季 節 の お 便 り
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葉桜越しに見える
淡い水色の空が
穏やかに光っている此の頃です。
皆さま お変わりありませんか。
ゆきみ
屋根の上なる 大空は
青し、静けし。
屋根の上なる びん榔樹
枝を 揺れり。
見あぐる空に 寺の鐘
和やかに鳴る。
見あぐる梢に 憩う鳥
嘆きを歌ふ。
あはれ、彼方ぞ、人の世は、
静かに、純く。
この安らかのどよめきは
町より来る。
――ここに居て絶えず泣く身よ、
そも何を為し、
ここに泣く身よ、如何に為し
きみが青春。
Paul-Marie VERLAINE 鈴木信太郎訳
五月 「春の朝・ピパの唄」
表紙