2002.04.13  高田馬場 GLASS ONION   報告者 K.T.

出演  PIXYS  野澤享司

 都の西北早稲田の隣、忠臣蔵にておなじみの、高田の馬場に日が暮れて、土曜の夜はなにやら怪しい雲行きでございます。その4月13日、野澤享司のライブは、GLASS ONION というビートルズ系のお店で決行されました。当夜は、Epiphoneのほうの配線に接触不良が発生するなどのトラブルがあり、開始時刻は22時を過ぎてしまいましたが、それから1時間半ほどの間、たっぷりとやってくれました。演奏曲目は、以下のとおりです。

1.目覚めと喧噪
2.君の笑顔は
3.Keep on Travelin'
4.悲しみは Blues で
5.私の青空 〜 オーバー・ザ・レインボー
6.Whiskey River Blues
7.君が気がかり(不完全版)
8.上を向いて歩こう
9.ほろ酔い気分で
10.大地の鼓動
11.Come Together 〜 それでも Lucy は空に
12.迷走
13.空中に遊ぶ空想家の夢(笛吹童子のバラード)
14.Fender Bender Locomotion
15.What a Wonderful World

 5曲めの“私の青空”では、「日ィが暮れて、たァどォるは」のところ、「気ィがふれて、たァどォるは」とうたってはったように聞こえました。新境地でしょうか? 7曲めの“君が気がかり(不完全版)”は、客席からのコーラスがついてしまったので、実際のところは不完全な不完全版というややこしいヴァージョンになってしまいました。9曲めの“ほろ酔い気分で”は、“Kyoji-Travelin'”所収の曲です。ライブではあまり聴けない曲だと思います。音盤のほうでは、TOM WAITS の“DRUNK ON THE MOON”を思わせるような jazzy な雰囲気(とりわけ鈴木慶一氏のピアノが渋い)に仕上がっていて、自分としてはえらく気に入っていますが、ギター1本の枯れた演奏も、またしみじみとした味わいがあって、いいものだなと思いました。いずれまた聞きたいものです。13曲めの通称“笛吹童子”は、“白昼夢”所収の曲です。harry氏のリクエストにこたえて演奏されました。これがまた、絶品でした。
 やはりすぐれた作品はいつまでも朽ちることなく、永遠の光彩を放ち続けるものなのだ、と改めて認識させられた一夜でした。

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