私は、なんだか訳の分からない粗末な小屋にいた。
私のいるところは、屋外なのか屋内なのかよくわからない
私のいるところから、少し離れたところに窓が二つ見える。
真ん中に柱があって右と左に別れている。
そこに一匹のトラがいるのが見えた。
右側の窓からトラの尻と尻尾がみえる。左側の窓から頭と肩までが見える。
ところが右と左で見え方が違うのか、右側のトラは小さく見えるが、左側の方、つまり
頭の方はとてつもなく巨大にみえる。
つまり、頭と尻尾のバランスがすっごく悪くて、頭でっかちのトラなのだ。
少し、そのことに違和感があったが、それが一頭のトラであることが私には解った。
そのトラが特に獰猛で私に襲いかかってくるとは思わなかったが、私は恐怖を感じた。
やがて、トラは私のいるところに向かってきた。
私のいる小屋には入り口が二つあった。何故かもう1人男性がいて、私は向かって左の入り口の内側にいた。
入り口には私の胸ぐらいまでの高さの扉があり、トラがやってくることを予想して、扉を持って身構えた。
もしも、私の方にトラが来たら、もう1人の男性の扉から逃げようと案じていた。それが逆なら、私は扉を押して外の出て、同時にもう1人の男性を引き込んで、素早く我々の小屋の中にトラを閉じこめようと考えていた。
やがてトラはやってきた。
トラは私の方の扉ではなく、もう1人の男性の方の扉に押し入ってきた。男性は私の方に来なかった。どうもトラには別の目的があったようだ。
我々の小屋は、豚小屋だった。
トラは豚を襲うつもりだったようだ。
トラは哮り狂うという感じではなく、思ったより穏やかに我々の小屋に入ってきた。 私は、迷うことなく小屋の外に出て、中の様子を眺めていた。
我々の豚小屋は清潔にされていた。そして、何頭もの子豚がいた。子豚は茶色でころころと小さくまるでピーナッツの何粒かを手のひらで転がすように遊んでいる。
小さなパニックが起こった。子豚は自分たちが乗り越えられない柵の中に入っているのだが決してとんでもないパニックではなかった。
それはトラが穏やかに乗り込んできたからだ。しかし、トラの目的は彼らを食することにあるというのは、私にも解った。
トラは子豚たちの柵の中に入った。それでも子豚たちのパニックは小さなものだった
私は、子豚が食べられてしまうことを少しだけ心配した。
それは自分が襲われないことの安心だった。
ところが局面が変わった。
子豚の中におじいさんが1人いたのだ。彼は笑っている。小太りで丸顔だった。顔はつやつやとして好々爺という感じのおじいさんだった。その上、そのおじいさんは笑顔だった。自分が子豚と一緒に襲われていることをあきらめているのかそれとも知らないのか、何故か笑っているようにみえた。
私は、彼を助けなければと感じた。その時、トラは子豚の群の中に消えて、おじいさんが両手を出して助けを求めているのが解った。それでもおじいさんは笑顔だった。
私は、トラの姿が見えない今がチャンスだとばかりに駆け寄って、おじいさんの両手をつかんで助け出した。
おじいさんは丸裸だった。しかも、身体のあちこちに擦り傷やひっかき傷がある。しかし、血は流れていなかった。大きな怪我もなく、無事に助けることが出来た。
おじいさんは助けられている時も笑顔だった。
おじいさんを助けたあと子豚の群の中からトラが顔を出した。しかももう1人のおじいさんがいた。そのおじいさんは先のおじいさんに比べるとやせ形だった。先のおじいさんの頭髪が薄かったのに比べたら、そのおじいさんは髪の毛がぼうぼうとしていて、髭も生えていた。
トラはそのおじいさんを捕まえて、向かい合わせに座っている様に見えた。
子豚の群は小さなパニックでころころとしている。
終始、子豚の鳴き声は聞こえなかったし、トラの咆哮も聞こえなかった。
トラは決して興奮していなかった。
痩せたおじいさんは、観念しているのか、何故か穏やかだったし、トラに抵抗する風情もなかった。ただ、対面してこれから襲われるのを待っているようにも見えた。
それでもそのおじいさんの恐怖が私には解った。
私はこのおじいさんを助けなければと思った。しかし、先のおじいさんと違って、すでにこのおじいさんはトラの獲物になっていた。(かといって襲われているということもないのだが)
私は先のおじいさんのようにこのおじいさんを助けることはできないと判断した。
そして、誰か助けを呼ばなくてはと思いついた。
もう1人の男性も同じ気持ちのようだった。
私は、もう1人の男性にせかされているような気分で電話を手に取った。
だれか、助けを呼ばなくちゃ
電話を手に取ったがそれは電気かみそりのような電話機で表を見ても裏を見てもダイヤルとかボタンが無かった。ただ、訳のわからない小さなボタンがあったが、そのボタンがどのような役割をするのか、私には解らなかった。
私は焦っていた。早く、誰か助けを呼ばなくては…
しかし、どこに電話をしていいのかも解らなかった。警察なのか消防なのか、以前、町中で猿を見かけたとき県庁の畜産課に連絡すればいいと教えられたことが脳裏をかすめた。しかし、今はどこに電話をしていいのかよく解らなかった。
結局、私は誰に電話をしようとしていたかよく覚えていないが、その電話機の表をみたり、裏をみたりしてプッシュボタンを探したが見つからなかった。
早く、誰か頼りになる人を呼ばなくてはならない。
焦っているところで目が覚めた。明け方の4時18分だった。
「こんな夢を見た20031215」(この項終わり)
なお、この夢の解釈をしたい方は、好きにしてください。気分が乗ったら 私に解釈の結果をお知らせ下さい
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