ティンちゃんの日記 -血の川 (The River of Blood)-

 まずはあたしのパーティーを紹介します。
 言葉は話せないけど頼りになる、不思議な超能力を持つ中立善良なハーフオーク、ヴェイストルムことヴェイ(ATSさん)
 心術師(Enchanter)の人間ウィザードにして、ヴェイと同じく中立・善のブラックバーンさん(Elwoodさん)
 熊のパコを連れているネグロさん(Kazuさん)は、オーバド・ハイの中立な人間クレリックです。
 そしてあたしはエルフのティヌヴィエルことティンちゃん(Nightingale)で〜す。実はシーフギルドに入ってて混沌しちゃってるけど、善の心は持っているわ。今回の冒険はあたしが解説します!

 あたしたち4人(と1頭と2羽と3匹)はバレンテという小さな町に来ました。
 衛兵が熊を気にしつつも、冒険者街の場所を教えてくれたけど、開いてる宿屋が少ないよと言われました。確かに行ってみると宿屋は一軒しか開いていなかったわ。その店の主人に事情を聞くと、井戸の水がおかしくて、宿屋が務まらないらしいの。放っておけないと感じたあたしたちは、早速問題の井戸を調べると、獣の毛と血のようなものが混ざっていることの気づいたんです。ヴェイが能力を使って井戸の底を見ると、川から来ている水の流れがあることがわかったわ。
 また、ネグロさんの意向でヴェイが水を飲むことになって、腐ったような味がしたんだって。さらに宿屋の主人から2週間前に井戸の水が汚れ始めたときに、川の近くで地震があったり、首の切られた鶏の死体が見つかったりと、悪の宗教に関係のありそうなおかしな事件があったらしいの。怪しいと思いながらも、その日はとりあえず井戸の水をネグロさんが少量浄化して、休むことにしました。

 次の日、宿屋の組合長さんからその町の領主にとりついでもらうことになったの。
 あたしは領主の住むような屋敷は苦手だからと、一人シーフギルドをあたったわ。シーフギルドではこの周辺に中型のゴブリンが出始めている事がわかりました。ギルドで聞いたことを皆に話すと、どうやらバグベアがうろついているらしいことをブラックバーンさんは悟ります。
 ブラックバーンさんとネグロさんの交渉によって、領主の屋敷では井戸の水について調べろという任務を任されて、一人ずつ前金500gpをもらったとのこと。そこで、街の図書館でこの事件について調べても何の情報を得ることもできませんでした。明日はそれについてギルドで調べておくということで、この日も終わりました。

 バレンテに着いて3日目、バグベアについてのさらなる情報を求めてシーフギルドへ行きました。場所に関する事を聞いてお約束のお金を払うと、さらに100gp与えれば、2〜3日でギルドの者に詳しく調べさせるとのことでしたが、その話を断って皆の所に戻りました。
 話すと、2〜3日くらいは待てるそうなので、もう一回ギルドに頼むことにしました。パーティー資金から100gpをもらい、再度ギルドに頼むと、なぜか150gpに上がっていました。抜け目がないなぁ。

 さて、調べてもらっている間、ブラックバーンさんの使い魔や、ネグロさんの動物にも近くを警戒したり偵察してもらいました。
 2日たった日の夜、ついにギルドの人が来てバグベアの住む洞窟へのマップをくれました。井戸の水も魔法で浄化して冒険用の水を確保し、準備万全で町を出ることができたわ。道の途中で野生のかわいい猫(ライオン)が4匹現れたけれど、ネグロさんの動物領域能力によって3匹がごろ寝、残り1匹もネグロさんの魔法によって戦闘を回避しました。
 そんなこんなで、難なく洞窟につくことができました。

 洞窟では、あたしが先に入って捜索したところ、壁に小さな穴が開いているということに気づきました。これは怪しいということで、みんなに報告します。さらにあたしは外で11フィートのエクスパンダブルポールを使って隠し扉を探しましたが、あいにく、ありませんでした。中にいるみんなはヴェイが何かを穴の中に入れて中の様子がわかるようになっていたそうです。その中にはバグベアがいることがわかりましたが、どうやらヴェイの「目」に気づいたらしく、入り口のドアにバグベアが配置されました。部屋の出口の先の通路までは日の光が届いていなかったので、みんなで進む事にしました。

