Demons and Devilsキャンペーン
本編
〜The Sorcerer's Citadel その1〜

(8レベル/2004.7.25/DM:DM-SKMさん/レポート:アニマ)


パーティメンバー

ゆうしゃクリス:ふじーさん

本名クリスチャン・リーセ。今回より臆病者の仮面をかなぐり捨て、勇敢なる実験台としてセービングスローを繰り返すパラディン/テンプラー/クレリック。

せんしギルバート:きぷろすさん

スパイクト・チェイン使いのアアシマール。地味に強く、堅実に敵を倒す基本に忠実なファイターであるため、必然的にあまり目立たない。

まほうつかいウェルド:あずまさん

みんなの知らない呪文書をいろいろめくってはSRを無視できる呪文ばかりを探している怪しいウィザード。使い魔はラット。

そうりょレイン:アルグさん

D&D経験は浅いがみんなの回復役と資産管理を一手に担って頑張るクレリック。ディテクト・シークレット・ドアーズディヴィネーションなどの領域呪文がけっこう役に立っている。

とうぞくセキショク:すみさん

パーティでもっとも低レベルながら、クリスやイーグルアイとともに勇敢にもあちこち調べて調べてまた調べ続ける係。D&Dらしい慎重派で、安くて役に立つアイテムをいろいろ持っている。

とうぞくイーグルアイ:taxさん

ドラクエには彼を的確に表す職業用語がない(笑) 雰囲気的には「あかまどうし」? ヘイスト&罠解除係のウィザード/ローグ。使い魔はウィーゼル。前回転生の際に性転換して女になっていたが誰も気づかず。

ゆみつかい源治郎:宮ノ下さん

本名は景久源治郎だがみんなに「源ちゃん」と呼ばれる。弓に特化したファイター/パラディンで、《盤外戦闘》の特技を持つ。ご先祖様の遺した1と20しか出ないサイコロを持っている。

けものつかいジョン:アニマ

動物だけを前に出し、自分は後ろで傷を治したり呪文を唱えたりしているドルイド。大型の動物にも変身できるようになったので使い道いろいろ。

ちゃいろぐまアラン三世

パーティ随一のダメージヒッターの座を源治郎と争っているウォーテンプレートのブラウン・ベア。前に立つと襲われちゃうかもよ?

>やっぱ一番強いのはクマ君だ(笑)

おおたかケイ二世

偵察と飛ぶ敵の相手をする係のダイア・ホーク。太陽が出ていれば視認は無敵だけど、敵と殴り合うにはときどき力不足を感じる今日この頃。

>以外にタフでhpが50超えているところが味噌で、盾になる。


●冒険前の入念な準備

ボーナスでもらったパーティ資金を集めて買い物。

レインがディヴィネーションで「これから一週間の間で”敵対する”もっとも強い敵は何ですか?」と訊ねたら「ツァトゥグア」という答えが返ってきました。ウェルドの次元界知識によると、どこか遠い次元のフロッグ・デーモン・ゴッドらしいです。そしてウェルドは「クトゥルフ知識」のスキルを1得てしまったのでSAN値の上限が1減ってしまいました(注:ツァトゥグアはクトゥルフ神話の神ですが、D&Dのサプリにも出てくるそうです。ちなみにd20クトゥルフのツァトゥグアは現実を好きなように改変したり見るだけでいくらでも人を殺せたりします。無理無理)。

テレポートのスクロールは買ったけどプレイン・シフトは買ってないことを確認したマスターは、シナリオを開始するとおもむろに「では皆さんはポータルを抜けてプレイン・シフトしました」と言ったのでした。

>ツァトゥグアはSword& Sorceryのスカード・ランド(正確にはNecromancer Gamesの世界)におけるデーモンゴットで通称フロッグ・デーモン・ゴッドです。設定に関してはNecromancer GamesのHPからDLでき、オーカスと並ぶ実力者(らしい)。ただ、その外見や特徴からクトゥルフのツァトゥグアが元ネタであることは間違いないです。余談だが彼の落とし子(?)のカエル・ヒューマノイド種族と戦うと言うシナリオ(Tomb of Abysthorだったと思う)も発売されていてより詳しい記載があります。

●荒野の国

着いた先はスカード・ランドという荒野の国でした。遠くに霧と村が見えたのでそちらへとぼとぼ進んでいくと、はるかな前方からゆっくりと近づいてくるガセアス・フォームの霧が。

移動速度が遅いことがわかったので一行は戦わずに迂回、無事廃墟の村にたどりつきました。結局あれはなんだったんでしょう?

