2008年11月17日〜18日
 私は義経ファンではありますが、だからといって特に源氏びいきなわけではなく、たとえば源義朝平清盛どっちが好きといわれたら迷いなく清盛と答えるし、源頼朝平清盛どっちが好きといわれたら迷ったあげく清盛と答えるかもしれない…う〜ん単に清盛が好きなだけかも。だから大河ドラマ「義経」の、清盛を父と慕う義経、という設定は個人的にはとても嬉しかった。先日放送のテレビ朝日系スペシャルドラマ「告知せず」では久々にその渡哲也清盛と滝沢義経の親子共演が拝めて幸せでした。やっぱり俳優・滝沢秀明はいい!滝沢さんはこのまま渡さんについてゆけばいいよ…ドラマや映画にもっと出ようよ…“革命”なんかしてる場合じゃない。(笑)滝沢義経を今後より良き道に導いてくれるのはジャ○ーさんではなく渡清盛様ではないのかと思わずにはいられない、しょせんジャ○ーズファンにはなれない「『義経』の滝沢秀明」ファンの私でありました。「義経」や「雪之丞変化」のようなドラマがまた見たいなあ…
 なにやら話題がおかしいですがここは旅日記コーナー。滝沢義経の正しき水先案内人としていまや私の期待を一身に受ける渡哲也…もとい平清盛が信奉した宮島・厳島神社(広島県)に、このたび初めて出かけてまいりました。また屋島〜壇ノ浦合戦で義経軍に味方して戦った瀬戸内の水軍・河野氏ゆかりの大三島・大山祇神社(愛媛県)にも立ち寄って、有名な義経奉納の鎧「赤糸威鎧」をこの目で見てまいりました。瀬戸内に浮かぶ大三島に宮島、どちらも古来から「神の島」と崇められ源平の武士達にも縁の深い島です。
 このたびの旅行も義経ファン仲間のもち様にご一緒いただき素敵なプランを組んでもらった上、丁寧なナビゲートをしていただきました。感謝感謝です♪

大三島(大山祇神社)宮島(厳島神社)

大三島(大山祇神社)
しまなみ海道・多々羅大橋
 まずは瀬戸内海の島々を結ぶ「しまなみ海道」を通って大山祇神社をめざします。岡山県JR福山駅から長距離バス「しまなみライナー」に乗り、大小さまざまの島影やみかん畑を眺めながら揺られること1時間弱、大三島BSへ。そこから路線バスに乗り換えて10分ほどで大山祇神社前に到着します。
 写真は大三島BSから見える多々羅大橋。広島県と愛媛県の県境にかかる世界最長の斜長橋です。大山祇神社のある大三島は愛媛県の最北端に位置する芸予諸島の中で最大の島です。
しまなみライナー/JR福山駅→大三島BS:\1700・約52分
瀬戸内海交通バス/大三島BS→大山祇神社前:\260・約12分


大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)・二の鳥居
 大山祇神社は文字通り山の神様(大山積神)を祀る神社ですが、大海原の神、渡航の神としても崇められ、古くから瀬戸内の人々の信仰を集めてきました。
 写真はバス停を降りてすぐにある二の鳥居。ここより西の宮浦港の海ぞいには神社の表玄関を示す一の鳥居がそびえています。 

神門からのぞむ拝殿
 平日にもかかわらず境内は観光客でにぎわっています。さすが「日本国の総鎮守」!この大山祇神社の分社は全国に一万一千余もあるそうです。
参拝自由
参拝時間:日の出頃〜17:00(授与所9:00〜17:00)


大楠
 境内には鬱蒼とした太古の森を思わせる楠木の大樹が群生しています。大三島は楠木、杉など巨木の群生地であり、古来より水軍の船の材料として重宝されてきました。
 なかでも目を引くのがこの「小千命(おちのみこと)御手植の楠」と呼ばれる大楠。大山積神の子孫である小千命がこの神社を創建した際に手ずから植えられたものと伝わり、樹齢は推定2600年余を数えるそうで、大樹マニア(?)でもある私としてはたまりません。源平時代はもちろん紀元前の昔から、この地でさまざまな時代の人々の暮らしや出来事を見届けてきたのでしょう。

