2レベルキャンペーンレポート「エルフの首飾り」
(2003.9.28/DM:DM-SKM/レポート:ダメえもんさん)



<<プロローグ>>

 五色に光りしエルフが瞳は 龍の御座にて眠りにつかん
 瞳を暴きし気高き愚者は 常夜の闇へと堕ちてしゆかん

エルフの古歌より(詠み人知らず)

・・・か、どうかは分かりませんが(笑)

 人口3500ほどの町、ロブノのほぼ中心に位置する青いスワン亭、そこは旅人が集い、そして別れゆく酒場。

ローシット村で少しだけ名を馳せた旅人達も、それは例外ではなかった。
 ある者は部族の誇りを守るため、またある者は神の試練を受ける為、それぞれ別々の道を選んでいった。
 しかし、一行には新しい仲間もできた。
ローシット村からログノ町へ行く途中の森で知り合ったハーフリングのドルイドであるジョン、その忠実な友である狼のクリス。
 そしてログノの町の司祭であるアンドリュー、彼はファラングンの意思に沿って我々の元にやってきたそうだ。

 酒場にいる吟遊詩人のハーブが音を奏で、ログノの夜は更けてゆく。旅人達が町に来て一週間が過ぎようとしていた。

 今日もまた、いつもどおりの何ごともない日常が過ぎてゆく・・・そう、あのエルフの少女に出会うまでは・・・。

ロブノ
人口:3500、権力中枢:非正統的権力、属性:LN、GP上限:3000
人間:75%、ハーフリング:7%、エルフ:4%、ドワーフ:5%、ハーフエルフ:2%、ノーム:3%、ハーフオーク:2%、その他:2%
重要なNPC:ハイエル4世(領主)、プレシオン(騎士)、グリグス(豪商)

<<キャラクター紹介>>

ギルダール・ヴェールメント(人間のクレリック/パラディン HP17、AC17):宮ノ下さん
<セント・カスバードの司祭兼パラディン様。今回のセッションでは何度か悪の道に誘惑されかける。結構かわいそうな役柄かも。>
 DM「エルフの少女が冒険者に突き飛ばされて泣いているね。」
 ギルダール「うっ、行きたくないなと思いつつパラディンとしては・・・。」
 ボンゴ・ロッソ「それを遠くから眺めながら、『まあ、あの人女の子を泣かせてるわ』と隣の主婦と話してます。(笑)」

 (普通に強いですね。いつも良いキャラ作りますなぁ。)

ボンゴ・ロッソ(人間のウィザード HP12、AC13):DANさん
<一人前のネクロマンサーを目指して修行中。しかし後半ではネクロマンサーでなくネゴシエーターになっていたような気が・・・。>
 ジョン「(オークの死体を見て)そういえばボンゴって死体と話せたりしないの?」
 ボンゴ・ロッソ「話せるよ。頭の中で時々(笑)」
(それでは単なる電波な人です。)

 (ネクロなのでレベルが低いうちは派手さはないが地味に強いです。でもファイアーボールが飛んでた・・・2回も!)

ジョン(ハーフリングのドルイド HP12、AC19):瀬尾さん
クリス(狼 2HD、HP13、AC14):瀬尾さん
<トールフェロウのハーフリング。本人よりもお供の方が強かった気がするのはきっと気のせいです。フレームブレードは強力でした。>
 ジョン「フレームブレード発動!」
 DM「えー、オークの攻撃で8ポイントのダメージね。」
 ジョン「それでダウン! ああ、せっかくのフレームブレードが・・・(笑)」

 (ジョンはオオカミの名前だと勘違いしていた(笑)。今回は選択スペルがベストマッチしてました。)

ナッツ・クラッカー(ハーフリングのローグ/ファイター HP13、AC17):ダメえもん
<罠を一つも発見できない似非ローグ。途中から人格が破綻していったような感じするのは気のせいではないはずだ。>
 DM「扉には『危険、罠あります』と書いてあるね。」
 ナッツ・クラッカー「よし、『捜索』・・・罠はないね。間違いない!(笑)」
 一行「ナッツの居る扉から離れて十字路まで戻ります。さあ、開けろナッツ!(笑)」

