■6月25日「次元界めぐりキャンペーン」
<第3回>

(2005.6.26/DM:DM-SKM/執筆:アニマさん)


●キャラクター紹介

【 】内ではマジックのカードにたとえてみました。
カードとしては強めですが、このレギュレーションですから、タイプ1.5みたいなものと思ってください(たとえがマニアックですみません)。

ジルリル
ウィザード5/レッド・ウィザード3、人間
攻撃系呪文担当力術士。センギの主人でククルカンの電池。

【4マナ0/2くらいで、3マナ払ってタップすると好きな対象に3点飛ばせる赤いクリーチャー】

電池言うな!(笑)

センギ・ア・アジストーン
バーバリアン1/ファイター4/グラディエーター1、ハーフ・ミノタウロスのミネラル・ウォリアー。
トーテムポール使いの超重要ダメージディーラー。

【6マナ6/2トランプル、再生付き】

誰もが一度は通る道。駄目クリーチャーの基本。
DMを驚かせるようなことをしてくれるに違いないと期待してる。

ブロシャール
クレリック6/光り輝くペイロアのしもべ2、人間
ヒーラーで光担当、パーティのダメージ管理係。

【3マナ1/2くらいで、1マナとタップで好きなダメージを0に軽減できる】

光ものマニア(笑)

ライオット
ファイター4/レンジャー1/ホライズンウォーカー1/グラディエーター2
ダメージは低いが、小回りの効く前衛。

【3マナ2/3、武士道1、ブロックされない】

モンテの戦士本使いで微妙な立ち位置&能力の持ち主(笑)
敵のDRやレジストを抜く能力に長けるらしいので、結構貴重な存在。
ちなみにあの本の強力さは特技じゃないぞっと・・・。

ククルカン
スペルシーフ3/ソーサラー1、ピクシー。
スポッターと情報収集担当。坑道のカナリアみたいなもの。

【3マナ1/1、タップすると好きなクリーチャーをタップして次ターンアンタップさせない】

ピクシーってのがどうかと思うがDM的に見ていて一番楽しそうなキャラ。
スペルシーフはメタゲームがかなり楽しい。
考え出すと色々と・・・まあ、ここでは書けない(笑)

デリック・ウィンガル
強化人間3/マギスター4
本日お休み。

あーあーあー(意味不明)

[NPC]ピピンとポポン
ピピンはハーフ・フィーンディッシュ(ただし属性は中立)、グレートソード持ち。
ポポンはハーフ・セレスチャルでロングソード持ち。
二人とも翼があり、息の合ったスプリングアタックが特徴の名コンビ。
ちなみにピピンが通称「黒キュア」、ポポンが「白キュア」。


●前回までのあらすじ

トーチ・ポートのエリート冒険者集団である我ら「グレート・エンデュランス」はビホルダー退治を命じられるが、油断からあえなく敗退。しかし不屈の闘志で再挑戦しビホルダーを掃討する。その奥にあった次元をつなぐ階段からイスガルドへおもむき、ハーフリングの二人組ピピンとポポンに出会う。
彼らはコードの遺跡に眠る「ハーフリング用の魔法のグレートソード」を手に入れようとしており、力を貸してほしいと言ってくる。我々は二人とともに遺跡に赴き、苦心惨憺しつつ奥へ進むのであった。


●石像の部屋

一行は次の日の朝、異世界人であるためかなぜか生き返らないデリックを置いて、次の部屋に進んだ。
そこには苦悶の表情を浮かべた冒険者らしき石像が8体並んでいた。
壁の片側から規則的に蒸気が噴出しており、一番奥にはクロックワーク・ゴルゴン(石化ブレスを吐く、機械仕掛けのゴルゴン)がいた。
蒸気を避けようとすると自動的に部屋の片側に固まらざるを得ないため、そこめがけて石化ブレスが2ターン連続で飛び、1を振ってしまった(1以外なら成功だった)センギと、ジルリルとククルカンが石になった。
しかしライオットとピピン&ポポンのコンビがゴルゴンを倒し、安全なところで待っていたブロシャールがブレイク・エンチャントメントの巻物で石になった3人を治そうとする。

