蝙蝠−Knight Wing
▼パイルバンカー

背景
 社会には序列が存在し、新参者は何処へ行っても軽んじられる。そして、軽んじられないほど優秀な新参者は疎んじられるのである。
 サロン・ドルファンに連なる夜の一族ならば誰もが敬い畏れる“闇の大公”アルドラ・ドルファン。彼女の牙による洗礼を直接授かったスティーブに対する嫉妬や羨望はサロン内外を問わず多い。アルドラの右腕との評判高く、また自負していた“暁の侯爵”リーベリッヒ・アーバールトもまた、スティーブに怒りを燃やす同胞の一人だった。
 そして、アーバールトはその怒りを具現化する。複数の退魔師や魔狩人にスティーブの情報を流し、亡き者にしようと企てたのである。

■推奨スタイル
・アヤカシ:スティーブの友人
 唐突に連絡を絶った友人を探しにいくことになる

・バサラ:退魔師

 謎のクライアント(アーバールト)からスティーブを消す依頼が来る。スティーブが行った様々な事件について
の情報が渡されるが、それはアーバールトが起こし、偽装したものである。
・フェイト:探偵稼業
 アーバールトが“おいた”をしていないか調べるよう依頼される。スティーブはアルドラのお気に入りなのだ。
・イヌ:ブラックハウンド機動捜査課
 ストリートで増加した変死事件に付いて調べるよう命令が下る。
・クロマク:闇社会の住人
 スティーブと個人的に行っていた“仕入れ”が滞る。解決しないことにはビジネスもパーだ。

千里眼−I wish, I were Blind。
▼見えすぎた眼

背景
 “遠見”の死幻。スラム街の片隅で細々と生きるチンピラ霊媒師。そう言う生き方をする人間には二種類ある。そこから離れられない人間と、そこから離れようとしない人間である。彼は後者であった。
 死幻はもともとカムイST☆Rの部族、歌の民に属する高位の予言者だった。しかし、ある時、彼が未来視を行ったとき、彼は恐ろしいものを視てしまう。それは、時空と時空の隙間に封じられた魔物。何者かに知覚されない限り封印は解けることなく、また一切の観測者の存在しない未来に封ぜられたため、常人にはそれ知覚できないという存在だった。彼はそれを知覚してしまったのだ。
 死幻は、その魔物を世に放たぬ為に自らの記憶を封じ、同胞に治療される危険を避けてST☆Rを離れた。
 そして10年。彼がかつて未来視したその未来は、誰が未来視を行おうとも見通すことができなくなった。
 キャスト達は当時の未来視に関わった歌の民
の術師を探すよう、様々な筋から依頼を受ける。それが破滅の始まりだった。
■推奨スタイル
・バサラ:歌の民
 10年前に歌の民を抜けた死幻を、御門忍の命で探しに行く。

・タタラ:精神科医

 アムールと名乗る術師に、死幻と言う人物の治療を頼まれる。しかし、向かった先では、死幻は既に逃げ出した後だった。

・カブト:ボディガード
 自宅に帰ると、セキュリティがものの見事に外されており、チンピラ風のマヤカシがそこでいびきを掻いていた。悪びれた雰囲気もなく護衛して欲しいと持ちかけられるのだが……。
・マヤカシ:退魔師
 あなたは魔物を再び闇に葬り去る世界の概念存在として選ばれた。
・イヌ:ブラックハウンド機動捜査課
 スリ、こそ泥、詐欺、偽造、etc,etc…。その霊能力をフルに使って、警察の追跡を逃れてきたチンピラまじない師。彼に手錠を掛けるのがあなたの指名だ。

猫の王−The Longbooted.
▼囚われのけっと=しー

背景
 キットの相棒であるけっと=しーはAIなどではない。ちゃんとした肉体を持ちタップを介してイントロンを行う、れっきとしたバンドウイルカなのである。
 北米軍の実験部隊で活躍していた当時のけっと=しーは、ウェブで出会った少女キットと意気投合。彼女の協力もあって軍を脱走したのだ。
 しかし、北米軍は、必死の捜索の末、けっと=しーを補足。これを確保してしまう。実はけっと=しーは、北米が開発した電脳戦専用ギガトロン“A・ドルフィン”の専用オペレーターとなるべく訓練されていたのだ。
 けっと=しーの反応速度、アルゴリズムに調整、最適化された“A・ドルフィン”は既に他の人間には扱うことが出来ず、また、けっと=しー以外の何者も“A・ドルフィン”本来のポテンシャルを引き出せる実力をもたなかったのだ。
 キャスト達はキットからの捜索依頼や、起動を始めた北米の新兵器を調べるべく、事件に関わっていく。
 その一方でけっと=しー本人は、“A・ドルフィン”の性能を抑えるべくサボタージュを行っていたが、北米は、けっと=しーの最愛の親友、キットまでもを誘拐し、けっと=しーを操ろうとする。