 (もはや誰も彼が罠を解除するスキルを持っているなんて思っていない事でしょう(笑))

アンドリュー(人間のクレリック HP16、AC18):F氏さん
<ファラングンの司祭様。「幸運」と「守護」の神を信仰しているにもかかわらず不運だった人>
 アンドリュー「(穴に落ちたギルダールを見て)ギルダール、今助けに行くぞ! と言って穴に飛び込む。」
 DM「じゃあサイコロ振って・・・穴は途中で2手に別れていた。君はギルダールと別の穴に入り込んだ。そこにはゾンビが3体いるけど。」
 アンドリュー「何ぃ(笑)」
(この後、他に飛び込んだ全員は皆ギルダールと合流した・・・)

 (何故か不幸が降ってくる、幸運の神様の神官(笑))

<<迷子の迷子のエルフちゃん>>

 人口3500人ほどの大きな町、ログノ。ローシット村の事件を解決した冒険者達は、この町のほぼ中央に位置する「青いスワン亭」に滞在していた。町に来て役1週間が過ぎたが、仕事探しは難航していた。
 そんな中、セント・カスバードの寺院から青いスワン亭に帰ろうとしていたギルダールは、一人のエルフの少女が冒険者に突き飛ばされて泣いているのを見かけた。

 DM「エルフの少女が野良冒険者に突き飛ばされて泣いているね。」
 ギルダール「うっ、行きたくないなと思いつつパラディンとしては・・・。」
 エルフの少女は見た目13才くらいに見える。ぼろぼろの服を着て、泣きじゃくっていた。ギルダールは近づいて「大丈夫か」と声を(嫌々)かけた。
 エルフの少女「・・お父さんの形見を探しているの。」

 それ以上のことは泣いていてよくわからない。ギルダールは仕方なくエルフの少女を青いスワン亭に連れて行くことにした。
 それを遠くから眺めるボンゴ・ロッソ(笑)、近くの主婦に「まあ、あの人女の子を泣かせてるわ」などと話していたのは言うまでもない。

 (いやー、パラディンはつかみやすいですなぁ(笑)DM的に楽しいよ。)

 同じ頃、ナッツとジョンが青いスワン亭で酒を飲んでいると彼らの元に一人の人間の商人がやってきた。彼の名はゴロンザ、そこそこ名の知れた豪商らしい。なんでもローシット村での出来事を聞いて依頼を頼みに来たらしい。ゴロンザの話では大切にしていた宝石がオークに盗まれたので、それを取り返してくれないか。取り返してくれたら6000GP払ってもいい。との事だった。
 ナッツ「そっかー、1人6000GPかー。」
 DM「パーティ全員で頭割りだ。もちろん(笑)」

 とりあえず連絡先を話し、ゴロンザは帰っていった。

 (商人の名前を聞いたとたん「悪者」呼ばわりするのはやめましょう(笑))

 しばらくしてギルダールが泣きじゃくっているエルフの少女を連れて帰ってくる。
「パラディン様、ついに(もう)堕ちましたか!?」
 と他のメンバーから激しい追求を受ける・・・(笑)
 その後、他のメンバーも全員揃った所でエルフの少女(名前はミルミルだそうだ。)に父の形見とは何かと聞くと、5種の宝石(クリスタル・エメラルド・トパーズ・アメジスト・サファイヤ)のついたネックレスと話す。今それがどこにあるのかと聞くと商人のゴロンザに借金のかたに取られたとの事。それを取り返して欲しいとミルミルは言った。

 ・・あれ? それってゴロンザの所有物を盗めということですか? 向こうの方でパラディン様が頭を抱えているようだが気のせいでしょう。(笑)