 しばらく警戒しながら通路の曲がり角で待っていると、インビジビリティーのかかっているバグベアが待ち構えている事に気づいたの!そこで、戦闘準備をして急襲をかけることにしたわ。まずは、ブラックバーンさんのファイアボールが見事に決まり、バグベア1体が焼け死にました。ネグロさんはトゥルーストライクボウ、ブラックバーンさんはマジック・ミサイルワンドで応戦しながら、ヴェイとあたしで襲撃すると、あっけなく5体を撃破しましたぁ。
 穴で見えていた部屋にはポーションがありました。さらに、その部屋に残っていたバグベア一体を捕虜にとらえて、ヴェイを通じてネグロの「飴と鞭」の尋問がはじまったわ。そこで聞き出すことができたのは、洞窟の奥にいる、ブラックボーンさんかヴェイのような人物に入り口の警備を任されていたそう。それがわかったところで、バグベアを縄でしばって先に進むことにしました。

 通路の途中で、黒っぽい川が流れていました。ヴェイが触ると井戸よりもさらにドロっとしている様子です。5フィートの川なので、みんな問題なく渡れました。
 次の部屋には崩れた通路以外何もなかったので、次の通路に警戒しながら進みます。すると先で水の流れる音が聞こえてきて、さらに警戒して見ると、先ほどと同じような川の中にワニが頭をのぞかせながら泳いでいるようです。これは危ないと、戦闘準備をして、遠隔から攻めることにしました。マジック・ミサイルと弓で攻撃すると、ワニが陸に上がって襲いかかってきました。4体のワニは主にミサイルによって倒されました。

 ワニの出た川が見える通路は三叉路になっていて、右側の通路に他に何かいないかとヴェイが闇の中で調べると、もういないみたいなので、とりあえずヴェイの「目」を見張りとして通路に置いて、真っすぐの道を進むことにしました。
 さらに進むと、奥にも三叉路があったので、再度ヴェイに見てもらうと、汚れた川の水源と思われる池と、その池を汚している何かの液体が壁からたれている事がわかりました。敵がいないことを悟ると、詳しく調べるために、あたしはたれていた液体を11フィートポールで回収したわ。ブラックバーンさんに調べてもらうと…どうやら獣の血らしいの。あの時だけは、ぞっとして立っていられなくなったわ。

 ガタガタ震えているあたしのかわりに、ヴェイが先頭に立ってくれました。するとすぐに巣のような部屋が曲がり角に見えたんだけど、見えると同時にヴェイに何か異変が起こってると一瞬思いました。だけど、ヴェイはそれを振り払ったの。あたしだったら、あれには耐えられなかっただろうなと思ったわ。次の瞬間、ヴェイに牙が襲い掛かるのを目撃しました。とてつもなく巨大なスパイダーです。こうなったら戦うしかないと思い、恐怖を振り払ってスパイクドチェインを取り出し、戦闘態勢に入りました。さらに次の瞬間、ファイアボールがあたしたちに降りかかってきました。ブラックバーンさんは角のわずかに見える敵にターシャズ・ヒディアス・ラフターの魔法をかけると、敵のものすごい笑い声が響きました。そのおかげで、あたしは完全に勇気を取り戻して、懇親の力をこめて敵の急所をついたわ。相手の笑い声は悲鳴に変わり、一発で倒す事ができました。
 部屋にはクモの巣に囲まれてお宝が潜んでいました。みんなはあたしを元気づけるためにそのお宝の中のガントレット・オブ・オーガ・パワーをくれました。他の収穫は100gpと宝石が2個でした。

 あたしたちはそろそろ疲れてきて、外も夜だろうからと思い、大グモの巣窟で休むことにしました。あたしはずっと起きていられるので、入り口のところで見張りをしていました。みんなの配慮に対しての恩返しだと思えばそれくらい大したことはありません。
 8時間は思ったよりも早く過ぎました。少しトランスして気持ちの整理もついたので、昨日の恐怖もなくなりました。早速、川の水源まで行って奥を調べましたが、昨日と変わった様子はありませんでした。というわけで、来た道の初めの三叉路まで戻って、奥に進もうということになりました。

