●第62回 朝日杯フューチュリティステークス(G1)● 12月19日中山11R 芝1600m、2歳、牡牝、国際、馬齢、指定 12月18日更新 変更点 国際化、J1→G1、賞金増額(6300→7000)
【 過去9年経歴 】
【 考察 】 <1.国際化新時代> 今年からこのレースも国際化されるが、これまでは、先週の阪神JFとこの朝日杯FSは対極的な道を歩み、勝ち馬もその後は別の役割を担った。 阪神JFを外回りで行うようになった06年以降、それぞれの勝ち馬を見比べると気になることがある。
阪神JFはオープン出走歴のない馬が勝ち、朝日杯は前走重賞に出走した馬が勝つ。 そして、阪神JFを制した馬は翌年のクラシックで栄光が待ち、朝日杯を制した馬はクラシックで辛酸をなめる結果も待っている。 ちなみに、ゴスホークケンが制した07年は牝馬の出走があった。 それを除くとするなら、前走、重賞で馬券対象歴を持つ馬が勝ち馬となる。 そんなシナリオが浮かんできます。 しかし、今年の阪神JFは前走で重賞馬券対象歴を持つ2頭で決まった。 国際化されたことで、この過去が逆転する、ということも考えられるが、それは、これまで出なかった牝馬のG2勝ち馬が登場したことがあったからかもしれない。 <2.サダムパテックの存在> 今年の登録馬を見て気になる馬が1頭いる。 それが、東スポ杯2歳Sを制したサダムパテック。 というのも、朝日杯FSと名を変えてから東スポ杯の勝ち馬が出てきたのは、わずかに2回。 出走した馬は05年のフサイチリシャール、昨年のローズキングダム。 いずれも朝日杯FSを勝っている。 JRAから出される資料で、「[地]が出走できるG1競走とそのステップ競走について」というものがある。 これを見ると、「ステップ競走」として記載されたレースで、本番(G1)より距離が長いものは2歳、3歳限定戦では東スポ杯のみ。 (ちなみに、古馬では天皇賞秋への京都大賞典など5レース) このレースに対しては「札幌2歳S1着」もあるが、札幌2歳Sは「特指」戦。そのため、別の解釈が必要になるだろう。 そうなると、わざわざ1ハロン長い距離をステップ戦で走ったこの馬が顔を出す意義は何なのか? 主役を張るという意思表示とも受け取れます。 (ここまで12月14日更新) そして、ブログにも書きましたが、今年はデイリー杯2歳Sの勝ち馬が不在。 これが01年以降は3回あり、02年、05年、そして昨年。 ちなみに、02年の勝ち馬エイシンチャンプは前走が京都2歳S勝ちで、該当する年の勝ち馬は全てオープン1800m以上での勝ち歴を持っている。 これを見て、あれ?と思うだろう。 05年と昨年は先ほども出た。 そう、デイリー杯と東スポ杯は裏表の関係となっているのではないか? デイリー杯の勝ち馬が出たら、東スポ杯の勝ち馬はパス。 逆にデイリー杯組がパスしたら東スポ杯組にお呼びがかかる……というように。 <3.夏の総決算> 朝日杯2歳Sは、これまでの2歳戦の総決算。 そう受け取ることも可能だが、それを表している結果も1つ。 前述したように今年から国際化されるが、大きな変更を起こした年というなら、名称が変わった01年、牝馬が出走できるようになった04年、6日目に変わり、阪神JFと賞金額の差をつけられた08年だろう。 この3回で気になることが1つ。 01年2着 ヤマノブリザード 札幌2歳S1着(その後地方出走歴あり) 04年2着 ストーミーカフェ 札幌2歳S1着 08年1着 セイウンワンダー 新潟2歳S1着 いずれも、連勝歴を持つ上に、出走歴は夏番組のみ。 夏競馬があることの重要性を悟らせるために、秋に出走歴を持たない馬を用意するのだろうか。 今年も1頭、函館2歳S勝ちから休んでいたマジカルポケットがいる。 この馬の存在も気になります。 (ここまで12月16日更新) <4.出走馬の顔ぶれ> ブログにも記載したが、例年は数頭いる格上挑戦馬がいない。 例年は格上挑戦馬が数頭出れるような形になるが、その出走を「認めなかった」今年。 これにより、正真正銘の「オープン馬での争い」となったのだが、そのような顔ぶれで行われた朝日杯は01年までさかのぼる。 01年第53回朝日杯FS(3歳表記初年、名称変更、馬齢54K→定量55K施行)
連対馬にJRAでの敗戦歴がなく、オープンで賞金加算歴があること。 2着枠に500万下出走歴を持つ馬がいないこと。 全勝馬はシゲルソウサイ、マジカルポケット、タツミリュウの3頭だが、全馬に引っかかる点がある。 シゲルソウサイは初芝。マジカルポケットは夏番組の1200m戦しか出走歴がない。タツミリュウは基本的に王者の品格として求めない裏開催(福島)上り。 この3頭からあえて出すのならマジカルポケットだろうが、同枠のエーシンブランと合わせて秋番組の加算歴がない点も気にはなる。 <5.最終結論> ここまでをまとめて結論を。 年齢が限定されるG1へのステップ戦([指定]戦)として、唯一本番よりも距離が長い東スポ杯。 勝ったら朝日杯を回避して次週のラジオNIKKEI杯へ回るのが基本だが、あえて朝日杯に出向いたことを評価して、サダムパテックを◎とします。 前述したように、出てきた時点で用がある東スポ杯勝ちに加えて、全馬オープン馬で構成された年は1800m以上で賞金加算歴を持つ過去がある。 さらには「混合」最終の昨年、東スポ杯→朝日杯をローズキングダムがまとめたように、「国際」元年の今年もまとめ上げると考えたい。 相手は、01年をサンプルとして、秋の出走歴がないマジカルポケットを筆頭。 その後は、夏秋の両方でオープンの賞金加算歴を持つロビンフット、東スポ杯のコピーとなるリフトザウイングス。 押さえに、Jpn格付け時代には現れなかった「前走500万勝ち」馬から唯一同距離戦を通ったリベルタスと、夏季加算歴のみでつくられたもう1つの枠の2枠から、東スポ杯1着同枠歴を持つマイネルラクリマを。 【 買い目 】 馬連流し 計5点 【 結果 】 1着 -- 11 グランプリボス 2着 -- 05 リアルインパクト 3着 × 02 リベルタス ----- 4着 ◎ 10 サダムパテック 8着 ▲ 09 ロビンフット 15着 ○ 14 マジカルポケット 【 再考 】 手も足も出ない完敗。 レースは京王杯2歳Sの1.2着馬がそのままトレースされた。 時折あるが、同じレースの連対馬をそのまま使うことで空洞化させることを狙ったのでしょう。 降着となってもおかしくない進路妨害だったが、降着させると指定重賞歴のないリベルタスが2着席。 それが問題だから「しなかった」と考えれば、納得も行きます。 レースは、阪神JFからもう少し学ぶことでクリアできた。 阪神JFを制したのはデイリー杯勝ちのレーヴディソールだったが、国際化された「指定G2勝ち」を持ち込んでいる。 2着に入ったホエールキャプチャも芙蓉S勝ちからファンタジーS3着。 きっちりと指定重賞歴は持っていた。 そして、ファンタジーSの勝ち馬が沈み、デイリー杯の勝ち馬が制したことを見れば、国際化元年の2歳G1で必要なものは「指定G2」連対歴。 距離面しか見ていなかったが、「格付けを見ろ」といいたかったのでしょう。 |