「×××の楽しい職場」不思議百科
このお話は、決して私の職場のことではありません。誰がなんといっても、私の職場のことではありません。 強く否定するところが怪しいと思う方もあるかもしれませんが、断じて私の職場のことではありません。 もしも、疑っている方があったら、私の職場に確かめに来てください。誰もが否定します。 |
仕事 | |
その1 | 口数は多いが文字での表現になると、とたんに寡黙になる。 |
おしゃべりはことの他、得意のようだ。誰彼の噂など、伝えたいことが伝わらないで伝えたくないことばかり伝わってゆく。 | |
その2 | 仕事が「ない」ことにストレスを感じない。静まり返った施設を淋しいとは思っていないようだ。 |
入所定員の10分の1しか、入所児童がいない児童福祉施設なんて訳ありだと思いませんか。 そうです。 訳があるのです |
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その3 | 仕事が「ある」。つまり子どもたちがいることにストレスを感じる。「えーっ、帰ってきたの!!」 |
所詮、子供たちがいてもいなくても同じなんですけどね。 | |
その4 | 自分の担当業務以外のことは、まったく知らない。興味を持たない。手を出さない。 |
かといって担当業務だったらちゃんとするのかというとそういうことでもない。勿論、やろうという意欲や意志は感じられる。それが自分の担当業務だと知っている場合には | |
その5 | 仕事で評価されることを望んでいない。評価されるといじめられるようだ。しかも、評価された人をいじめてもいるようだ。 |
記録をとるのだけどスタッフに自分が担当している業務以外の記録も目を通すように指示したらあるスタッフが「本当のことが書けませんね」とつぶやいた。最近、私もそう思うようになった。 | |
その6 | 仕事の都合に合わせて私事をするのではなく、私事に合わせて仕事に向かう。 |
何を基準にしているのかじゃなくて、何を優先しているのか。勿論、仕事が犠牲になる。 | |
その7 | 職場に洗濯物が干してある。 |
いちゃもんをつけたら見えないところに干すようになった。 | |
その8 | 打ち合わせに上司が口を挟むと不愉快になるらしい。 |
長年、このような不文律が引き継がれてきた。上司を必要とするときは休暇承認簿の所在を確かめる場合だけのようだ。 | |
その9 | 責任のある仕事をひとりではしない。確かにそうだ「しない」のじゃなくて「できない」のかもしれない。その点に関しては上司と意見が一致している。 |
真夜中に妖精が現れて、朝起きたら仕事ができあがっているのを期待しているようだ | |
勤務 | |
その10 | 会議中は眠っていても、休憩にはいると休憩する。 |
仕事中と休憩中の区別がつきにくい。仕事中は眠っていても、休憩中はやっぱり眠るようだ。休憩の時は横になってくれているので解るときもある。仕事中は座って眠っている。 | |
その11 | 出勤時間は曖昧だが、退勤時間はきちんとしている。時間外にウロウロしているとやっぱりいじめられるようだ。 |
児童施設の職員は、勤務時間に子供と遊ぶ。休憩時間には遊ばない。矛盾の典型が見られる。 | |
その12 | 勤務というのは時計の針が進むことだと勘違いしている。かといって時計が止まっていても、やっぱり時間通り退出する。 |
ローテンション勤務というのはひとつの仕事をいろんな時間帯に分担して業務するのだけど、どうも勘違いをしているようだ。自分の分担の仕事をいろんな時間で業務している。 | |
その13 | 地震が起きても休憩中は避難しない。 |
子供たちは勝手に逃げるよ。だから避難訓練をしている。 | |
その14 | 休暇の取り方で2時間も打ち合わせができる。 |
休憩の取り方なら、打ち合わせが30分で終わるときもある。 | |
人間関係 | |
その15 | あいそ笑いは得意のようだが演技力に欠けている。 |
心がこもっていないなんてことはいわない。単に演技力の問題だ。ただ、長年続けている割に経験が生かされていないことに疑問がある。 | |
その16 | 仕事の成果より、職場の人間関係の安寧を重んじる。 |
業務は人間関係を基調にして遂行されている。別に珍しいことでもないが、ここまで丁寧なのは想像も経験もない。 | |