大山祇神社宝物館(紫陽殿・国宝館)入り口
 瀬戸内水軍の氏神であり武将の守護神でもある大山祇神社には古来からたくさんの武具が奉納され、全国の武具類の国宝・重要文化財の大半がここに納められているといいます。我らが義経奉納の鎧はそれらの顔ともいうべき代表的なもの。早く、早く観たい…!受付ももどかしくジタバタしながら館内へ。(落ち着け)実はこの受付を入ってすぐのところに義経の鎧のことを詠んだ吉井勇の歌碑があったそうなのですが慌てていたため見落とす…
 
「義経の 鎧まばゆし緋威しの 真紅の糸もいまか燃ゆがに」(吉井勇 昭和十一年)

 宝物館は「紫陽殿」と「国宝館」の二棟からなり、義経の鎧は紫陽殿の二階に展示されています。正式名称は「赤絲威鎧(あかいとおどしよろい)・大袖付」。義経が壇ノ浦合戦ののち佐藤忠信に代参奉納させたもので「八艘飛びの鎧」とも呼ばれます。重厚な大鎧と機動性のある胴丸をミックスさせたような独特のフォルムで、実用性を重視した軽やかなつくりながら繊細な装飾が随所にほどこされていて、機敏にして典雅、まさに義経のためだけにつくられたような鎧。この鎧を着て義経が戦場を駆け回っていたのかと思うと胸が躍ります。大河「義経」の滝沢義経やコミック「ますらお」の義経は作中でこのデザインの鎧を着用しています。どちらも大好きな作品なので嬉しい!
 鎧はガラスケース越しに至近距離から、しかも四方八方から眺めることができます。背側の装飾の美しさもぜひごらんください。威毛の部分は明治時代に修復されたもので今では退色してますが、ところどころ源平時代の威毛がそのまま残っていて、そこだけが鮮やかな赤い色をしています。近代の糸より古代の糸のほうが色を鮮明に残しているなんてスゴイ!
 その義経鎧の向かいのガラスケース内には、あっ兄上…!源頼朝奉納の鎧
「紫綾威鎧(むらさきあやおどしよろい)・大袖付」が鎮座まします。こちらは規格(?)通りのゴージャス重厚な大鎧。隣り合うわけでもなく遠く隔たるわけでもなくほんの数メートル離れたガラスケースごしに静かに向き合う兄弟の鎧…なんとも見ごたえある光景です。いずれの鎧も国宝。鎧も国宝なら、日本を動かしたこの兄弟の存在そのものも国宝級ですよね!
 頼朝の鎧の隣には、義経軍に加勢した地元水軍・河野通信の鎧
「紺糸威鎧(こんいとおどしよろい)・兜・大袖付」が展示されています。こちらも威風堂々たるたたずまい。ほかにも義経の刀や薙刀、義仲の鎧、和田義盛の革箙、源為朝平教経の弓、巴御前弁慶の薙刀(このへんちょっと怪しい・笑)などが展示されています。平重盛奉納の水瓶や蒔絵の瀟洒な手巾掛などもあり、“武”の源氏との文化の違いをみせつけられます。
 宝物館に隣接する海事博物館にはエイリアンのようなエイのひものや海洋生物のホルマリン漬、展示しきれないほど長いコンブ、海事博物館なのにタヌキやキツネのはく製などもあって、ツッコミどころ満載でこれまた楽しい。時間のある方はぜひどうぞ。
宝物館(紫陽殿・国宝館および海事博物館)拝観料\1000
見学時間8:30〜17:00(入館は16:30まで)/年中無休

大三島観光ポスター
 神社周辺の飲食店やお土産物屋さんの店内にはこんな嬉しいポスターが!「大三島で義経に出逢う」!あの鎧はたしかに「義経に逢えた」という実感と満足感が得られます。
 そういえばこの地は伊予国、義経も名ばかりとはいえ伊予守でした。宝物館の展示にもわざわざ「伊予守」源義経と記されていましたし…。伊予の人々は、この地を風のように駆け抜けていった義経のことをどのように思っているのでしょう?奉納鎧を通じて、希代の英雄・源義経を愛しく特別な存在として大切に思ってくれているといいなあ…

