、詩は訳詞やら補作詞というよりも、完全に作詞といったほうがいいかもしれません。またギターは、客席が騒がしいのに負けないためか、力強いストロークの中にさりげなくスーパーテクをはさむという手法で、ワイルドな野澤享司もステキ! と感動した次第です。

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