『神様の野望』
リィンバウムでの衝撃体験を乗り切り、ほんのちょっぴり、大人になった。
と、本人は自負しているハヤト。
戻ってきた地球で高校生活を送りながら、今日も の家に上がりこんで とダベっている。
がどう操ったか分らないけど、トウヤは何故か留学している事になっていて。
居場所をこちらでも確保してもらっている。
「でもさ〜、
ってゲーム好きだよな」
主に しか使わない家は意味があるのか5LDKの間取り。
広い居間でゲームをしながら二人は寛ぐ。
はハヤトの感想に小さく笑った。
「そうか? リィンバウムでの経験を元に、シュミレーションゲームでも作れぬかと考えておる。肖像権の問題は順に解決するとして、最近のゲームの傾向を探っておこうと思ってな」
PS2のコントローラー片手にドラ○エXに興じる神様。
異界体験は自分の世界観を変えてしまったようだ。
しみじみ感じてハヤトは息を吐き出す。
金儲け好きなのは、こっち(地球)でも同じなのは参ったよなぁ。
あっち(本当)の姿もあんまりとってくれないし。
クラレットに頼まれた写真、撮れるかな。
テーブルの上に乗せたポラロイドカメラ。
視界の隅に収めてハヤト、もう一度ため息。
「はぁ……ゲームにねぇ」
それから
の返事に相槌を打とうとして。
「はぁああぁ!? ゲームぅ!?」
裏返った声で盛大に叫んだ。
いくらこちらから、リィンバウムに行ける人間が少ないからって。
それは駄目だろう。
絶対に駄目だ。
ハヤトは考える。
「うむ。ドラマティックシュミレーションRPG・サモン○イトなんてどうだ?」
そういう問題じゃない。
の得意そうな様子にハヤトは肩を落とした。
「………主人公ってダレ?」
自分の質問の答えは分っているけれど、ハヤトは棒読み口調で問いかける。
「当然ハヤト兄上にトウヤ兄上だぞ」
愚問であろう?
言いたげな
に、ムンクの叫びのポーズを取りながら、ハヤトは首を横に振った。
「絶対駄目! 絶対駄目!!! あれは俺達の思い出だろう? 思い出を切り売りするのは絶対に駄目だ!!!」
ワイル○アームズ3のパッケージを へ突きつけ。
ハヤトはもう一度、駄目だと言った。
ゲームパッケージを眺め
は口先を尖らせる。
「むぅ」
いつか思い出に変わるRPG。
作り事の思い出と実際の思い出とでは重みが違う。
暗に告げたハヤトに頬を膨らませ抗議。
「拗ねても駄目だからな」
こればかりは譲れません。
ハヤトは険しい顔で言って、
の頬を両手で潰す。
家族の思い出を簡単に売らせてくれる訳ないだろう?
バノッサとキール辺りが。
言いたいのを、懸命に堪えたハヤトであった。
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