ショートキャンペーン「鋼の蜃気楼 第1章」
(2003.9.28/DM:ATSさん/レポート:中荘さん)

世界設定
 この世界は私ATSのオリジナルワールドですが、はっきり言ってあっちこっちからアイデアを千切ってきて張り合わせた、つまりどっかで聞いた事があるような世界です。(笑)
 世界設定ですが、基本的に広大な砂漠です。で、その端は断崖絶壁に覆われ、外界と完全に遮断されたそんな世界です(ドでかい盆地ですな)。
 町(国家)はその断崖絶壁に主に作られ、砂漠に暮らすのは主に遊牧民族であるElfのみです。 人々の交通手段は砂漠の上を10フィートほど浮いて航行するサンドシップで、見かけは昔の帆船にそっくりですがその機関はロストテクノロジーで動いています。 砂漠には通称ランドシャーク(Bulette)が多数生息し、歩いて渡るのはほぼ不可能です。
 そしてこの世界には魔法がありません(もちろんサイオニックもです)。その代わりと言ってはなんですが、遺跡文明(ロストカルチャー)から発掘されるアーティファクト、ロストテクノロジーが存在します。まぁこの世界の魔法と思ってください(べた過ぎるアイデアですから想像つきますよね? 笑)。また、現在の文明レベルもルネッサンス以上まで発展しています。
 イメージとしては、大航海時代(海賊)+三銃士ってとこです。あまり重装のキャラはいませんし、モンスターもランドシャーク以外は殆んど見受けられません(というかいても皆信じません 笑)。あえて言うならOrcやGoblin、たまのたまにOgre程度です(殆んど迷信に近い)。 なので、戦う相手は主にHumanoid、それも基本種族になります。

 世界情勢ですが、3勢力あって、グストラゴ帝国、ジャスパス連合王国、そしてヴィアー貿易連邦都市郡の3つです、そのうち、帝国と連合王国が100年以上にわたって戦争状態にあります。 今現在では両軍とも戦力が低下しているため、大規模な戦闘は起こっていません。 しかし戦争自体はヴィアーのおかげ(せい)で続いています。
 どっかで見たような勢力図ですね(笑) 海賊(砂賊?)も多々います。

 と、こんな感じの世界で不幸なPC達は事件に巻き込まれていく訳です(笑)

PC紹介(プレイ開始前)

 ジェイ(PL:おがわ氏)種族:人間。元帝国軍所属の剛弓傭兵、ハーフ・オークの鬼兵隊と見紛うマッチョマン(笑)
 デニス(PL:Toyoki氏)種族:人間。先史文明の遺跡の研究者にして、ペット奏者、背中のギターは伊達よ(笑)
 バッソ(PL:あずま氏)種族:ノーム。ロスト・テクノロジーのエンジニア。ホラ吹き爺さま(笑)
 ヴィンセント(PL:中荘)種族:人間。砂鮫ハンター。身体中に武器満載、脳みそまで筋肉の肉の壁(笑)

DM『キミらは、王国の軍艦に囚われています(喜)』
一同『なんですと〜!、あ〜やっぱりねェ(笑)』

改めてPC紹介(プレイ開始直後)・・・連合王国軍の砂上艦に収監されている状況。
 ジェイ(罪状・経緯)何処かのオアシスの酒場で、乱闘中に逮捕されたらしい。
 デニス(罪状・経緯)遺跡から出た遺物の横領が発覚し、逃走中に捕縛されたらしい。騒音防止条例違反かな?(笑)
 バッソ(罪状・経緯)搭乗していた砂上船が、撃沈され何時の間にやら、捕虜になったらしい。
 ヴィン(罪状・経緯)何処かのオアシスの酒場で、泥酔、その後の事は、覚えていない、身に憶えがあり過ぎて、…。「5杯から先は、覚えていない。」(爆)


