●第63回 農林水産省賞典 阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)●
     12月11日阪神11R 芝1600m外、2歳、牝、国際、馬齢、指定

     12月10日更新
     変更点 WIN5発売
12 ラシンティランテ 54 藤岡佑 18 サウンドオブハート 54 武豊
15 トーセンベニザクラ 54 藤田 16 エピセアローム 54 浜中

【 過去10年経歴 】
回数 年、日程、条件 変更点 当日変更 1着馬名
53回 01年 5阪2芝16、2歳、牝、混、馬、指 馬齢→定量、名称変更   タムロチェリー
54回 02年 5阪2芝16、2歳、牝、混、馬、指 馬単・3連複発売   ピースオブワールド
55回 03年 5阪2芝16、2歳、牝、混、馬、指 定量→馬齢 枠連ゾロ目、5R⇔6R ヤマニンシュクル
56回 04年 5阪2芝16、2歳、牝、混、馬、指 3連単発売 枠連ゾロ目 ショウナンパントル
57回 05年 5阪2芝16、2歳、牝、混、馬、指     テイエムプリキュア
58回 06年 3阪2芝16、2歳、牝、混、馬、指 記念競走、外回り使用   ウオッカ
59回 07年 5阪2芝16、2歳、牝、混、馬、指 表記G1→Jpn1   トールポピー
60回

08年 5阪4芝16、2歳、牝、混、馬、指

2日→4日   ブエナビスタ
61回

09年 5阪4芝16、2歳、牝、混、馬、指

(最終登録2週前)   アパパネ
62回

10年 5阪4芝16、2歳、牝、国、馬、指

国際化、J1→G1、賞金増額(6000→6500)   レーヴディソール
63回

11年 6阪4芝16、2歳、牝、国、馬、指

WIN5発売    
 
【 考察 】
 1.マイル歴 2.ファンタジーSの存在 3.WIN5発売初年 4.最終結論 

 1.マイル歴

 昨年の予想でもふれたが、2歳、3歳限定戦で最も短い距離のG1はここと朝日杯FS、桜花賞、NHKマイルCの1600。
 それを意識させるかどうかは別として、勝ち馬が走った距離を見ると、マイル戦以上での実績を求めているように見える。

 参考 阪神JF連対馬距離実績
1着馬 最長 備考     2着馬 最長 備考    
01年 タムロチェリー 1800 小倉2歳   アローキャリー 1000   ×
02年 ピースオブワールド 1400 ファンタジ、3戦3勝 × ヤマカツリリー 1200    
03年 ヤマニンシュクル 1800   × ヤマニンアルシオン 1200 1戦1勝 ×
04年 ショウナンパントル 1600 新潟2歳2着   アンブロワーズ 1200 函館2歳、2戦2勝 ×
05年 テイエムプリキュア 1400 2戦2勝 シークレットコード 1600 1戦1勝 ×
  (ここから下は外回り)                  
06年 ウオッカ 1800   × アストンマーチャン 1400 ファンタジ、小倉2歳
07年 トールポピー 2000     レーヴダムール 1600 1戦1勝 ×
08年 ブエナビスタ 1600   × ダノンベルベール 1600  
09年 アパパネ 1600     アニメイトバイオ 1600 京王杯2着  
10年 レーヴディソール 1600 デイリー、2戦2勝 ホエールキャプチャ 1600  
 (注:夏、秋は番組時期別賞金加算歴。×は出走歴なし。空白は出走あり加算歴なし) 

 このレースが馬齢化した03年以降は、1600以上の勝利歴か無敗馬のどちらかしか勝ち馬としての出番が来ていない。

 無敗馬は登録段階で1戦1勝馬5頭を含む8頭。
 そして、1600以上での勝利歴を持つ馬は、登録段階で20頭とかなり多数。

 外回りになってからはさらに顕著。
 
 ただ、1つ気になることが。
 今年の登録馬を見ると、マイル以上での重賞加算歴を持つ馬がゼロ。
 そういう年は05年、06年、08年
 
 同じように外回りで行われた06年、08年の勝ち馬はウオッカにブエナビスタと、のちには名牝と呼ばれる馬。

 しかし、当時は秋番組デビューで敗戦歴のある普通の1勝馬。
 負けたとはいえ、マイル以上での加算歴があり、デビューからは全戦馬券対象となっている点がほかの馬との違いだろう。

 今年の出走馬ではフレイムコード。
 抽選を抜けたら注目したい。

 (ここまで12月7日更新)