>一応出展はMonster Compendium: Monsters of Faerun (MC:MoF)です。気になる方はお調べください。ちなみに本来はスカード・ランド用のエンカウンター表を用意するはずだったんですが、忘れてしまったので、FRのスクリーン付属のものを使用しています。

●廃墟の村

すでに日も落ちてきていたので、一夜の宿を求めて一番大きな建物に入ると、そこには中型の毒蛇に噛まれて死んだ旅人の古い死体が。クリスが身元確認のためと言い張って背負い袋をむしり取ったり、「不可抗力だ」と言い訳しつつ指ごと指輪をちぎり取ったりして持ち物を漁ってみると、彼は我々の目的地であるらしい(「らしい」というのは、実は我々は勇者の印から発せられる信号に従って進んでいるだけで、具体的にどこで何をせねばならないかを知らないからです)「タワー・オヴ・クレーン・ザ・ソーサラー」という塔への地図と羊皮紙を持っていました。

羊皮紙には謎の言語で、クレーンというソーサラーがその塔を作り、ほかの次元界について研究をしていたこと、彼は知識を得るためなら悪魔とも平気で取引をする狂人で、研究の過程でスフィアー・オヴ・アニヒレーションというミニ・ブラックホールのようなものを手に入れたこと、その過程で強大なツァトゥグア教団に目をつけられて殺されたことなどが書いてありました。また、そのスフィアーをねらっている連中が我々の世界をも滅ぼそうとしていることもわかりました。

>ちなみに「殺された」とは書いていませんでした。まあ、「生きてる」とも書いていませんが(笑)

●光る風船

交代で見張りを立て、その廃墟で寝ていると、色とりどりに光るウィスプに似たモンスター、ニスが3匹現れて遠くからマジック・ミサイルを撃ってきました。こちらの撃ったマジック・ミサイルは跳ね返ってしまうため、魔法使いは手の出しようがありません。すぐ透明になって見えなくなってしまうので厄介でしたが、見えたときをねらって集中攻撃し、倒しました。あとには空気の抜けた風船のような皮だけが残りました。

>これもMC:MoFから”Nyth”。ちょっとルールミスしていて、透明化の能力はMMを撃っても次ラウンドには自動的に透明化するようなことが書いてありました。いちいちスタンダードアクション使ってしまった・・・。どうでも良いけどウィスプもこいつもAberration(異形)なんですね。なんというか、生物?っ手感じが・・・まあ、異形ですが。

●ランダムエンカウントの恐怖

ここでセキショクのレベルが上がったため、彼は一日山にこもって修行。一同はあたりを調べて「窓に窓に」で終わっている日記でも探してみようかと腰を上げますが、その時はるかな上空をヤング・アダルト・レッド・ドラゴリッチが悠々と飛び去っていきました。怖気をふるった一同はすぐさま建物にこもって息を潜めます。さらに超大型で12本も首があるヒュドラがのそのそやってきて、ギルバートが一瞬見つかりそうになりますが、ギリギリでやり過ごすことができました。

この荒野はこんなんばっかりかよ、と思う一同のもとへ、今度は夜中にレイスが6体壁をすり抜けて襲いかかってきました。クリスとレインがそれぞれターン・アンデッドで1を振るなど危ない場面もありましたが、しょせん強大化されてないレイスなど我々の敵ではありません。ウェルドが耐久力を6点吸われたのみで倒すことができました。

>ああ全くだ。普通のモンスターなんて余裕、つーか経験値だね。もう、これからは普通はやめるから(邪悪)。ちなみに荒野の遭遇表は5-15ELなのですよ。これは遭遇表としては1、2位の危険度を誇ります。ちなみにドラゴンが出る確率もかなり高いです。ドラゴリッチはテンプレートをその場で適用するのが面倒だったのが本当のところ、ブレスだけ吹いて飛び去ればよかったと後悔・・・。まあ、建物の中に隠れてると、フルカバー状態なので普通は見つかりませんけどね。