***(DM) 皆さん「ちゃんと」罪状考えてくれました。 ちなみに刑はもれなく「銃殺刑」か、いまなら「鮫の餌(暴食刑)」でした。(笑)***


DM『キミらと同じオリに、入っているのが、…。』
一同『オリって、俺ら動物扱いですか(笑)

NPC紹介(オリの中の懲りない面々?)
 スピット・ファイア 痩身長躯の壮年のオヤヂ(俳優:クリント・イーストウッド似との事)
 トビアス お喋りで調子のいい中年ハーフリング

DM『キミらと、似たり寄ったりの罪状で、ココに居る。』


第一章 軍艦:ブライトホーク号で、王国の首都を目指している途上での話

我々、囚人(冤罪含めて)扱いを受けている者への扱いは酷く、ロクなメシも水も、ましてや酒なんぞ出てこない
参った、我々の行く先は王国の首都、そこまでの行程は1週間、本日は捕まって4日目。
囚われの身では、する事がない。ヒマだ
本日の出来事は、当艦の機関長イモン氏が、同族(ノーム)への扱いの酷さを見かねて、バッソに差し入れを持って来てくれた。
我々は、その“おこぼれ”に、与ることになった。
 (プライド? そんなモノより、まずは生き延びる事だろ?)
空腹を満たす事は出来なかったが、喉の渇きは、何とか凌げるようになった矢先、艦の甲板が騒がしくなったようだ。

耳を澄ませば、…敵襲だと? それも帝国軍の鬼兵艦だと?
マズイ! 丸腰でオリの中、ロクな抵抗も出来ずに、殺(バラ)されるなんぞ、御免被る!

上(第二デッキ)から、嫌な音が聞こえたと思ったら、オリが軋みやがった!
(オリがあるのは、第三デッキ)
チャンスとばかりに、全員でこじ開ける事にした。
(捕まっている連中全員、ここで死ぬのも、王都で縛り首も勘弁なのだ、当然だろ?)


***(DM) 空腹、脱水、更に丸腰でどこまでやれるか見たかったのもありますが、私がドタバタ好きなんです、単に...(笑)
でもEndurance持ってるPCもいたのでフィートが使えて良かったんでは?(そ〜ゆ〜問題ではないって?)***



開かねェ、…エラく硬ェ、ここで終わりかと思った時、イモンの爺さんが、オリの外からカギをブチ壊してくれた!
(恩に着るぜ、暫らくは憶えとくけど、飲んだら忘れちまうなァ)

で、上から聞こえて来る感じでは、完璧に「負け戦」だ、だからイモンの爺さん、出してくれたのか。
何にせよ、ノンビリしてると、マズイ事には、変わりない。
(逃げるにしても、商売道具を回収しないとな。遺跡から見つけたり、改造するのに大金掛てんだよ!)

第三デッキから第二デッキへ駆け上がると、デッキの半分を煙が充満してやがる。
(ここに喰らったんだな。とりあえず、引火は免れてるな)
でだ、砲手たちがコッチに、気が付きやがった。
奴らにとっては、「前門の虎、後門の狼」って昔からの格言通りの状態で、アワ喰ってる状態だよ。
俺らの事は、放っとけば良いモノを、『脱走者だ〜、捕らえろ〜』何て叫んで、取っ組み合いになっちまいやがんの。
驚いたのは、デニスの野郎だよ、細っこい身体の割りに、荒事に慣れてやがる。
“目潰し”(出目「20」!)やら、何やらで突き倒しちまいやがんの。
トビアス(NPC)のおっさんも、“七年殺し”極めて、一人黙らせてたな。
俺らの素手喧嘩(スデゴロ)中に、甲板には、招かれざる“お客”が来た模様。