<<絡み合うエルフ関係>>

 とりあえずネックレスの事は見つかってから考えることにして、一行はゴロンザの元へと行くことにした。ゴロンザの依頼を正式に受け、『彼の』大切な宝石を5つすべて揃えるという条件で、前金として500GPをもらう。当然のごとく、もらうと同時に何を買うかでもめ始める一行。ま、冒険者なんてこんなもんです。

 しかし、お話はそこで終わらない。
 500GPをもらって意気揚揚と帰る一行の前に、一人のフードを目深に被った見るからに怪しそうな人が現れたのだ。彼の名はプライム。フードで隠してはいるものの人間ではなくドロウ・エルフのようだった。彼は一行に「宝石1つにつき2000GPだそう。ゴロンザの所よりいい条件だろう。」と言ってきた。彼はいぶかしんでいるパーティを見ると、連絡先だけ教えて帰っていってしまった。
 っていうか、前金くれたら考えたのに・・・。

 とりあえず青いスワン亭に戻った一行は、エルフの少女ミルミルを酒場のおやじに預け、装備(ウォーポニーや「ファイアーボール」のスクロールなど)を一通り整えるとオークのいたという場所に向けて出発した。

<<金持ちオークさん、貧乏パーティさん>>

 オークのいたという街道にやってきた一行。街道に着き、辺りを見回しているとオークが6匹、草むらに隠れてこちらに近づいてきているのを発見した。
 ついに今回初めての戦闘だ。

 まずはナッツのライト・クロスボウで1匹のオークが倒れると、全員戦闘配置につく。そして、オークはというと・・・。
 DM「では、雷石2つと錬金術師の火を2つ投げます。
 全員「こ、このオーク金持ちだ・・・。」

 そう、オークはとても金持ちだったのです。雷石に聴覚をやられ、ボンゴ・ロッソとギルダールはイニシアチブが4下がってしまった。さらに・・・
 DM「錬金術師の火・・・命中。ボンゴ・ロッソは火が燃え移ったかのチェックね。」
 ボンゴ・ロッソ「・・・失敗。燃えてます(笑)」

 そう、火がつくと消さない限り毎ターン燃えつづけてしまうのである。激しく燃える男ボンゴ・ロッソ。ってか全然火が消えないだけですが(笑)。

着火:DMG p.86とPHB p.114を参照。実はルールミスがありました。錬金術師の火は直撃の場合”自動”で次ラウンドダメージでした。
    あと着火するとアイテムダメージが発生しますので要注意。

 パーティが(のっけから)苦戦に。ここでアンドリューが立ち上がった!
 アンドリュー「目の前のオークにランダム・アクションかけます。」

 そう、ランダムアクションをかけてうまくいけばオークを1匹無力化できるかもしれない。判定にはd8を振って表を見ることになっている。
 アンドリュー「いきます・・・8! 『術者を攻撃する』!?(一同爆笑)」

 なんじゃそりゃ!? 以降、アンドリューがランダム・アクションを唱えることは二度となかったという・・・。

 そんなこんなで、ボンゴの火が消えずに危うく消し炭になりかけたという微笑ましい(?)出来事はあったものの、一行はなんとかオークを全滅させることに成功した。
 ・・・あれ? 全滅させて良かったんだっけ?

 えー・・・早速オークの住みかを聞く手段がなくなりました。合掌。

 (2レベルで1600gp支給している君らの財政は平均以上で、貧乏って事は絶対ないと思うが・・・)


<<戦闘、戦闘、また戦闘>>

 結局、一行は街道の先へ行き名もない村に辿り着いた。ここで休息を取り情報収集をする。そこで手に入れた情報は、なんでも最近オークの縄張りでリザード・フォークを見かけるとのこと。おいおい、オークに続いて今度はトカゲか? 願わくばトカゲさんが金持ちでないことを祈る。

 次の日。再び街道に戻り、オークの足跡を調査。当初狼のクリスが調査の最有力候補だったが、あろうことかいきなり失敗。自分の尻尾を追いかけてその場でぐるぐる回るクリス(笑)
 と、すると・・・。当然のように、次はローグさんの出番です。クリスに負けじと首輪をつけ(何故?)足跡を捜索、捜索、また捜索。・・そして遭難。一行は森の中で足跡を見失ってしまった。