●塔への行軍

マスターは脅威度10以下のランダムエンカウントは経験値を渡すだけだから無し、と宣言。

>人聞きが悪いなぁ。大切な時間をランダムエンカウンターで浪費しない様にと言うDMの親切心なのに(笑)

今日はここに来て3日目。サイコロを振ったらワイトが出ましたが、我々を見て逃げていきました。

4日目。ウルフ……そんなものはいません。夜にはグール……もいません。

5日目。だからグールはいないんだって。

6日目も7日目も8日目も同様に何もいません。

9日目、マスターが嬉しそうに「ドラゴンきたー!」と言いますが……「君たちの頭上をゴールドドラゴンが通り過ぎて行った」。一同は喝采してドラゴンに手を振ります。

10日目。

マスター「トロールか……」

ウェルド「焼くよーひゃっほう(嬉しそう)」

マスター「問題は数だよ、数……(コロコロ)1匹。じゃあそんなものはいなかった」

11日目。オークパトロール……いません。

12日目。スペクター1体……帰りました。

13日目。巨人4体。これは遠目で発見するなりこちらが逃げ出しました。

夜にはまたドラゴンが……出ましたが、カッパードラゴンでマスターが残念がっていました。


●塔の入り口での長い煩悶

オブスキュアリング・ミストの弱体化版のような白い霧(この中には生物が入ってこない)を抜けると、先が三又になった黒い塔が見えてきました。高さ160フィートくらい、直径60フィートくらい。塔まで200フィートのところに雑木林に囲まれた窪地があり、そこから塔の地下に入れそうです。

地下通路への入り口は高さと幅が10フィートの円形をしていて、アーチの上に「Welcome」と書いてあります(ほんとか?)。 

>嘘です(笑)さすがにそこまでは書いていない。

通路は黒い、インファーナル・ストーンというやばい石でできています。下へ向かうまっすぐなスロープです。壁面はつるつるで、どうも人の手で掘ったというより、スフィア・オヴ・アニヒレーションをごろごろ転がして作ったような感じに見えます。

入り口に一歩踏み込んだとたん、耐久力が減る毒が突然一行を襲います。あわてて治療しますが、毒ガスが中に充満しているというよりも、魔法的な力が通路に働いている感じです。

>ここで”一歩”と言わなければかなりの被害になっていましたね。

いろいろ考えた末、サモン・モンスターでセレスチャル・ドッグを召喚して陽光棒をくわえさせ、通路の中へマーチ・オヴ・スーサイドを敢行させます(ひどいや!byジョン)。

ドッグは3ラウンド、120フィートまでふらふら歩いていなくなりました。明かりは150フィートまで届いており、明かりギリギリのところに何かごみクズが落ちているのが見えます。

>犬が死んで消えたのか、1ラウンドたったから消えたのか良くわかりませんでした(笑)

ウェルドとレインがそれぞれディスペル・マジックをかけますが、達成値が低すぎて効いていないのか、それとも効いているけどたくさん重ねがけされていて消しきれないのか、わかりません。

ディテクト・マジックと呪文学を使っても呪文の種類がわからなくて困り果てる一同。

とりあえず怖いので一度入り口を離れ、塔のふもとまで行ってぐるっと隠し扉がないか調べます。頑丈なインファーナル・ストーンには融石酸も効かず、ディテクト・シークレット・ドアーズで探しても何もありません。

ここで一行は村で手に入れた謎の羊皮紙を取り出し、実は暗号なのではないかと解読を始めます。イーグルアイが縦読みしてみたところ、「塔に入ろうとする愚か者は狂気のガーディアンによって撃退されるであろう」と読み取れました。とはいえ、これだけではさっぱり意味がわかりません。

>後に出てくるフレッシュ・ゴーレムのこと。まあ、実際にシナリオにはこんなことまで書いてないですけどね。DMのブラフみたいなものです。

やはりあの入り口を通らなければ中には入れないようなので、また戻って、今度はクリスが息を止めて中に一歩踏み出してみましたが、やっぱりダメでした。しかたなくディヴィネーション「この通路を、テレポートとか以外に毒を食らわず通る方法は何ですか?」と訊こうとしたところ、うっかりレインが「通る方法はありますか?」と訊いてしまったため、神様の答えは「ある」

