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光帯を征く者

「任せな!俺と相棒にかかりゃ、そんなの朝飯前だぜ!」

 天使の降臨がもたらした自然休戦にあって、目下、キミの悩み所は相棒にかかる整備費用だった。
 軍からの補給はおよそ望める状態にはなく、かといって共に戦った相棒をサビだらけにするわけには行かない。あれこれ悩んだのち、キミは一つの仕事に飛びついた。
 それこそがテラで一番の危険地帯を仕事場とする運送業。計り知れないリスクと、それに見あうだけのチャンスがそこにはあった。そして、それは何より相棒とともに行うにはうってつけの仕事だったのだ。
 キミはベルトランナー。鋼鉄の相棒と共に、今日もエンゼルベルトを駆ける。
仮面の巫女

「目標確認……排除開始。――仕事ですから」

 エンタープライズの襲来、天使の降臨。長き時を経て、惑星開発事業を再開した神宮家の手足となって、キミは日々テラの地を東奔西走していた。
 努力の甲斐あってか、神宮家の根はこのテラにも根ざしつつあった。あの忌々しい天使の勢力圏をのぞいて…。
 あの日、天使との交渉の席に同席していたキミは、彼らの圧倒的な力と思想に翻弄され、上司、同僚、全ての仲間を失った。
 だがこのテラには、神宮の息のかからぬ土地がまだ五万とある。 天使を駆逐し、テラを神宮の根で埋め尽くすその時まで…。
 キミは今日も愛用の明鏡をアタッシュケースに入れ、付け慣れた面で我を覆い隠し、乾いた大地に降臨するのだった。
黒衣の隠密

「我が行く道を…見極める為に!」

 キミは忍の里に生を受け、忍として育った。一際腕の立つ忍となったキミは、封術の手術にも耐え抜き、そしてシノビとなった。
 キミは今テラにいる。
 その高い能力を買われ、主の命を受け、テラの情勢を探るべくこの大地に放たれたのだ。
 何をしても良かった。
 この広い異邦の地にあって、情勢を探るにしろ思う様にいかず、何をしてよいか思い悩む日も少なくなかった。この地に主の目は行き届くはずもない。ならばいっそ任を捨て“自由”になる事も考えた。
 しかし、命によりて動き任によりて生きるほか知らぬキミにとって、このあまりに“自由”な大地はただ恐れる対象でしかなかった。
 “自由”という名の枷に繋がれたまま、キミは今日もこの果てない荒野を駆けめぐる。
プレアクトテキスト:ベルトランナーズ・ハイ

■シナリオデータ
プレイヤー:3〜4人
プレイ時間:4〜6時間


■アクトトレーラー
 運び屋ジョニーは「イイ奴」だった。
 いつもトラブルに巻き込まれては、金にもならぬ荷を喜んで運んだ。
 運び屋ジョニーは「凄い奴」だった。
 仕事を失敗した事はなかったし、「天使」と遭遇しても、奴と「荷」だけが生きて帰った。

 だがその日だけは違った。
 
ジョニーはその日以来、帰ってこなかった。
 砂だらけのテラにあって、青々と生い茂る“あの森”から。

 
――ジョニーはエンゼルベルトに散った。

 少々ワケアリの、「あの荷」を抱えたまま……。

 
天羅WAR『ベルトランナーズ・ハイ』
 
霧の向こうに見える、アイツに追いつけるか。


■推奨スタイル
PC1:ロストヘブンをねぐらとするベルトランナーである
PC2:神宮家のエージェントである
PC3:虎堂宗光の持つ忍軍の一員である
PC4:銀十字社に雇われたフリーのライターである


■シナリオハンドアウト

シナリオ因縁:ジョニーへの友情
クイックスタート:光帯を征く者 推奨クラス:なし
 ジョニーが失踪して一週間。同業者は口々にジョニーの死を語った。だがそんな事は全く信じられない。なにせあいつはジョニーなのだ。この前の勝負を預けたままあいつが死ぬはずは無い。そんな時、ジョニーと競った事があるキミの腕を見込んでと、仕事が舞い込んできた。ジョニーが落としてきた荷を、回収してくれと言う…。


シナリオ因縁:道明道明への信頼
クイックスタート:仮面の巫女 推奨クラス:神宮家
 道明道明はキミの上司だ。キミ達は日々テラの地を東奔西走し、その努力の甲斐あってか、神宮家の勢力はこのテラの地にも根ざしつつあった。――あの忌々しい天使の勢力圏をのぞいて…。
 今日も道明から任務を言い渡された。内容は落とし物の回収。しかし、その落とし物はあのエンゼルベルトにあると言うのだ…。

シナリオ因縁:綾乃の捜索
クイックスタート:黒衣の隠密 推奨クラス:忍者
 綾乃は戦に敗れお取りつぶしにあったキミの故郷の姫君であった。敗戦の後、這々の体で落ち延びた者達を救ったのが虎堂宗光で、キミは今彼の率いる忍軍の一員として働いている。
 珍しく宗光直々に命を受けてみれば、現在ロストヘブンに出向いている綾乃が失踪してしまったという。彼女を捜し出さねば。 

シナリオ因縁:ジョニーへの興味
クイックスタート:開花の使徒 推奨クラス:ライター
 キミは銀十字社の中でも、真面目な記事を担当するライターだ。先日も“運び屋ジョニーvs天使!”という記事で一面を飾ったばかりだ。だがその数日後、まさかジョニー失踪の記事を書く事になるとは、その時は露程も思わなかった。 しかし、耳の効くキミは逃さなかった。失踪したジョニーに勝負を挑む、馬鹿が現れた事を。