『ヘルムート(ソーサラー)備忘録〜ある領主の汚名返上と遺産の行方〜』

 担当DM:DM−SKM
 参加プレイヤー:宮之下氏、ATS氏、Takeda氏、中荘
 リポート作成者:中荘時宗
 使用シナリオ:Fiery Dragon Productions「NEMOREN'S VAULT」

********以下ネタばれ注意********
 
 ○月△日 「冒険を終えて、常宿に戻った際の出来事」
冒険を終え、いつもの宿屋に帰ると、オヤヂから一通の手紙が手渡された。
内容は、『「銀の鍵」を持つ貴殿の助力を乞う。』とあり、
「わが町ウェストンまで来られたし」とある。
差出人は、当該する町の町長バルンセンとあった。
幾度か前の冒険で、ふと手に入れた、凝った意匠を持つ「銀の鍵」を手に入れ、
馴染みのギルドの鑑定人に、どこの誰の紋章・意匠か尋ねた事があったな、…。
思い起こせば、その時に色々調べると言われて、
「銀の鍵」の情報を流すように、頼んだ気がするな、…。
そう云えば、幾度か冒険を共にしたハロンド(ローグ/ファイター:Takeda)氏も、
同じ様な鍵を持っていたような、後で、尋ねてみよう。

案の定、彼の所にも、私と同様の手紙が届いていた。
共に、ウェストンまで、赴く事になった。

<少々強引なフックなんですけどね・・・
「そうしろ」って書いてあるし(苦笑)
本来このシナリオはプレロールドキャラ用に
デザインされていると言うことらしい。

 ○月□日 「ウェストン到着、依頼内容を聴く」
幾日かを経て、ウェストンに到着した。
ほぼ時を同じくして、我らの他に冒険者が、町の役場を訪れた。
彼らもまた、我々同様に、手紙を受け取ったそうだ。
共に仕事を受けるであろうと察し、軽く紹介しあった。
辺境出身の強者オルバタス(バーバリアン:宮之下)氏と、
傾(かぶ)いた出で立ちのソウエン(サイオン:ATS)氏である。
共に、役場の町長の執務室へ通された。
町長と助役に迎えられ、依頼内容を聴かされた。
内容を要点だけ掻い摘む。
以前、この町を治めていた領主ネモーレン家のピョートル氏の遺言により、
「銀の鍵」を有する者たちに、領主の遺命を果たさせよ。
『領主の不名誉な汚名を晴らせ、その対価として遺産を授ける』と、
ピョートル氏の遺言書にあった。
具体的には、領主代々の陵墓に、「汚名を晴らすカギ」と「遺産」が、あるそうである。
陵墓に入るには、「銀の鍵」が4つ必要なそうだ。
それで、「銀の鍵」を持つ我々が、集められたわけだ、…。
陵墓か、…、嫌な予感がする、前に冒険を共にした僧侶殿は、別件で動いてられるし、…。
報酬は、「遺産」そのものだそうで、(冒険者にとって)価値あるものであれば良いが、…。

<ふっ。冒険者たるもの”冒険こそ命!”(嘘)

その他に、色々と町の様子や領主一家に付いてや、土地の由来などを聴き及んだ。
なんでも、町には『呪い』が、かけられているらしい、
ピョートル氏の汚名に関係有るらしい、約30年程前から、その様な状況が、…。
ピョートル氏自体は、約30年前に、何かしらの事件に巻き込まれ、
それ以来、屋敷に引き篭もり、最近亡くなったそうである。
町の人の行方不明も、最近になり頻発しているそうな、…。

日もまだ高いようなので、早速、陵墓まで赴き、調査を開始した。
入り口は、だいぶ昔に封じられた状態で、一筋縄では行かぬ状態であったが、
強力のオルバタス氏の尽力により、障害を取り除く事が出来た。

件(くだん)の「銀の鍵」を用いて、中に踏み込んだ。
最初の部屋は、ワインセラーであった。
この陵墓、墓としての機能以外に、他にも用いていたようである。
ワインセラー、ワインは1本も無し。期待するだけ、野暮ですな。
更に先を捜索すると、幾つかの部屋を見つけ、探索。
大きな百足(ムカデ)に、遭遇するも、逸早く撃退し、難を逃れる事が出来た。
一つの書留を発見した。内容から脅迫状紛いの代物である事が判った。
探索の手助けには、なりそうも無い内容であった。

