牛若丸

一、

父は尾張のつゆときえ
母は平家にとらえられ
兄は伊豆に流されて
おのれひとりは鞍馬山

二、

かたきの平家をほろぼして
わが家源氏をおこさんと
ひるは学問剣術は
人目をしのぶ夜のわざ

三、

七つどうぐをなげだして
弁慶あやまる五条橋
金売吉次がおともして
おちゆく先は奥州路

四、

鏡の宿の元服に
その名は義経源九郎
途中のなんぎ切りぬけて
秀衝やかたに着きにけり

五、

ほどなく源氏の花咲くや
兄頼朝の命をうけ
朝日将軍義仲を
ただひと打ちにほろぼして

六、

ひよどりごえの逆落し
屋島の海の八そうとび
壇の浦では弓流し
永くほまれをのこしけり


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