 (んな、自虐的にならんでも(笑)。あ、そう言う方向のキャラですか・・・(笑))

 と、ここで天の助け(?)か、オークのパトロール4匹を発見。後をついていった所オークの隠れ家の洞窟を発見することに成功した。
 洞窟にはバグベアが1体だけ。奇襲をかけるもさすがに1ターンでは倒せず仲間を呼ばれてしまう。洞窟から出てきたのはオーク3体。最初は雷石と錬金術師の火さえなければこっちのもんだ! なーんて思っていたが、実はオークの1匹がバーバリアン持ちということが判明。パラディン様(ギルダール)とフレームブレードを発動したジョンが3匹のオークの攻撃で倒されてしまう。あれれ、今度も全滅コースですか?

 (言っておくが普通のバグベアだよ。)

 バグベアはなんとかライト・クロスボウで倒したものの思わぬクラス持ちに苦戦する(またか)一行。しかし、アンドリューの一撃でバーバリアン・オークを倒したのちは、ボンゴのマジック・ミサイルワンドとナッツのライト・クロスボウでそれぞれ1匹づつオークを倒し、なんとか戦闘が終了した。


 さて戦闘が終了してほっと一息・・・なんて場合じゃない。洞窟の入り口で戦闘をしたので、洞窟の中にいるオーク達が出てくる可能性があったのだ。一行は一旦森の中に逃げ込み、状況を見守った。
 すると、案の定オークが4匹にオーガーが1匹、洞窟の入り口にやってきた。うーん、洞窟の中にはオーガーもいるのか。これは気をつけて行動しないとな・・・なんて思っていると、アンドリューがこう呟いた。
 アンドリュー「ボンゴに呟きます『・・ファイアーボールだ』(笑)」

 アンドリューは冗談のつもりだった。冗談のつもりだったのに・・・
 ボンゴ「スクロールを取り出してファイアーボールを唱えます。」

 おやあ? やる気満々だよ、この人。(笑)

 結局、ファイアーボールの一撃でオークは全滅。オーガー1匹になったところで、ギルダールと狼のクリスとアンドリューが飛び出す。さらに弱ったオーガーにギルダールのクリティカルが炸裂! 31ポイントのダメージを受け、オーガーはあえなく昇天しました。 このまま洞窟の入り口ですべての戦いを終えるのか? なんて思っていたが、それ以上出てこなくて残念。結局一行は洞窟に入ることになりました。

 (まあ、あの状態で連戦するとは思わなかった。結構微妙なバランスだった気がするぞ。
  だけどいつも洞窟の入り口で死にそうになるね・・・)


<<似非ローグの冒険>>

 洞窟に入った一行は、そのまま迷宮に突入した。ランタンをかざして中に進んでいくパーティ。先ほどの入り口での2度にわたる戦闘のため、敵はほとんど残っていなかった。となると残る危険性はトラップのみ。
 さあ、頼むよローグ君。

 さて、ここで読んでるあなたに問題です。ローグ(ナッツ・クラッカー)は今回の冒険で一体何回「装置無力化」のスキルを使ったでしょうか? 答えはすぐ後答え:0回


 あれぇ?
 いや、罠はあったんだよ。とりあえず正解のVTRを見てみましょう。こちらです。

 DM「君達の前には綺麗な扉があるね。扉の前にはオーク語で『トラップあるよ』って書いてあるよ。」
 一行「なんて親切な(笑)」
 ナッツ「よーし、『捜索』使います。・・・ないね! ここにはトラップないよ、絶対!(笑)」
 ナッツ以外全員「よーし扉はナッツに任せて十字路まで戻ろう(笑)」
 ナッツ「・・扉を開けます。」
 DM「あ、開けた? じゃあ扉からドラゴンの頭のようなものが出てきて君と十字路にいる仲間全員に酸を吐いたよ。(笑)」
 ナッツ「あれえ?」