また更に探索を進め、不可思議な部屋に出くわした。
壁には「タペストリー」が掛けられ、部屋の中央には、不思議な噴水があり、
部屋の四隅には、材質不明の金属製の樹木が茂っている。
「タペストリー」の内容を検分した結果、町で聞いた情報と照らし合わせると、
ウェストンの町は、元々はエルフ氏族が治めていた町で、
ゴブリン軍団の襲来により危機に瀕し、それを救済したのが、
領主一族の祖クレゴール氏、ピョートル氏より約300年前の話だそうで、
エルフの姫君を助け、一軍を率いてゴブリン軍団を撃退と云う、
英雄談さながらの活躍を治め、エルフ氏族より、この土地を譲られたそうな。
「タペストリー」には、英雄的活躍の他に、町が発展する様子や、
クレゴール氏の一家の肖像が綴られていた。
お約束かな?エルフの姫君とめでたく結ばれている様子であった。

体力に余裕もあり、更に探索を進める事にした。
後に、この事が裏目に、出る事になったが、先の話である。
明らかに墓所と思しき場所を発見する。
灯りで照らし、動く者が無い事を確認し、中に入った筈なのだが、…。
不死者(ゾン&スケ)たちに、不意を付かれ、包囲され危険な状態であったが、
ソウエン氏の不可思議な力の援護があり、からくも脱出に成功する。
僧侶殿が不在の際に、墓所を訪れるのは、自殺行為である事を思い知らされた。
後の為の手立てを考える為と、体力の回復の為に、一旦町に帰ることにした。

<まあ、クレリック不在なんで、
思う存分クリティカル出させていただきました(笑)

 ○月×日 「助っ人を加え、更に探索」
前日の失敗を教訓に、「癒しの御技」を行なえる御仁を、前日の夕刻より探すも、
徒労に終るが、今朝になり、丁度宿屋を訪れた吟遊詩人の女性が、助力を申し出てくれた。
名は、ファーナ(NPC)と云い、領主の一族の話を知る為に、訪れたそうである。
まさに、渡りに船とは、この事であろう。

<このファーナ、
モンテバード/ソーサラー/レンジャー
という何でも屋さんです。
パーティーレベルが2に対して、3レベルの彼女。
活躍しない割に、
密かにパーティーのエンカウンターレベル
を引き上げるのが役目だったのに・・・。

再度、陵墓に訪れる。
ファーナ氏のお手伝いを兼ねて、「タペストリー」のある部屋を散策する。
ファーナ氏、「タペストリー」に隠れた扉を発見する。
前日我々は、何をしていたのであろうか?

<落ちているものがあれば”拾うべし”。
 掛かっているのがあれば”めくるべし”。
 これ冒険者の掟なり。(笑)

「タペストリー」の内容を、理解するのに労力を使い過ぎ、失念していた。
専門外の事に、労力を割くと、集中力を欠く事になるな、以後気をつけねば、…。
「タペストリー」裏の扉を押し開け、中の様子を見るに、
「タペストリー」に描かれた英雄の彫像が、鎮座している。
彫像の首に、ペンダントの如くに、掛けられた、値打ちモノの指輪を発見する。
指輪には、不可思議な力が備わっているそうな、…。
彫像の台座には、『光と水は生命の源』とある。何の事かは、現時点では不明。

「タペストリー」の部屋を後にし、昨日、探索し損ねた墓所を、再度訪れる事にした。
気構えも、準備も充分に、不死者たちに挑み、これを破る。

<う〜ん残念。
 ゾンビの悲鳴を聞いて”ワイト”が現れるという提案は
却下されました(当然だ)

墓所を探索し終え、不死者たちは、歴代の領主たちの変わり果てた姿であった。
ピョートル氏の汚名に、関連のある事象なのであろうか?
疑問はあるが、不死者として、汚されたままよりも、浄化されて成仏された事であろう。
多少、強引ではあったが、良しとしよう、気休めではあるが、…。

