ショートキャンペーン最終回!
「愚者の黄金!!」
(6レベル/2004.2.29/DM:DM-SKMさん/レポート:ダメえもん)


<<プロローグ>>

 五色に光りしエルフが瞳は 龍の御座にて眠りにつかん
 瞳を暴きし気高き愚者は 常夜の闇へと堕ちてしゆかん

エルフの古歌より(詠み人知らず)


 「助けてギルダール!」
 エルフの少女、ミルミルの声が洞窟に響く。
ギルダールは目をつぶり、モールを振り上げてハーフドロウに向けて振り下ろした。

 敵の一撃! 地響きを立てて、アメジストドラゴンのロウタが倒れる。
その音を引き金にダミニは悪魔の元へと迫った。
「・・・なんとしても、一撃を・・・」
 手と同化したランスは、空を走り。
 ランスは、悪魔の足を貫く。

 その瞬間・・・闇が晴れ、さらなる惨劇が幕を開けた・・・。
 

 前回の戦いでジェリーを失った一行。彼らはジェリーを村の教会へと預けると、再びロブノの町へと戻った。青いスワン亭にたどり着くと、ジョンは再びリックを自然に還すために旅立っていった。一行はその後、傭兵として酒場に登録されていた”3つの眼を持つ男”グレイヴを雇う。金には汚いが、仕事はきちんとするのが主義、だそうだ。
 仲間を雇った一行は、最後のドラゴンと出会うために砂漠の町「ロレンス」へと向かう。ドラゴンに会えば、すべてが終わる・・・誰もが、そう考えていた・・・。


<<キャラクター紹介>>

アンドリュー・ファリス(人間のクレリック6レベル HP38、AC16):フジイさん
<パーティの守り神様。今回、実は最後にとっても重要な役回りが・・・>
 アンドリュー「よーし、ビーヒア(Behir)にランダムアクション!!」
 全員「ランダムアクション、キターーーーー(笑)」
 アンドリュー「てぃっ・・・よし出た! 『身を守る』!」
 DM「うーん・・・じゃあ、ビーヒアはダミニを離したね。」
 アンドリュー「やった・・・初めて成功した・・・奇跡だ(笑)」

ソンディ(人間のウィザード6レベル HP23、AC12):あずまさん
<チワワ使いの召還士。今回のチワワは一味違うぜ!>
 ソンディ「フィーンディッシュ・チワワ召還!!」
 DM「またか(笑)」
 ソンディ「そのままビーヒアに爪・爪・噛むで攻撃! 2回ヒットで合計5点のダメージぃ!」
 DM「・・・それで死んだ(笑)」
 ソンディ「チワワ、強し」

ガース(人間のウィザード6レベル HP26、AC12):Hrakkyさん
<パーティの知恵袋。その知識と呪文の能力が6レベルになって更にアップ。だから敵に真っ先に狙われてしまうというかわいそうな人。>
 DM「中央の物体を調べるなら、サイオニック(超能力)ではなくアルケイン(神秘学)の知識を試してくれ」
 ガース「はい、22です。」
 DM「さすが。それならわかるけど、触ると危険な呪文をいろいろ発するね。」
 ガース「なるほどね。だってさ、ダミニ。」
 ダミニ「え、とか言いながら物体に手を伸ばします。」
 全員「こらこらこら(笑)」

ギルダール・ヴェールメント(人間のクレリック4/パラディン2 HP42、AC19):宮ノ下さん
<ミルミルの未来の夫。皆から「いつ堕ちるか」と言われ続けて最終回、ついに・・・?>
 DM「納骨堂の他の4つの扉のうち、2つから悪のオーラが出ているのを感じるね。」
 ギルダール「うむむ・・・ここは、早く先に進むのが善とみた。」
 DM「おやあ? パラディン様が悪を放って置いていいのかなぁ?(笑)」
 全員(おっ、ついに堕ちるか?)
 ギルダール「・・ううむ・・・。(悩)」(結局、時間の関係上先に進みました)

グレイヴ(人間のファイター2/サイキック・ウォーリアー3/Psion(Savant)1 HP35、AC17):ダメえもん
<自称レゴラス、その実力の程は・・・? ちなみに、名前の元ネタはあるアニメですが、一部の人には一発でばれました。>
 DM「ビーヒアはダミニをつかんで離さないね。」
 グレイヴ「よーし、レゴラスとしての腕を見せてやる。」
 DM「無理無理(笑)」
 グレイヴ「ていっ・・・2発とも命中。ダメージは・・・。」
 DM「あ、50%の確率でダミニに当るからね。」
 グレイヴ「・・・ぐ、偶数で敵に当りね。とうっ・・・『3』と『5』・・」
 DM「あ、そう。じゃあどちらもダミニに当たりね。さすがレゴラス、外さないね(笑)」


燃えるダミニ=M(人間のバーバリアン1/ファイター2/レンジャー1/サイキック・ウォーリアー2 HP59、AC12):Atsさん
<レイジ(バーバリアンの激怒)命、な狂戦士。今回ギルダールの代わりに・・・>
 DM「ハーフドロウは『ミラーイメージ』の呪文を使ったね。彼女の分身が5体出現したよ。本体に当る確立は6分の1ね。」
 ダミニ「こりゃ、やっかいだな・・。よし、目をつぶります。これなら、2分の1の確率で当るし、それに『無視界戦闘』持っているし。」
 DM「くっ、心の眼か・・。」
 ダミニ「見えるっ 見えるぞララァ 私にも敵が見える!」(と、ダミニが言ったかどうかは定かではない・・。)