 DM「君達の前にドアがあるね。」
 ナッツ「えーと、捜索します。」
 DM「その目か・・罠はないと思った。」
 ナッツ「トラップはないね。・・絶対。」
 ナッツ以外全員「十字路の陰に隠れます。(笑)」
 ナッツ「えー・・・扉開けます。」
 DM「開けた? じゃあ、部屋の中からアローが飛び出して君に刺さった。(笑)」
 ナッツ「矢を見て『なんじゃこりゃぁぁ・・・』(太陽に○えろ風)と叫びます。(笑)」


 てなわけで、ナッツは一回も「装置無力化」のスキル使えませんでした。てへ。
でもその2つの部屋からスクロール5本(イレイズ、サイレント・イメージ、レヴィテート、ダークビジョン、サモン・モンスターV)と銀引きダガー(高品質)を手に入れてごきげんなナッツなのでした。

 (この時のサモンモンスターVがボス戦で思わぬ勝利を・・・)

<<ギョクザノウシロ シラベル>>

 そして、洞窟も終わりが近づいてきた。最後に入った部屋は40フィートx50フィートの大きさで、その奥にはオーガーサイズの巨大な玉座が置いてあった。それ以外には何もない。ここで、ジョンが「『玉座の後ろには隠し扉がある』というハーフリングの伝説が・・」と言い出したため、玉座の後ろを調べることに。そうすると本当に隠し扉が! ジョン、君はロトの勇者の末裔か?

 (正確には「玉座の後ろ」ではなく、玉座そのものに金庫が取り付けてあったのです。)

 玉座の裏の隠し扉には一つの宝箱が。当然のごとくナッツは罠の解除に失敗し、耐久力が12から3に激減。(3d6の耐久力への一時ダメージって、あのねえ・・)ナッツの最大HPは3になりました。(お前はD&Dクラシックの盗賊か?・笑)
 ギルダール「ナッツ、大丈夫か?」
 ナッツ「・・・大丈夫・・・だいじょう・・ぶ・・・。」

 心なしかナッツの顔が青ざめているようですが、気のせいでしょう・・。
 宝箱から宝石のすべて取られたネックレスを発見した一行は、へろへろのナッツを連れて、一旦町に帰る事になった。


<<ネゴシエーター・ボンゴ>>

 ログノの町に帰った一行は、町の司祭にレストレーションをかけてもらい、ナッツの耐久力を元に戻してもらうと、戦利品を鑑定し、再び洞窟へと戻ることにした。
 もちろん、その前にミルミル(エルフの少女)に会って、ネックレスを渡すことを忘れないギルダール(保護者)。
 ネックレスを渡された少女は、宝石がないのを見て「宝石がないー」と駄々をこねた。
 「甘えるな!!」(笑) これを手に入れるのに一体どれほどの犠牲があったと思ってるんだ!!
 包帯に身を包んだナッツが睨むと、少女は大人しくなりました。
 そんなこんなで、再び洞窟へ向けて出発する一行、一日がかりで洞窟についた。
 すると、なんてことだろうか。洞窟はどうやらリザード・フォークに占領されてしまったらしい。入り口にはトカゲ人の門番が立っていたのだった。

 ここで、彼らの母国語?であるドラゴン語を知っているボンゴ・ロッソが大活躍。交渉力ゼロにもかかわらず見事に交渉成功し、リザード・フォークと戦わずに話し合いを勧めることができた。さすがだが、これではネクロマンサーではなくネゴシエーターである。
 もみ手をしながらリザードフォークに宝石のある場所を聞くボンゴ。
 彼らの話すにはなんでもドラゴンへの献上品の中に宝石があったとのこと。ど、ドラゴン? よくよく聞いてみるとどうやらグリーンドラゴンらしい。
 さらに交渉を続けなんとかそのドラゴンのいる所に連れて行ってくれないかと頼むボンゴに、彼らは「英雄か客人ならば我らのシャーマンに会わせてやろう。シャーマンであればドラゴン様の所への行き方を知っていらっしゃるだろう」と言った。
 英雄か客人? 英雄の方法は・・・9HDのモンスターを倒す? あ、客人の方が良さそうだね。
 リザードのクラン(集落みたいなもの?)への貢物として300GPとさっき見つけた銀のダガーを差し出し、一行はリザードのシャーマンの元へと行くことになった。