***(DM) だれもImproved Unarmed Combatなんか持ってません! もちろん敵もです。
なので素手戦闘時のAoO発生に対するAoO(双方が素手だから)はもたつくのでやめにしました。
デニス(Toyokiさん)はマジで一子相伝並みの殴り合いしてました(笑)。
ちなみに「お客」とは鬼兵艦から射出されたPounder(オリジナル←でもないんだけどね)と呼ばれるハーフオークのFrenzied Berserkerです。 
Bladed GauntletsをつけたSTR30(Frenzied)で4回攻撃のバケモノです。 ACは7だけど(笑)***


注)ちなみに”ただの”素手攻撃同士の場合、武装しているもの見なされないので、そもそもAoOは発生しません。
 素手攻撃で武装した敵を攻撃する場合にAoOを誘発するのは攻撃対象の「武器の間合いをかいくぐる」必要があるためです。
 ボウの使用や呪文の使用で「隙を作ってしまう行動」とは少々別の扱いです。
 これらの場合は機会攻撃範囲内の全ての敵のAoOを誘発しますが(敵が武装している、していないに限らず!)、
 素手攻撃の場合は攻撃相手に限定されます(素手攻撃自体はあくまで攻撃アクションなのです)。
 (DM-SKM)

あまりノンビリしてらんないので、適当に砲手を殴り倒して、第一デッキに駆け上がった。
イモン爺さんの話では、俺らのお目当ての商売道具は、このデッキの倉庫に仕舞い込まれているそうな。
(でだ、どれがそうだ? 当然と云えば、当然だが、部屋が幾つもあるぞ)
俺が探し当てたのは、「食糧倉庫」だった。
(お目当てじゃあ無いとは云え、空腹には、堪えるぜ、トビアスのおっさん、そんなに抱えて如何すんだ?)

他の連中が、肝心の「武器庫」を見つけていた、その頃、マズイぜ(食い物がじゃなくて)、コックに見つかった!
なんだよ、その包丁はよ! 危ねえじゃねェ〜か、チット斬られたけど、ノック・アウトしてやったぜ。
(こんなんは、自慢にもなりゃしねぇ)
俺がコックとやり合っている間、他の連中は、武器庫の棚のカギと格闘中だったとよ。

俺が武器庫に向かう途中、甲板からコッチ(第一デッキ)を見下ろす視線に気が付いた。
見てんのは、少年か? 任官したての将校か?
でだ、少年将校、撃ってきやがった、俺の顔見て撃つ事無いだろ、俺がお前に何かしたか?
(悪戯した覚えは無いぜ、まあ5杯から先は、覚えちゃ居ないがな)
無事とは云えないが、武器庫から商売道具を取り返し、どっちに逃げるか、考えた。
上(甲板)は、鬼兵隊と王国兵の戦闘中(鬼兵隊の一報的な虐殺だけどな)、
 下(第二デッキ)は、砲手らが居るとは云え、艦の横腹に大穴あいてるから、飛び降り覚悟か、…下だな。


***(DM) いやぁ、あずまさんのコメントは最高でしたね。 
 「そいつは少女か?」 
 (DM)「いえ...」
 
「いらん!」 
 
(爆笑)***


下の第二デッキに駆け下り、船腹の大穴から飛び降りた直後、帝国艦が、衝角(ラム)で突っ込んで来やがった。
(間一髪、やれやれだぜ、下が砂地で助かったぜ、こっから見るに、甲板上は完璧に屠殺場だな、ありゃ助からんな)