<<砂漠の狐>>

「スコーピオンかよ!」
 
 湖の町を去った一行を待ち受けていたのは砂漠の町であった。しかも、スコーピオンとの戦闘から物語がスタートするというおまけつき。スコーピオン3体との戦闘で、アンドリューが連れ去れれかけたり、ガースとソンディが最初のスコーピオンの攻撃でいきなりマイナスHPになったりと、とっても楽チンな戦闘だったようです(ウソ)。ガースのレイ・オヴ・エンフィーブルメントが効いてスコーピオンのSTRが合計-9もされたおかげもあって、なんとか切り抜けることに成功。見事にスコーピオンを倒す事ができたのでした。


「・・・1匹目はクリスタルドラゴンのレインボー・ブラスト。町から馬で7日ほど行った先の万年雪の山中にいる。
2匹目はサファイアドラゴンのダーク・ブルー。町から馬で10日ほど行った先の砂漠の地下にいる。
3匹目はトパーズドラゴンのディープ・マインド。町から3日ほど行った先の湖の底にいる。」



 エメラルドドラゴンの言っていたドラゴン達。クリスタルドラゴンのレインボー・ブラストとトパーズドラゴンのディープ・マインドには既に会い、最後に残ったサファイアドラゴンのダーク・ブルーに会う為、一行は(道中軽く死にかけたりしながらも)なんとか砂漠の町へとたどり着いた。

 この砂漠の町は、名前をロレンス(仮名)といって、人口200名くらいの小さな町だった。その後のパーティの聞き込みにより、この町の特産品はヒスイとさそりの天ぷら(笑)だという事がわかった。・・・・あれ? ドラゴンの話を聞きにきたんじゃないの・・・?

 なんというか・・・失敗の神様が乗り移っているのではないかというくらい、情報収集に失敗した一行なのでした。

(素晴らしい情報収集能力と言えなくもない・・・)

 で、困った時の神頼みとは何とやら、一行は聖カスバート神殿を発見し、そこで情報収集をすることにした。

 聖カスバートの司祭に頼み込み、記憶を手繰り寄せてもらい、なんとかドラゴンに関する情報を得ることができた。その情報とは・・・。

司祭「彼はローフル・ニュートラル(真なる秩序)で、とても縄張り意識が強い。全てのものとの交際を嫌い、地下に閉じこもっている。」

 ・・・って、ドラゴンの引き篭もりですか?

(はい、そうです(笑))

司祭「彼のブレスは円錐形で音波を発するらしい。しかも回避に失敗するとパニックに陥るそうだ。さあ、どうする?

 いや、どうするって言われても・・・。

さらに司祭に尋ね、サファイアドラゴンのいる場所への道を2つ聞き出すことに成功する一行。さて、その2つとは・・・
司祭「その1:3日ほどの山中(サンドロック)の奥深くに、ディープドワーフの作ったダンジョンがあり、そこからつながっている。ただし、そこには眼球の怪物がいるらしい。
その2:砂漠を2日くらい進んだ先、砂漠の真ん中に巧妙にカモフラージュされた穴がある。そこはフォーミヤンというアウトサイダーな蟻の巣なのだが、そこからドラゴンの巣につながっているかもしれない。さあ、どちらにする?」

 ・・・ごめんなさい、どちらも勘弁です。(眼球の怪物って・・・ビボルダー?)


 仕方がないので、聖カスバートの神殿を出て他のもっと安全な(あるのか?)道を探す一行。さそりの天ぷらを片手に聞き込みを続けた結果、一行は更なる道を発見した。

「その3:巨大洞窟の中に超巨大(ガルガンチュワ)なスコーピオンがいる。もっと大きなスコーピオンもいるらしいが、その洞窟からサファイアドラゴンの洞窟につながっているらしい。
その4:地下水脈に行けば、もしかしたらドラゴンの洞窟につながっているかもしれない。
その5:1週間ほど前、古い集合墓地が発見された。どうやらウィージャスの墓地のようだが、そこからもしかしたらドラゴンの洞窟へ行けるかもしれない。」

 さあ、どれにする?

 いや、どれにするって言われても・・・。(こればっかか。)

その時、ギルダールが言った。
「・・・信じる者は救われる。」

 そう言うと聖カスバート神殿に戻る一行。え、何「信じる者は救われる」って? 通信販売のつぼでも買うの?
などと慌てるも、どうやらそうではないらしい。
司祭にお願いして「ディヴィネーション」の呪文をかけてもらう事で、神様(向こうの世界ではDMと呼ぶらしい)の助言を聞くことができるそうだ。

 結局、翌日司祭にお金を寄付して呪文を掛けてもらう一行。
司祭「・・・はあっ、見えた!
『汝達が身をわきまえ、自らの進む道をわきまえるのであれば、そして、空からの脅威たる雷から己が身を守れるのであれば、墓へと行くが良い』

 なんと、神様々ですな。そりゃ、つぼも買いますってば。

司祭「聖カスバート印のつぼならあるぞ。さあ、どうする?