オミヤゲ情報

「大山祇神社・図録」\2000/「週刊神社紀行特装版・大山祇神社」\560
図録には展示物の紹介と詳細な説明文が載っていてとても便利。表紙は河野通信奉納の甲冑です。義経の鎧、頼朝の鎧もそれぞれ一ページのグラビアを使って別格扱いで紹介されています。
週刊神社紀行の表紙には燦然と輝く義経の鎧!裏表紙は頼朝兄上の鎧、そして背後にひっそり義経鎧。「お前は引っ込んでろ!俺より前に出てくんな!」とでも言いたげな位置関係が笑えます。



絵はがきセット\500/しおりセット\100
大山祇神社オリジナルの絵はがき&しおり。絵はがきは8枚入り、しおりは5枚入りでどちらにももちろん義経鎧の写真が入ってます。しおりのほうはそれぞれの武具にまつわる簡単な説明文とイラストつき。でも義経の鎧だけなぜかイラストが那須与一…。(怒)

宮島(厳島神社)
JR広島駅・看板
 大三島をあとにして一路、宮島へ。JR広島駅のホームに入るや否や、「清盛くん」がお出迎え〜!コロコロした可愛い清盛くん、営業用スマイルもばっちりです。
 


宮島・遊覧船(ナイトクルージング)
 
宮島に到着したのは夕刻。まずは宮島桟橋から厳島神社の大鳥居をめぐる遊覧船でナイトクルージングへ!我々が乗り込んだのは赤ちょうちんがまぶしい写真上の船。下の船は同刻に桟橋に入港したゴージャス竜頭遊覧船。竜の目がいきなりビカーッと赤く光ったりするスグレモノです。
 クルージングは約半時間。満潮のタイミングなら大鳥居の下を船でくぐれます。私達の時は少し潮が引いていたので鳥居の手前で引き返しましたが、それでもライトアップされて海上に浮かぶ大鳥居と厳島神社の偉容にはただただ圧倒されるばかり。いいものが見られました。その写真が撮れなかったのは、ガイドさんのトークに聞き入りすぎたため。予想外の熱血&暴走トークに乗客一同最初ボー然、次第に笑顔、最終的には大爆笑&大満足で下船してゆきました。宮島の現在の観光事業に真向勝負を挑む内容だったため(笑)ここではあえて記しませんが、ガイドさんの熱い熱い「宮島・愛」がびしばし伝わってくる、楽しくもスリリングな半時間の船旅でした。いつもあんな感じなのか、あの時だけ特にノリノリだったのかはわかりませんが。(笑)海上の大鳥居を間近に眺めることができるナイトクルージング、おすすめです。
宮島参拝遊覧:\1500(要予約)


宮島・厳島神社への道
 一夜明け、いざ宮島観光へ。海沿いの道を厳島神社へ向けて歩きます。厳島神社への道は朝からどこもかしこも観光客で大賑わい。
 沿道に「きよもりうどん」発見!やっぱりここでは清盛様は人気者です。

いちゃつく鹿
 宮島に来て何が驚いたって、鹿のおとなしさ。奈良公園の凶暴鹿(パンチ&キック・噛む・角で刺す・ポケットのものを強奪etc)しか知らない私にとって、人を襲いもしなければ逃げもせず観光客の間を悠然と歩く鹿の姿はちょっとしたカルチャーショック。神の使いとして大切にされているのは奈良も宮島も同じですが、こちらは数年前に餌をやってはいけないというきまりができたからかな?ともあれ逃げない&襲ってこない鹿に感動した私は史跡そっちのけで鹿の写真ばっかり撮っていた。
 この写真は二頭の鹿に両サイドからラブラブアピールを受けご満悦のモテ鹿。(雄か雌かわからんが)観光客に囲まれようが写真を撮られまくろうがお構いなしに延々といつまでもいつまでもチュパチュパ毛づくろい。実に円満な三角関係です。義経と静御前&正妻もたぶんこんな感じ。静御前「殿大好き♪」正妻「私も好き〜♪」義経「…(←何も考えてない)」


大鳥居
 遠くからでもよく目立つ、宮島の象徴・大鳥居。高さは約16メートル!紺碧の海と島の緑に鮮やかな朱塗りの大鳥居がよく映え、すばらしい景観を演出しています。干潮時には歩いてすぐそばまで行くこともできるそうです。
 この鳥居から本土をつなぐ海上の道がいわば厳島神社の「正式な」参道であり、今現在「表参道」と呼ばれているお土産物店のつらなる通りは観光用にそう呼ばれているだけ…だそう。(遊覧船の熱いガイドさんいわく)いずれにせよ海の上の参道なんて神秘的で、厳島神社ならではの光景ですね。