***(DM) 上に行けばPounder、下に行けば下記参照とどっちもろくなことにならない展開です(ってあんたが作ったんだろが!) でも上に
いったら無能な貴族艦長のお約束断末魔が見れたのに...(そういう問題じゃないって?)***



第二章 一難去って、また一難

そんなこんなで、王国艦を脱出したのも束の間、後には、帝国艦、それも鬼兵隊、殺る気満々だぜ、とっとと尻まくらんとな。
一緒に脱出(脱走じゃねェ)した、オリでのお仲間、ジェイが便利なロスト・テクノロジーの遺物を出してくれたよ。
砂上船か? 変な鳥のカタチしたボート(白鳥型遊覧ボート)よ。
何でも、先史時代に居た鳥(白鳥)を、モチーフにしてるんだとよ。
(カタチについては、この際、置いておこう、いつもの事だ。笑える変なフォルムなのはな)
でだ、トンズラこいてたら、砂漠は視界が良いや、遥か前方から、船が来るじゃねェか、でも、この辺りは定期便の航路じゃねぇよな?
となると、可能性は3つ。
俺らの後で、チャンバラ・ドンパチしている連中のお仲間のどちらかで、2つ。
残りの一つは、海賊ならぬ“砂族”!
揚げてる旗も、それだよ。参ったね。
でだ、廻りをよーく見ると、居やがるよ、“砂鮫(Bulette)”がよ!
血の臭いを嗅ぎ付けやがったな、ってェ〜、こっちにも来るじゃねェ〜か!
しこたま銃弾叩き込んで、仕留めてやったぜ、ビビラせんなよ、ったく。

振り返れば、何とと云うか、案の定、死に態の王国艦は、爆沈寸前、帝国艦からも火の手が上がってらあ、王国も健闘したのか?
いや、違った、砂族だよ、王国艦と死闘を演じて、ガタついた帝国艦を仕留めに掛かりやがった。
古代の格言の“ニ虎共食の計”とか、“漁夫の利”とか云うヤツだな。
(何で俺が、古代の格言に詳しいかは、別の機会に教えるとして)
強い者同士を噛み合わせて、生き残った方にも止めを刺す、と云うヤツを見事にやって退けたな、あの砂族。
旗印は、狐かよ、銀色のよ。

こっちは、放っぽっといて、欲しかったのに、船足が違いすぎるぜ!
鳥船(スワン・ボート)遅すぎ、乗り込んだは良いが、走った方が速いぜ。

こっちには、掻っ攫う荷は、無いぜ。帝国艦と王国艦から、盗りやがれってんだ!
こっちは、砲撃されたら、即時昇天だぜ。
と、よーく見てると、手振ってやがる、何だってんだ?
でだ、一緒に鳥船に乗り込んだ、スピット・ファイアのおっさんが、応えてるじゃねェ〜か、どう云うことだ?

撃たれねェ事だけは、確かだな。
話を聞けば、スピット・ファイアは、砂族の船長だとよ。
追っかけて来た狐の旗印の船は、女船長:シルバー・フォックスさんでよ、これがまた、良い女でよォ。
(おっと、不謹慎なこと云ってると、玉々ふっ飛ばされちまうぜ)
スピット・ファイア船長、下船中に王国軍に、捕縛されたそうよ、飲んだくれてたのか?
(え、俺じゃあるまいし、だって? 大きなお世話だ)
両船長が属している族の名前は、“タロン”って云うそうだ。
砂漠で放り出される訳にもいかないし、そこはそれ、“お互い持ちつ持たれつ”と云う事で、便乗させて頂く事になった。
爆沈寸前の王国艦からの脱出者と、仕留めた帝国艦の捕虜、俺らが仕留めた砂鮫も一緒にな(笑)
脱出者の中には、イモン爺さんも居たよ。助かって良かったな。

でだ、船にご厄介になるだけじゃなく、砂族のオアシスにご厄介になることになった。
砂鮫に、噛まれたスピット・ファイア船長を助けといて、良かったぜ。


***(DM) Buletteって地面もぐると10フィートしか進めないのね。 なんか地面下を「シャ〜」ってイメージがあっただけにちょっとがっかり。***



第三章 厄介事の始まり?