 ・・・ごめんなさい、遠慮します・・・。


 というわけで、我々一行は、雷対策とついでにマミー対策をして、墓へと挑むことになりました。


<<悪魔に魅入られし者達>>

 墓へは、歩いて2日ほどかかった。一行は、休憩中にグールもどきに襲撃された他には特に障害なく目的地へと到着した。

 集合墓地といっても、砂漠の中に墓標が立っているわけではない。一行がたどり着いたそこは、少し広めの洞窟となっており、中からは死肉の匂いが微かに漂ってきていた。

「おい、『あれ』は何だ・・・?」
 一行が決心して洞窟に入ろうとした時、洞窟の上の岩肌に何かがへばり付いているのをグレイヴが見つける。

 青い鱗を身体中にまとわりつかせた『それ』は、その自らの脚を4本振り上げてこちらを覗き込むかのようにその首をこちらに向けている。残りの8本の脚は、それぞれが岩肌を削りとるかのごとくまとわりついている。

 グレイヴはSANチェックに成功し(ゲームが違う!)弓を撃つ。ソンディは自分に「トゥルーストライク」の呪文を唱え、『それ』の襲撃に備えた。

 グレイヴの弓から放たれた矢は青い鱗の間に刺さり、『それ』は金切り声を上げると洞窟の中へと逃げ込んだ。

 一行は、ソンディの
「俺の『トゥルーストライク』が無駄に!」という嘆きの声を無視して洞窟へと飛び込んだ。

 ランタンに火を灯し、しばらく進むと『それ』はいた。耳障りな音を立てながらこちらを威嚇するかのごとく上半身を地面から浮かせて『それ』は立っていた。
 一行はそれぞれの獲物を構えると、『それ』に向かって行った。

 『それ』は向かってきたダミニに覆い被さると脚を巻きつかせた。ダミニの皮膚に怪物の脚が食い込む嫌な音がした。しかし、その身体からは発動した力のためか血が流れない。

 『それ』はダミニを捕食する事を諦め、巣へと引きずりこもうとした。グレイヴは弓を引き絞り2本の矢を放ち、ソンディはチワワを召還するため呪文の詠唱を始めた。

 
グレイヴの放った矢は2本とも『それ』を外れてダミニに突き刺さる。ダミニは既に気を失っており、わずかな反動と共に2本の矢はダミニを貫いた。

 『それ』は彼らをあざ笑うかのごとく、矢の刺さったダミニを抱えて洞窟の奥へと後退していく。誰もがダミニの死を覚悟したその時。

「汝が意志はファラングンの手の内へ。
『ランダムアクション』!!
アンドリューの発した言葉により、『それ』の動きは止まる。そして『それ』はダミニをその手から離すと、自分の身を守るかのように脚を丸めた。

「今だ、
出でよ『フィーンディッシュ・チワワ』!
ソンディの呼び声に応じて、何もない空間からチワワが飛び出すと、『それ』に対して爪を振りかざす。肉のちぎれ飛ぶ音がして、『それ』は倒れると、そのまま動かなくなった。

 『それ』を倒した一行は、更に先へと進む。洞窟の中は静かで、ときおり腐臭が漂う他は普通の神殿と同じであった。

(CRの割に弱くなったビーヒアでした。思わずブレスが届かなくて逃げちゃいましたよ(笑))

 一行は歩を進め、広間へとたどり着いた。

 広間には魔方陣のようなものが血のように赤い字で描かれており、円の側には同じく赤い文字で何かが書かれていた。残念ながら一行にはその文字を読める者はいなかった。
「・・・呪文を使えば、読めるのではないか?」
誰とはなしに、そのような声があがる。
 その声に誘われるかのように、魔術師2人が魔方陣の中央に立つ。
 呪文の詠唱が始まり、魔術師の目が一瞬ぎらつくと、魔方陣の文字が微かに明るく輝く。魔術師が文字の近くへと寄っていき、その文字を読み上げる。

「・・・『ウィージャスを拒む者に死の制裁を!』・・・しまっ・・・」

 声は、最後まで聞くことはできなかった。魔方陣から光が溢れ彼らを包み込む。
光が収まった時、魔術師の使い魔達は既に息を引き取っていた。

(お解りかと思いますが”シンボル”です。)

 やはり、ただの神殿ではなかったようだ・・・。

 一行は、気を取り直して先へと進む。そのホールには他に5つの扉があったが、それらのうち4つは納骨堂、うち1つは礼拝堂へと続いていた。一行は礼拝堂へ行く事に決め、扉を開けた。

 扉を開けると、そこには赤い絨毯が奥へ向けて敷かれていた。一行は絨毯に沿って進み、そしてその先は一つの大きな部屋で行き止まりとなっていた。ここが礼拝堂だろうか。
 礼拝堂と思われる部屋の中には、椅子があり礼拝の間が作られていた。奥には先へ続いているのだろうか、5フィートほどの通路があり・・・そして、その通路を塞ぐようにして2つ頭の巨大なドラゴンのような生物が立っていた。

「ファ・・ファラングンの名の元に・・・」
といってずるずると足を後退させていくアンドリューを傍目に、ソンディが一歩前へ踏み出した。

(こいつは・・・イブランドリンか・・・)
イブランドリンとは、地下世界に住まう双頭の羽のないドラゴンで、炎の息を吐く強敵だった。まともに戦ったら、何人かの命が失われてしまうかもしれない。ソンディは息を飲み込んだ。

 ソンディは軽く深呼吸をすると、さらにイブランドリンに近づく。イブランドリンは動かずにただパーティを見ているだけだ。ソンディが口を開こうとした時、奴がこちらに話し掛けてきた。

「おめえら、ここはとおさねえぞ。」

 実にたどたどしい物言いにソンディは心の中でほくそ笑んだ。
(これならば・・・無傷で通れるかも・・・な。)
「おい、そこのお前!!」
 ソンディの急な話し掛けに、イブランドリンは目をぱちくりとさせて2つの頭を見合わせた。よろよろとソンディを見るイブランドリンの双頭。

「ん・・・な、なんだ?」
「なんだではない! どうだ、ちゃんと礼拝堂は守っているか?」
「あ・・・ああ。おら達はここをしっかりみはるのがしごとだからな。」
「宜しい。では、我等がこの礼拝堂を通る間、しっかりとこの礼拝堂を守っていろよ。・・・特に我々以外の侵入者が来たら、即刻排除しろよ。わかったな!」
「ああ、もちろんだ。おら達はここをしっかりみはるのがしごとだからな。」
「では、頼んだぞ。」
「わかっただ、ご主人様。」