更に探索を進めると、大きな鉄の扉に行き当たった。
鍵穴も無く、手掛かり無しの様に思えたが、側の壁の窪みの台座に、「水晶球」を発見する。

<この光る水晶球は人が触ると
デイライト相当の光を発します。(重要)

そう云えば、「噴水」に、「水晶球」を嵌め込むに良さそうな窪みがあった。
試してみる事にした、結果、彫像の台座に彫られた、文言の意味が判明した。
「噴水」が、輝きを放ち、「金属の樹木」が、ざわめき、「水」を掬い飲み干すと、
疲れが取り除かれた。生命を癒す力を持っている様である。
流石に飲んだ分、「噴水」の「水」が、減った。
必要以上に用いるのは、宜しくなかろう。天罰があるやも知れない。

鉄の扉の前まで戻ってきた。
試行錯誤の末、台座に「水晶球」を乗せると、扉の仕掛けが働き、扉がリフトアップされた。
扉の向こうは、何とも陰気なジメジメした陰鬱な雰囲気の場所であった。
暫らくすると、扉が閉じ始めた、閉じ込められるのは、宜しくない。
扉のこちら側にも、入ってきた所同様の台座があったので、同じ仕掛けであろうと思い、
「水晶球」を回収し、仕掛けを試し、予想が正しいものである事を確認できた。
閉じ込められる心配は無くなった。

こちら側は、あちこち落盤し、塞がれた通路が幾筋かあるが、掘り返す余裕は無い。
落盤箇所は、無視して、進む事にした。

通路を進む内に、奇妙な穴を発見した。
今までが、キチンと整備された通路であるのに対し、明らかに何者かが、
掘り抜いた横穴を発見し、探索を試みた。
横穴を進む内に、背後より不死者(スケ)が、やって来た。何処から来た?

<ワンダリングモンスターには不要な質問です(笑)
 ダイスの力で召還されます(マジ)。

難なく排除し、横穴の探索を進め、広いホール状の場所に出た。
ハロンド氏の斥候の結果、地下の河が流れていて、途中に橋が掛かっている。
更に、向こう岸には、焚き火が焚かれ、何者かがいる模様との事。
正体まで、探って欲しかったが、安全策を採ったそうな。
そうこうしていると、焚き火の側に居た何者かたちが、こちらに気付き、
押し寄せてきた、オルバタス氏の便利な道具「サンロッド」の助けにより、
有利な状況を生かし、蹴散らした。正体は、ホブゴブリンであった。

<もはやこのパーティーにはホブゴブなんぞ
敵ではないらしい
ほほぅ・・・

蹴散らし、虜囚を得たまでは、良かったが、突然、地響きを察知し、
落盤かと思い、横穴を戻った。
このような横穴、掘る事が出来る相手は限られている、螻蛄(オケラ)の怪物であろうか?
地響きが収まるのを待ち、ホールまで戻ると、虜囚とし、転がしておいたホブゴブリン、
哀れな骸、それも一部のみと成り果てていた。
未だ危険と判断し、一旦戻る事にした。
不死者が何処から着たかも、気になり、未捜索エリアの踏破に乗り出した。

深い穴が穿たれている通路、後回しにしてきたが、捜索する事にした。
ハロンド氏が、跳躍し、向こう側に渡ろうとするも、失敗。
あわやと思いきや、「穴」、なんと浅い事か、氏の頭が出ているではないか、
何とも人を喰った造りになっているのやら。呆れ果てる。

<楽しいねえ。これ。
 だって”Have fun with the party!”
って書いてあるんですよ(笑)
 向こうの人はこの手の食わせた様な
仕掛けが好きなんですよね。

一頻り皆で、哄笑した後、通路の先を探索し、倉庫を発見する。
主だった品物は、既に失われており、唯一「銘ある絵画」の発見に止まった。

倉庫を後にし、別の未踏破部分に足を踏み入れた。
不浄な水溜りのある部屋を発見した。
侵入を試みると、水溜りから、何かが我々に襲い掛かってきた。
大きなカエルであった。しかも、長い舌を用いて、恐るべき攻撃を仕掛けてきた。

<舌のリーチは20'もあります。

かなりの窮地に立たされるも、苦闘の末、これを退けた。
水溜り周辺を捜索すると、未開封のワインと、手紙が入れられたボトルを発見する。
いつの手紙かは不明であるが、内容は、女性の愚痴らしきものが、書き連ねられていた。
ここに閉じ込められたそうな、不憫である。