今度は源治郎がライトをかけた矢をできるだけ遠くに撃ちこんでみることにしました。ところがその矢は150フィートの地点で何か見えないものにぶつかったように落ちました。ちょうどその下にはごみクズがたまっている地点です。

もしやウォール・オヴ・フォース? だとすると突破するのはかなり困難と思われます。

●「錬金術師の火」事件

ともあれ、この毒をどうにかしないことには見えない壁のところへすら進めません。もしかして特殊なガスが下のほうにたまっているのではないか、と錬金術師の火を投げ込むことにしました。

10×10の穴に50フィートの距離から投げこむのです。遠隔攻撃のプロである源治郎にとってみれば、まるでキーパーもブロッカーもいないPKくらい楽勝です。マスターも「1が出ない限り大丈夫だよ」と言います。

しかし出た目は1!

全員爆笑&「やっぱ(おいしいところは)はずさねーよ!」とマスターの大絶賛。錬金術師の火はアーチの上の「Welcome」の「c」の字のところでくすぶっています。

気を取り直してもう一つおかわりをレインからもらって、投げます。

しかし1と20しか出ないサイコロは伊達ではありません。

またも1!

さっきと寸分たがわぬ位置に命中です!

ある意味名人芸です!

源治郎「ご先祖様……そんなに私が弓以外のものを使うのがお嫌いですか?」

もうおかわりの錬金術師の火は出てきません。もったいないから(笑)。

そのかわり油を通路にたらし、源治郎が外から火をつけて引火させることにしました。

マスター「だったら火矢のほうが……」

セキショク「いいえ、罰ゲームですから」

そんなこんなでびくびくしながら火をつけましたが、特に反応しませんでした。

>しっかし、本当に期待を裏切りませんね。2回も出す、サービス精神に感服です(笑)
本当は厳密にルールに従うなら、グレネード武器なので”中に入らない”事はないのですけどね(着弾地点がずれるだけです)。でもまあ、ここでは彼の偉業に笑っておきましょう(笑)

●トンネル作戦

することがなくなった一同は上に登り、160フィートまっすぐ進んだ真上の土を掘り返すことにしました。計算上では、見えない壁の向こうの通路の天井に出るはずです。ジョンが穴掘り能力を持っているウルヴァリンにワイルド・シェイプし、かき出す土をほかの力仕事担当が盾で掘り出してトンネルを作りました。通路の天井と思われる黒い石までたどりついて、ウルヴァリンが聞き耳しようと石に耳をくっつけると、例の毒が! ジョンは慌ててウルヴァリンの姿のまま地上に駆け戻ってのたうちまわるのでした。

>このウルヴァリンが治療欲しさにのたうちまわっている姿を想像すると結構かわいいかも。つい和んでしまった(笑)

しかし怪我の功名、もしかしてこの石に触れると毒に冒されるのではないかという推理がなりたちます。そこでクリスが恐る恐る飛んで壁に触れずに中に入ってみると……確かになんともありません。フライをかけたウェルドとともに中に入り、透明な壁のところまで行って調べてみたところ、どうもウォール・オヴ・アイアンインヴィジビリティがかかっているようです。えげつないですが、鉄なら叩けばいつかは壊せなくもありません。

そんなことをしていると、窪地を離れて調査をしていたセキショクとイーグルアイが、近づいてくるフレッシュ・ゴーレム3体を発見します。クリスとウェルドがすぐには参戦できなかったとはいえ無事倒し、腹の中からアミュレットを3つ掘り出しました。

>実はこのアミュレットは入り口のクラウドキルの罠を発動させないためのもの。もっとも、すぐさまHHHに放り込まれて、装備はおろか、調べもしませんでしたが・・・。

さて、気を取り直してクリスが透明な壁をウォーハンマーで殴ってみると……どこからともなくクラウドキルが吹き出てウェルドの使い魔が死にかけます。収まるのを待って、罠解除のため今度はシー・インヴィジビリティをかけたイーグルアイがクリスに抱えられて中へ入ってみると……そこには衝撃の事実が!!