 ソンディは、イブランドリンの声を後ろに聞きながら5フィートの通路を奥に進む。他の一行もそれに続いた。

 後には、双頭のドラゴンが残り、『次に来る侵入者』を待ち構えて立ち尽くしていた。

(まあ、戦わないのは賢明な判断でしょう。戦いたかったけど(笑)
 これはIbranlinのマルチヘッドでHPは優に150を超すクリーチャー。でもCR7。
 でもINTは4しかなく。”攻撃”と”防御”のコマンドぐらいしか理解できないバカです。
 ここでは交渉の時に侵入者に対して、ホーリーシンボルを確認するのを忘れています・・・)


<<ドラゴン・ウォリアーズ>>

 礼拝堂から続く、5フィート幅の通路を抜けてしばらく進むと、壁が明らかに他よりも古い年代の構造物のそれへと変化していった。どうやら、今までドラゴンの洞窟で見たのと同じ材質のようだ。また、礼拝堂で感じていたひんやりと乾いた感じはここではなく、ダンジョン特有の苔むしたような感じがその場を支配していた。

 そんな中、鉄の扉を開けた一行は、変な部屋へとたどり着いた。

 そこは、丸い部屋で、入口の扉を含めて8つの扉がついていた。中央には丸い物体が宙に浮かんでおり、表面は石と金属でできているのだろうか、時と共にその物体の色は何度も変化していた。
 しかも、ここ以外に先へと進む道はなさそうだった。つまり、このどれかの扉を開けないと話が先に進まない、という事だ。

 一行はひとしきり困った末、おとりを出して罠があるかどうかを確認する。と言う事で同意した。

 で、誰がおとりになるか、だったが・・・やはり、こういう時はナッツが・・・ってもういないのか。仕方がないので、ガースが『アンシーン・サーバント』の呪文で目に見えない従者を生み出す。彼の指示により、入り口に一番近い右方向の扉を開けさせるガース。すると、扉は開き、扉の中から氷のブレスがアンシーン・サーバントへと飛ぶ! アンシーン・サーバントは消え、しかも中央の丸い物体が扉に反応し、入り口の扉から除いていた我々の一部も丸い物体から発せられた氷のブレスによりダメージを受けてしまった。
 実はこの丸い物体はカオス・グローヴという物体(?)で、触るといろいろな光線を放つ厄介な敵だったのだ。どうやら、この場合は扉から出た呪文とまったく同じものを放出するようだった。また、扉には薄い膜のようなものが張ってあり、そのままでは通り抜けられるかどうかわからなかった。

 一行は、アンシーン・サーバント3体と手分けして扉を探していったが手がかりはつかめず、逆にダミニが扉のトラップにより3レベルドレインされてしまう。(翌日、気合で回復したが・・。)

 扉の前で迷う事30分弱(長いよ)。結局、7つある扉を全て開けても何もなく、困った一行はとりあえず扉の一つに飛び込んでみることに決めた。協議の結果、入口と正反対にある扉へ飛び込むことになった。

 まずは、アンドリューが犬を召還し、その犬の首にロープをくくりつけて扉を越えさせようとする。召還された犬は扉に向かって走っていき・・・膜を通り抜けたと同時に消えた。

 ・・・・・あれ?

 アンドリューがあわててロープを引っ張ると、ロープは扉の膜の所で見事に切断されていた。・・・当然、犬の姿は影も形もない。

 ・・・うわー・・・すごく飛び込みたくないんですけど・・・。

 でも背に腹は替えられない。というか、他に進む道もないので、一斉に飛び込む一行。幸い、どうやら扉の膜の効果は呪文の効果の打ち消しだけだったようで、いくつかパーティにかかっていた魔法の効果が消えた以上のダメージは受けずに済んだ。

(ディスペル・スクリーンとテレポーターが仕掛けてあります。)

 その後、とある部屋に行き着いた一行は小さな(Sサイズの)目玉だけの怪物8匹(近づいてはすぐ自爆する謎の生物。とりあえず『ジバクちゃん』と名づけておく)をなんとか退け、ようやく謁見の間へとやってくることに成功した。

(目玉はFantasy Bestiaryの”Eyak”。特効自爆攻撃「Kamikaze」の特殊能力持ち。)

 謁見の間は、目玉の怪物のいた部屋の上にあった。部屋から謁見の間へは直径30フィートくらいの穴が空いており、一行はフライの呪文で浮かびながら謁見の間へと向かう。

 そして、そこにサファイアドラゴンはいた。

サファイアドラゴンは厳かに口を開け、パーティにこう告げた。
サファイアドラゴン「おまいら(お前等)、勝手に人の部屋に入ってくんな、ゴルァ!」

 厳かに・・・おごそか・・・

サファイアドラゴン「ウザイ香具師(奴)は、早く出てけ!」
ギルダール「突然お邪魔してしまいまして誠に済みません。我々は・・・」
サファイアドラゴン「エサ人間キタ━━(゚∀゚)━━!!!(来た)」
(一部、ドラゴンなまりがあるので、カッコ内は人間語への対訳です)
ギルダール「実はこの宝石に力を込めて頂きたく・・・」
サファイアドラゴン「1氏ね(?死ね)」
ギルダール「・・・早くしなければ、邪悪なる者どもがこの宝石を奪いにやって来る・・・」
サファイアドラゴン「おまいら逝ってよーーし!(死ね、冒険者ども)」

 ・・・こ、この引き○もり野郎が・・・!! ・・などという事を思っていたかはわからないけれど、淡々とドラゴンにお願いをするギルダール。

ギルダール「・・・もちろん、タダでとは言いません。これを・・」
 そういって彼が取り出したのは、WISの上がる魔法の品。
サファイアドラゴン「おまいら、大介(大好き)だよ」

