『話題休閑・エルゴの呼び声2後』
興奮気味のモナティーとジンガが身振り手振りでエルゴとの接触を説明。
二人の熱意に反比例して はどうでもよさ気。
頬杖付いて適当に相槌を打つ。
「ガウムの透明なのがうにゅーっときましたの!」
表現方法に難があるが、モナティーの主張したい部分は分る。
口早に感動と興奮を伝えるモナティーの口に
は指先を押し当てた。
「トウヤとハヤトが誓約者たる資格を持っていたのは理解できた。今後、残りのエルゴの力を借りるべく試練を受けるのだな?」
モナティー&ジンガの説明でこれだけ理解した 。
思わず尊敬の眼差しを送るハヤトとガゼルに、トウヤとレイドが乾いた笑いを漏らす。
夕食を用意できないアキュートメンバーと騎士団二人組みも加え、広間は人で賑わう。
「本当に聡明な少年だ! あの時もそうだったけれど」
イリアスが根っからの素直さを発揮して、 の聡さに関心頻り。
の正体を知る、サイサリスとスタウト・ペルゴ・セシルが空気を気管に詰まらせ咽た。
「………ああ、察しが良いな」
ラムダでさえ長い間を空けてイリアスへ応じるほどだ。
一部を訊いていた
は白い眼差しをイリアスへ向け、サイサリスが羞恥に頬を赤く染める。
「口下手なのです」
口をモゴモゴさせて呟くサイサリスに、ペルゴが同情の眼差しを送り。
セシルは励ますようにサイサリスの背中を叩き。
スタウトは胸に息を吸い込んで呼吸を整える。
「ではバノッサと僕の約束も果たせる訳か。手間が省けて良かった」
にっこり。
満面の笑みを浮かべる
にトウヤとハヤトが動きを止める。
「はえ?」
指を引っ込められ、自由になった口を動かしモナティーが首を傾げた。
「エルゴの存在が無ければ、僕がトウヤ達を鍛えなければと心配していた所だ。試練があるなら丁度良い、強く成れるな」
ニコニコ笑顔で指摘する
に曖昧に頷くハヤトと。
「ははは……そうだね」
きっと に鍛えられていたなら死者が出る。
初期の訓練を思い出しトウヤが引き攣った笑顔で言葉を返す。
うむ、これだけこちらのペースに巻き込んでおけば。
エルゴの元へ飛ばす時に見られた我の蒼い光の件。
こ奴等なら忘れるだろう。
無論試練が無くとも がトウヤ達を訓練などするつもりはない。
はトウヤとハヤトの判断に任せるつもりだ。
ただ残った が何をしていたか詮索されるのは防いでおきたくて。
が打った先手は功を奏し、トウヤとハヤトは忘れ去った。
が一人で何をしていたか、大丈夫だったのか等等を二人で問い詰める。
なんて、固めていた意志が存在していた事を。
まだまだだな。
小さな勝利を収めた
は、満足そうに再度微笑んだのだった。
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