●ついに扉の中へ

なんとウォール・オヴ・アイアンには扉がついていたのです。脱力する一同。

クリス「デーモンズ・アンド・デヴィルズってシナリオタイトル、もしかして敵がそういう奴だと思わせといて実はマスターが悪魔だったってオチ?」

マスター「僕が作ったシナリオじゃないもん」

>重要です(笑)

あまりの精神的ショックのため、イーグルアイは罠捜索すら忘れてノックで扉を開けてしまいます(扉には鍵穴がなかった)。再び吹き出るクラウドキル

収まるまで18分待ってまた入ると、ノックの有効時間が切れてまた扉は閉まっていました。イーグルアイが罠を外そうと試みますが失敗、また戻って18分待ち。三度目の挑戦もあえなく失敗し、ついにシー・インヴィジビリティの有効時間が切れてしまいました。というわけで今日はおしまい。

霧の中で寝たら何も襲ってこなくてゆっくり眠れました。

次の日、ついに罠を外して扉を開け、クマにフライをかけてインヴィジビリティ・パージをかけたレインとジョンがそれにしがみつきながらクリスとともに全員をピストン輸送。扉の先にはもう少し通路が伸びていて、結局200フィート進んだ先に部屋がありました。

入り口の前に降り立ってから通路を抜けるまで、実時間でつごう3時間半。

マスター「皆さんは、よ・う・や・くダンジョンの中に入りました!」

全員「ばんざーい!! さ、帰るか(笑)」


●塔内部

通路の先の部屋の中は直径40フィートほどの円形で、中央に延びた螺旋階段が天井のはねあげ戸につながっています。

神の声に「早く行け!!」とせっつかれながら、慎重に階段や扉を調べつつ一行は上へ。

>「価値のあるものは無い」と書いてありますから。

2階は居間風の部屋で高級そうな家具が備え付けてあり、暖炉に自動で火が入ります。さすがに家具を持っては行けないので、特に何もせずさらに螺旋階段を登って上へ。

3階はアルケミスト・ワークショップ。つまりは魔法使いの研究室ということで、目を輝かせるウェルド。セキショクが隠し戸棚を見つけますが、戸棚を開けたとたん棚全体が酸に変わって、そこらじゅうびしゃびしゃのひどいありさまになってしまいました。中からは小箱が転がり出て酸の海の中にぼちゃん。そこで酸に多少抵抗のあるギルバートが、ずかずか入っていって箱を拾い上げようとしたのですが……思ったより大ダメージを食らい、「何事も力任せは慎むべき」という教訓を得たのでした。ともあれ小箱を手に入れ、慎重に開けてみると……今度は部屋中に吹き出るクラウドキル。全員慌てて階下に降り、はねあげ戸を閉めてしばし休憩します。

20分後、今度こそ箱を開けに行く一同。

「これで何も入ってなかったらどうしよう」という不安の声に、

マスター「それはないよ、向こうのシナリオだから」

ウェルド「じゃあ誰のシナリオなら、罠のかかった箱に宝が入ってないということがあるんでしょうか?(笑)」

中に入っていたのは宝石の山と黒くて怪しげなタリスマンでした。ルビーの目をした銀のドラゴンの尻尾が巻きついているという豪華な装飾で、とても値打ちがありそうです。例のスフィアーを操れるタリスマン・オヴ・ザ・スフィアーじゃないの? とプレイヤーは先読みしますが、キャラクターは誰も正体がわかりません。

セキショクがタリスマンを首にかけてみようと触れただけでなんと5d6ダメージを受けます。驚いたセキショクはそのままタリスマンをレインに放り投げ、レインがキュアのワンドでそれを打ち返すというひとコマもありましたが(ほんとか?)、結局元通り箱に入れてレインのHHH(ヒューワーズ・ハンディ・ハヴァサック)の中へしっかりしまいこみました。

さらにその部屋の中を漁りまわると、謎の液体の入った試験管3本のほか、クリスがまったく傷んでいないソーセージを見つけます。ためらわず食べてしまうクリス。すると、なんとそのソーセージは……すごくおいしかったのです!「すごくうまいよ」とセキショクにも分けてあげるんですが……食べるか、普通?