 なんとか、交渉成立となり、サファイアにパワーを分けてもらう事に成功する一行。

そういえば・・・アメジストの宝石にはまだパワーが入っていないんだったな・・。


 前回、トパーズドラゴンはサファイアドラゴンについて、こう話していた。
「・・・わしの記憶が確かなら、サファイアドラゴンがパワートランス(パワーを移しかえる)の能力を持っておったな。しかし、人から人へ移し変える能力なので、物から物へはできないかもしれん。奴の情報? わしは奴には会ったことがないのでよく知らんな。奴は縄張り意識が強いことだけは確かだ。」


 ちょっといらつくが、とりあえずアメジストの宝石のパワートランスを頼む一行。
ギルダール「・・・実は、この宝石にもパワーを込めて頂きたいのですが・・・」
サファイアドラゴン「ふん、そんなもの、知らんわ。」
ギルダール「・・・貴方がパワートランスの能力を持っているとトパーズドラゴンから聞いたもので・・・」
サファイアドラゴン「オンドゥルルラギッタンディスカー!!(意味不明)」
ギルダール「・・・・は?」
サファイアドラゴン「・・・なんでもない・・・」

 サファイアドラゴンは、宝石のパワーを移す能力は持っていなかった。
彼は言う。「ダンジョンの奥に宝石のパワーを移せる昔のアーティファクトがあるので、そこでやって来い」と。

 一行は、2レベル下のアーティファクトのある場所へ向かった。


<<サポートセンター黙示録>>

 トンネルを抜けると、そこはダンジョンの奥だった。
そこには、妖しげな装置があり、下に下がったレバーと石を入れる穴が2つ空いていた。

 一行は周りを見渡したが、他には何もないようだった。

 ギルダールの両手には、アメジストドラゴンのパワーの込められたキャパシタ(石)と、アメジストの宝石が握られていた。しかし、どちらをどの穴に入れればいいのかがわからない。装置の前で立ち尽くすギルダール。

 ・・・もしや、これは「詰み」ですか?


 そんな中、あたりをもっと良く捜索してみたギルダール以外の人間は、装置の下の方に水晶の玉のようなものを発見した。それにはノーム語で何か書いてあったが、アンドリューがノーム語を知っていた(なぜ?)為、文章を読むことができた。

アンドリュー「・・・『緊急連絡先はこちら』・・・?」

 ・・・サポートセンターですか? でも、こんな古い装置のサポートセンターなんて、まだ機能しているのか・・・?

 不安な面持ちで水晶球を起動させる一行。水晶が光り、部屋の中が輝く。水晶球はしばらくぼやけていたが、やがてはっきりと相手を映し出した。

「バタオバエラカ、イイカゲンルジド!(またお前等か、いい加減にしろ!)」
(参考文献:オンドゥル語変換 http://flexfrank.net/cgi/ondl/

 ・・こ、この変な物言いは・・・!?

サファイアドラゴン「・・・おまいら、なにやっとんじゃ。ゴルァ!」

 げげ、なんで?

サファイアドラゴン「俺様の宝物コレクションが光るから何事と思って見てみれば・・・。なんなんだ、一体。」

 とりあえず、これ以上サポートセンターの機嫌を損ねないようにしながら、宝石を入れる場所を聞こうとする一行。

ギルダール「このキャパシタとアメジストの宝石は、どちらに入れればいいのかわからないのですが・・・。」
サファイアドラゴン「・・それは仕様だ。」
ギルダール「・・・それと、このレバーは一体何に使うのか、わからないのですが・・・?」
サファイアドラゴン「・・・それも仕様だ。」

 ・・・こ、このエセサポートセンター野郎が!! ・・・とはいえ、おそらく彼しかこの状況を打破できないだろう事も事実。一行は、怒りを抑えながら質問を続けた。

 ・・・で。

 結局、左にキャパシタ、右にアメジストを置けば良いということになり(レバーは上に上げれば動作するそうだ)ギルダールが胃潰瘍になった以外は、なんとか無事にアメジストにパワーを移すことに成功した。

サファイアドラゴン「・・・で、お会計になりますが・・・」

 ギルダールは、水晶球を落とした。
 パリーン・・・

 一行は、水晶球の破片をかき集めると「いま、サポートセンターは『休止中』」と地面に彫ると、そそくさと洞窟を逃げ出した。

(ええ、わかってますとも。やりすぎだって事ぐらい(笑))


<<そして誰もいなくなった>>

 なんとかロブノの町へと戻ってきた一行。後は、この宝石をミルミルに渡すだけだ・・・思えば、長い旅路だった。
 教会に行き、ミルミルを呼び出す・・・しかし、ミルミルは姿を現さず、代わりに司祭が現れた。
司祭「申し訳ない・・・彼女は、2日前から姿が見えないのじゃ・・・。」

 ・・なんでも、2日前に司祭がミルミルの部屋の側を通り過ぎた時に、微かに子供の「助けて」という声を聞いたのを最後に姿を消してしまったそうだ。

 教会を出て、町の中を捜索する一行。誰がミルミルを攫ったかはわかっていた。しかし、プライムと名乗っていたあのドロウエルフの痕跡をロブノの町で見つける事はできなかった・・・。プライムが以前告げた連絡先には、一人の情報屋がいただけだったのだ。一行は情報屋に自分達の泊まっている宿の名を告げると、その宿へと戻った。