居るか居ないか判らんが、追手の追尾を巻く為、舵をあっちこっち切りながら、辿り着いた砂族のオアシス、ヤッパリ陸の上が良いぜ。
でだ、航砂中に、仕留めた船からパクったお宝山分けと、捕虜の引見が行なわれた。
イモンの爺さんは、再就職が決まったそうだ。属する組織が変っても、機械と一緒なら、良いらしい、職人だねェ。
トビアスは、何か御大層な『箱』をせしめて、ご満悦そうだ。
捕虜の中には、とびきり場違いなモンが居た、綺麗なおべべを着たお嬢ちゃんだ、しかも帝国艦に乗っていたそうだ。
で、今は、意識を失って、お寝んね中。目が醒め次第、話を聞かなきゃならんなと、スピット・ファイア船長談。
バラした砂鮫にも、高値が付いた、俺が昔、仕留めた時、こんな高値付かなかったぞ! ボラれてたか?

船から下りて、酒場で、スピット・ファイア船長と色々話をしていると、色んな事が聞けたが、幾つか端折る。
砂族、王国からも帝国からも目の仇にされている、当然といえば、当然だな。
砂族の連中は、全員、偽名だそうだ、素性を隠さにゃぁならねえ、事情ってのは、良くある事だ。
(だろうね、呼び難い名前ったらありゃしねぇ)
深い理由もあるらしいが、聞くと厄介事に、巻き込まれそうなので、適当に切り上げた。
(長生きする秘訣だぜ)
でだ、場を和まそうと、デニスがギターで、一曲披露する事になった。
(これを聞き続けたら、早死にするぜ、1万GP賭けても良いぜ)
デニスよ、んなに落ち込むなよ、お前にはギターは無理でも、ペットがあるじゃねぇか。

デニスの騒音が止んで、暫らく、あれに見えるは、トビアスのおっさんだよ、同族のお仲間に、何か売りつけようとしてるよ。
気が付くと、バッソも絡んでるみたいじゃねぇ〜の、連れ立って表に出てった。
出口で、デニスも仲間に加わって、何かやらかす感じだったなあ。
(こっから先、俺には記憶が無い、久々の酒で、3杯目で記憶が無ぇ〜や)
ジェイ、後は頼むぜ、特に勘定のな

後から聞いた話によると、デニスとバッソが共謀して、トビアスが売り付けようとしていた、ロスト・テクノロジーを掠めたそうな。
外身の『箱』も、ロスト・テクノロジーで、「冷却装置」だそうな、冷えた酒ってのオツだよな。
(やるじゃん、しかも買い手からも、キッチリ鑑定料金せしめてるしよ)


***(DM) PC達の「素」が出た感が否めないエピソードではないかと...(笑) 
 私はDMとしてはこういう「冒険者達の日常」的なものが一番好きです。***

 

掠めた品は、『光る玉』で、特定の方向に向けると、発光と振動と音を発した。
(少々高めの位置に向けたら、反応しやがる、空に何かあるのか?)
(天空島か? “ラ○ュタは本当にあったんだ(笑)” 天の声(おがわさん美味しいです)が、聞こえた気がするぞ)

今日は早めに落ちた所為か、夜中に目が醒めた、こんな時間に目が醒めたら、寝れねぇよ。
(“真夜中のお散歩”と洒落込んだ)
でだ、真夜中に、俺以外に出歩くとは、怪しいヤツがいる、砂族オアシスの歩哨以外ではな。
よーく見りゃ、トビアスじゃねぇか、で、目指す先は、砂族オアシスの重要な建物じゃねぇ〜か。
あ〜ぁ、忍びこんじまいやがんの、ん、出てきた、今度は何処に行くんだ?
(ますます持って、怪しい。俺も怪しい? 良いんだよ俺は、夜這いに良く所と、言い訳するから)
砂地目掛けて、何か投げやがった、おっと戻ってくるな、待ち伏せだ。

「真夜中のお散歩か?」と、暗がりから声を掛けたら、飛び上がりやがった、嬉しいねぇ、素直に反応するヤツってよ。
トビアスのヤツ、何とかかんとか、言い訳つけてサッサと、この場を去りたいらしい、終いには、小金塊を握らせてきやがった。
握らせるや否や、逃げ出しやがった、足の速いヤツだ、逃げられた。
ヤツには、やましい事が有るに違いないと思ったが、少し運動したら、眠くなったので、引き上げる事にした。
翌朝、デニスかバッソに相談すれば、良かろう。スピット・ファイア船長にも、話すべきだな。


第四章 嵌った? 嵌められた?