しかし、ここでルールブックをよく読んでみると、フレッシュ・トゥ・ストーン以外の、こういったブレスなどの超常能力で石になった場合、ブレイク・エンチャントメントでは元に戻せないということが判明。でないとストーン・トゥ・フレッシュの存在価値がないし。
これにより、一気に石化系モンスターの危険度が上がる。
コカトリスは接触だからまだいいけど、低レベル冒険者がバジリスクなんてうっかり見ちゃったら、相当なお金をはたかなくちゃならないだろう。
ただ、今回はDMもブレイク・エンチャントメントで治せることを前提にシナリオを作っていたので、OKということになった。
とはいえ巻物からの発動なので、1が出たら失敗する。
ブロシャール「(サイコロを手の中で転がしながら)ああ、ダメだ、今宮ノ下さんとかLapinさんの顔がふっとよぎった(笑)」
振ったダイス目は2でぎりぎり成功。喜んだのもつかの間、さらに術者レベルチェックも必要だとわかり、これも1が出ると失敗する。
ジルリルの分だけブロシャールPLさんが振って、ほかの人は自分の分を自分で振って、全員大丈夫だった。

低レベルだと実質死亡扱いでしょうね。
仮にストーン・トゥ・フレッシュがかかっても、ST判定で死亡する可能性があり、リスクが大きすぎる。
地味だけど、重要な変更点ですね。
中〜高レベルでも、ブレイク・エンチャントは用意していても、ストーン・トゥ・フレッシュは・・・と言う場合も多いし。

ジルリル「(センギPLさんが術者レベルチェックが必要なことをDMに指摘したあとで)言わなきゃよかったのに〜」
センギ「いや、でもやっぱりルールだから言っとかないと」
ジルリル「うん、確かに指摘するのは正しい。でもあと2時間後に指摘していたらもっと良かった(笑)」

なお、このとき部屋に置いてある「盗掘者たち」の石像のうち、もしペイロアの聖印を下げた姿があったら一緒に復活させようと思ったのだが、ランダムで決めたらウィー・ジャスボカブの聖印を下げた微妙な人たちしかいなかったので、復活させなかった。
代わりに、オートヒプノシスを持っているククルカンとセンギの二人がかりで、石像たちの人相風体を記憶しておいた。

その後、蒸気が吹き出る仕掛けを止めて中を調べたら400gp相当のルビーが3個入った袋が見つかり、さらにゴルゴンの機械仕掛けパーツを流用できないかと壊れた身体を漁っていたら、心臓に使われていた800gp相当の宝石を発見できた。


●酸の通路

そこから先は10フィート幅の通路が100フィート延びて、右に折れている。
ククルカンが偵察に飛んでいくと、40フィート進んだあたりから天井にずっとライトと中程度の召喚術がかかっていて、その下を飛ぶと自動的に天井に明かりがつく仕組みになっている。
曲がり角から先は5フィート幅の通路が80フィート延びて、その先がホールになっている。
この通路の壁面は長年の酸による腐食を受けていた。

いやだなぁと思いつつも、ほかのみんなを曲がり角の向こうに残し、ククルカンが一人で進んで酸のブレスのおとりになり、その後みんなはすぐに走ってこっちに来て、次のブレスまでのタイムラグの間に敵を倒すという作戦(?)を立てる。
ブロシャールはレジスト・エナジー系を取っていなかったので、「身かわし身かわし」と言いながら特攻したが、実はスペルシーフには身かわしがないのである。

天井の明かりに導かれるように通路を進み、ホールの手前まで行くと……入り口の真上から巨大な蛇の頭がニュッと出てきて、酸のブレスを噴いてきた。
ダメージは驚異の15d6。反応セーヴで半減するが、hpマイナス5になってぽてっと落ちる。死ぬかと思った。
ククルカンの目に最後に映ったのは、そのホールの奥の台座に突き立てられたいわくありげな剣だった。

ちなみにダメージは16d6だ!(笑)
天井の明かりは当然、侵入者を知らせる役割。
んで、ヘビ君自身もブラインドサイト持ち。

●守護者との戦闘

天井に張り付いたその蛇は、超大型のコブラのような外見で、両端に頭があるので2回行動ができる。
まずジルリルが全員にヘイストをかけ、最初に走ってきたライオットが、その蛇を見たとたんDC24の意志セーヴを要求され、失敗して麻痺する。
しかし、凝視攻撃で麻痺するなんて後ろから来るほかのメンバーにはわからないわけで、みんな続々走ってやってくる。
ジルリルはセンギを連れてディメンジョン・ドアで一気にホールの中に入るが、そのとたんセンギが意志セーヴに失敗して麻痺。
ジルリルはぎりぎり凝視の範囲外だった。