 次の日、さらにあてもなく探す一行をあざ笑うかのように、時間は刻一刻と過ぎていく。いつしか、日は沈み、漆黒の闇が再びあたりを支配した。

 スワン亭に戻り、焦燥しきった顔でお互いを見る。どうやら、誰も何の手がかりも得られなかったようだ・・・。

 スワン亭は一階が酒場となっており、吟遊詩人がハープを弾いて冒険者達の心を癒す。一行は、しばらく目を閉じて明日どうするかを何とはなしに考えていた。

 ハープの音に紛れて、人の悲鳴が聞こえたのはその時だった。

 悲鳴は2階から聞こえた。ギルダールを先頭に一行が駆けつけると、そこには宿泊客の商人らしき男の首を持った怪物が、一行の泊まる部屋の前に立っていた。

 怪物は男の首をドアに投げつけると、宿の階段を駆け上がってきたギルダールに向かって一言呟く「・・・遅い。」
 そして、怪物はギルダールにどこからか取り出した小さな袋を投げると、忽然と姿を眩ました。後に残されたのは、小さな袋と男の死体のみ・・・。

(誰か踏んだよね?「グニョ」って感じで・・・)

 ギルダールは袋を開けた。

 中に入っていたのは、子供の指。そして、一枚の羊皮紙だった。

 羊皮紙には「女を助けたければ、宝石をこの袋に詰めて明日までに町外れの下水道の穴に落とせ」と書き殴ってあった。

 ギルダールの手が震える。しかし、ここで宝石を悪魔達に渡すわけにはいかなかった。こうなってしまったら、今はなんとしても奴らより先に宝石の謎を解かねばならない。落ち着いて考えるんだ・・・。

 そういえば・・・。彼はナッツの書いた冒険日誌を開いた。最初の冒険の項を開き、急ぎ目を通す。
「こうして晴れて(?)ドラゴンの住みかまで行ける洞窟に足を踏み入れた一行だったが・・・途中で5つの宝石状のくぼみのある部屋を通る以外は特に何もなくクモ女の部屋にたどり着くことが出来た。・・・」

「そうか、リザードフォルクのクランだ・・・」

 ギルダールが微かに笑う。いぶかしむ一行に、ギルダールは告げる。

「まだ、勝負は終わっていない。」
 最後の旅が、今始まろうとしていた。


<<賢者の贈り物>>

 リザードフォルクのクラン(集落)は、混乱に包まれていた。

 一行はギルダールに事情(リザードフォルクのクランからエメラルドドラゴンの居場所に続く洞窟内に、ちょうど宝石大の大きさのものを5つ置けるくぼみを発見していたこと。)を聞き、ちょうど町にいたアメジストドラゴンのロウタを連れてリザードフォルクのクランへと早馬を飛ばした。
 しかし、彼らがクランへとたどり着いたちょうど3日ほど前、クランはドロウエルフ達に襲撃されていたのだ。

 クランの若いリザードフォルクが数人殺され、生き残ったもの達も傷を負った。

 一行は、再びクランのシャーマンに会見すると、ドラゴンの洞窟へ再び行く事を次げる。シャーマンから了承を得ると、その足でドラゴンの住みかへと続く洞窟へ潜る。洞窟では敵には会わず、じきに宝石大の5つの穴が開いた部屋へと辿り着く。

 ギルダールは、ドラゴンにパワーを込めてもらった宝石を、1つずつ穴に入れていく。すると、天井に奇妙な幾何学模様が浮かび上がった。

「これは・・・もしや!?」

 ガースとソンディが何かに気づいたかのように宝石を穴から取り出し、再び今度は別の穴に入れ始めた。10分ほど入れ替えを行っていただろうか。作業を終えた2人は一行に天井を見るように告げた。

「これは・・・。」

 天井には、一枚の地図が記されていた。そう、5つの宝石はこの地図の断片であったのだ。地図の指す場所には洞窟があり、そこに、目的の宝が眠っているのだろう。


 一行は、ドラゴンの住みかへと続く洞窟を出ると、宝石の示す洞窟へと急いだ。洞窟に到着し、最深部へと歩を進める。最深部にあった五角形の部屋の中では、クリスタルの内側に拳大の小さな石が入っていた。
 クリスタルを割り、中の石を取り出す一行。石は禍々しい輝きを放っていた。

(部屋全体にクリスタルからアンチマジック・フィールドが発生されています。)

 ソンディがひと目見るなり、絶句する。

「・・・こ・・・これは『賢者の石』・・・?」
 かすれた声で、それだけ一行に告げると、後は食い入るように石を見つめるソンディ。もはや一行の声は聞こえないかのようだ。
「と・・・とにかくこれはひと目につかない所に隠さなくては・・・。」
 そう言って彼はホールディングバックの中に『賢者の石』を大切そうにしまい込んだ。


 『賢者の石』
 それは卑金属を金や銀に変える究極の物質であり、また永遠の生命をも可能にする生命の秘薬だった。後世、錬金術師たちは賢者の石をエリクシール=練金薬と呼び習わし、可能な限りのインスピレーションを働かせ、火や触媒を使ってエリクシールを作り出そうとした。しかし、全てが失敗に終わった---はずだった。

(最近の流行ですから。アニメにも出てきましたし・・・なんだそれ(笑))




 金属を金に変え、あらゆる者を復活させることのできる奇跡の物質が、古のエルフとドラゴンの手によって作り出させていたというのだ。確かに、これは大変な代物であった。

 『賢者の石』をバックの中に隠した一行は、再びドラゴンの洞窟に戻る。宝石を置いたくぼみは既に壊されており、天井に浮かんでいた地図は消えていた。

 ・・・奴等はすぐ近くにいる。


<<さいごの戦い>>

 洞窟の中央、大広間に奴等はいた。ブルゴン(Bulugon)と呼ばれるデヴィル、ペインシェリーカー(Painshrekerl)という名のデヴィル(宿で出会った怪物だ)、ネズミのような顔をしたドロウエルフの女性、そしてミルミルがプライムの側に立っていた。