>別にソーセージ(サラミ)である必要性は全くなかったのですが・・・口から出てきた(笑)。実はここには・・・内緒(笑)

●捕らわれのお姫様

4階へ登ろうとした時、階上から猫のように静かな足音が聞こえました。一同はしっかり戦闘準備を整え、クリスがはねあげ戸を開けるのにタイミングを合わせて、クマを先頭に押し立てて突入します!

しかしいざ入ってみると、4階はとても高貴な女性の部屋のようで、立派な調度品が並び、不思議な香りが立ち込め、スターウォーズのレイア姫に似た(シナリオにそう書いてあるらしい)見た目25歳くらいの美女が怯えた目でこちらを見ているのです……っていうか、血に飢えたクマが飛び込んできたら誰でも怯えると思いますが。

クリスは驚いて態度を改め、下の一同に止まるよう指示してから丁重に挨拶します。するとレイア姫は「ついにあの毒の通路を抜けて、捕らわれの私をこの塔から助け出してくれるのね」と胸の前で手を組み合わせてうるうる。

怪しむ一行ですが、ディテクト・イーヴルには特に反応しません。とりあえず、警戒して下に隠れているセキショク以外のメンバーは4階に上がります。彼女は昔クレーンに捕まってから、この時の流れない部屋にずっと捕らわれており、フレッシュ・ゴーレムを恐れて外に出たこともないと言います。

Think "Princess Leia," not "Mata Hari."と書いてありまする。
 某プレイヤーによると”25歳”と言う辺りが、海外らしいのだそうだ(笑)

●見えない生き物

そんな話を聞いているうちに、部屋の中にぼんやりとティンダロスの猟犬のような、非実体の動物の姿が3つ浮かび上がってきました(と言っても、角から出てきたわけではありません。実際にはヘルキャットでした)。しかし不思議なことにその姿が見える人と見えない人がいます。しかも見える人は恐怖にかられて筋力や敏捷力、意志セーヴが下がってしまいます(しかし、3階で例のとてもおいしいソーセージを食べていた人はなんとこの恐怖を受けないのです!)。どうも判断力の低い人のほうが見える確率が高いようで、お姫様も「どうしたのですか、皆さん?」ときょとんとしています。

その犬に源治郎が弓を放つと、なんと犬はむくむく巨大化し、より獰猛になって襲ってきました。見えている人は必死に戦っているのですが、見えない人にとってみれば虚空に向かって武器を振り回し(源治郎の矢は床に落ちていますが、源治郎にはちゃんと刺さっているように見えています)、何もされてないのに「ぎゃあ、やられた」とうめいてのたうち回っているようにしか見えません。

見えてないクリス「みんな狂っちまった!」

ギルバートは怪しい洋服ダンスを攻撃して壊しますが、中にあるのはフリフリの衣装ばかり。ジョンも「みんながおかしくなったのはきっとこれのせいに違いない」と、書見台の上にある本に切りつけますが、イーグルアイが読んでみたところその本はただの「王子様に助けてもらう方法」を書いた恋愛ノウハウ本だったようです。

そんな大混乱の中、お姫様はベッドのカーテンの陰に隠れてしまいます。源治郎が追いかけますが、カーテンをめくってもどこにも姿がありません。

ジョン「ベッドの下を覗いたり敷布をめくったりしますか?『みーつけた! あははっ♪』って」

源治郎「(笑)……そういうの嫌いじゃない」

●さらばエリニュス

すると、今度は誰にもはっきりと見える敵が現れました。どこからともなく召喚されてきたバルバズゥが4体です。ここに至ってセキショクも参戦し(ただし鼻をつまんでいるので弓ではなくレイピアで近接戦)、全員で大乱戦の末掃討しました。

マスター「普通のデビルなんて弱すぎ!」

部屋をよく調べてみると、カーテン裏の鏡に「お前らなんかとやり合ってられるか! byエリニュス」と真っ赤なルージュで書き置きが残されていました。持っていた宝物や属性を隠す指輪ごと、さっさと帰っていってしまったようです。