 そのフレイムコードは残念ながら抽選で除外されたので、視点を変えざるを得ない。

 2.ファンタジーSの存在

 ステップ戦としては重要な位置づけにあるように見えるが、全くと言っていいほど機能していないファンタジーS。

 その勝ち馬アイムユアーズ。
 函館2歳S2着で既にオープン馬としての格付けを持つ馬がファンタジーSを勝った。

 そんな前科を持つ馬は2頭。
 06年2着のアストンマーチャンと08年着外のイナズマアマリリス。
 
 後者が着外に終わったが、この馬はマル地で初勝利は道営であげたもの。
 
 JRAで初勝利をあげたことで狙いは立つが、アストンマーチャンは3勝馬。

 さらに、来年からはステップ戦としてアルテミスSが加わることで体制が変わる。
 牝馬限定ステップ戦1レースのみ、WIN5発売戦1年目という1回限りのレースとなることが既に確定した今年。

 2年連続の変更となるが、同じように変更され続けた06年〜08年が前年1着馬の流れを受け継いでいる。
 今年もそれをやるというのなら、昨年のレーヴディソールの継承。

 無敗、オープン勝ちあり、マイル戦勝ちあり、ステップ重賞勝ちあり。夏秋番組加算歴あり。
 この5つを全部満たす馬はいないが、最も近いのはマイル戦芙蓉Sから直行するサウンドオブハートだろう。

 3.WIN5発売初年  

 今秋のG1でWIN5発売戦1着歴を持たずに勝ったのは3頭。

 スノーフェアリー(エ女王杯)、エイシンアポロン(マイルCS)、ブエナビスタ(ジャパンC)。
 この3頭は自身か同枠馬が前年の同一レースで連対していた。
 
 2歳限定戦にそういう話はないので、WIN5勝ち歴を持つ馬から狙いたい。
 該当はファインチョイス(函館2歳S)、エピセアローム(小倉2歳S)、ラシンティランテ(白菊賞)の3頭。

 4.最終結論 

 この3頭から、秋番組で唯一対象となる白菊賞を勝ったラシンティランテをとりあえずの本命。
 マイル戦加算歴もプラスだろう。

 相手筆頭に、無敗のオープン馬サウンドオブハート。
 3番手に赤松賞勝ち馬のトーセンベニザクラ。
 
 参考:赤松賞1着馬が2勝以上の馬と同枠を組んだ年の阪神JF(00年以降)
年、阪神JF変更 赤松賞1着馬 同枠馬備考
02年 馬単発売 ユキノスイトピー※1 同枠ピースオブワールド(ファンタジーS1着、3勝馬)→1着
07年 G1→Jpn1 カレイジャスミン 3頭枠、同枠で他に2勝馬あり、同枠1勝馬トールポピー→1着
08年 4日目変更 ダノンベルベール→2着※2 同枠2勝馬あり
09年 2週前登録 アパパネ→1着 3頭枠、同枠シンメイフジ(新潟2歳S)
 ※1 代替中山施行、※2 赤松賞当日8R⇔12R

 去年のダンスファンタジアは沈んだが、同枠が1勝馬。
 今年は3頭枠に組まれたが同枠に2勝馬がいるので、問題ないだろう。

 あとはWIN5発売戦勝ち歴とマイル歴を併せ持つエピセアロームとして、この4頭でまとめたい。
 新馬券初年は重賞勝ち馬が入った枠に出番が来ているが、この馬以外はマイル歴がないので見送りたい。

【 買い目 】 枠連6.7.8ボックス、8-8 計4点
 

【 結果 】
1着 -- 13 ジョワドヴィーヴル
2着 -- 11 アイムユアーズ
3着 ○ 18 サウンドオブハート
-----
10着 ▲ 15 トーセンベニザクラ(1着同枠)
15着 ◎ 12 ラシンティランテ(2着同枠)
( 枠連 880円 )

【 再考 】
 レースはマイルの新馬戦を勝ったばかりの1戦1勝馬、ジョワドヴィーヴルが制した。
 この馬に関しては、考察の最後で触れたように同枠のトーセンベニザクラ、プレノタートの存在が大きかったと考えている。

 2歳500万赤松賞1着馬の出走、ならびに、同枠に2勝馬の配置。

 今年で5回目となるが、見事なまでに「連対枠入り」する自らの役割を繰り返した。

 そして、2着にはファンタジーS勝ちのアイムユアーズ。
 こちらも考察で触れたが、同枠馬のWIN5対象戦1着歴は大きなプラス。
 さらには、外国人騎手のメンディザバル騎乗で仮想[外]となったこともあるだろう。

 ちなみに、新馬券が発売された02年、04年はともにファンタジーS1着馬が馬券対象となっていたこともあった。

 02年 馬単・3連複発売初年 1着 ピースオブワールド
 04年 3連単発売 3着 ラインクラフト

 当時の騎手は両方とも福永。
 今回はジョワドヴィーヴルに騎乗していたが、こういうつながりもあったのだろうか……。

 同枠馬の激走で救われた感は否めないが、外枠3つで終わるという方向性は間違ってなかった。
 的中していたとはいえ、10倍を切るような安い枠連じゃないか、ということは確か。

 ただ、外すよりも数倍マシな結末だったと考えています。
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