協力事業所
平成14年10月

体験就労
7月より毎週火曜日の午前中10〜12時),だんだん近くの農家で「体験就労」を行っています。これは、就労希望者を対象に、実際に農作業を体験することで、現在どの程度働くことができるのか、体力は大丈夫か,対人関係の不安はどうか、他者との協調性はあるか、集中力・持続力はあるか,職業適性はどうか等を実感していただき、平行して就労相談にものっていき、就労へとつなげていくために行っています。
7月より現在まで15名の方が参加されました。内4名は毎回継続して参加し、そのまま体験就労先の農家で働くことになりました。他に工場へつながった方もいます。すぐ働くことができると思っている方も,実際に「体験就労」に参加してみることで、働くことの大変さ・疲れやすさを感じ、「今はまだ体調が整っていない、もう少し様子をみてから参加したい」と,現実の今の自分を実感されます。また,働き始めることで精神的に安定し,「家に居るより働いていた方が気持ちが落ち着く。働き始めてから,調子を崩さなくなった。」と、就労日を少しずつ増やされる方もいます。

実際にその方がどの程度働くことができるかは、職場で働いてみないとわかりませんが、過去70人以上の就労支援に関わってきた経験から,ある程度、就労を勧められる方・今はまだ就労を勧められない方がおぼろげながらわかってきたかなと思っています。
だんだんを通じて就労している方で就労が長続きしている方を調べてみると、就労が長続きするための幾つかの要素が浮かび上がってきます。
就労が長続きする条件を幾つかあげてみます。 
@(当然ながら主治医の就労許可があり、)病状が安定しており、精神的にも比較的安定していること。
A病気に対して理解ある職場で、本人も職場で仕事振りが認められていること。

B(デイケア・センター等の)スタッフと関係のとれ、困ったときや不安なときに一人で抱え込まず、スタッフに相談できること。あるいは、家族や友人に相談できる人がいること。
C自己を過大評価も過小評価もせず、できるだけ現実的・客観的に認めていること。 (例:仕事量・仕事 時間等で今どれだけ働くことができるか、今自分の調子がいいか悪いか等)精神疾患を持ちながら働くことのできる職場は、残念ながら多くありません。多くの方は病気のことを隠して働いているのが実情です。
病気に対して理解ある職場が限られている現状では、就労先に対して高望みしないことも、仕事が長続きするために大切なことかも知れません 

平成14年7月 援護寮・生活支援センターだんだんでは「働きたい」というメンバーの気持ちに応えるため、2000年より積極的 に地域での就労先を開拓してきました。今年4月現在、1の協力事業所で働く29人の方の就労支援をしていますが、内18人(8事業所)は農業関係の仕事に従事しています。養鶏所の集卵作業、有機野菜の畑の草取り、観葉植物の苗の育成、庭木の苗の育成、畑作業全般、ほうれん草の下葉取り作業、ネギの市場への配達と作業内容は様々ですが、一日2〜4時間、週2〜5日の短時間の作業がほとんどです。農業関係の仕事に従事する方が増えた理由としては、施設の周りに理解ある農家が多かったことや、対人面の緊張が少なくてすむ・本人のペースに応じた作業が可能・比較的難しくない作業といった農業関係の仕事の特性がメンバー達に適していたこと、慣れるまでスタッフが一緒に作業に従事できること等が考えられます。 
就労希望者はセンターで定期的に行う体験就労に参加して、実際に農家での作業を体験していただきます。そこでの仕事振り・疲れ具合等を見て、就労相談を行い、本人に合った職場を探していきます。メンバーの通勤可能範囲・作業能力・人柄・対人関係・こだわり等と事業所の仕事内容・他の従業員との関係を含む職場環境・雇用主の人柄といったものをある程度把握した上で両者を結び付けますが、受け入れ可能な職場がある場合、スタッフ同伴の職場体験や研修期間を設けて様子をみて、本人・事業主両者がよければ就労開始となります。その後は、スタッフが定期的に職場を訪問して本人・事業主双方の話しを伺い、気になる点があれば両者の橋渡しをして、本人・事業主双方の関係が円滑になるよう調整しています。
無理のない仕事を一定期間以上続けることで、自分に対する自信を取り戻し、家族との関係も改善され、日焼けしたくましさを身に付け、心身ともに安定感を増してくる方が多いことを、就労担当者として実感しています。今後はより活発に就業支援ができるように、就業・生活支援センターを目指しています。
平成14年4月  10月より今年3月までの6ヶ月間で、こちらから仕事を紹介して始められた方が11名、体調不良・混乱・不適応等で仕事を辞められた方が7名いました。思春期・青年期に発病された方は、社会経験、対人関係経験、就労経験等が乏しいため、病状に加え「経験」の乏しさが就労をしようとする時に大きな障壁になります。どんな仕事が向いているのか、どこまで頑張ると自分が大変になるのか、対人緊張はどの程度か、仕事をするときに何が自分の課題となってくるのか。それはやってみないと実感できないことが多いです。その意味で、日常生活やデイケア・友人関係の中で経験の幅を広げたり、スタッフ同伴の短期の体験就労をしたりして、その人の「経験」を積み重ねることが就労にも活きてきます。就労も一つの経験です。仕事をやってみても自分に向いていなかったり、自分には負担の大きすぎる仕事だったり、疲れすぎたりすることがあります。頭で考えることも大切ですが、体で実感する事もとても大切です。こちらで仕事を紹介する場合、できるだけ長く続くようフォローをしていますが、特に就労経験の乏しい方の場合、仕事が合わなかったりして辞められるのはある意味当然かなとも思っています。
大切なのは、失敗経験を次の時に活かすことであり、周りのスタッフとよく相談して現実の自分を受け容れていくことでもあります。
長い人生です。いろいろやってみる中で自分の適性をみつけていくのも一つの方法かもしれません
平成14年1月 平成12年12月現在、至空会関係では、13の協力事業所(病気に対して理解ある雇用先)に約30名の方が就労しています。週1日2時間だけの方も、週5日の方もあり、就労時間・日数は様々です。農業関係の就労先が多く、自分のペースででき、対人面での緊張が少ない仕事が合う方が多いようです。今までは、ダダやだんだんの周りの就労先を開拓してきましたが、東部、西部にも徐々に就労先が広がりつつあります。今後は、駅周辺の就労先開拓にも力を入れ、第二ダダのメンバーさんが通える就労先を確保する必要性を感じます。就労支援は生活支援と絡めて行くことが大切です。その意味で、生活支援センターやデイケア・家庭との連携を密にしていくことが、就労を長続きさせるコツでもあります。
平成16年1月