幻覚のモンスターが現れた原因は机の上のブルー・ロータスで、これの匂いを長時間嗅いでいるとまずいようなので、焼き払いました。あと洋服ダンスの中からはマニア垂涎のエリニュス専用メイド服やゴスロリ服、さらにビキニが出てきて、レインが大事そうにHHHに詰めていました。

>デビル弱いくせにCR高くて悲しい。ちなみにエリニュス(本名メリッサ)は塔に縛り付けられているので、この塔からは出られませんよ・・・(ニヤリ)。本当は幻覚を見ているPCにチャームを使って、テレパシーで・・・などと戦術が書いてありますが”無理”(笑)

部屋を埋め尽くすようにPCの数がいるのにどうしろと・・・。姿を見せた瞬間に殺されるってば。

●さらに高く、さらに奥へ

この先へ続く道が見当たらないので、またもレインがディテクト・シークレット・ドアーズで探してみると、書見台の後ろに隠し通路があり、梯子が上へ延びていました。

セキショクとクリスが梯子を登ると、突き当たりにまた隠し扉がありますが、それを開けようとしたとたん、下の扉がばたんと閉まり、上から空気が抜け始めました。このままでは真空になって窒息死してしまいます。

下では鍵開けやノックを試みますが、扉を空気圧に逆らってこじ開けるための筋力チェックにギルバートが失敗。セキショクが窒息寸前ながらも融石酸を扉にかけて穴を開け、なんとか脱出することができました。あってよかった融石酸。

クリス「融石酸って実際にあったらすごい便利だよね、道路工事とか」

5階に登ってみると、そこは天井がすぼまった四角錘型の部屋で、真ん中にポータルがゆらゆらと揺れています。塔のてっぺんの三本のうち一本かな、とも思ったのですが部屋の広さが下と同じくらいなので、もしかするとあと二本は飾りかもしれません。

ここから次のダンジョンへ向かうわけですが、ちょうどギルバートのレベルが上がったので、せっかくだからここで休養して準備を整えておくのがよかろうということになり、かねての計画通り8レベル術者のロープ・トリックのスクロール2つを使って休むことにしました。これならどんな危険なダンジョンでも8時間ぐっすり休めるのです!

しかし、そこへ誰も予想だにしなかった事態が!!

マスター「(厳かに)もちろん、ロープ・トリックに入る前に全員HHHは外したよね? まさか持って入ってたりしないよね?」

全員「……え?」「あ」「しまった」「何だっけそれ?」「完全に忘れてた」「そんなの知らないんですけど」「うわーーーー」

ロープ・トリックの中にHHHを持って入ると次元に歪みが生じてアストラル空間に放り出されるということを、プレイヤー8人全員忘れてました。

ヒ、ヒジキィー

(↑特に意味はない)

>異次元空間(extradimensional spaces)に他の異次元空間を入れると引き起こされる現象ですね。

DMGに明記されていませんがHHHもバッグofホールディング同様にポータブルホールとして扱われます(FAQに記載があります)。

そもそも、重量を軽くする効果を重ねることができるとなると、おそらくルール的に色々危険です。

なんとなくロープ・トリックを使うと言い出した時点で、危険な感じはしていたのですが・・・。


●そしてアストラル界へ……?

さて、我々の運命はいったいどうなってしまうのでしょうか?

レインのHHHにはタリスマンをはじめヤバイ物や値打ち物がぎっしり詰まっていたし、イーグルアイはある意味命より大事な呪文書を入れていたし、ジョンとセキショクもそれぞれ多大な損失をこうむるのはともかく、アストラル界から自力で帰る手段が我々にはないのです……。

とっても親切なギスヤンキの奴隷船に拾ってもらえたり、アストラル・ジャガーノートをさくっと倒してレインがレベルアップしてプレイン・シフトを唱えられるようになったり、もともと入る予定だったポータルの出口がたまたますぐ近くにあったり……しないかなあ。しないだろうなあ。

(つづく)

>お疲れ様でした。やはり入り口で苦戦しましたか・・・まだ、シナリオ半分来てないよ(笑)。でもまあ、あのトラップで一人も死ななかったのだから良く切り抜けましたね(幸運?)。今回はパーティの連携もまずまずでしたし、戦闘力もかなり上がっている感じでした(敵が弱いだけ?)。次回はアストラルプレーンで頑張ってください。