その17 | 不満を正面から表現・表出できない。そのかわり見えないところで見えるように表現・表出できる。 |
内緒話は得意だが守秘に問題がある。ついボロが出てしまうようだ。もっとも、ばれてもいいと思っているのかも知れない。こういうのを未必の故意というのだよ。 | |
その18 | 必要以上に休暇の理由を説明してくれる。例えばどのように不健康なのか、どのように家族の都合が悪いのか。 |
休暇の理由について反論反証するつもりはないが、何をいわれても休暇をとることにはなるだろう。 | |
その19 | 知らない人のことでも悪口が言える。 |
私にもそういう能力が備わってきた。? | |
その20 | 冗談をよく口にする。ほとんどの場合、相手は冗談だと受け止めていない。 |
あとで説明が必要になる。「冗談ですよ」。えっ 本当に冗談なんですか? | |
子どもたちと | |
その21 | 公平または平等には二つの基準を使い分けている。職員には高い水準に合わせようとする公平または平等。子どもたちには低い水準に合わせようとする公平または平等。 |
「あの人が時間外勤務手当をもらうのなら、私もだわ」。「あの子にも渡していないから、あの子にも渡しません」 | |
その22 | 子どもたちには機能を求める。何ができて何ができないか。何がしたいのかは問わない。 |
特に「できないこと」に興味が強いようで、懸命になって説明してくれる。 | |
その23 | 自分が子どもたちに振る舞っているように上司が振る舞うと驚く。 |
叱ったり、怒鳴ったりするのは平気だが、叱られたり怒鳴られたりした経験がないようだ。 何より勘違いしているのは、子供たちが自分を信頼してくれていると思っていることだ。 |
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その24 | まず、批判するところから始まる。「この子はダメです。」「できます。できません。それが問題だ。」 |
ダメじゃなかったら こんな施設で生活しないわよ。 | |
その25 | 子どもたちにケーキを切り分けたら自分の取り分を待っている。 |
施設は子どもたちのためにいろいろするが自分たちのために何もしてくれないとやっかんでいるらしい。 | |
その26 | 子どもたちの都合よりも自分の都合を優先するのが流行のようだ。しかも、この流行はここ10年くらい続いている。 |
これが普通、通常、常識になっているから、こうなったのに気がついていない。そういう意味では平和で純朴な人たちだ。 | |
その27 | 「社会に出たら通用しないよ」と子どもたちに語れるのは「自分が社会で通用していない」から自信をもって語っている。 |
確かに、こんな常識やセンスを持っていたら社会に出て通用しないよ。 | |
その28 | 子どもたちの部屋で休憩することがある。その部屋に子どもたちがいても。 |
これは本当の話です。以前には、子供たちの部屋で職員同士がおしゃべりをしていたそうです。しかも、他の職員の悪口、うわさ話だってさ。 | |
その29 | ノックを知らないようだ。ノックをするときもあるが、ノックの返事を聞かない。かといってチャイムをつけても同じだった。 |
これも本当の話です。元々、ノックをするという習慣が無かったのです。ノックをするように指導したら「えっなぜなの?」という受け止め方をしていた。 | |
その30 | 子どもたちが子どもであることを責める。同じように障害児が障害児であることを責める。 |
大人か、もしくは障害が無かったらこんなところに一日もいない。一方、中学生や小学生に本気で対抗しようする。 | |
その31 | やさしくするということがどうすることなのか知らないようだ。やさしくすると負けたような気分になるようだ。 |
子供の施設に厳しさが必要だという30年くらい以前のセンスが今も生きている。確かに職員も30年前から変わっていない。勿論、変わろうともしていない。 | |
その32 | ここで10年以上、生活していた子どもがいることが驚異だ。我慢強い子に育っている。 |
就職や進学の履歴書・願書の長所の欄には堂々と「忍耐強い」と記入できている。 | |
その33 | 子どもたちは、この人たちの悪口が大好きだ。しかし、自分から言い出すようなバカはしない。 |
子供たちにきいたら、誰かの悪口や陰口はもうたくさんだとのこと。この人たちがそれを教えてくれている。 |