剣の守護者であるらしい蛇は「汚らわしい盗掘者め、ここから先へは一歩も通さぬ」と口上を述べて襲いかかってくるが、噛みつきのダメージは低い(ただし毒はある)。
ブロシャールにhpを回復してもらったククルカンが起き上がって、機会攻撃をくらいながら奥へ回ったときも、蛇のダメージを全部DRではじいてしまうほどだった。
しかし蛇は今度はピピンに飲み込み攻撃をくらわし、さらに麻痺しているセンギとその後ろのジルリルに酸のブレスと、たたみかけてくる。

ダメージが1d6+6じゃDR10は抜けないよ・・・。
さらにSサイズしか飲み込めない。
まあ、あんまり変なものをお腹に入れたくは無いけどね(笑)

ブロシャールにリムーヴ・パラリシスをかけてもらったライオットは、蛇を見て戦うとあっという間に麻痺すると思われるので、目をつぶって攻撃を始める。
(目をつぶる→50%ミスチャンス/目をそらす→50%で敵を見てしまう)
いつもなら5回に3〜4回くらいの確率でこのミスチャンスを外させるDMなのだが、今日は調子が悪かったらしく攻撃がよく当たる。
+1アダマンティンの武器なのでDRも抜けて、ちまちまとながら着実にダメージを与えていく。

すると、飲み込まれていたピピンが自力で胃袋を切り裂いて蛇の中から出てきた
何か見慣れないダガーを持っている。蛇の腹の中にあったらしい。
ククルカン「よし! こいつに勝ったら腹をかっさばこう!(笑)」

しかしピピンの目は妙にうつろ。突然そのダガーを天に掲げると、聞いたことのない恐ろしい声で言った。
「やっと時が満ちた」
その声は何人もの声が和しているように聞こえた。
「ちょうど贄(にえ)もいる」
そしてダガーから真っ黒な光があふれ、全員DC36の意志セーヴを要求される。
当然全員失敗。それぞれ、身体のあちこちに鋭い痛みが走る。

巨大蛇は焦ったように、「こうなったら奥の手だ」と言ってホーリィ・ワードを発動。
パーティの中で善属性じゃないのはセンギとジルリルだけで、センギは即死したうえ出身次元界にワープ。
ジルリルも死にはしなかったが麻痺して盲目になって出身次元界にワープ。
ちょうど二人とも出身はフォーゴトン・レルムなので、同じところに飛んだらしい。
また、同時にピピンもダガーを持ったまま消えていた。

しかし、とにかくこの蛇を倒さなければどうにもならないということで、後ろに回ったククルカンと挟撃状態のライオット&ポポンが殴り続ける。
ブロシャールは下手に蛇に近づいて麻痺するとパーティ全滅を招くので、距離を置きつつ台座の剣を調べに行く。

凝視の攻撃は強大化しても長くはならないので、30'しかない。

しかし蛇がぎろりと振り向いたので「ゴメンネ、ゴメンネ」と言いながら逃げ出す(笑)
ククルカンは目をそらして蛇の呪文効果を盗むことに成功するが、かかっていたのはブレスとプロテクション・フロム・イーヴルだけだった……。
意味ねー!

ハーフ・セレスティアルですから(笑)

そしてしばらく後、ついに蛇を倒して、腹の中をあさる。
DM「ピピンのグレートソードが残ってるけど、あとは消化されちゃうから何もないよ。宝石みたいなものは出ちゃうしね」
ククルカン「じゃあ排泄物をあさります」

ランダム宝物表で振った結果、3000gpと、100gpの宝石10個、そしてジャヴェリン・オヴ・ライトニングが出てきた。
台座にささっている剣をポポンが抜いてみると、中型サイズ用の+1キーン・グレートソードだった。
最初のピピン&ポポンの話では小型サイズ用とのことだったので話が食い違う。
さらに、こんなものものしい遺跡に保管してあるわりには安い。どうもダミーらしい。

ホールの奥に隠し扉があって、そこから遺跡の外に出ることができた。
一行は街に帰って買い物やレベル上げなどにとりかかる。
ジルリルはセンギの死体にジェントル・リポウズをかけてプレーンシフトでイスガルドに戻り、生き返って我々と無事合流した。