翌朝、話した、何で怒るんだ?
小金塊受け取るのは、マズイのか? 要求はしてないぞ。
今日は、気になる事柄を二手に分かれて、調査する事にした。
ジェイと俺で、トビアスが昨晩、投げた物を探し。
デニスとバッソが、『光る玉』の反応と、トビアスが忍び込んだ建物が一致するので、関係を調べるそうだ。
(え、見事に“ブルー・カラー”と“ホワイト・カラー”に分かれたって? 何のことだ?)

後から聞いた話では、『光る玉』が反応したのは、帝国艦に乗っていた例の女の子で、建物内で大騒ぎになったそうだ。
『光る玉』が過剰に反応を示して、耳を劈かんばかりの、衝撃音波を出したそうな。
少女を看病していた看護婦は、ひっくり返るは、様子を見に来たスピット・ファイア船長も酷い目に会ったらしい。
持っていたバッソが、一番酷かったらしい。
なんで、バッソ一人が酷くて、デニスが無事かと云うと、少女を見るバッソの目尻が下がっているのを見て、気を利かせたそうだ。
(余計な気を使わなくて良いよ>あずま談、また天の声が聞こえたか?)


***(DM) このあたりからですね、あずまさんのPCの軌道が大幅に本人の思惑とずれてきたのは(笑) エロ爺呼ばわりされて...かわいそうに(笑)***


少女の身元は結局判らず仕舞い、『光る玉』との因果関係も不明、判ったのが、彼女の名前、「ミネルバ」と云うそうな。
あとは、謎の言葉、夢(?)で見た情景らしい、『姉妹が他に3名おり、黒く大きな父親が居り、遠くからやって来た』との事。
(チンプンカンプンだ)

でだ、俺らのほうは、…シンドイ、半日か掛かって見つからない。
デニスの野郎、冷やかしに来やがった、ジェイ、どうかしたか? ん、何か見つけたようだ。
調度いい、デニスの持っているロスト・テクノロジー、確か“伸び縮みする腕”があったな、やってくれ。
近くまで寄って、いざ、やろうとすると、様子がおかしい、なんじゃこりゃ!
機械のサソリ(Clockwork Horror:Gold)か? 最初こそ驚いたが、バラしてやった。ジェイの剛弓は、只者じゃねェ〜な。
バラし終えたので、ゆっくり回収、サソリも回収、デニスとバッソにお任せ、調べるのは俺の仕事じゃねぇ!


***(DM) 敵はその通り、Clockwork Horror:Goldです。
 ちなみに探し物は散々探し回ったあげく、デニスが足元に転がってるのを偶然見つけるという殆ど「イジメ」の様な結果となりました。***



結果、トビアスが昨晩投げた物は、発信機だったらしい、仕組みはよく判らないが、機械のサソリは、これを頼りに来たらしい。
機械のサソリにも、同じ物が組み込まれていた、となると、何か来ると云う事だろ?
早速、この事態をスピット・ファイア船長に知らせた。
その日の夕刻から夜半に掛けて、砂族オアシスは、厳戒態勢に入った。

俺らも手伝いと称して、街中を徘徊中、ミネルバとか云う女の子が、看病されている建物の上に、不審人物が見えるじゃねぇ〜か、何者ンだ?
早速、向かう事にした。なにせバッソの爺様がね、…っとこれ以上云うと、“火炎放射器”持ち出されちまうぜ(笑)