 (この時点でドラゴンという固有名詞は出てきていません「守護者」と言う名称で彼らは語っています。
 ドラゴンだと思っているのはパーティーの推測です。
 また、最初のアタックで、洞窟をさらに進むと、彼らとオーガ・ロード&オーク・ソーサラー率いるオーク達が戦闘中でして・・・。
 彼らの前で、オーガ・ロード&オーク・ソーサラーを倒せば自動的に英雄扱いになりました。)


 リザードフォークのクランで、偉大なるシャーマン、ジャードよりドラゴン様の所にいくためには神格が必要で、英雄の試練を受けた者のみがそこへ行けるという話を聞く。で、具体的な内容はというと、ドラゴンのいる洞窟に入ってドラゴンに会うことが条件らしい。
 なるほど、ドラゴンに会う条件はドラゴンに会うことなんですね・・・あれ?

 (正確には「守護者の加護がある者は、おのずと彼の所へたどり着く事が出来る」ですね。
  普通は非常に危険な場所なので「行ったりしません」が・・・
  ちなみに、このシャーマンは実はサイオンです。まあ、理由は分かりますね。)



<<アンドリュー、受難の日>>

 こうして晴れて(?)ドラゴンの住みかまで行ける洞窟に足を踏み入れた一行だったが、いきなりシャドウ2体に行く手を阻まれる。シャドウは筋力にダメージを与えてくる強敵だ。ギルダールがなんとか退散させて先に進むと、その先は円形の部屋になっていた。
 先の数回の失敗ですっかりひねくれてしまったナッツは、10フィート棒で部屋のあちこちを叩き始める。しかし、何もないようだった。ようやく落ち着いてその部屋から伸びる通路の先の扉を開けるナッツ。その時だった、扉の罠が発動したのは。
 扉を開けたナッツは部屋の中に押し込まれ、部屋の扉には石の壁が被さる。そして部屋の中には4体のスコーピオンが!
 幸いにしてナッツのHPが3まで減った所でギルダールが石壁を壊すことに成功し、助けにきてくれた。パーティが揃えばスコーピオンは敵ではない。あっという間に殲滅されました。とはいえ、ライトクロスボウ使いはこういう時困るのね・・。

 (スコーピオンっても、一番小さいサイズなんで・・・普通なら瞬殺されるんですが・・・ナッツが盛り上げてくれました(笑))

 スコーピオンを倒した一行が、また円形の部屋に戻ると、反対側の通路から紫色のドラゴンが来たのに気づく。円形の部屋の中央まで近寄るギルダール。その時、円形の部屋の罠(またか)が発動した。
 ギルダールの姿が忽然となくなる。落とし穴のトラップだった。

 (あれだけ慎重になってたのにね。実は重量制限があって、棒でつついたり、ハーフリングが載っても開かないのだよ!ふっふっふ。)

 あわててギルダールを助けに行くアンドリュー。しかし、ここで罠の本当の姿が明らかに。なんと、この落とし穴途中で2手に別れていたのだ。
 アンドリュー「(穴に落ちたギルダールを見て)ギルダール、今助けに行くぞ! と言って穴に飛び込む。」
 DM「じゃあサイコロ振って・・・穴は途中で2手に別れていた。君はギルダールと別の穴に入り込んだ。そこにはゾンビが3体いるけど。」
 アンドリュー「何ぃ(笑)」

