[ルート]
出発〜R290〜R49〜県道21〜R459〜R121〜県道233〜県道2〜西吾妻スカイバレー〜県道64〜
R459〜県道21〜R49〜R290〜帰宅 

 

実は、西吾妻スカイバレーに行くのは、これが最初ではありません。
一度目は、昨年四月の下旬に、山形から入って。
その時はまだ開通前で通ることはできませんでしたが、料金所手前にある白布温泉付近の道があまりにも険しくて、恐怖の面持ちで通ったものでした。
二度目は今年の5/24(土)に。再び山形側から。
本来ならばこのツーリングもレポートをUPする予定でしたが、天候があまり芳しくなかったうえに、肝心のスカイバレーで羽虫の大群に襲来されたため、満足のいく写真が撮れなかったのです。
そして、今日。
晴れの天気予報を睨みつつ、私は満を持して再びスカイバレーに向かいました。

 

津川市街地に入る直前の阿賀野川です。カヌーの練習でしょうか?

出発は午前9時半過ぎでした。
福島までは、いつものとおりR290を経由してR49で向かいます。
出発して当初は山手の方にはかなり雲がかかっていましたが、太陽が高くなるにつれて、だんだんと晴れていきます。
この道は、昨日(6/7)にも一度通っていますが、相変わらず新緑が目に眩しかったです。
五月に比べても随分と濃くなった緑。季節は確実に移り変わっていきます。

 




こんなのどかな田園風景になぜか惹かれます…


県境を越えて、会津盆地手前まで来た時点で、雲はほとんどなくなりました。
「これはいいツーリング日和になるかも…♪」
との期待がいやがおうにも高まっていきます。
けれども、昨日も250キロ以上のツーリングをこなしているため、その疲労がまだ残っているような気もします。そこで、会津盆地に入る前に昼食を摂ることにしました。
この時点で、時刻は12時を回りつつありました。

 

 


このトンネルができたおかげで、会津盆地に入る前にタイトなカーブを走らずに済むようになりました。今回のツーリングでは、前回と同様に、山形側からスカイバレーに上るつもりでいました。前回上ったときに、福島側の方が見晴らしがいいことに気づいたからです。それと、やっぱり最初のときのトラウマが…(^_^;)
そこで、県境を越えて会津盆地に入った後で、喜多方に向かうためにR49を外れます。県道21を通り、喜多方市へ。喜多方の市街地に入ったら、R459を少し走った後にR121に入ります。
ここで、私はふと、不審に思いました。
「R121なんてこんなとこ走ってたっけ…?」
(ちなみに、この時私の持ってた地図は2年前のものです。道は変わっていないようですが、この地図のR121はまだR49と合流してはいません…(^_^;))
まあ、去年ここを通ったときは米沢から喜多方まで一本道だったしな、と、そこはけっこう強引に納得しつつR121を北上していきます。

 


もちろん、それは後で思わぬ迷い道にはまり込む事態を招きました。
「あれ、この風景見たことないぞ…?」
と思いつつなおも走っていると、前方にダムの姿が…。
不意に、頭の中に昨年ここを通ったときのことが思い出されました。
あのとき、全長3キロあまりの長いトンネルを抜けた先に湖があったことに気づいたのです。
これはもしや…と思って、道に迷ったまま進んでいきます。

 


日中ダムです。

果たして、そこにはやはりダム湖がありました。
まだ真新しいダムのようにも見えましたが、「日中ダム」と案内にあるダムの堤防で、しばらく一服していました。
ちなみに、このダムの堤防のすぐ下には温泉があります。見たところ、ダムができる前からそこにあったとはとても思えない場所にあるのですが、そこからは、涼やかな音を立てるダムから放水が間近に見えます。もし露天風呂があったなら、ここで一泊して、夜はダムから流れ落ちる水音を聞きながら月を見やりつつまったりと、なんていうのもいいかもしれませんね。

 



ダム湖です。まだ真新しく見えました。大峠トンネルに入る前に見つけた小さな沢です







ダムのほとりで休憩した後で、再びR121に戻ります。いくつものトンネルを越えた先に、東北一の長さを大峠トンネルに入ります。
さすがに高速道路のトンネルには及びませんが、それでも中はかなり明るく、走りやすいトンネルです。






大峠トンネルです



全長3キロあまりのトンネルの中は少し寒かったですが、ここを通る途中で山形県に入ります。
ほとんどまっすくのトンネルですから、入ってしばらく走ると、遠くに出口が見えてきます。
けれども、すぐだな、と思っていたら意外と出るまでに時間がかかったのはちょっとした驚きでした。

 



道の駅・田沢です


山形県に入ると、ルート確認を兼ねて「道の駅・田沢」で休憩を取ります。背後の山々には雲がかかっていますが、米沢市街の方の空は真っ青でした。
ここに限りませんが、今日はどこの道の駅でも、たくさんのライダーを見かけました。
それだけ今日は、ツーリングにはもってこいのいい日和なのです。

