●第6回 ヴィクトリアマイル(G1)●
     5月15日東京11R 芝1600m、牝、国際、定量、指定

     5月14日更新
     変更点 当日番組変更あり、ステップ戦福島牝馬S→新潟施行
13 ブエナビスタ 55 岩田 16 アパパネ 55 蛯名
04 レディアルバローザ 55 福永 06 オウケンサクラ 55 北村宏
× 10 コスモネモシン 55 松岡 × 15 アプリコットフィズ 55 武豊
(騎手変更 07ブロードストリート 藤田→武士沢)

【 過去5年経歴 】
回数 年、日程、条件   変更点 当日変更 1着馬名
1回 06年 2東8芝16、牝、国、定、指   新設   ダンスインザムード
2回 07年 2東8芝16、牝、国、定、指   表記G1→Jpn1 枠連ゾロ目万馬券 コイウタ
3回 08年 2東8芝16、牝、国、定、指       エイジアンウインズ
4回 09年 2東8芝16、牝、国、定、指   Jpn1→G1   ウオッカ
5回 10年 2東8芝16、牝、国、定、指     当日番組変更あり ブエナビスタ
6回 11年 2東8芝16、牝、国、定、指 7歳上なし (福島牝馬S新潟施行) 当日番組変更あり  

【 考察 】
 1.前代未聞の結末 2.ステップ戦勝ち馬不在 3.最終結論  

 <1.前代未聞の結末>

 東日本大震災の影響で、ステップ戦を含めて大きな変更があった。
 これにより、これまでのレース史にはなかった結末を見せている。
 
レース ステップ戦変更 本番変更 備考
高松宮記念   (代替阪神)3場→2場 (1着馬は連覇)
桜花賞 アネモネS中止 10R→11R、3場→2場 前走、非TR組での連対
皐月賞 スプリングS阪神施行 1週遅れ、東京施行 スプリングS1着馬、弥生賞1着馬での決着
天皇賞春 日経賞阪神施行 10R→11R 前走、大阪杯組での連対
NHKマイル NZT阪神施行   朝日杯1着馬の勝利
ヴィクトリアM 福島牝馬S新潟施行    
 (全レース、当日番組変更あり)

 本体のみが変わったG1は高松宮記念のみだが、[地]ステップ戦に影響があったG1、となると今回も当てはまる。

 そこで、過去5回の結末を簡単にまとめてみた。

1着馬 前走 2着馬 前走 備考
06年 ダンスインザムード マイラーズ2着 エアメサイア 阪神牝2着 ともにG1馬、前走G2で揃って2着
07年 コイウタ ダー卿2着 アサヒライジング 阪神牝8着 枠連ゾロ目万馬券、直前1年間未勝利
08年 エイジアンウインズ 阪神牝1着 ウオッカ ドバイDF4着 過去1年同距離戦未出走
ステップ戦1着馬と前走海外馬
09年 ウオッカ ドバイDF7着 ブラボーデイジー 福島牝1着 ステップ戦1着馬と前走海外馬
10年 ブエナビスタ ドバイシーマC2着 ヒカルアマランサス 阪神牝13着  

 連対馬10頭で出ていない項目を並べると8つほど浮かんでくる。

項目 登録馬該当
前年1着馬 13ブエナビスタ
前走条件戦 エオリアンハープ、ラドラーダ
前走ダート 13ブエナビスタ(AW)、17ブラボーデイジー
前走国内牡馬戦未連対 09ショウリュウムーン、16アパパネ、コロンバスサークル
直前加算ハンデ戦1着 04レディアルバローザ、08カウアイレーン
前走ハンデ戦未連対 07ブロードストリート、08カウアイレーン、11エーシンリターンズ、15アプリコットフィズ、コロンバスサークル
過去1年間加算歴ゼロ 06オウケンサクラ
直前加算が条件戦
(前走条件戦除く)
11エーシンリターンズ、12スプリングサンダー、コロンバスサークル、サングレアズール

 逆にこの5年間、必ず出番が来ているのが、海外出走歴保有馬。
 やはり、かつての英国女王の名を取った「ヴィクトリア」を冠している以上、それが求められるのかもしれない。

 今年の登録馬では前年1着馬のブエナビスタだが、この馬の前走はAW(全天候型馬場)のドバイWC8着。

 海外で芝以外を負けたこのキャリアがプラスに働くのだろうか?