建物屋上に着いた、そこには、ミネルバ嬢ちゃんが居るじゃねぇ〜か。
取り敢えず、バッソの爺様が、事情を聞くために、近付いていった。
その時、爺さまの荷物の中の『箱(冷却装置)』が、バラけた!
中の『光の玉』が、物凄い光と振動と破壊音波を、撒き散らし始めやがった。
デニスの機転で、破壊音波は、喰い止める事が出来たが、物凄い現象が起きやがった!
(破壊音波、デニスのギターといい勝負なのか?)
『光の玉』の発動に合わせるように、ミネルバ嬢ちゃんも変化を見せた。
彼女を中心に、『光の柱』が、虚空へ向かって放たれた!
(何て明るさだい、太陽でも落ちて来たかと思ったぜ、“耐閃光防御”が必要だって? また、天の声か)
お嬢ちゃんは、『光の柱』を放つと、パタリと倒れた、すかさず爺さまが、…ね、詳しくは描写しないぜ。


***(DM) 波○砲、トール○ンマー、裁きの○、コロ○ーレーザー、もう何とでもいって! こういう王道なのが好きなの!!***


でだ、『光の柱』の影響だが、背の高い建物が、なぎ倒されて居やがる。
それだけなら、まだいいが、見事な『目印』に、なっちまいやがんの!
あれだけの明るさだ、遮る物が少ない、この砂漠じゃぁ、遠目からでも、良く見えらぁ〜ね。
案の定、“敵襲”との声が、聞こえて来やがる。
昼間のサソリといい、『光の柱』といい、ここに砂族が留まるのは、無理っぽいな。

取り敢えず、俺らも加勢に行かんとな、“タダ飯喰らい”なんて云われちゃあ、俺の沽券に関わる。
屋上に上がってきた看護婦に、嬢ちゃんを預けて、火の手が上がる砂止場(港)に向かった。

ウヨウヨ居やがる、昼間のサソリどもがよ。
なんじゃありゃ?! でかい、サソリの親分か?
先史文明の怪物の機械仕掛けの鋼鉄カニ(Apparatus of Kwalish)、とか云うヤツか?
サソリどもは、デニスの“爆弾”で、派手に吹っ飛ばされたよ。
バッソの爺さまも、拳銃に爆弾で、大奮戦。
ジェイと俺とで、鋼鉄ガニ退治に当った。
カニ、硬ぇ〜よ、銃弾が弾かれるぜ、3発に1発程度しか、まともに効きやがらねぇ。
ジェイの剛弓も、外身のパイプやらを狙って、やっとこさ、と云った感じだぜ、前面部分は、歯が立たねぇ。
サソリをバラしたデニスとバッソ爺様も追っ付き、爆弾を雨アラレと、大奮発。

停止寸前に、中から何か出て来やがった!
見覚えのあるヤツだよ、トビアスのおっさんかよ、アンタか、砂族のアジトのオアシスに、これらを呼び込ンだのはよ!

何だって? 先史文明の怪物をバラすなんて、お前等人間かだって?
(人聞きの悪い事云うなよ、遺跡探索で、先史文明の機械仕掛けを、相手にした事もあンだよ、慣れだよ、慣れ)
自棄起こして、俺を刺しに来やがった、アッサリ殺られるほど、人間素直に出来て居ないンでね、当然、返り討ちだよ。
鋼鉄カニに、他にも乗ってる奴らが居た。一応の降服勧告はしたぜ、トビアス含めて全員で3名、二人死んで、一人が捕虜。
最後の方、俺も死にかけててが、笑い話として、それは置いておいてくれ。


***(DM) この鋼鉄ガニ(Apparatus of Kwalish)ですが、少々能力を変更しました。
 DRは15から5へ、これは魔法のない世界では当然でしょう。
 DR15なんてつらすぎるって! ただでさえHP200もあるのに!
 で、その代わり、Borrow(10’)、垂直登坂能力を足しました(戦闘では役に立たないけどね)。
 あとの雑魚はClockwork Horror:Electrum3体です。 本当はわさわさと出したかったんだけどね。
 (今週のビックリドッキリメカぁってな感じで! ←え? 古い? 笑)***

