『話題休閑・炎情の剣3その後』




無事? アキュートとの和解を果たしたレイド。
だったのだが、 のお説教の後はリプレや子供達から説教を受けていた。

「騎士も形無しね」
フラットに招かれ、互いに料理を持ち寄ってのささやかなパーティー。
グラスを傾けセシルがフィズに叱られ項垂れるレイドを称する。

「ははっ、でもそれがコイツ等らしいじゃねぇか」
スタウトは己の禿げた頭を撫でて目を細めた。

「軟弱だと思うだろう? だが本当は逆だ。馬鹿の一つ覚えのように相手を信じ、自分の願いを喚き散らす。
弱者の遠吠えに見えるかもしれないが、誰よりも仲間との絆を信じている。だから強くなれる。これが僕等の遣り方だ」
はセシルとスタウトの間に納まりながらさり気なく自慢。

変な部分で子供っぽい の行動にセシルとスタウトは苦笑しあった。

和やかな空気の中、料理談義に花を咲かせるリプレとペルゴ。
二人の会話を聞いて涎をたらす勢いのアルバとモナティーとガウム。

温かい空気だけが流れるフラットで、浮かない顔をするクラレットとカシス。
アキュートとの和解を喜ぶ席なのに顔色は悪い。

(トウヤ・ハヤト。あの二人を慰めるのだ。不安材料があるなら聞いておけ)

既にヒエラルキーは確定か? はアイコンタクトでトウヤとハヤトへメッセージを送る。
気づいたトウヤはクラレットとカシスをちらっと見て、肘でハヤトを突く。
ジンガ・ガゼルとじゃれ合っていたハヤトも二人を盗み見た。

(そーゆうのは の持分じゃねぇの?)
楽しくジンガやガゼルと話していたハヤトは不服そうな顔をする。
(黙れ! 突っ込むだけ馬鹿が。少しは役に立たぬか!)
痛烈な の口撃にハヤトの顔が見る間に凍りつく。

戦闘時は召喚術よりも戦闘一直線のハヤト。
折角の特殊能力もともすれば無駄になりつつある。

(ハヤト、 の言う通り二人の様子はおかしいよ。フラットに来たばかりの頃の二人みたいで何かを警戒してる)
トウヤが凍りついたハヤトの耳元へ小声で囁く。
「……」
もう一度クラレットとカシスを見たハヤトが眉間に皺を寄せる。
トウヤと の指摘は正しく、二人の放つ雰囲気は浮いていた。
(信頼しているから は俺達に頼んでいるんだよ? ハヤト)
目が語る の言葉は尊大でも、瞳の奥は不安に揺れる。

トウヤとハヤトが承知してくれるだろうか。

なんて気持ちが見え隠れ。

(期待して待ってろよ?)
ウインクしようとして失敗。
両目を瞑ってしまったハヤト。
は馬鹿にしたりなどせずに、嬉しそうに笑顔を二人へ向けて小さく手を振る。

 アキュートを暴動の首謀者として騎士団へ差し出せはしなかったが。
 まあよい。
 トウヤとハヤトの成長に一役買って貰ったのだ。
 ラムダはイリアスの先輩でもあるし、黙っておっても問題あるまい。

クラレットとカシスに声をかけるハヤト。
を、見守りながらユウは波乱の一日を締めくくる。


「凄い操縦法だな」
一部始終を見ていたラムダは密かに の手腕に脱帽したのだった


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 だんだんシリアスになっていくハズ。次回はギブ&ミモコンビとあの人登場! ブラウザバックプリーズ