ボスはイベント用にかなりいじった仕様。
Half-Celestial Heightened Chemdrake Amphisbaena Hypnosnakeです。
もうなにがなんだか(笑)
とにかく、十分なHPで攻撃に耐えつつ、飲み込み>魔剣>ホーリーワードという流れを演出。
しかも、テーマ的にヘビが望ましいと言うことで、よく訳のわからないものになった・・・。
で、今回はDMの思惑通りに事が進みました。ちなみにCR12。

●呪いの調査

怪しいダガーから食らった謎の呪いだが、その後痛んだ箇所にそれぞれ違う色の蛇の刺青のような模様が浮かび上がってきた。
ジルリルは右手首に藍色の蛇が。
センギは右肩に赤色の蛇が。
ブロシャールは左膝にオレンジ色の蛇が。
ライオットは右膝に青色の蛇が。
ククルカンは左頬に緑色の蛇が。
ポポンは右上腕に紫色の蛇が。
(ちなみに位置と色はd8を振ってランダムに決まったのだが、全員かぶらなかったのはすごいと思った)

その刺青はまるで蠢いているかのように生々しく、それぞれセーヴが下がったり最大hpが下がったりといった呪いの効果を受けた。
しかも一度死んだセンギの刺青はほかの人のものより一回り大きく、呪いも1つ多い。
ブロシャールが「シナリオ的に絶対解けないと思うけど……」と言いながらかけたリムーヴ・カースも、案の定効き目なし。

ククルカンが、先日情報をもらいに行ったバードのところへ、この呪いについて何か知らないか聞きに行ってみた。
すると「よく知らないけど、どこかのプレーンの東端にある別文化にはそういう呪いがあったような気がする」と言われた。
詳しく調べたいなら、シギルに行くのがいいらしい。
ついでに、ゴルゴンの部屋で石像になっていた人たちのうち一人が「尋ね人」として手配されていることを教わり、報告して30gpもらった。
バードに情報料として50gp払ってるけどね。

右腕が被ってましたね。
個人的にはもっと面白いところに付いてくれると嬉しかったのだが・・・

●シギルへ

ここからは呪いのカウントが入るため、日数計算が始まる。
呪いを受けてから4日目の朝、ポータル使用料を払い、アウトランズのイスガルド姉妹都市(みたいなもんだろう)であるところのグロリウムに出発。
とはいえ人口300人の小さな村なのでたいして聞き込みもできず、すぐさまポータルでシギルへ飛ぶ。
ここでプレーンスケープ(?)の地図をたくさん見せてもらい、シギルがどんなところかイラストで説明してもらう。
まあ、形はリングワールドで、スターウォーズみたいな異種族混合都市。神格が介入できないので神殿がなく、代わりにいろんな政治結社があるらしい。
あとヒマワリみたいな頭をした人(そのときは「有名NPC」だと言われたが、あとで調べたらシギルの統治者「苦痛の貴婦人」だった)がでかでかとイラストに載っていて、「Gen-Conとかに行ったらこういうコスプレした人がいそうですよねー」と言ったところ、我々がこのコスプレをして街中を歩くことにされそうになった。

そうだったかなぁ。コスプレする!って聞こえたと思ったんだがなぁ(笑)

ピピンとポポンはシギルで冒険者登録をしているので、ピピンの出身次元界がどこかというのはここの「情報センター」で調べるとわかるらしい。
ポポンいわく「あの性格からするとアビスあたりじゃないかな?」とのことだが、検索してみたところ「H」と書こうとしてやめて、さらに「C」と書こうとして消して、「ゲヘナ」と書いてあった。
「H」は奈落界ハデス、「C」は幽閉界カルケリであろう。

それから、呪いのことがわかりそうな高レベルバードを検索して、ハーフリングのペペンというバードを紹介してもらう。
ペペンはまず我々の冒険談を聞かせろと言い、今までの大活躍を一生懸命話して聞かせた。
でもって満足したペペンが話してくれたところによると、次のようなことがわかった。

・それは「ヤマタノオロチの呪い」だろう。
・その呪いは1日ごとに強くなる
・ヤマタノオロチは伝承上の生き物で、こっちではヒュドラとも呼ばれる種類。
・ヤマタノオロチは昔オリエンタルな地方にいた。
・コードのエピックパラディンが、その昔ヤマタノオロチを封印した。
・封印したときに8つの頭がバラバラになって別々の次元界に散らばった