 勇敢なアンドリューの後を追い次々と飛び込むパーティメンバーは、すべてギルダールのいる方に辿り着いた。ああ、アンドリュー、不幸(笑)
 幸運と旅の神の信者であるアンドリューは、ゾンビ3体に対してターンアンデッドを試みた。成功すれば1人でも何とかなるかもしれない。d20を振って出目は9。これ以上の目が出ないとアンデッドは退散できない。ここでアンドリューは迷わず幸運の力を使った。「幸運の力」とは幸運の神の信者のみが使える特殊能力で、一日に一度だけダイスを振り直すことができる能力だ。アンドリューはd20を振り直して・・・出目は3・・・。
 結局、彼はゾンビ3体にぼこぼこにされてあえなく意識不明になってしまった。

 (クレリックだったので・・・ちなみに3体のゾンビの内訳は人間、ドワーフ、リザードフォークなんですが・・・実はリザードはゾンビじゃないのだ。)

コープス クリーチャー(BoVD p.185参照):外見はゾンビと同じなのでが、ゾンビ風のテンプレートです。
 通常のゾンビがその大きさのみによって能力が決定されるのに対して、このテンプレートでは元の能力が継承されるので・・・。
 いわばテンプレート版ゾンビで3.5版ゾンビの元になってます。

 で、ギルダールの方はというと・・バンデッドという強力なアンデッドモンスター(HD6で敏捷力ドレイン、ダメージ軽減能力を持つ強敵)に出会い戦うことに。とはいえ、パーティのほぼ全員が来ているので、なんとか撃破に成功。めでたしめでたし。・・・あれ? 誰か忘れてない?

ベインデッド(BANEDEAD):Monster of Faerunのアンデット。CRわずか3にして、DR+1/15持ちの上Dexをドレインする能力をもつ強敵。

 再び不幸なアンドリューに視点を戻すと、途中でボンゴが助けに入るものの、ボンゴもゾンビにやられてHPがマイナスになってしまった。こうなるとd10を振って1が出ないと(10%の確率)血が止まらずに1ターンに1点ずつHPが減ってしまう。そしてHPが-10になるとそのキャラは死んでしまうのだ。
 ゾンビがアンドリューとボンゴを倒して持ち場に戻る間も、そしてもう一つの部屋でギルダール達がバンデッドと戦っている間もアンドリューとボンゴのHPは減りつづけていた。このままでは2人の命が危ない!
 と、ここでようやく幸運の神様がこちらを振り向いてくれた。
 アンドリューとボンゴが同じターンにどちらも1を出したのだ。これで2人の血は止まりこれ以上HPが減る心配は(今の所は)なくなった。とはいえアンドリューのHPは-7、あと3ターンでお陀仏だと思うと・・・ブルブル。

 結局、先ほどのドラゴン(友好的なアメジスト・ドラゴン)の助けもあって2人は救出され、一人はギルダールのキュア・ライト・ウーンズの呪文で、一人はナッツのポーション口移しで(笑)それぞれ意識が回復するに至った。ここでナッツの口移しを受けないで済むあたり、さすがは幸運の神の信者である。

 (アメジスト・ドラゴン:MM2参照。某ドラゴンと間違えていたようですが、こうなると5つの宝との関係も・・・・


<<コウモリたちの最終決戦>>

 落とし穴から出て、ドラゴン(名前はロウタ)に礼を言う。しかも、驚いた事にドラゴンは5色の宝石の一つ、アメジストを持っていた。物々交換にてアメジストの宝石をもらう一行。聞くと他の宝石のうちエメラルドはさらに下の階にいるエメラルド・ドラゴンが持っているらしい。さらに、他の宝石3つ(トパーズ、クリスタル、サファイヤ)はこの階の奥の部屋にいるクモ女が持っているらしい、という情報までもらうことに成功した。
 急ぎ案内してもらう一行。途中で5つの宝石状のくぼみのある部屋を通る以外は特に何もなくクモ女の部屋にたどり着くことが出来た。さあ最終決戦だ。