■推奨スタイル
・ニューロ:けっと=しーの友人
 暗号化されたデータの羅列がどこからともなく届く。これは『ニューロ』ではなくては解くことの出来ない(《電脳神》が必要な)けっと=しーからのSOSメッセージである。

・フェイト:探偵稼業

 いなくなったけっと=しーを探してくれと、キットから依頼がある。この時点では、けっと=しーがバンドウイルカでもあることも、彼を追って北米まで出向く羽目になろうとは、夢にも思わなかったのである……。

・カゲ:忍者
 日本軍の櫛田千里から、北米が秘密裏に開発してる電脳戦兵器について調査するよう要請が来る。
・チャクラ:ウェットな武術家
 何の因果か、少数部族の民族解放運動を手伝わされる羽目になる。敵は北米。降着した戦場で、敵軍が突如として攻勢を掛ける共に、解放軍のIANUS機装者が次々とハッキングを受けて倒れ出す。IANUSを焼かれ出す。
・トーキー:戦場リポーター
 次々と脳髄を焼かれて倒れていく兵士達。このむごたらしい戦場を伝えようとするが、ジャミングと移動規制により戦場に取り残される。

魔弾の射手−Trick Triger.
▼ヘキサファイア

 今は吟と呼ばれる男が、かつて全てを失いストリートの塵と消えんとしていた頃、そんな彼を拾い上げ、音羽組に組み入れさせた女がいた。女の名を弁天という。暫くして女は姿を消し、音羽南海子へと名前を変えた。そして、吟はその事実を知らない。ただ、背中にサラスヴァティの刺青を背負い、自分を拾い上げた女がいた、その場所を守り続けているだけである。
 話は変わって、河渡連合には俗に“六連発”と呼ばれる連中がいる。いずれも名の通った荒事屋で凄腕揃い。“銀の弾丸”シスター・ジルベール、“獣弾(じゅうだん)”のアクツ、“フルメタルジャケット”ベイカー、弾丸屋(たまや)“四代目”政吉、イグニス、そして、“戯れ弾”の吟の6人がそれだ。彼等は皆、音羽南海子に忠誠を誓い、河渡のために尽くしているが、それぞれの動機と依って立つ所は異なる。
 ジルベールは秋川会のN◎VA進出前から音羽組に所属しており、第二次アサクサ抗争の折りに様変わりした南海子を未だに毛嫌いしている。アクツは獣の一族で、暴れるに相応しい暴風域を嗅ぎつけて居座っているだけ。ベイカーは最早その凄腕を振るうこと無く趨勢を見守るだけの老兵であり、政吉は南海子が組長になる前の河渡組の古参。イグニスは六連発に数えられてはいるが、その所属は翼会である。そして吟は、弁天が仕えた人間を、不器用に守り続ける。
 事件は六連発のジルベールが何者かに殺されるところから始まる(ベタだ)。彼女の手の中には、河渡連合の金バッチ(ベタベタだ)。彼女は単独、音羽南海子の正体を探っていたようだが…?
 そして、N◎VAに六発の銃声が響き、六本の火線が走り、六人の死体がストリートを血で汚していく。

トーキョーN◎VA the Detonation「ヘキサファイア」

 運命の扉に向けてショットガンを3発。ちょうつがい2箇所とドアノブに。

■推奨スタイル
カブトワリ:ジルベールの友人
 
ジルベールから死ぬ直前、依頼(と《ファイト》!)を受ける。もし自分が殺された場合、調査を引き継ぐこと。音羽南海子が偽者だった場合、誰かを雇ってでも殺すように、と。
カブト:吟の友人
「音羽南海子を守ってくれ」それだけ言い残して、吟は行方をくらます。自分の脚で今回のゴタゴタにケリを付けるつもりのようだ。
レッガー:ベイカーの友人
ベイカーに河渡連合を守るように言付けを受ける。
カタナ:弾丸屋政吉の友人
音羽南海子から、政吉が離反したとの報告を受ける。これを殺すのが『カタナ』への依頼だ。
カゲ:イグニスの友人
音羽内部に侵入し、ジルベール殺害の犯人を捜すよう依頼を受ける。彼女本人は外部の人間な上、顔が知られているので動きづらいのだ。

■予定イベント
オープニング:RLシーン
 
ジルベールが何者かに《とどめの一撃》を放たれる、ジルベールは相手に対し《不可触》《とどめの一撃》で、気付かれることなく「1:内出血」を与える。この痣はアクト終了時まで消えることはないマーキングとなる。
リサーチフェイズ
 
なんやかんやで銃撃戦が起き、ベイカー、イグニス、吟が次々と殺されたり死んだりする。ゲストの必殺系神業はここで大量に消費される。
クライマックスフェイズ
 
政吉は《真実》を音羽南海子に使用する。もし彼女が弁天であることが彼女の口から漏れれば、『カブトワリ』は彼女を殺すことになり、河渡連合は大混乱に陥るだろう。