それ以上のことを調べるにはどうするか、いくつかの選択肢が提示された。

1.ボカブの伝承図書館に行って調べる
→普通の人は入れない。入り口は超大型エレメンタル4体が守っており、このレベルじゃちょっとつらいだろう。

2.コード神殿に行ってエピックパラディンの線から聞き込みする
→シギルには神殿がないので、行くならイスガルドに戻らねばならないが、遺跡を荒らしたことを白状するのはかなり厄介なことになりそう。
 あと、シナリオ的に戻るのは正しいルートっぽくない。

3.ヤマタノオロチの故郷である東の地に行く。
→ここはシギルだから行っていけないことはないが、行ったとしても雲をつかむような話になる。

結局、レベルの高いウィザードを探してディサーン・ロケーションでピピンの現在の居場所を探してもらうことになった。
ちょうどピピンが蛇の腹の中に残した剣があったし。
田舎者専用の宿に泊まって次の日の朝(5日目)、ディサーン・ロケーションの結果は「ハデス」と出た。
そうなるとやっぱりハデスに行くしかないか、と思いつつさらにディヴィネーションを試みる。
シギルの中は神格の介入ができないからディヴィネーションもできないんじゃないか、という話もあったが、「できない」とはどこにも書いてないのでできたことにして、「我々はこれからピピンを追ってハデスに行こうと思いますが、どうでしょうか?」と訊ねてみる。すると返事は「情報を集めろ」と出た。

どうなんでしょうね?
もうちょと、プレーンスケープをちゃんと読まないとわかりません。

やっぱり情報集めなきゃねー、とみんなで言いつつ、リアルで部屋が暑すぎ(冷房が止まっていた)、ぼーっとして全然頭が働かない。
いろいろ知恵を絞って、伝承図書館に行ったことのあるボカブの高レベルウィザードを探して、伝承図書館への紹介状を書いてもらうことにした。
ウィザードは呪いの話を聞くと「なるほどそれは興味深いねぇ」と言って、我々が伝承図書館で得た知識を全部話すなら紹介状を書いてくれるということになった(ちなみにこのへんはちゃんと〈交渉〉をしている)。
紹介状といっても、ジルリルの頭にアーケイン・マークをくっつけるだけなんだけど。


●伝承図書館へ

伝承図書館の場所を知っているペペンに道案内を頼もうと彼のところまで戻ると、道中通りすがりの人たちに物珍しそうに(そして哀れむような目で)指をさされる。
どうもペペンが我々の冒険談に背びれ尾ひれをつけて言いふらしているらしい。困ったものだ。
ともあれペペンに同行を頼み、図書館に向かう。
徒歩だと10日かかると言われ(実際はもっと遠いのだがDMの計算違いだったらしい)、それはかかりすぎるということで馬を買う。
ただセンギを乗せられるような馬はちょっと手に入れにくいので、センギだけはシギルに残していくことになる。
すぐにテレポートで迎えに来るつもりだったのだが、この考えが甘かった(っていうか暑くてぼーっとしてたんだってばよぅ)。

9日目、伝承図書館に到着。ジルリルがテレポートでシギルに戻ろうとするが、呪文が働かない。
アウトランズは場所によって高レベルの呪文が働かない土地だということを今さら思い出す。しかし来てしまったものは仕方がない。

ついでに言えばシギルへはテレポートでは入ってこれない。

アーケインマークを見せて中に入ると、そこは果てしなく続く本棚だらけの巨大な建物。
しばらく口をぽかんと開けて眺めてから、「誰かいませんかあぁ」と呼ぶと、「お静かに願います」と言いながら女性の司書が現れた。
我々が「ヤマタノオロチの呪いに関して調べたい」と言うと、司書は中空から本を呼びだし、手を触れずにページをめくってしばらく調べてから、本のありかを教えてくれた。

その本は東方の文字で書かれていて、内容はだいたい次のとおり。
・「ヤマタノオロチ」という名前のカタナがある。
・そのカタナは伝説級の鬼が鍛えた
・それはハデス特産の金属でできている。
・600年ほど前にその剣は行方不明になった。
・その剣を持ち去ったのはピット・フィーンドだ。
・そのカタナは世界を滅ぼすために作られた
・カタナには8体の鬼が封じてある
・その鬼の力は蛇の形で具現化する。
・8体の鬼の名前は以下のとおり。
※カタカナ名は後述の本に出てくるが、便宜上ここでまとめて紹介する。

