●ジャパン・オータムインターナショナル 第11回 ジャパンカップダート(国際招待)(G1)● 
    12月5日阪神11R ダート1800m、国際、定量、指定

    12月4日更新
    変更点 なし(2場開催→3場開催、ステップ戦みやこS創設、武蔵野S日程変更、外国招待馬なし)
10 ヴァーミリアン 57 武豊 01 シルクメビウス 57 田中博
02 キングスエンブレム 57 福永 03 トランセンド 57 藤田
× 05 ラヴェリータ 55 岩田 × 12 アドマイヤスバル 57 小牧

【 過去9年経歴 】
回数 年、日程、条件 変更点 当日変更 1着馬名
2回 01年 5東7ダ21、国、定、指     クロフネ
3回 02年 4中7ダ18、国、定、指 馬単・3連複発売、代替中山ダ18 9R⇔10R イーグルカフェ
4回 03年 4東7ダ21、国、定、指、2場 東京ダ21戻り 枠連ゾロ目 フリートストリートダンサー
5回 04年 5東8ダ21、国、定、指、2場 3連単発売、7日11R→8日10R   タイムパラドックス
6回 05年 5東7ダ21、国、定、指、2場 8日10R→7日11R   カネヒキリ
7回 06年 5東7ダ21、国、定、指、2場 (外国招待馬なし)   アロンダイト
8回 07年 5東7ダ21、国、定、指 発表後番組変更あり 2場→3場 ヴァーミリアン
9回 08年 5阪2ダ18、国、定、指、2場 5東京7ダ21→5阪神2ダ18、JAI組込 取消 カネヒキリ
10回 09年 5阪2ダ18、国、定、指、2場 JRAプレミアム   エスポワールシチー
11回 10年 5阪2ダ18、国、定、指 (2場→3場)
ステップ戦みやこS創設、外国馬なし
   
 (JAI……ジャパン・オータムインターナショナル)

【 考察 】
<1.外国招待馬、JBCクラシックの勝ち馬不在>
 06年以来となる外国招待馬不在の顔ぶれとなった。

 並大抵のG1なら何とも思わないが、「国際招待」のここは別。
 理由はどうであれ、招待されるはずのゲストがゼロというのは異質なものとして扱いたい。

 さらにはJBCクラシックを勝ったスマートファルコンも回避。

 そんな外国馬もJBCクラシックの勝ち馬もいないJCダートは過去に1度、06年がある。

 勝ったのは当時4連勝中の上り馬アロンダイト。そして2着には前年2着馬のシーキングザダイヤ。

 アロンダイトのキャリアを見ると、3歳馬でここが初の重賞出走。
 これまでのJCダートを勝った馬にはないものだった。

 当然、同じような馬を探したいところだが、ここが初重賞というような馬は出走どころか登録すらしていない。
 そのため、何か別の視点から見る必要があるだろう。

 今年が先に書いたように「異質」のものと考えられる以上、それに見合うキャリアがふさわしいはず。

 前述した06年の2着同枠馬としてブルーコンコルドがいるが、その前走はJBC「マイル」1着。
 あり得ないレースで出番が来た馬だからこそ、ここで連対枠に入ることを許されたのだろう。

 そうなると、出番がありそうなのは再現不能なレースを制した馬。
 今年では「京都」東海Sを勝ったシルクメビウスなどが浮かぶが、気になるのは最後となる「東京」JCダートを制したヴァーミリアン。

 久々になるが、この馬の出番なのだろうか……。
 (ここまで11月30日更新)

<2.3場開催週>
 今週から裏開催として小倉が開幕。
 そのため、今年は3場開催週で施行される。

 いわゆる「裏開催」があるかないかでこのレースの勝ち馬は一変する。

 参考 同一週に裏開催が行われた年のJCダート
1着馬名 前走 G1勝ち歴 芝重賞勝ち歴
01年 クロフネ 武蔵野S NHKマイルC NHKマイルC、毎日杯
02年 イーグルカフェ ドラール賞(仏)3着 NHKマイルC NHKマイルC、七夕賞、共同通信杯
07年 ヴァーミリアン JBCクラシック JBCクラシック、川崎記念 ラジオNIKKEI2歳S

 これまでの3回、G1勝ち歴と芝重賞勝ち歴を併せ持つ馬に出番が来ている。
 該当するのはここもヴァーミリアンのみ。
 (芝重賞勝ち歴を持つのはマルカシェンク、アリゼオ、ヴァーミリアン)
 
<3.今秋の傾向>
 毎度毎度になるが、この秋の古馬G1を振り返ってみたい。

レース名 備考 1着馬名 直前加算 備考 2着馬名 直前加算
スプリS 降着あり ウルトラファンタジー 外国馬 同枠キーンC1着 キンシャサノキセキ 高松宮記1着
天皇賞秋 降着あり、外国馬なし ブエナビスタ 宝塚記2着 同枠安田記1着 ペルーサ 青葉賞1着
エ女王杯 取消 スノーフェアリー 外国馬 同枠秋華賞1着 メイショウベルーガ 京都大賞1着
マイルCS   エーシンフォワード 阪急杯1着   ダノンヨーヨー 富士S1着
ジャパンC 降着あり ローズキングダム 菊花賞2着 同枠外国馬 ブエナビスタ 天皇賞秋1着