体験就労  

11月より浜北、浜松、細江の5軒のみかん農家よりみかん採りの依頼があり、月〜土の午前2時間、午後2時間ずつ、体験就労参加者がみかん採りの仕事に従事しました。20kgのコンテナ一杯いくらの出来高制でやり、その人のペースで各自参加しました。週2回だけの人、午前中だけの人、午後だけの人と参加の仕方はいろいろでしたが、自分のやった成果が目に見えることもあり、皆意欲的に取り組みました。農家からの依頼が多く、多い時は20人ほどが一度に3箇所に分かれてやることもありました。今まで体験就労は週2回だけでしたが、毎日やりたい人、午後なら参加できる人もいて、今回のみかん採り作業は、いろいろな人が体験就労に参加できる機会となりました。毎日の作業を淡々とこなし、自信がついてきた人もでてきました。体験就労参加者は、だんだんを通じて仕事につながったり、自分で短期のアルバイトに応募したり、職場復帰を目指して調整していたり、対人関係に自信がついて進学を考えたりと、多くの方に社会復帰前の訓練の場として利用されています。
就労状況
 体験就労等を通じてだんだんから仕事を紹介されて仕事についている方は現在36名です。仕事ができるまでの体力・作業能力・対人関係等をつけるのも一定期間の訓練が必要ですが、仕事を続けるのは更にいろいろな要素が必要です。情緒の安定、生活リズムの安定、対人関係を作ることができる、仕事以外の生きがい作り、気軽に相談できる仲間・スタッフの存在、職場と本人の間を調整するだんだんスタッフの存在、等様々なことが仕事の継続には必要となってきます。病気・障害に理解ある事業所も増え、現在17の事業所で働いています。理解ある事業所が少しずつ増えていき、ありがたく思っています。(伊藤)

平成15年10月 体験就労(火・木 午前中)
  梅雨の蒸し蒸しとするビニールハウスのなか、夏の炎天下のなかでの作業が続きました。そんな中でも参加者の数が落ちることなく、むしろ新たに体験就労に参加される方もいて、毎回毎回がたくさんの参加で、みなさんとても意欲的に取り組んでいらっしゃいました。この夏を越えて、みなさんの顔がとても頼もしく見えてきます。今年は秋にわかふじ国体、来春に浜名湖花博が控えているため、その彩りを飾る花の苗植え作業がたくさんありました。自分達の作ったものが実際に飾られ、多くの方々の目に触れると思うと、今のうちから本番が待ち遠しくなります。ここ2ヶ月くらいで、体験就労を経て、次のステップとして事業所への就労という形になっていく方も出ています。ひと夏は越しましたが、まだまだ体験就労は続きます。
 就労状況・・・・16事業所で、30名を超える方がだんだん、ダダを通して就労しています。
平成15年4月