鬼の名前(ふりがな) 司るもの カタカナ名
爆朱(バクシュ) ブラスト・ヴァーミリオン
酸橙(サンジョウ) ディゾルヴ・ドオレンジ
雷黄(ライオウ) 電気 ライトニング・イエロー
毒翠(タイスイ) ポイズン・ジェイド
蒼岩(ソウゲン) ブルー・アース
藍恐(ランキョウ) 精神 インディゴ・マインド
転紫(テンシ) 空間 ヴァイオレット・シフター
零白(レイハク) 冷気 ホワイト・フロスト

漢字の名前は西尾維新みたいでカッコいい。
カタカナ名は戦隊ものっぽくて、こちらもカッコいい。
特に「ポイズンジェイド」はぜったい色っぽい女性幹部だろう。ライトニングイエローはカレー好き。

次に、そのカタナがこちらの世界に着てから後の歴史について書かれた本を読む。これは共通語で書いてある。
こちらの本によると、「ヤマタノオロチ」の剣はグレートソードで、アンホーリィとヴィシャスのついたインテリジェンス・ソードとなっている。
魔剣ヒュドラと呼ばれており、1つの首につきそれぞれ最低でも3つは特殊能力を持っているという。

くだんのコードのエピック・パラディンが、当時すでにピット・フィーンドの手を離れていた魔剣を封印したが、そのとき8つの破片が8つの次元に散らばった。
魔剣の封印をといて復活させるには、8つの破片を集めるか、呪いを受けた者がみな死ぬ必要がある。
「剣の完全なる復活はオーベリオン(発音的にはオーベイロンかも)を呼び覚ます」とも書いてあった。

また、呪いについてはゲーム的に以下のようなことがわかった。
・呪いの刻印は身体のどこかにつき、日数と条件が満たされると持ち主は死ぬ。
・たとえば爆朱の呪いで死んだものは、死後爆朱のしもべとなって甦るので、魂は助からない。
・呪いはミラクルで解ける。
・呪いはブレイク・エンチャントメントリミテッド・ウィッシュウィッシュをかければ進行を遅らせることができる。
・呪いポイントは1日につき+1
瀕死状態になると+1、死亡状態で+6
・8たまるごとに呪いレベルが1上がる。
・呪いレベルが1たまるごとにd8をふり、目に応じてさまざまな呪いが発動する。
同じ呪いを5回受けると死ぬ
・初期値は2。
・よって現在、センギは17ポイントで呪いレベル2、ほかの全員は11ポイント。

次に、オーベリオンについての本を探す。
見つけた本を開くと、ページから手のひら大の球体がぽんと浮かび上がった。
球体の中には宇宙が見える。
「禁断の知識を手に入れるにはバルスと唱えよ」と書いてある。
(DMが合言葉を決めてなかったのでバルスになった)
「禁断の知識」と聞いたジルリルが即座に「バルス」と唱えると、姿がぱっと消えた。
残された我々は、困りながらもページを開いたまましばらく放置して様子を見る。

気がつくとジルリルはドリームプレーンにいた。
見渡す限り真っ暗な荒野で、何もない。
恐る恐るもう一度「バルス」と唱えると、一瞬で戻ってきた。
怖いのでとりあえずその本は元に戻しておく。

ここで情報収集がちょっと行き詰まる。
これからは毎日ブレイク・エンチャントメントをかければいいとしても、置いてきてしまったセンギだけ呪いポイントがどんどんたまることになるので、一度合流したほうがいいだろうということになり、4日かかってシギルまで戻る。

我々は毎日ブレイク・エンチャントメントでOK……と安心していたが、何度も言うようにここでは高レベルの呪文がかからないわけで…………。

実際に君たちに入館の許可を与えているのはボカブ自身であることを忘れてはならない。
そう言えばボカブのクレリック見捨てていたね(笑)
なんで、拒否しても良かったかも・・・でも、そうすっとシギルの生活にも慣れていないし、手詰まりになるのも困るので良かっただろう。
つーか、お前らすこしはボカブに感謝する姿勢を見せろや!(笑)
これだから、冒険者って奴らは・・・。

●オーベリオン

13日目にシギルに戻り、センギを連れて再び図書館へ出発。
14日目にセンギ以外の全員が16ポイントになって2つ目の呪いが発動した。
さらに17日目に、ブロシャールの蛇の刻印が光り輝き、今後ポイントが2倍たまるようになった。
どうやらこのオレンジの刻印の元となる破片が、ピピンの手に落ちて力が解放されたらしい。