ホールよりこちら側では、未捜索の場所は無くなった。
落盤した通路以外は、…。
陵墓に入り、結構な時間が経過したので、ホールの先を探索したら戻る方針で、
ホールに戻り、地下の河を超え先に進んだ。
ファーナ氏の見解では、この地下の河、町の水源に通じているらしい、との話。

<なんで彼女しかINTチェックに成功しないかなぁ〜。
その後も彼女のスキルチェックは
”20”の目を出し続けたのであった・・・。
DMの予想に反して・・・

ホールの先、どうやらホブゴブリンたちの住居のようである。
探索を進め、推測が確信に変わった。
行く部屋かを経て、集会所らしき所に出た。
ホブゴブリンらの待ち伏せを受けた。
族長らしき者も居り、精鋭のようであった。
毒を塗られた投槍に苦戦するも、辛勝する。
後に判った事だが、塗られていた毒、かなり危険な物だったらしく、背筋を寒からしめた。

ホブゴブリンたちは、出入りを如何していたのか?という考えに至り、
陵墓側から出入りは、不可能であろう。我々が、封を解くまで、出入りした形跡が無い。
となると、彼ら専用の出入り口が有るに違いないと考え、彼らの住居の隅々まで、
捜索を行い、かなりの距離を移動した。

<2マイルほどです・・・よく歩くなぁ。

予感は的中し、出入り口は見つけたが、…。
非戦闘員のホブゴブリンたちが、屯(たむろ)している。
我らの侵入で、避難したようである。
族長以下、彼らの戦士たちを悉く骸に変えてきたが、
闘う術を持たざる者に、向ける刃は、我々には無い。

<あれ?そんな理由だっけ?(笑)

非戦闘員とは云え、数は多い。難を避ける為に、我々も、精一杯のハッタリを噛まし、

<こっちが本当の理由かと(笑)

威風堂々と、彼らの前を悠然と通り抜けた。
我らの背に、彼らが、ホブゴブリン語で、罵っているのであろうが、
我々には、彼らの言葉を知らないので、理解できない。

<まあこの時はブラフでしたが、
本来は脅迫に近いですね。
 でも仮装パーティー的だったんで、
ブラフかも(笑)

そうそう、
ここで某ソーサラーのChaが10であることが発覚!
ソーサラーはINTじゃありません!
笑顔で呪文を唱えましょう(笑)
今までどうやって1レベル呪文を唱えていたんだろう・・

出た場所は、町から、数マイルと云う地点であった。


 ○月×日 「探索は続く、…」
本日は、ホブゴブリンの住居から伸びる別の横道を探索する事にした。
曲がりくねった末に、地図上で落盤した先と思われる通路に、出る事が判明した。
通路に面する幾つかの部屋を探索した結果、行方不明者と思しき者たちの遺体が、
積み上げられているのを発見した。
胸がむかつく様な惨状であった。
この様に遺体を放置しておくと、宜しくない「病い」の元になると、以前聴いた気がする。
染み出した汚水が、地下に染み込んでいる模様、と云う事は、地下の河に染み出しているのでは?
で、あるならば、『呪い』の一端は、「病い」が含まれるようである。
臭いものは、元から絶たねば、効果が無かろう。と云う事で、根源を求めて先に進む事にした。
途中の部屋で、遺体を喰い荒らす不死者(グル)に出くわすが、怒りの一撃で、粉砕した。

<けっグールをなめると怖いぞ。覚えてろよ!

捜索は、まだ続く、…。

  ←To be continued  

皆さんお疲れさまでした。
予想だにしなかったNPCのスキルチェックの成功にはやられました。
次回からは呪文もおとなしいものにします(笑)
ちなみに、このシナリオ、バーディックナレッジが無いと得られる情報が極端に減ります。
それ自体はシナリオのクリアにあまり影響を与えないのですが、
これがないとバックグラウンドがわからずじまいで、
シナリオが興ざめしてしまう危険があるんですよ。
なんでNPCがバードなのでした。
次回は”アンバーハルク戦”頑張ってくださいね(鬼)
(DM: DM-SKM)