 




さて、休憩を終えてR121に戻ると、いよいよスカイバレーに向かいます。米沢市街地に入る手前でR121を抜けて県道233に入り、さらに県道2を走ります。この道は途中まではのどかな田園風景が続きますが、白布温泉の手前あたりから急にタイトになります。道は狭い上に路面状態が悪く、しかもカーブが連続してあります。最初ここを通ったときは、
「うぎゃあ!! こんなとこ走るのかいっ…(T_T)」
なんて恐怖に慄きながら走ったものでした。
けれども、三回目ともなればさすがに余裕ができます。
あちこち風景に目を配りながら走れます。
白布温泉の周辺はかなり急な上り坂ですが、比較的道路が整備されていました。山奥にある分だけ、実に緑が間近な温泉です。


スカイバレーの山形県側は、こんな道が続きます

さて、白布温泉を抜けると、いよいよスカイバレーに入ります。
このスカイバレーは、標高2千メートルを越す吾妻山の西を通り抜ける急峻な道路です。もちろん有料道路ですから、道はとてもよく整備されていました。
そして、山岳道路の特徴でもある、緑の中を走りぬける爽快感。バイクを駆りながら森林浴ができるというのは、何とも言えず気持ちのいいものです。タイトなカーブが大の苦手な私ですが、この日は天気の良いこともあって、清々しい気分を味わいながら走ることができました。

 


峠の駐車場から撮った西吾妻山です。ものすごく綺麗でした。



峠に差しかかると、そこは広いスペースを持った駐車場がありました。ここにバイクを止めて、しばし吾妻山の展望を楽しみます。福島側を見下ろせば、そこには桧原湖が見てとれます。もっとも、こちら側は少し霞みがかかっていたのが残念でした。
この日は、前回来たときにあまりの数の多さに辟易した羽虫も若干少ないこともあって、心ゆくまで峠の駐車場でゆったりとできました。

 

峠から見た桧原湖です峠の駐車場です。この日、たくさんのバイクがやって来ていました。


スカイバレーの福島県側です。見たとおりものすごいヘアピンカーブ…




峠で30分ほど休んだ後で、福島側に下ることになります。この下りの道は「東鉢七曲り」と呼ばれ、上りにも増してタイトなヘアピンカーブが続きます。もちろん、カーブの先に広がる眼下の展望が見事なことは言うまでもありません。
ただ、タイトなカーブとはいえ、道は十分に広いですから、ゆっくり下る分にはまったく問題はありません。私のようなライダーでも、ワインディングをたっぷりと楽しみつつ下ることができました。

 






桧原湖の北側です。ここには、ロケーションのよさそうなキャンプ場がありました。



スカイバレーを下り終えると、桧原湖を周りこんでR459へ向かいます。前回は桧原湖の東側を回って行ったので、今回は西側を回っていくことにしました。東側に比べると、こちらは林の中を走る道が多く、ここでも森林浴を楽しむことができます。
桧原湖では釣りが盛んらしく、この日も小舟で湖に繰り出して釣りを楽しむ人たちが何人も見受けられました。




走ってる途中で見た磐梯山です。昔は富士山のような美しい山だったそうですが…



それから、(前回は霞みのためにまったく気づかなかったのですが)、こちらは磐梯山の裏側にあたりますので、ここから見る磐梯山は、R49から見るそれとはまったく違った、荒々しい姿が見てとれます。その姿は、1888年の大噴火(そのときに、五色沼をはじめとしたたくさんの湖沼ができました)のときに”ひとつの峰が吹き飛んだ”ことを見る者に納得させずにはおかないものです。

 


道の駅・裏磐梯です。


桧原湖を抜けると、「道の駅・裏磐梯」で再び休憩を取りました。ここは、裏磐梯を走った後で猪苗代方面に向かうことなく帰路に着くときによく利用する場所です。



これがそばソフトクリームです。見た目は何ともアレですが…(^_^;)



ここの「そばソフトクリーム」は香ばしくでとてもおいしいので、毎回食べていきます。
この時点で時刻は午後4時。後は一直線に帰れば、日没時には帰宅できます。ここでも三十分ほど休んだ後でR459に乗りました。

 




県道21から見た磐梯山です。




…そして、その帰り道。喜多方からR49へと向かう途中で、ふとバイクを止めました。振り返ると、磐梯山が綺麗な裾野を見せています。磐梯高原を離れて帰途につこうする私にとってそれは、このツーリングで最後のご褒美だったのかもしれません。

 





私が帰宅したのは、それから三時間ほど経った、午後7時でした。
一月前はもう真っ暗だったはずですが、今はこうして、この時間でもバイクを走らせることができます。まだまだ、ライダーにとって楽しい季節は、これからです。

 

総走行距離:337.6km

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