ポイント2倍はさすがにまずいので、ブロシャールはシギルに帰って毎日ブレイク・エンチャントメントをかけながら皆の帰りを待つことにする(シギルの中では高レベル呪文も使える)。
それならセンギも一緒にいたほうが図書館への道もはかどるしポイントもたまらなくてすむということで、ブロシャールとセンギは途中で引き返した。

21日目に再び図書館に到着。ポイントは23までたまった。
8人の鬼の名前で調べれば、伝承などの形で破片の行方について後世に伝えられているのではないかと思ったが、何も情報はない。
コードのエピック・パラディンについての伝承も見つからなかった。
しかたがないので、前回見つけたオーベリオンの本をもう一度開き、ポポンに本を見張っていてもらいつつジルリル・ライオット・ククルカンの3人が「バルス」を唱えて本の中へ。

ぶっちゃけ、ここは普通のレベルの蔵書量ではありません。
図書館は複雑、怪奇で4時限的に入り組んでおり、無限とも思える量の本が保管されています。
その中から、目的の本を調べるのは並大抵の事ではありません。
本当の真実を調べたいなら、相当な努力と忍耐が必要と言っておきましょう。
最初は図書館での迷子チェックを行うはずだったんですが、暑さとかで忘れていた。

やはり真っ暗な荒れ野だが、空を見上げると1つだけ赤く輝く星が見える。ククルカンがちょっと飛び上がってあたりの様子を見ようとすると、一歩ジャンプしただけで一気に空の上まで舞い上がり、地上をはるかに見下ろす宇宙空間にまで到達してしまった。
降りようと思えばまた一歩で簡単に戻ってこられるが、宇宙空間でよそへ移動しようと思ってもできない。
3人で空に飛び上がって、赤い星を見ていると、どうやらこちらへ近づいてきているらしい。ものすごく遠いのでよくわからないが、かなりスピードは速そうだ。恐ろしいが、本当に危なくなったら「バルス」を唱えて逃げればいいので、その場にとどまって赤い彗星(笑)が近づいてくるのを待つ。

彗星が1000マイルの距離に近づいたところでDC75(!)の意志セーヴを要求され、失敗したので恐怖状態になるが、泡を食って逃げ出すほどではなかったのでさらに観察を続ける。
我々のわきをかすめた彗星は眼下の地上に近づいていくが、落下衝突はせず、地上すれすれのところでぴたりと止まる。
すると、星が接している地面から見る見る火の手が上がり、地上全体に広がっていく。
どうやら地上では大混乱とともに人々の同士討ちが始まり、阿鼻叫喚の渦になっているようだ。
ライオットは地上でそれを止めようとして、手近な男をさえぎろうとしたが、彗星の力に干渉したのでまたDC75の意志セーヴを要求される。
一度は20を出して成功するが、次は失敗して恐慌状態になり、バルスを唱えてその場から逃げ出す。

空に残ったジルリルとククルカンは観察を続ける。
彗星は眼下の星を滅ぼしつくすと再び飛び立ち、宇宙の向こうに飛び去っていく。
しかしそのとき、彗星の中から表面に浮き上がり、輪になって儀式をしている怪物たちの姿が認められた。
その中心にいるのはピット・フィーンドだった。

見るべきものはすべて見終わったので図書館に戻ってみると、目の前の本に記述が増えている。
魔剣を持ち去ったピット・フィーンドであり、儀式をしていたピット・フィーンドの名として、
「オーベリオンと結託せし者、偉大なる奈落の王グラディカス」
と記されていた。さらに、
「オーベリオンを呼びさます鍵は、ハデス・カルケリ・リンボ・アビス・ウォーター・ビーストランド・メカヌス・エリュシオンにあり」
とも書き込まれていた。

ここでDMの説明によると、オーベリオンはCR60超の異形で、HD100とかDR40/Epicとからしい。
あれが生き物ってのはすごいなぁ。
私は「クロノ・トリガー」の星を喰うものラヴォスを思い出したが、イメージは「フィフス・エレメント」のラストだそうだ。


●カルケリ調査

これにより、8つの断片のありかがわかった。
ピピンがハデスにいて破片を手に入れたということから、次はカルケリ→リンボと侵攻していくものと思われる。
我々は先回りして破片を手に入れ、ピピンを待ち伏せようということになった。
エリュシオンとかの破片のほうが手に入れやすそうな気もするが、もたもたしてピピンの手に多くの破片が落ちるのは危険なので。