農業分野に広がる就労

生活支店センターだんだんの就労支援の特徴のひとつとして、農業分野での就労が多いことがあげられます。3月現在、10の事業所で22人が働いています。これは、自分のペースででき、対人関係のストレスが少ない「農業」という仕事が精神疾患をもつ方に適していることもありますが、地域の農業関係者が障害者雇用へ理解をもっていることも大きな要因であります。
 2月12日に開かれた「浜名湖アグリフォーラム」の分科会では、だんだんと浜北のスズキ果物農園のみかん取りの短期アルバイトの実践を報告させてもらいましたが、地域の農業関係者の障害者雇用への関心の高さを実感しました。また、2月12日付けの静岡新聞に「農業分野へ広がる精神障害者雇用」の記事が載ったことで関係者・当事者・家族等多くの方から問い合わせがありました。
 3月から週2回毎日2時間、果樹園の草取りのアルバイトを農家からの依頼で行っています。毎日10人以上の参加者があり、皆自分のペースで草取り作業を行っています。   

平成15年1月 一般的に、精神疾患を持つ方の就労に関しては、なんらかの継続的な支援がないと就労が長続きしないことが多いようである。健常者にとって精神疾患が具体的に目に見えないため、職場で健常者と同様に扱われ、調子を崩し、数ヶ月から1〜2年の内に辞める場合が多い。その意味で、精神疾患を理解し、必要時に職場と本人の調整をする専門的な就労支援者(ケースワーカー)の働きが、精神疾患を持つ方の就労支援にはとても重要である。
 
だんだんでは過去の多くの失敗から、現在では本人から就労相談が合った場合すぐ本人を就労につなげることをしていない。その方がどんな方か、本人の生活リズム・家庭環境はどうか、就労が可能な状態か、他者との人間関係はどうか、他機関・医療機関の協力体制はどうか、自己の状態をどの程度本人が自覚しているか、どんな仕事・どの事業所が向いているか等々、本人に関して多面的な視点から本人の状態を総合的に見極め、ある程度こちらが確信を持った時点で就労につなげている。 そのような総合的な視点から本人を理解することで、些細な精神的不安から調子の崩れ・混乱となり就労中断となることを未然に防いでいる。
 また、協力事業所へ過度の迷惑がかかることを防いでいる。こちらで紹介した人が職場での働きぶりが認められると、協力事業所に人員の空きがあるとだんだんの募集の声がかかる。反対に、相次いで中断となってしまうと、こちらでお願いしても受け容れてもらえなくなる。精神疾患に理解ある事業所が少ない現状では、協力事業所と良好な協力体制を築くことがとても大切である。ちなみに、現在16箇所の協力事業所で働いている。
 だんだんの就労支援は、基本的に就労支援者と本人との人間関係・信頼関係がないと成立しない。たった一度の面接で人間関係を築くのは困難である。その意味で、就労希望者には生活支援センター利用や、週1回2時間の体験就労(近隣の農家での農作業)への継続的参加を勧めている。体験就労は、本人の状態を把握し、本人と人間関係を作るとても大切な場であり、就労への準備段階でもある。こちらが就労困難と思われる不安定な方は、だいたい1〜2回の体験就労への参加で終わる。逆に継続して体験就労に参加され、安定して作業に取り組む方は、就労につながる。精神疾患も持つ方の場合、調子の波があり、良さそうに見えても体調を崩されることもあり、最低でも2〜3ヶ月間様子を見ないとよくわからないというのが実感である。本人の体験就労やセンタ−・寮での様子を見ながら、ある程度就労可能と思われる方には、本人の希望を聞いた上でその方に適した就労先を探し、一定の研修期間を設けた上で、事業主の了解が得られれば、就労開始となる。基本的に就労支援者と関係の持ちにくい方・病状の安定していない方に関しては、その後の就労支援に対する責任が持てないので、ハローワークに相談するか、主治医に相談するか、ご自分で探すことを勧めている。
 だんだんへ行けば就労先を紹介してもらえると思い来所される方も多いが、上記のプロセスを経なければ、すぐ就労先を紹介することは基本的にしていないので、関係機関にはそのことをご了承いただきたい。