紅葉谷公園
 宮島名所・紅葉谷公園の紅葉も見頃!燃えるような赤や黄金色の紅葉が山々を彩っています。見あげる空から風にひらひら舞い降りてくる色とりどりの紅葉、足元にはこれまた色とりどりの紅葉のじゅうたん…。美しい日本の秋を心ゆくまで堪能しました。

大聖院(だいじょういん)・摩尼殿
 宮島の霊峰・弥山のふもとに位置する大聖院は宮島随一の名刹。こちらで辻村寿三郎氏の人形展「平家物語縁起」が開催されているという情報を得て立ち寄ることに。平家物語の前半部分がメインだったのでほとんど平家のシーンばかり、義経人形がないのが残念でしたが、かわり?に頼朝(赤ん坊)と頼朝母の人形があった…
 この境内の紅葉も美しい!写真は境内のさらに高台にある摩尼院。ひとつだけ願いを叶えてくれるという一願大師や豊臣秀吉ゆかりの波切不動明王、五百羅漢など見どころはたくさん(時間がなくて回れませんでしたが)。数多のお地蔵様仏様にまじってなぜかアンパンマン石像があった。
大聖院・拝観料無料/入山時間8:00〜17:00
「平家物語縁起」08年11月18日〜12月14日/入館料\1500/開館時間9:00〜16:00

宮島歴史民俗資料館
 厳島神社から少し歩いた場所にあるこちらの資料館は、江戸時代から続く豪商・江上家の屋敷を資料館として改造・公開しているもの。昔の日本の衣食住にまつわるさまざまな生活用品のほか歴史的文化財も展示されてます。なかでも有名なのは平清盛の坐像。歴史の教科書や参考書によく載ってるおなじみの僧形清盛像です。私も小学校のころ「あはは〜ヘンな顔!」と笑いながらよく教科書にラクガキしたもの。…お許しを!清盛様。でも頼朝ならともかく清盛なら「しょうがないやつめ」とかいって許してくれそう…(勝手な妄想)
見学料\300
開館時間/8:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)・12月26日〜31日

後白河法皇御行幸松
 厳島神社の裏手には「後白河法皇御行幸松」という大きな老木が横たわっています。承安四年(1174年)に法皇がこの地に参拝した際にお手植えされた松だとか。さすが熊野詣最多記録保有者の後白河法皇、どこへでもフットワーク軽く出かけてますね。



厳島神社・入り口/回廊
 
さあいよいよ厳島神社の社殿へ!折りよく満潮、波の上の回廊を歩けるとあって参拝入り口はゴッタ返し、人波が途切れることがありません。
 厳島神社は周囲の海や森林を含めて1996年12月に世界文化遺産に登録されており、本社本殿などの建造物も国宝・重要文化財に指定されています。
 祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)・田心姫命(たごりひめのみこと)・湍津姫命(たぎつひめのみこと)の三柱の女神様。荒ぶる神スサノヲが、姉アマテラスに謀反の心のない証として生み出した美しい女神様達です。このエピソード、どうも頼朝義経兄弟にかぶらせてしまう…兄に一途に尽くした義経だって清らかでまっすぐな心の持ち主、女神様を生めと言われれば生めるわい。(おい無茶いうな)神話と比べて歴史はやっぱりシビアで世知辛い…
 神社の創建は推古元年(593年)で、のち仁安三年(1168年)に平清盛によって現在のような壮麗な社殿が造営されました。海上に浮かぶ寝殿造りの社殿は実に美しく雄大で、清盛の卓越したセンスと独創性を感じます。幻想的でロマンチック、あまりの美しさに儚さすら感じさせるこの光景は平家の栄華の象徴ともいえ、源氏の都・鎌倉のどっしりとした質実剛健さと好対照をなしています。
拝観料\300
拝観時間6:30〜18:00(季節によって変更あり)
年中無休