というわけでカルケリ次元界のことを図書館で調べる。
ここでは1時間に1つのコミューン相当で質問の答えが得られるということなので、この場にいる3人で1時間に3つずつ質問をしまくって、破片を探すための情報を集めまくる。以下が質問一覧(順序はこの通りではない部分もある)。

・我々が探す破片はカルケリの1、2、3階層のどこかにあるか?→YES
・1層目にあるか?→NO
・2層目にあるか?→YES
2層目カトリュスのことを文献で3時間くらい調べると、酸に満ちたジャングルと吹きすさぶ草原しかなくて、請願者以外の生き物はほとんどいないが、「罪業の薬屋」なる毒を売るグラブレズゥが住んでいるとわかる。

多数のデビル、デーモン、ユゴロスの軍勢が駐屯していることも忘れてはいけません。

その後、図書館でひたすら所有者についての情報を集める。
でないとカルケリに行って途方に暮れるだけだからね。
しかし、YESかNOで答えられる質問に限って考えるというのはたいへん難しく、リアルの時間も相当消費した。

・破片は現在、誰かの所有物になっているか?→YES
・破片は酸の中にあるか?→NO
・破片はジャングルの中にあるか?→NO
・破片のことを薬屋は知っているか?→NO
・破片を所有しているのはデーモンか?→NO
・破片を所有しているのはデヴィルか?→NO
・破片を所有しているのはピピンか?→NO
・破片を所有しているのは人型生物か?→NO
・破片を所有しているのは来訪者か?→YES
・破片を所有しているのはイーヴルか?→YES
・破片を所有しているのはユーゴロスか?→YES
・そのユーゴロスは定住しているか?→NO
・そのユーゴロスがいるあたりの地図はこの図書館にあるか?→YES

訂正:これはおそらくYesでしょう。
カルケリの地図があってもおかしくはないでしょうね。
ただし、そんな詳細な地図を入手しようとするならば、それなりの対価を払うことになるでしょう。

・破片は武器のような形に見えるか?→NO
・そのユーゴロスは腕2本、足2本の人型か?→NO
・そのユーゴロスには羽があるか?→YES
・そのユーゴロスは大型以上か?→YES
・そのユーゴロスは大型か?→YES
・そのユーゴロスはブレスを吐くか?→NO
・そのユーゴロスはサイオニックを使うか?→NO
・そのユーゴロスの足は2本か?→YES
・そのユーゴロスの腕は4本以上か?→YES
・そのユーゴロスの腕は5本以上か?→YES
・そのユーゴロスの腕は6本か?→YES
・そのユーゴロスは武器を使って戦うか?→YES
・そのユーゴロスに角は生えているか?→YES
・そのユーゴロスに尻尾はあるか?→YES
・そのユーゴロスは昆虫に似ているか?→NO
・そのユーゴロスは毛皮に覆われているか?→NO
・そのユーゴロスは鱗があるか?→NO
・そのユーゴロスは透明のものを知覚できるか?→YES
・そのユーゴロスの首は1つか?→YES
・そのユーゴロスは毒を持っているか?→NO
・そのユーゴロスの目は複眼か?→NO
・そのユーゴロスは男に見えるか?→YES
・そのユーゴロスは鎧を着ているか?→YES
・そのユーゴロスはダメージ軽減があるか?→YES
・そのユーゴロスは呪文抵抗があるか?→YES
・そのユーゴロスは色が黒いか?→NO
・そのユーゴロスは色が青いか?→NO
・そのユーゴロスは色が赤いか?→NO

ここで図書館に入ってから24時間を使い切った。
結果、破片を持っているのはユーゴロスで、大型で首1つ腕6本足2本、角と羽があって武器を持って鎧を着ていて色は黒でも青でも赤でもないことがわかった。
しかし、これにあてはまるような生き物をジルリルは次元界知識で思い出すことができなかった。
 本当にこれだけの情報で探し当てられるのか?
 また、一度入ったら帰ってこられないというカルケリに我々がのこのこ行って大丈夫なのか?
 以後毎日ブロシャールの5レベルスロットをブレイク・エンチャントメントが埋めてしまって問題ないのか?
いろいろな不安要素を抱えて、我々は呪いを解くため、カルケリを目指すのであった……。
(つづく)

お疲れ様でした。本当に暑かったですね・・・まじで計算とかできない状況でした。
次回からはいよいよ、急展開な話になります。
とりあえずは、カルケリでデビル軍勢と戦争でもしてもらおう♪