 その一方で、まだ連覇のないこのレース。

 高松宮記念でG1昇格後初となる連覇をキンシャサノキセキが成し遂げたが、ここで同じことが起きても何らおかしくはない。
 そう考えると「2強対決」ともいわれているが、ブエナビスタ>アパパネとなるだろう。

 <2.ステップ戦勝ち馬不在>

 阪神牝馬Sを勝ったカレンチャン、新潟代替とはいえど福島牝馬Sを勝ったフミノイマージンが揃って登録すらせずに回避した。

 今回のフルゲート(18頭)割れといい、[地]ステップ戦1着馬不在も初めてのケース。

 [地]ステップ戦を持つが、該当戦1着馬が全不在の古馬G1というと、03年、08年の天皇賞秋、08年のエリザベス女王杯。

年、レース 連対馬 前走 過去1年重賞連対歴
03年天皇賞秋 1着 シンボリクリスエス 宝塚記念5着 有馬記念、天皇賞秋
2着 ツルマルボーイ 宝塚記念2着 宝塚記念2着、金鯱賞2着
08年天皇賞秋 1着 ウオッカ 毎日王冠2着 安田記念、ヴィクトリア、毎日王冠2着
2着 ダイワスカーレット 大阪杯1着 エ女王杯、大阪杯、有馬記念2着
08年エ女王杯 1着 リトルアマポーラ 秋華賞6着 クイーンC
2着 カワカミプリンセス 府中牝馬S2着 府中牝馬2着

 G1出走歴、そして過去1年以内の重賞連対歴を持たない馬に出番がない。

 前年1着馬で出てきたのは03年天皇賞のシンボリクリスエスのみだが、キッチリと勝った。

 ステップ戦とは無縁の宝塚記念5着から出てきたこの馬を見る限り、前年1着馬でドバイ帰りのブエナビスタの出番でよさそうにも見える。

 <3.最終結論>

 ここをパスして安田記念へ行ってもいいが、あえてここへ出てきたブエナビスタ。
 前年1着馬の立場として、出番があるからこそ、ここへ回ってきたといってもいいだろう。

 同枠のディアアレトゥーサとともに、対牡馬戦で直前加算をした2頭で枠を作ったこともプラスと見て、安直だが、この馬から入りたい。

 同じくG1馬で前走国内牡馬混成戦負けのアパパネを相手筆頭。
 昨年の2着馬ヒカルアマランサスと同じく、格上挑戦で重賞を勝ったことが引っかかるが、前走ハンデ戦勝ちのレディアルバローザ、過去1年賞金加算歴のないオウケンサクラを次位。

 押さえに前走2着馬のコスモネモシンと、3歳時に古馬相手に重賞を制したアプリコットフィズを。

【 買い目 】 馬連流し 計5点


【 結果 】
1着 ○ 16 アパパネ
2着 ◎ 13 ブエナビスタ
3着 ▲ 04 レディアルバローザ
( 馬連 230円 )
(参考:馬単740円、3連複640円、3連単3620円)

【 再考 】
 ステップ戦に変更があったこの春のG1は、これまでになかった結末を見せてきた。

 ここも同じく、前走対牡馬戦未連対のアパパネと前走ダート(AW)出走のブエナビスタ。
 この決着もこれまでになかったことであり、見立ては正解。

 それともう1つ。
 新旧桜花賞馬で決着を見せた。
 配当が配当なので、本来なら馬単で行くべきだったのだろう。

 しかし、「ブエナビスタは連は確保するが、勝てるか?」という問いに答えが出なかった。

 同じ桜花賞勝ち馬とはいえ、アパパネはG1、ブエナビスタはJpn1。
 この優劣を問うたものが、着順となって表れたのではないだろうか。
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