エンジンオイルに関する備忘録

ここんところエンジンオイルに調べていたので、備忘録代わりにウンチクを語ってみたいと思います。
とはいえ私自身まだ調べている途中ですのでツッコミ大歓迎です。ただし返答できるかどうかわかりませんが(笑)
あと今回はあえて元ネタのページへのリンクは貼りませんので、気になる方はご自分で検索してみてください。

エンジンオイルに関するページで有名な所が幾つか存在しますが、読んでて気になったのが「(100%化学合成油の場合)ベースオイルは劣化しない」という意見です。
オイルの劣化の一番の原因は熱による酸化とも言われてますが、いくら化学合成油だからといって全く劣化しないなんて・・・ねぇ。
もっとも、100%化学合成油でもベースオイルより先に添加剤が劣化するそうなので、さすがに交換不要というわけにはいきませんが(笑)

ところで化学合成油といっても、日本では「化学合成油(もしくは全合成油)」と「100%化学合成油」の二種類の表記があるのをご存知でしょうか?

現在の日本では「化学合成油(もしくは全合成油)」とはベースオイル(の一部もしくは全て)にVHVI(もしくはHIVI)が使われているオイルで、「100%化学合成油」とはPAOやエステルあるいはPAO+エステルがベースオイルに使用されているオイルのことです。
何故表記が分かれているのかといいますと、VHVIやHIVIは鉱物油から精製されたものでAPIにおける基油分類のグループ3に属し、かつては鉱物油としてあつかわれていたからです。ちなみにグループ4のPAOとグループ5のエステルが合成油となります。

ところが90年代になってカストロールがVHVIをベースオイルに使用したオイルを「化学合成油」として始めて販売したため、モービルは不当表示としてカストロールを訴えたそうです。
しかし裁判ではカストロールの主張が認められてモービルは敗訴。それ以来モービルもコストを抑えるため自社製品にVHVIを使用するようになったとか(^^;
つまりVHVIは「法的に」化学合成油になっちゃった・・・と(笑)
かつては「100%化学合成油」を謳っていたモービルですが現在では「100%」の表記は消えているのはそういった理由からです。(現在の製品のほとんどにVHVIが使用されているようです)
なお現在ではグループVを合成油として扱うのが世界的な風潮となっているそうです。
それでPAOやエステルなどの「(本当の意味での)合成油」と区別するために日本では上記のような表記になったそうですが、これはメーカーの自主規制的措置にすぎません。米国などではVHVIやHIVIベースでも「100%化学合成油」と表記しているケースがあるようですので、輸入品を購入する際は気をつけたほうがよさそうです。(米国では化学合成油として認められちゃってますから)
とは言うものの、実は近年では日本でもVHVIベースのオイルを「100%化学合成」と謳っているメーカーさんもチラホラ出始めていますので、拘る方は注意したほうがよろしいかと。
ちなみにVHVI(Very High Viscosity Index)やHIVI(HIgh Viscosity Index)は高粘度指数油(もしくは高度水素分解精製油)のことらしいですが、どちらも同じものと解釈して良いようです。
あとXHVIとVHVIを混同している人がたまに居るようですけど、XHVIは天然ガスから精製されるので製造法がVHVIとは違います。分類上はグループV扱いの場合が多いようですが、Shellでは合成油扱いとしてVHVIとは明確に区別されているようです。
念のため付け加えますと、VHVIの中には部分的にはPAOやエステルより性能が上のものもあるそうで、必ずしも品質が低いという訳でもなさそうです。(まぁその辺は「ピンキリ」というやつではないかと)ただし耐熱性という点ではやはりPAOやエステルに分があるようですので、用途に合わせて選ばれるのがよろしいかと。

要するに化学合成油の定義というのは、非常に曖昧なんですよ。(業界的にも法的にも、特に規定はないようですし)
そういう曖昧なものにあまりこだわり過ぎるのも、いかがなものかとも思えてきますが・・・どんなモンでしょう?

しかも一部大手メーカー以外はPDS(製品データシート)やMSDS(製品安全データシート)の開示すらしていないので、メーカーの謳い文句を信用するしかないんですよね、実際のところ。
あ、ちなみにモービル1のMSDSの「組成、成分情報」に「鉱油」と記入されているんですが、日本ではVHVIは表記上「鉱油」になりますので別に鉱物油が入っているというわけではありません。
表記上は「鉱油」なのに販売上は「化学合成油」・・・いいのか、それで?!
ついでに言いますとBPやカストロースは「全合成油」という表示を使っていますが、そもそもVHVIを開発したのはBP(カストロールは現在BP傘下)ですから・・・あとは言わずもがな・・・

ちなみに部分合成油なんですが、一部メーカーは「半合成油」なんて表記をしているもんですから、てっきり合成油が半分くらいは入っているのかと思ってたんですが、実際には10〜30%程度だそうです。
かつては良心的なメーカーさんはPAO+VHVIベースのオイルを部分合成油として販売していたそうですが、現在ではこの組み合わせは「化学合成油」か「全合成油」になっちゃうんですよねぇ・・・

ついでに紹介しますが、世の中には奇特な方もいらっしゃいまして、エンジンオイルをひたすら加熱するという実験を行った方がいらっしゃいまして、この方によると100%化学合成油は一定の温度に達すると黒く変色していくのだそうです。(鉱物油は少しずつ変色していくんだそうです)
つまりオイルは汚れたから黒くなるというよりは、(一定以上の)熱を受けたから黒くなるという事のようです。
以前、エンジンオイルを交換してから一週間毎日オイルゲージでオイルの状態をチェックしてみた事があるんですが、3〜4日程度でオイルが黒く変色してくるんですよね。
当時は「こんなにも早くオイルが汚れるものなのか?!」と思っていたのですが、熱が原因なら納得です。


まぁ結論としては、サーキット走行などのような負荷の高い走行を行う場合は耐熱性に優れ、余計な添加剤があまり配合されていない100%化学合成油を使用した方が良いのではないかということなんですが、高いオイルだからといって長持ちする訳ではありませんし、調べれば調べるほどオイルに拘るのがアホらしくなってくるので安いオイルをサーキット走行ごとにガシガシ交換するというのもアリかな・・・と。

なんだ、結局今までと変わらねぇじゃねぇか(爆)


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