Rですが、正確には硬度です。魔法でも抜けない・・・。
で、よく考えたら、この硬度15ってミスラル並なんですね。こいつの外骨格はミスラル製・・・
(DM-SKM)

襲撃の波が引いた所で、捕虜を引っ立ってて、スピット・ファイア船長以下砂族の面々の前での尋問開始。
襲撃を掛けて来た連中の正体を口を割らせた。
『ロイヤル・テンプラーズ』と名乗り、連合王国内の過激な結社らしい。
王国内でも、結構な力を持っているらしく、羽振りが良さそう、何せ先史文明の遺物を、こんなに投入して、来やがるぐらいだ。
何でも、帝国の中にも似たような組織があり、結託してるそうな、悪党連中の考えそうな事だ。
(俺らも充分、悪党だって? 善人とは云わないまでも、そこまで堕ちちゃいないぜ、せめて悪漢って呼ばれたいね)
でだ、王国にとっても、帝国にとっても、そして『ロイヤル・テンプラーズ』にとっても、
 砂族タロンは、最も被害を与えている砂族なので、とっと潰したかったとさ、別箇の目的で、『ミネルバ』の回収の任務もあるとよ。
ミネルバ、効いた事あるな? 嗚呼、バッソの爺様のお気に入りか!
何でも、帝国艦が、どこぞの遺跡から回収した『ミネルバ』を移送中、王国艦と戦闘になり、砂族がネコバ…、もとい保護。
『ロイヤル・テンプラーズ』が、帝国艦を襲撃するのか、受領するのか判らんが、手にする予定だったそうな。

でだ、おっ死んだトビアスは、『ロイヤル・テンプラーズ』の構成員で、諜報部の幹部だったらしい。

砂族タロンにとっては、第四の勢力『ロイヤル・テンプラーズ』、厄介のタネが増えたな。
(第三勢力は『商人組合』だぜ、帝国・王国お構い無しに、色々やる「死の商人」連中さね、厄介のタネって、俺らじゃないぜ)
スピット・ファイア船長の号令の下、撤収準備が始まった。
俺らの明日のねぐらは、どっちだ?

To be continued!


PC紹介(プレイ終盤)
 ジェイ(冒険の結果)流石は、剛弓傭兵の名にし負う強兵でした。
 デニス(冒険の結果)北○神拳伝承者?,歩く火薬庫&殺人音波ギタリスト(笑)
 バッソ(冒険の結果)NPCミネルバ嬢にメロメロ(?)なエロ爺(笑) DMのPLへの罠&PLの壺にハマったようです(笑)
 ヴィン(冒険の結果)「肉の壁(脳みそは筋肉)」の異名通り、前面で撃ちまくれました(笑)


***(DM) 皆さんお疲れ様でした。
 サークル内で初のDMだったので色々と至らなかった所が多々あると思います。
 フォローして頂いてプレイヤーの方々には感謝感謝です。
 また、やはり銃器の威力不足が目立ち、その辺のフィートの検討等、色々と調整しなければならない事を痛感しました。
 あとは、対人間戦を端折ってしまった事ですね。
 (ちゃんと敵対砂族との船上戦を用意したのですが、時間配分が上手くできず、スタートが遅れたのもありますが)
 せっかくそれに特化したPCを作って頂いたのにそれを発揮する場所が無かったのが申し訳なかったかと思います。
 なぜか、キャンペーン化が本人の知らぬ間に決定してしまったらしいので、(笑)
 今後も頑張りたいと...思うわけで...ふぅ...(笑)
 なにはともかく、ノリの良い方々ばかりだったので、とても楽しくDMする事ができました。
 ありがとうございました。***