 12月現在、だんだんでは36名の方の就労支援を行なっている。36名中、9名が援護寮卒寮者、5名が入寮者であり、入寮中から就労相談、就労支援を行ない、その後の地域での一人暮らしにつなげている。
センター精神疾患を持つ方の就労支援は、生活支援と絡めていくことが大切である。生活リズムが崩れれば、仕事も崩れる。その意味で、仕事以外に本人に行き場があることが好ましい。生活支援センター、デイケアに通い、スタッフと関係が取れ、相談ができる方は、就労支援もやりやすい。行き場を作らず、仕事と家の往復の方に関しては、職場訪問・家庭訪問等を行い、地域での孤立を防いでいる。特に本人の精神的サポートが就労支援には欠かせない。そのため、日中・夜間の電話相談対応、家族との関係調整、定期的な職場訪問による本人との人間関係作りを重ねている。
 また、本人を取り巻く機関(病院デイケア・病院ケースワーカー、主治医、カウンセラー、保健所等)との協力体制を取り、なにか合った時は関係機関と連携を取りながら、就労支援を進めている。定期的に職場訪問を重ね、事業所の人と就労支援スタッフとが円滑な協力関係を築くことも大切である。なにかあった時にすぐ職場から電話が入る関係を日頃から作り、必要時に即座に就労支援スタッフが対応することが、職場の信頼を得るためにも不可欠である
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平成17年1月 就労希望者は就労訓練「体験就労」にまず出てもらい、そこでの様子を踏まえ、就労可能と判断される方に仕事を紹介しています。今年の4〜11月末までに27名の方が仕事に就きました。
だんだんの就労支援も4年目になり、以前だんだんより仕事に紹介した人から就労相談を受けることが多くなりました。無理のない仕事を続けることで自信をつけ、前の仕事より時間・日数の多い仕事、時給のいい仕事をしたいという相談です。
本人の希望する仕事へつなぎ、あるいは自分で仕事を探してと、ステップアップしていく人が何人も出てきました。今まで働いていた事業所には、「体験就労」に継続参加している方から適当な方を紹介し、無理なく働くことができる就労場所として、利用させていただいています。
作業訓練『体験就労』→無理のない就労(通リハ制度利用)→ステップアップした就労
最近感じるのは、精神疾患を持つ方の就労支援は随分時間がかかるなあ、ということです。就労支援に4年半関わり、ある程度仕事につなげるノウハウ、仕事を継続するための支援をするノウハウを蓄積してきました。今後、また何年か就労支援に関わると、また新たなステップアップへとつながる人が出てくるのかもしれません。
平成16年10月

最近、園芸と福祉を組み合わせた『園芸福祉』が注目されています。障害者・病気の方の農業方面への就労に関しては、「だんだん」は全国でも先進的な通り組みをしており、最近はテレビ・新聞・雑誌等の取材が多いです。9月には『園芸福祉全国大会』が浜松で開かれ、「だんだん」も分科会で発表させていただきました。
 だんだんから毎年20〜30名程が仕事につながっていますが、そのうち約半分が農業分野への仕事に就いています。農業方面への就労に関しては、まだまだ就労可能な人が多く、可能性の大きな分野です。就労に関しては、毎月2〜3名が農業・清掃・工場等の仕事についています。
 体験就労という就労基礎訓練を経て、就労可能と思われる方に仕事を紹介しています。

平成16年7月

 4月1日より「就業・生活支援センターだんだん」が生活支援センターに付置され、3障害(知的障害・身体障害・精神障害),その他に病気や引きこもりの方の就労相談を正式に受けていくことになりました。いままでも3障害の方の相談を受けてきたので、とまどいはありませんが、就労相談の数が多くなりました。現在、週1〜3件ほどの就労相談が寄せられ、お話を聞いたうえで、その方に合った就労訓練の場を紹介したり、「生活支援センターだんだん」で就労訓練を積み就労可能となった人には,その方に合った就労先を紹介しています。また、こちらから就労先を紹介した人(現在40名程)のアフターフォローも定期的に職場訪問したりして行っています。

 就労訓練や就労先として、農家とのつながりを深め、農業分野の就労先を積極的に開拓してきましたが、この取り組みは全国的に見ても先進的な取り組みで、各方面から注目されています。
平成16年4月

だんだんの就労支援の活動実績が認められ、4月より就業・生活支援センターの認可がおりそうです(3月20日現在)。今までも、精神疾患を持つ方だけでなく、知的障害の方、身体障害の方,引きこもりの方、病気で休職中の方などの就労相談・就労支援をおこなってきましたが、今後ますますいろいろな方の就労相談,就労支援が増えていくことが予想されます。就労支援スタッフも増え,就労支援の幅が拡がりそうです。

最近,「農業と福祉」の関係が注目をあびつつあります。いろいろなところで、だんだんが行っている農業分野への就労先のあっせん、その後の就労支援のことが取り上げられています。西遠地区の農業者の協力もあり、今後も農業分野への就労が期待できます。
 体験就労では、いろいろな農家から作業の委託を受けて農作業を相変わらず行っています。農家からの依頼が多くなり、最近は週3〜4日農作業に出ています。広報浜北の仕分作業も月2回センターでやり始めました。自分にあった作業訓練の場所が広がりつつあります。