 (ちなみに物々交換の対象は「食料(ジャーキー)いっぱいとその他」と格安。つーかこれでも交換に悩むパーティーって何?(笑)
  ちなみに彼は「クモに取られた」とは言いましたが、「クモ女」とは言ってません。「クモの上に”何か”付いてる」とは言いましたが・・・
  むしろドライダーと勘違いしていたようです。つーか女かどうかも怪しいのだが・・・)


 当然のことながら、クモ女との戦いはパーティ苦戦で始まった。まず、クモ女にかかっているダークネスを払い、そして戦いになるも、クモ女は天井に張り付いて攻撃してくる。クモ女に近づいたギルダールはクモのWebに捕らえられまったく動けなくなり、アンドリューはクモ女の側面をすり抜けようとした所をクモ女の機会攻撃を受け、パラライズの毒で動けなくなる。主力2人を欠いたパーティに全滅の危険が出てきた。

 ところが、ここで意外な戦力が登場。ボンゴがサモン・モンスターVのスクロールを使って召還したフィーンディッシュ・ダイアバット(名前はスティーブン)とジョンがサモン・スウォームで呼び出したコウモリだ。彼ら(?)の活躍により徐々に体力を吸い取られていくクモ女。最後のとどめはボンゴのマジックミサイルワンドの一振りだったものの・・・コウモリさんのあまりの強さに呆然とする一行(とDM)だったのでした・・・というよりもダメージを与えていたのが実質コウモリ達だけだったというのは・・・どうなの?(笑)

 ここで時間一杯。3種の宝石を手に入れ、残るはあと1種類。すべての宝石を手に入れるとどうなるのか、そして最終的に宝石を手に入れるのは誰なのか? いろいろの謎は残ったままお話は続きます・・・。

 (このモンスターはCholdrith。これもMonster of Faerunから。CR4ですが、ソーサラーを1レベル加えてCR5です。
  AC23、SR13に加えパラライズとウェブと言った一撃で行動を奪う能力。
  普通に考えれば全滅する可能性の十分ある敵です。なんで負けたんでしょ・・・?
  実は事前に”ドロウ”の存在を意識していたこジョンがフェアリー・ファイアーの呪文を用意していたのが良かった。
  またサモンスウォームで出たのがコウモリで、事前に入手したスクロールからもコウモリ・・・
  にしてもダイア・バットは予想以上に強い。ブラインドサイトの上に、なによりCR低いのがまた良い(笑))

サモンスウォーム:通常だと召還した群れは動かす事が不可能だがドルイドが使うと動かせるので凶悪。
 精神集中が必要だが”群れの中では呪文が使えない点に注目(精神集中チェックの余地はない!)”。
 術者の移動とかにレディ行動とかされると・・・術者は死ねる。
 召還される群れはランダムなのだが、今回ミラクルにバットを引き当てられました。
ダイア・バット:普通に強い。hp30+飛行+AC20+ブラインドサイトでCR2ですよ。MM p.57参照。
 Sサイズなら十分騎乗可能だよな、これ・・・。なにげに忍歩き+11も強かったりする。

<<エピローグ>>

「そうか、奴らはドラゴンの洞窟に向かったか・・・。」
 フードを目深に被った男はそう呟くと口の端を曲げた。くぐもった薄い笑い声が風に打ち消される。強い風にフードが外れるとそこには漆黒の闇のように黒い肌がのぞいていた。
「ついに・・我が元にあの宝石が手に入るのだな・・・愚者どもよ、楽しみにしているぞ・・・。」
 男の笑い声はいつ果てるともなく続いていた・・。

 (本当か?またまた、本当にこんな事を言っているかはかなり謎だ・・・)

<<感想>>
 コウモリ強い! サモン・モンスター系の呪文は意外と強力ですね。あとは・・・個人的にはせめて一回は「装置無力化」を使ってみたいものです。(笑)
 ついに物語が始まりましたね。今後どのような展開になるか楽しみです。

 (みんさんご苦労様でした。
  DMの甘い考えで、最終戦がボロボロでしたね(笑)
  次回は!サモンなんかに負けないぞ!)