厳島神社・本社拝殿と高舞台
 本社拝殿前からは大鳥居が真正面に見え、記念撮影のベストスポットになっています。
 拝殿前には高舞台が設けられています。平安時代末期に清盛によって伝えられた舞楽はこの高舞台で、今も伝統芸能として大切に守り継がれています。
 大河ドラマ「義経」のオープニングでも厳島神社と舞楽「蘭陵王」のワンシーンが出てきましたね。ドラマ監督によるとあのシーンは、あまりの美貌に兵達が見とれてしまって士気が下がるためあえて恐ろしい仮面をかぶって戦場に出たという蘭陵王のエピソードを義経のイメージに重ねたそうです。滝沢義経ならそれも納得。(笑)厳島神社と華やかな英雄・義経の取り合わせはぴったりです。

オミヤゲ情報
宮島キューピー(各\420)グッズコーナーで紹介済
広島の駅や売店で見かけるご当地キューピーはたいがい鹿や杓子(しゃもじ)ですが、宮島にはごらんのような清盛キューピー、巫女キューピー、舞楽キューピーが!ただし清盛キューピーは置いてないお店もあるので(巫女キューピーや舞楽キューピーはあっても)、ひょっとしてけっこうレアもの?舞楽キューピーは大河「義経」オープニングつながりで私の中では義経ということになってます。巫女キューピーもかわいいので静キューピーということになってます。(勝手すぎるだろ…)

源平絵巻(義経鎧\1550?)←すいません値段ウロ覚え…
弊サイトグッズコーナーでも紹介している武具フィギュア「源平絵巻」、通常は買って箱を開けるまで何が入ってるかわからないのですが、宮島のお土産物屋さんでは中身が見られる良心的な箱に入って並べられていました。なかにはシークレット品「義経鎧」も!大三島であの鎧を見てしまってはもう買うしかないでしょう。ほかの商品(\700ほど)よりは割高ですが、ネットオークション等で買うよりはずっとお得。私は下の写真のように別売の兜もセットディスプレイして部屋に飾ってます。幸せ♪
Tシャツ(\1000)
外国人観光客が多い宮島には「なんてベタな…」とつぶやきたくなるオミヤゲ物もたくさん。湯呑みやTシャツには「侍」「誠」などのお約束漢字が踊る。そんな中いかにも外国人受けがよさそうな武者絵Tシャツ発見!我らが殿「伊予守源義経」ですよ!ざっと見た限り武者デザインのTシャツはこれのみ。平家も戦国武将もさしおいて日本のサムライ代表の座についた源義経、これを外国人が「OH!サムラ〜イ!ファンタスティック!!」とかいって喜んで買ってゆくと思うと笑いがとまりません。我らが義経、世界にはばたく。子供用から成人男性用までサイズがそろっているのもGOOD JOBです。私は着ませんが。(もっぱら眺めて喜ぶ)

MAP@(大三島・大山祇神社周辺) MAPA(宮島・厳島神社周辺)
自作マップ(はてしなく適当)


正確な地図はこちら


 アクティブさと優雅さを併せ持つ大三島の義経の鎧はまるで義経本人のようで、その息遣いまでもが感じられるようで、見れば見るほどその魅力に引き込まれてしまいます。頼朝の鎧と微妙な距離で向き合っているシチュエーションも愉快なので、義経ファンはぜひ足を延ばしてごらんになってみてください。
 雄大な海に建つ厳島神社と大鳥居の姿には平清盛の描いた広大な夢と高い志が感じられ、清盛という人物の大らかな魅力に改めて惹きつけられます。そしてこみあげてくるのは、やはり義経がついてゆくべきは清盛だったのでは、という思い…。でも、何ら報いてくれない源氏(頼朝)のためにひたすら尽くし徒労を重ねる「源氏」の義経が、その不器用さが、やっぱり私は好きなのです。
 義経の鎧の「赤」と厳島神社の社殿の「赤」、そして紅葉の「赤」と、この旅は図らずも鮮やかな平家カラーに彩られた秋の安芸路となりました。史跡めぐりだけでなくカワイイ鹿にも会えたし名物もみじまんじゅう(「揚げ」もみじまんじゅう美味しかった〜♪)も食べられたし大満足!大三島で義経(の鎧)に出会い、宮島で平清盛(の夢)に会う…。とても有意義な楽しい旅でした。