 先週のジャパンCでは4枠以外すべてとなったが、1着馬は外国歴のある枠。
 そして、2着馬はステップ戦とされるレースを勝ち上がった馬が入っている。

 過去1年以内で外国歴を持つ馬はグロリアスノアだが、加算歴を持っていない。
 この点がこれまでのG1とは違う。
 
 海外連対歴を持つ馬がいない、いわゆる鎖国戦を行うのならば、これまでのG1とは違う流れを求めてくることになるだろう。

<4.ステップ戦の変更>
 昨年までは武蔵野S、トパーズSだったステップ戦だが、今年からみやこSが創設され、武蔵野Sが1週繰下げられた。

 新生されると同時に鎖国状態となった今年。
 ステップ重賞の勝ち馬がここで出番を持つと、今後は勝ち馬がすべてといっていいほど、囮として扱うことになる。
 それを望んでいるだろうか。
 そして、外国馬がいないという特殊事情になった今年を考えると、新生された武蔵野S、みやこSの勝ち馬は正直なところ買いづらい。
 
 (ここまで12月2日更新)

 ただ、出番があるとするなら、世代抜けとなったみやこSのほうか。

<5.マコトスパルビエロの回避>
 マコトスパルビエロがこのレースを回避したため、6歳世代が不在の顔ぶれとなった。

 そのような世代ぬけの顔ぶれとなったのは、02.04.07.08年の4回。
変更点 1着馬   2着馬  
02年 代替中山 イーグルカフェ 七夕賞1着 リージェントブラフ* 川崎記念1着
同枠南部杯1着
04年 8日10R化 タイムパラドックス ブリーダーズGC1着 アドマイヤドン* JBCクラシック1着、前年2着
07年 発表後変更有 ヴァーミリアン* JBCクラシック1着 フィールドルージュ* 前年3着
08年 阪神移行
武蔵野S日程変更
カネヒキリ (05年1着馬) メイショウトウコン* ブリーダーズGC1着、前年1着同枠
(馬名後の*は前年出走馬)

 これを見ると、2着馬に前年出走歴があるうえに、代替中山施行となった02年以外は馬券対象枠に入っていた。
 前年出走歴を持つのは、シルクメビウス(2着)、ラヴェリータ(2着同枠)、アドマイヤスバル、ヴァーミリアン、ダイショウジェットの5頭。

<6.結論> 
 毎度のごとく長々と書いたが結論を。

 「外国馬不在、マコトスパルビエロの回避で6歳馬ゼロ、同一週にWSJSなし。」

 この3つが揃うJCダートは簡単に見れないだろう。

 阪神に移行した初年は武蔵野Sを移設した初年でもあったが、過去の勝ち馬カネヒキリに出番が来た。

 今年も武蔵野Sは1週遅れての施行に変わった。
 ならば、ここで東京時代のJCダートを勝ったヴァーミリアンが大復活を遂げてもおかしくはない。
 そのため、この馬に◎。

 むしろこちらが連軸ともいえそうだが、前年2着のうえに代替京都施行となった東海Sに加えて、ブリーダーズGC勝ちを持つシルクメビウスを相手筆頭。

 その後は、条件歴を持つ上に、枠連ゾロ目でシリウスSを勝ったキングスエンブレム。
 ここと同じく「世代抜け」となったみやこSを制したトランセンド。

 あとは、前年出走馬で同枠を組んだ3枠からラヴェリータと、同じく前年歴を持つアドマイヤスバルを。

【 買い目 】 馬連 10-1.2.3.5.12、1-2.3 計7点


【 結果 】
1着 △ 03 トランセンド
2着 -- 14 グロリアスノア
3着 × 12 アドマイヤスバル
-----
5着 ○ 01 シルクメビウス
9着 ▲ 02 キングスエンブレム
14着 ◎ 10 ヴァーミリアン

【 再考 】
 まるで明後日を向いた予想となってしまった。
 
 今年からステップ戦としてみやこSが創設され、G3が2レースとなったが、その2つの勝ち馬でワンツーフィニッシュ。

 指定ステップ戦ではない、ということで、さほど重視はしていなかったが、G1のステップ戦でG3を2つというのはフェブラリーSや高松宮記念と同じ形。

 フェブラリーSには平安S1着馬が出走しておらず、G1格の勝ち歴を持つ2頭で終わった。
 ここにステップ戦の勝ち馬が揃った時点で違う形を見ておく必要があっただろう。
 
 高松宮記念は、オーシャンS1着馬と阪急杯1着馬の枠で決まっていることを合わせても、私自身の周辺への配慮不足がもたらした結果とも受け取れる。

 ただ、外国馬不在のレースではやってこないとみていた結末を見せており、想定外の結末だったことは事実。

 しかし、勝ったトランセンドを見ると、ここで出番があってもおかしくはない形はもっていた。

 第1回レパードS 1着…新設
 第1回みやこS 1着…新設
 第11回JCダート 1着…ステップ戦増設1年目

 1年目にかかわるレースはすべてものにした形となったが、これを見ておくべきということなのでしょう。

 そして、本文にも書いたが、このレースは6歳馬不在の世代抜け。
 みやこSも世代抜けで行われた。

 新設戦ということばかりに目が向いていたが、世代抜けの顔ぶれでレースを行ったことで、再現不能戦を実施したことと同義になる。

 ならば、ここでも出番有り、ということだったのでしょう。

 一方、2着のグロリアスノア。
 武蔵野S勝ちをこちらも軽視したのだが、阪神に移設され2場開催となった初年の08年は武蔵野S経由のカネヒキリに出番が来た。

 3場開催となった今年も同じように見ておくべきだったのかもしれないが、今秋の「お約束」でもある「海外出走歴」を出走馬で唯一持っていたこの馬。

 単純に行けばよかった、ということなのでしょうか。
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