 プライムと呼ばれていたドロウエルフ「だったもの」は、今はいない。それ --堕天使のような羽根を持った巨大な生物-- は一行に語りかけてきた。

プライム「よくぞ我々のために”エリクシール(『賢者の石』)”を手に入れてくれた。まずは礼を言うぞ。・・・では、エリクシールを渡してもらおうか。」

(ネズミ顔はHalf-Drow/Half-Ratmanのウィザード。プライムはHalf-Drow/Half-Oliver(Devil)。)

ギルダール「もし、渡さない。と言ったら?」
プライム「その時は殺して奪うまでだ。」

ダミニ「おい、あんたらがこの”エリクなんたら”を欲しがる理由はなんなんだ?」
プライム「・・まあ良い。特別に教えてやろう。”エリクシール”の力を使えば、わが主を復活させる事ができる。わが主の力と”エリクシール”の力があれば、このようなちっぽけな世界を滅ぼすなどたやすい事よ。」

ダミニ「・・・なるほどな。じゃあ、渡そう・・・なーんて言うとでも思ったのか?」
プライム「・・・ほう。では、どうするのだ、人間よ?」
ダミニ「・・お前を倒して、ミルミルを返してもらうぜ。」

 そして、最後の戦いが始まった。

 アメジストドラゴンのロウタはブルゴンと1対1の戦いを始め、他のパーティメンバーはペインシェリーカーとネズミの顔をしたドロウエルフ、そしてプライムと戦う事となった。

 ペインシェリーカーのソニック攻撃やブルゴンの強烈な一撃&酸に苦しめられる一行。

 その間に、ギルダールとダミニは『フライ』の呪文により、プライムとネズミ顔のドロウエルフの女性(実はウィザード)と戦う事になった。

 ミルミルはというと、「ギルダール助けて」と言いながら、ギルダールにしがみ付くようにして離れない。ギルダールは何かに集中しているのか動かないプライムを後回しにして、ドロウエルフと戦うことにした。

 『シールド』と『ミラーイメージ』で防御を固めるドロウエルフ。それに対し、ギルダールは目を閉じて心の眼でドロウエルフと戦う。途中『レイ・オヴ・エンフィーブルメント』でSTRが下がるも、戦いはギルダール有利で進んでいた。

 ギルダールがドロウエルフと戦っている間にダミニはプライムに攻撃をしかけ・・・。そして物語はプロローグへと戻る。


 「助けてギルダール!」
 エルフの少女、ミルミルの声が洞窟に響く。
ギルダールは目をつぶり、モールを振り上げてハーフドロウに向けて振り下ろした。

 敵の一撃! 地響きを立てて、アメジストドラゴンのロウタが倒れる。
その音を引き金にダミニは悪魔の元へと迫った。
「・・・なんとしても、一撃を・・・」
 手と同化したランスは、空を走り。
 ランスは、悪魔の足を貫く。

 その瞬間・・・闇が晴れ、さらなる惨劇が幕を開けた・・・。



 闇が晴れた後、ダミニのランスの先にはエルフの少女の変わり果てた姿がぶら下がっていた!

 ギルダールにしがみ付いていたミルミル「であったもの」が狂ったように笑い出す。
 ミルミル「ギルダール、どうかしら? 私のゲームは。・・楽しかったかしら?」

 ミルミルはその幼い両手をギルダールの顔に差し伸べると、ダミニのランスの先にぶら下がっている物体へ彼の顔を向ける。

 「うわぁぁぁぁ・・・・・!!」
 ギルダールの悲鳴。ミルミルの狂ったような笑い声。それと同時にミルミルの姿が変わり始める。

 ダミニ「貴様ぁぁ・・!!」
 ランスを掲げたダミニが宙を舞い、ギルダールの側に現れた悪魔に攻撃をかける。
 今や真に堕天使の姿へと化したプライムは、ダミニのランスの猛攻にさらされながらも余裕の笑みを浮かべていた。

 一方、ギルダールは・・・
「我が苦しみは力となりて。『リテンプティブ・リドレス』!
 ギルダールがドロウエルフに受けた『レイ・オヴ・エンフィーブルメント』のパワーが逆に作用し始める。呪文を唱え終わったギルダールは、前よりも力を込めた一撃をドロウエルフに放つ。

 倒れたアメジストドラゴンはアンドリューにより回復させられ、ブルゴンはアメジストドラゴン達の手によって倒される。ドロウエルフもギルダールとの戦いで力尽き、この場に立っている敵は残すところプライムのみとなった。

 側近達が倒されていき、プライムの顔に焦りの色が見え始める。と、彼は天に向かって祈り始めた。

 ダミニ「なんだ? 今更神頼みか?
 プライム「・・・そうだ。」
 ダミニ「・・・? うぉっ。」

 ダミニの周りが目に見えない力場に囲まれる。プライムは『リミテッド・ウィッシュ』の呪文の力で力の壁を作り、ダミニの身動きを封じたのだ。

 ダミニが壁を壊そうともがく、しかし、壁はびくともしなかった。

 ダミニの力を失い、プライムがほくそ笑む。彼は、パーティににじり寄った。
 プライム「さーて、邪魔者もいなくなった所で、お前等を一人づつ殺していってやろうか・・・。」
 アンドリュー「・・・ファラングンの名の元に。邪なる力を滅せよ! 『ディスペル・マジック』!!

