●ジャパン・オータムインターナショナル 第35回 エリザベス女王杯(G1)● 11月14日京都11R 芝2200m、牝、国際、定量、指定 11月13日週中考察更新 変更点 なし
( 騎手欄:カステリはカステリャーノ ) 【 過去9年経歴 】
【 考察 】 < 1.「女王」に求めるもの > 女王、もしくはそれに準ずるものに求めるは男勝りの力、というわけではないだろうが、このレースの傾向を見ると日本馬ではその言葉が通用しそう。 というのも、G2以上の牡馬混成戦で連対実績を持つ馬が出てきたら、その馬は連対枠に入っている。 大荒れに終わった昨年も、その傾向はキッチリと守られていた。
今年の登録馬で見ると、3歳馬で該当する馬は京王杯2歳S2着のアニメイトバイオだが、こちらはあくまでも2歳時のもの。 日経新春杯、京都大賞典を勝ったメイショウベルーガはそれ以上の存在として扱う必要があるだろう。 < 2.外国馬 > 「ジャパン・オータムインターナショナル」と銘打たれたJCダートまでの4戦。 そんなシリーズを作っておきながら外国馬ゼロというわけにもいかず、今年も2頭参戦してきた。 実績は申し分ないが、なぜこの馬たちが来たか考えたい。 確認が甘かったら申し訳ないが、今年このレースに出走する日本馬で海外参戦歴を持つ馬はいないはず。 今年の古馬芝G1を見ると、来年は阪神で行われることが確定した高松宮記念以外はすべて、海外出走歴を持つ馬の枠が連対枠のどこかにはいる。 天皇賞春を勝ったジャガーメイルは香港で、天皇賞秋とヴィクトリアマイルを勝ち、宝塚記念2着のブエナビスタはUAEでの出走歴がある。 スプリンターズSは香港馬ウルトラファンタジーが勝ち、安田記念も2着同枠として香港馬のビューティーフラッシュがいた。 女王杯では外国馬が連対枠に入った実績がないが、今年のG1の傾向を見ると、海外歴をどこかで求めているようにも見える。 日本馬にそれがない以上、欧米の2頭が何らかの役割を果たすのではないだろうか。 ( ここまで11月9日更新 ) < 3.3歳馬 > スティルインラブ以来の3冠牝馬となったアパパネが参戦してきたが、気になることがいくつか。 参考:3歳馬が連対した女王杯(01年以降)
枠という視点で見ると、3歳馬が連対するには同年のG1で連対実績を持っていることが求められそう。 そして、08年以外はフルゲート割れでG1連対歴を持つ馬に出番が来ている。 そして、秋華賞馬参戦という視点で見ると、勝ったのは02年のファインモーションと07年のダイワスカーレット。2着はスティルインラブのみ。 勝ち馬はともにローズSからの連勝歴を持っている。 3冠を勝ったことでアパパネにも出番が来るかもしれないが、今年の桜花賞、優駿牝馬は当日の番組変更日。同じように取消戦となった03年と同様の決着構造を考えるなら秋華賞のコピーだろう。 < 4.古馬 > 一方の古馬。 こちらは3パターンしか出番がない。 参考:古馬が連対した女王杯(01年以降)
見事なまでに3パターンしか出番がない。 「牡馬混成G2上の連対歴」、「府中牝馬S連対」、「前年連対枠入り」の3パターン。 府中牝馬Sが来年からG2に昇格することを含めても、今年まではこの流れを踏襲するのではないだろうか。 ならば、馬は少ない。 京都大賞典と日経新春杯を勝ったメイショウベルーガ、府中牝馬Sを連対したテイエムオーロラ、セラフィックロンプ、前年までに連対歴を持つリトルアマポーラ、テイエムプリキュア。 この5頭を古馬の主役として考えたい。 ( ここまで11月11日更新 ) < 最終結論 > 以上のことをもとに、最終結論としたいが、枠順発表後にプロヴィナージュが出走を取り消した。 そんな年というと、06年、07年だが、ともに前年1着馬が2着に入っていた。 今年はクィーンスプマンテがいないので、求めるものは別の視点だろう。 そこで気になるのが、古馬、3歳それぞれの筆頭格となる2頭。 取消戦京都大賞典勝ちのメイショウベルーガ、再現不能なJpn戦阪神JFから、今年の牝馬3冠にたどり着いたアパパネ。 この2頭は消せないが、気になることを。 以前は3歳限定戦だったこのレース。 本来なら女王杯を3歳限定戦のままで、古馬に開放したこのレースに秋華賞とつけるべきだが、あえてそれをしなかった。 これは、3歳時の力関係を古馬社会にもそのまま持ち込みたい。 そう考えるのが妥当ではないだろうか。 同枠馬を含めても3歳G1格で出番がないに等しいメイショウベルーガならば、アパパネを上にするべきだろうが、取消戦となったために裏返しがあると考えることもできる。 そのため、あえてメイショウベルーガを◎。 相手筆頭は同枠に外国馬が入ったアパパネ。 その後は秋華賞2着歴のアニメイトバイオとG1勝ち馬と同枠になった外国馬2頭。 最後に前年2着馬、テイエムプリキュアを。 【 買い目 】 馬連 9-4.5.6.12.16、5-12 計6点 【 結果 】 1着 △ 06 スノーフェアリー 2着 ◎ 09 メイショウベルーガ 3着 ○ 05 アパパネ ----- 15着 ▲ 12 アニメイトバイオ ( 出走取消 11 プロヴィナージュ ) ( 馬連:1430円 ) ( 参考:馬単 3590円、3連複 1320円、3連単 10170円 ) 【 再考 】 「エリザベス女王杯」を本家英国オークス馬が制した。 レース名との関連性を考えれば至極妥当な結末だが、回顧を。 今年のこれまでの流れ、そして、女王杯の歴史の流れとして考えられた4つをそのままうけた結果に終わった。 1.「古馬は前年連対か当年牡馬混成G2上での実績がいる」 2.「3歳G1馬が勝つときは、3歳馬のみで枠を組む」 3.「秋華賞勝ち馬が勝つにはローズSからの「3連勝」が必要」 4.「来年開催地が変わるレース(高松宮記念)以外、海外歴を持つ馬の枠に出番が来る」 1:該当馬はテイエムプリキュアとメイショウベルーガ。 2:3歳馬のみで枠を組んだのは3枠のみ。そして日英オークス馬が同居した。 3:アパパネはローズSを負けたので同枠まで。 4:海外歴を持つ馬は外国馬の2頭。 3枠が完全に消せない。 おまけにプロヴィナージュの取消。 その取消戦といえば、ステップ戦となっている京都大賞典。 これで勝ち馬メイショウベルーガに出番がくる。 そして、当日の番組を変更した桜花賞、優駿牝馬についで、最後のJpn阪神JFのコピー決着を見せた秋華賞を制したアパパネの役割がゼロでないこともここで実証。 となると、低配当だが、枠連3-5となるのも仕方なし。 ただ、同枠にG1馬が組まれなかったことを見ると、メイショウベルーガは2着までの役割だった。 これを見抜ければ、もっとよかったのだろうが、低配当の決着が読めたことは評価したい。 |