 進むと、左には錠のかかったドアと、右にはため池のようなものがありました。ヴェイのクレアヴォイアンス能力で中を見て様子をうかがうと動物の死骸やらに混ざって、どうやらスライムらしき物体がいることに気づきました。そこで、中に油を投げ入れて燃やすことにしました。あたしのピックで解錠できなかったので、ノックで鍵を開けて作戦を速やかに作戦を遂行します。これが見事にあたり、中は焼肉とスライムの焼けた跡のようなシミがありました。
 調べるとここはどうやらゴミ捨て部屋だということがわかりました。予断なんだけど、右側のため池の向こうにある陸に何かあるかもと思って、40フィート離れている向こう側に跳躍して調べてみたのよ。ところが、そこの陸には助走できるスペースが無くて、戻れなくなっちゃったの。そこで、みんなに「助けて〜」って言って、ヴェイがあたしにレヴィテート(?)をかけてくれたから助かったけど、みんなはその時点からあたしに冷たくなったわ。嫌われちゃったのかしら。

 さて、避けていた獣の血の滝までまた進むと、今度は近くまで言って滝を調べることにしました。そうしたら、そこには上の方に隠し扉があったの。押し込み式の扉で手が届かないほど高くはなかったので、開けられそうだったわ。ただ何かがドバッと降りかかると恐いので、ヴェイに携帯式ラムを使って開けてもらうと、そのままラムで扉を押さえて、みんな入ることができました。そこには、人口の階段があって、右側の溝を伝って、獣の血が下へ流れていました。その先にはさらに段差があり、錠のかかった扉がありました。まずはクレアヴォイアンスで調べてもらったところ先は通路のようでした。

 扉は何回も解錠してやっとのことで開けることができました。上の階は下と違って人工的で、きちんと掃除されているようでした。次にも長い通路の奥に鍵のかかった扉があって、また解錠に時間がかかりましたが、何とか開きました。
 次も通路でしたが、左側に部屋が二つあり、中は何もないもよう。様子からして何者かが住んでいる形跡があって、つい先ほどまでそこにいたようです。隠し扉を探すために11フィートポールで部屋を隅々までたたきましたが、大きな音が出るだけでした。
 通路の奥の大きな鉄の扉は鍵が一回で開けられました。そして、その扉の奥には巨大な扉が天井まで20フィートまであり、鍵はかかっていませんでした。その前でとりあえず戦闘の準備をします。プロテクション・フロム・イビルをかけてもらいます。最後は、これが功を奏しました。

 扉を開けるとそこは広い部屋になっていて、奥には祭壇のような物。その上に、杯が置いてありました。今まで見てきた獣の血の川はそこから流れていたようです。他には何も見えなかったのですが、声が聞こえてきました。「遅かったな。待ちくたびれたぞ!」そうして、最終戦闘が開始されました。あたしが最初にとった行動は問題の杯を弓で射ることでした。周りは何も見えないのでヴェイはインビジビリティー・パージを使います。敵はファイアボールをかけますが、そのおかげで姿が見えました。獣のような肌をした、汚らわしい魔法使い、『アコライト・オブ・ザ・スキン』です。うちらの魔法使い、ブラックバーンさんもファイアボールで応戦!さらに熊のパコが姿を現した敵に襲いかかります。ところがインビジビリティーで隠れていた彼の召喚物が現れ、熊を惑わせます。パコはそのままアコライトをグラップルして食います。ヴェイのパージで現れた敵もいました。バグベアのクレリックです。領域内に捉えると、ヴェイは超高速突撃でそれを相手にします。バグベアプリーストはコーズ・フィアーの魔法を唱えてきますが、ヴェイはもろともしません。さらに何者かがあたしとネグロのところにも来ました。目の前に来たローグらしき者に足払いを仕掛けても倒れるのはあたし…「痛っ。ショック〜!」ぷっつん切れたあたしは我を忘れて攻撃攻撃〜。ネグロとの挟撃で相手の急所を攻撃しますが、それでも倒れない敵を前に頭に来て、その反動で貧血で倒れてしまいました。
 最後に見たのは超高速で突撃してきたヴェイの姿でした。後に起こったことはもう知りません。いつかその続きを仲間に聞いてみようと思います。今は回収したお宝に浸っているティンでしたぁ。Cya!

※ここに起こった全ての出来事はティンの目から見たものです。それ故に多少の脚色はついているかもしれません。
 他のパーティーメンバーの皆さん、ティンのおっとりした性格許してあげてね、判断力低いので。そして、とっても楽しかったよ!

 (
Nightingale)