 パーティの危機を救ったのは、アンドリューの破呪の呪文だった。

 アンドリューの力により守りの呪文を失ったプライムにギルダールの一撃が迫る。

 ギルダール「悪魔よ元の世界へと還れ!」
 ギルダールの渾身の一撃を受け、プライムは呪詛の言葉をつぶやきながら倒れ、そして二度と起き上がらなかった。

 パーティは勝利したのだ。そして、後にはエルフの少女の死体が残された。
 ギルダールは少女の死体を抱えると、ロブノの町へと歩き出した。一行もそれに続く。

 ロブノの町につき、教会にミルミルを預けると一行はパーティを解散した。あるものは安全な町へ『賢者の石』を封印しに、またあるものは一人気ままな旅を始め、そうやって一人づつロブノの町を離れていった。

(我ながら演出効果を期待した戦闘をしたため、死者を出すことができずに終戦を迎えてしまった・・。
 だって、ギルダールが落ちパラになれるかもしれない所だったので重要でしょ(笑)
 やはりクレリックを布陣しておくべきでしたな・・・。
 ちなみに、Oliverはそのサイズに関係なく、ドッペルゲンガーのごとく子供に変身する能力があります。
 一応、「(切断された)指を確認する」とPLが指摘するとバレル仕組みでした。
 あと、ダミニのランスには”クローofヴァンパイア”がかかっており、ミルミルの血を吸ってましたね・・・苦笑)


<<それぞれの旅立ち>>

「・・・よっ、と。ほう、今日はこちらの方角が吉か。」
 アンドリュー・ファリスは地面に落ちた棒切れを見つめていった。あてのない一人旅、今日はどこへ行くのだろうか。
「どこに行くか。・・それは、『神のみぞ知る』でしょ?」
 アンドリューに声をかけるハーフリングがいた。そのハーフリングの側には一匹の動物がつき従っていた。
「よう、ジョンか。ふむ・・・これも神の思し召しか。」
 そして2人と1匹は、あてもない旅へと出発していった。


「・・ネクロポリスに眠る黄金を一緒に探しに行かないか?」
 ホークアイは、砂漠の町ロレンスへとたどり着いた。そこで出会ったボンゴ・ロッソと名乗る男に依頼され、他の3人の冒険者と共にネクロポリスへと向かう一行。
 ネクロポリスでの冒険は熾烈を極め、最後に驚くべき結末が待ち受けているのだが、これはまた別の話である。

(では、行きましょう!にやり)

 ギルダールは、教会に立ち寄ると、ミルミルに話し掛けた。
「ミルミル・・・必ず、私の手で復活させてやるから・・それまで辛抱してくれよ。」
 『賢者の石』を大都市の教会に返す際、アンドリューはギルダールに尋ねた。
「いいのか? ・・・この石の力を使えばミルミルを復活させる事ができるのだぞ。」
 ギルダールは首を横に振った。
「ああ・・・ミルミルは、自分の力で復活させる。『賢者の石』の力は借りないさ。」
 今日もギルダールは教会へ寄るだろう。そして、明日も。ミルミルの笑顔を取り戻すその日まで。


 洞窟の中へと逃げ込んだソンディは、懐から『賢者の石』を取り出した。
「ふふ・・・これは、この石は私のものだ・・・。」
 ソンディは、にたにたと笑いながら石を見つめている。
「しかし、誰も私の作った『賢者の石』のレプリカを見抜けぬとはな・・。くっくっく、はぁーはっはっは・・・。」
 彼は、レプリカの『賢者の石』を教会に預けた場面を思い起こしてほくそ笑んだ。
彼の笑い声は、洞窟の中にいつまでも響いていた・・・。


「ここか・・・。」
 ガース達は、洞窟の前へとやってきた。教会に預けたはずの『賢者の石』。しかし、それが贋物である事は一目瞭然だった。ガースはスワン亭でダミニとグレイヴを雇い、ソンディの後を追った。後に、この戦いはドラゴン達を巻き込んだ戦いへと発展し、”エリクシール争乱”と呼ばれ吟遊詩人達に語られるようになるのだが、それはまた後の話だ。


 ・・・こうして、一つの冒険が終わりを告げた。


(そ、そうなのか・・・)


<<エピローグ>>

 人口3500ほどの町、ログノのほぼ中心に位置する青いスワン亭、そこは旅人が集い、そして別れゆく酒場。
 酒場にいる吟遊詩人のハーブが音を奏で、ログノの夜は更けてゆく。

 そして今日もまた、冒険者達が青いスワン亭へとやって来る・・・。


<<感想>>

 ついに完結。(キャラクターは違えども)1話から参加してきた者としては感慨深いです。最後は残念な結果に終わってしまいましたが(ミルミルの件とか、「ギルダール、ブラックガード計画(?)」とか。)最後の戦いでパーティメンバーが全員生き残ったのは嬉しかったです。

 最後なので、全員活躍させたかったのですが、この文章でどこまでうまく行ったかどうかはわかりません。でも、楽しんでもらえれば幸いです。

 終わりに、DM-SKMさん、そして参加されたプレイヤーの皆さん。楽しいキャンペーン本当にありがとうございました。

(お疲れ様でした。みなさん、すっかり1話の事を忘れている当たり、楽しかったかも・・・
 DM的には毎回品を変え、単純にモンスターをぶつけるのではない方法で嫌らしいエンカウンターを準備したつもりです。
 楽しんで頂けたのなら幸いです(笑)
 (え、全員生き残ってる様では、まだぬるいですか?)
 時間の都合上、描けなかったエピソード(某商人の話とかロウタ君周りの話とか)もありますが、それはまたの機会に。
 キャンペーンに参加して頂いた皆さん、特に毎回楽しいレポートを書いて頂いたダメえもんさん、お疲れ様でした&ありがとうございました。)