避妊手術T〜初ヒート〜
初夏に入ったころ、チョコママは悩んでいました。
チョコの避妊手術をするべきか、どうかということについてです。
チョコの子供を見たいという気持ちがあります。
でも、お産をさせるということは、実際とても大変です。
中途半端な知識では危険にさらしかねません。
臨月近くなると、いつもそばに誰かがいてあげなくてはなりませんし、環境が万全でなくてはなりません。
そして、産まれた仔犬の問題があります。
今の自分たちでは、生まれた子全部を手元に置くことは難しいでしょう。
チョコママにも、いずれ赤ちゃんができるかもしれませんし…。
ペットショップに売る事は、最初から考えには入りません。
里親を捜すにしたって、もらわれていく先で大事にしてもらえるのか心配です。…いろいろ思い悩んだ結果、漠然とですが、
「チョコにはお産はさせない」
「お産させないなら、病気の心配が減るように、避妊手術しよう」
という気持ちが、チョコパパとチョコママの間にありました。
避妊手術は、1回目のヒートがくる前で、しかも体が十分成長したころ、だいたい生後7〜8ヶ月ぐらいがいいそうです。
生殖器系の病気にかかる確率のことを考えるなら、早いうちの手術がよいとかかりつけのお医者さんにも助言されました。
でも、いつまでも体が小さいチョコを見ていると、避妊手術なんてまだまだ先のように思えるのでした。
7月に入ったある日、チョコがおしっこした後を見ると、うっすら茶色いシミがありました。
「これってもしかして…」
チョコを見ると、いつもどおりエサを食べてのんびり遊んでいます。
数日前から、ほんの少しウンチがやわらかめになっていたことを、チョコママは思い出しました。
それから気をつけてみていたのですが、その日はもうシミは見当たりませんでした。
翌日、チョコの寝床をみると、点々とかすかな茶色のシミがありました。
「やっぱり、初ヒートがきたんや!」
チョコパパに携帯メールを打ち、かねてから準備していた生理パンツを履かせてみました。
「この間まで赤ちゃんやったのに、チョコはもう赤ちゃんが産めるんやな…」
チョコママは『感動』しました。(T_T)
それと同時に、“避妊手術”に対する考えが微妙に変化したのです。
チョコからこういうことすべて奪ってしまう権利が、飼い主だからといって私たちにあるのかな、と…。
大袈裟に言うと、生命に対する冒涜のような気持ちが、生まれたのです…。
パンツをいやがって、見てないうちにすぐ脱いでしまうチョコ^^;
何度も履かせたのですが、お外でオシッコしないチョコにとって、パンツは迷惑以外の何物でもなかったのでしょう。
チョコママを出し抜いてはパンツを脱いで噛み噛みして遊んでいます。
あきらめたチョコママは、点々とついた血の後を、テッィシュで染み抜きしながら過ごす事にしました。
でも、ワンコの血って、すぐ取れるんですよ!
人間の血は凝結してしまって水では取れないですが、ワンコの血は水をつけたティッシュで押さえると簡単に取れます。
体が小さいチョコの血の量は少ないです。寝起きと排泄のときに、量が多かったりします。だいたい人間と同じです。
お散歩のときは、オス犬がすぐ集まってきて大変でした。
去勢しているワンちゃんがほとんどですが、よその犬にお尻を嗅がれるということ自体、臆病なチョコには怖かったことでしょう。
ヒート中はあまり、よその子が集まらない場所で散歩するしかありませんでした。
苦労しながらも、一種の幸せを感じながら、数日が過ぎていきました。
ヒートは普通2週間ときいていたけど、チョコは2週間すぎても終わりませんでした。
チョコのヒートは、3週間続きました。
避妊手術U〜想像妊娠〜に続く