●有馬記念(第55回グランプリ)(G1)● 12月26日中山10R 芝2500m、国際、定量、指定 12月25日更新 変更点 なし(来年、賞金18000→20000)
【 過去9年経歴 】
【 考察 】 項目も多く、長くなりますので、リンクをつけます。(なお、個々の馬はブログで一部取り上げております) 1.降着明け 2.出てきたダービー馬。出て来ない菊花賞馬 3.時代背景 4.前年連対馬の出走 5.ローズキングダムの出走取消 6.最終結論 <1.降着明け> 今回のカギは降着明けとなるブエナビスタ。 失格・降着明けでG1連対となると、凱旋門賞失格からJCを制したディープインパクトしか浮かばないが、ディープインパクトは禁止薬物の使用でアウト。 つまりは、レース外の処分で「3着入線」の事実は変わらない。 (ただ、次走は枠連ゾロ目の1着だった)。 レース内となると、天皇賞秋で1着入線→18着降着となったメジロマックイーンがその後のJC、有馬記念を勝てなかった。 昨年の秋華賞で降着したブエナビスタも次走は3着。 07年以降に重賞で降着した馬とその次走をまとめたが、同格付のレースでは連対席に座れない過去がある。 降着発生重賞の降着馬と次走成績(07年以降、次走重賞出走馬のみ)
歴史と伝統を守るのなら、ブエナビスタは「勝てない」。 ただ、引っかかることが1つ。 来年から、このレースの1着賞金は2億円に増額される。 現行賞金最後の年となる今年なら、最後の「Jpn1」桜花賞、優駿牝馬勝ちのキャリアがものをいうことも十分に考えられる。 (ここまで12月20日更新) <2.出てきたダービー馬。出て来ない菊花賞馬> 出走予定馬に今年のダービー馬エイシンフラッシュの名があるが、菊花賞馬ビッグウィークは回避した。 そんな3歳馬を考えたい。 有馬記念というと、ダービー馬が出ず、秋の勢いを持って菊花賞馬が出走するケースが多いが、今年は逆。 当年のダービー馬が出走した年は意外に少なく、過去10年では05.06.07年の3回。 一方、菊花賞馬が不在だが、こちらも過去10年で06.07.08年の3回。 今年と同様になる06.07年をサンプルとして考えたい。 当年ダービー馬出走/菊花賞馬不在の有馬記念
時期的には国際化の前後で、賞金増額前後という今年と立場は似ているといえば似ている。 そして、何かが翌年変えられることも今年と同じ。 ここで、気になる点が4点。 1. 連対枠は「海外歴を持つ馬がいるか、3歳馬のみ」。 2. 同枠に菊花賞最先着馬。 3. ポップロック、マツリダゴッホと古馬条件戦歴&重賞1着歴を過去1年以内に持つ馬がいる。 4. G1連対歴を持つ馬の枠。しかも古馬G1で秋施行。 1.→→→ 後者は枠次第だが、前者はヴィクトワールピサ、ネヴァブション、ブエナビスタ、レッドディザイアの4頭。 2.→→→ ローズキングダム。トライアル1着優先権(神戸新聞杯1着)を持って挑んだ点もプラス。 3.→→→ トーセンジョーダンのみだが、G1出走歴がない点はマイナス。 4.→→→ 秋G1連対歴を持つのは、ブエナビスタ、ペルーサ、メイショウベルーガ、ローズキングダムの4頭。 複数回となると、ブエナビスタとローズキングダムの2頭。 <3.時代背景> ご存じのとおり、今年が55回のゾロ目開催に加えて、賞金1.8億の打ち止め戦。 さらには、来年は「国際」2歳戦経験馬が顔を出すことで、有馬記念は真の国際化完了を迎える。 だらだらと年数をかけて取り組んだ国際化が終了するが、昨年の3歳馬(現4歳馬)は最後の「Jpn1」クラシックに出た世代。 今年の3歳世代といえば、史上初となる「国際」クラシック出走馬であると同時に、最後の「混合、Jpn」2歳重賞に出た世代。 出走馬の背景が流れるように変わり続ける中、昨年はアンライバルド、ブエナビスタといった最後の「Jpn1」クラシックを勝った3歳馬が有馬記念の2着枠を作り、「混合、G1」では最後となった06年の朝日杯を勝ったドリームジャーニーがレースを制した。 打ち止めされたレースの勝ち馬が出番を持つ。 今年で考えられることは、1.2着は別として、やはり最後の「Jpn」2歳戦線を勝ち抜いた馬に出番が来る。 ならば、該当するヴィクトワールピサ、ローズキングダムが同枠なら、「狙いなさい」ということなのだろうか。 (ここまで12月22日更新) <4.前年連対馬の出走> 昨年の勝ち馬、ドリームジャーニーが連覇を目指して出走する。 そこで、昨年の考察でも取り上げたが、このレースは一度馬券対象になった馬を何度も使う過去がある。
前年1着馬で翌年も出番が来たのは03年のシンボリクリスエスのみ。 そのシンボリクリスエスが当年出走したレースは全てG1だった。(前年1着後は、宝塚記念5着、天皇賞秋1着、JC3着) それ以降は、G1とG2で出番があることが求められている。 今年、オールカマー2着のみのドリームジャーニーよりも、京都記念1着からスタートしたブエナビスタを上位と扱うことは可能だろう。 ちなみに、前年連対馬が揃って出走した年は、01.03.05.08年の4回。 ファン投票1位馬不在のうえに世代抜けで行われた08年以外は菊花賞連対馬が連対席の1席を占めている。 ここでもブエナビスタとローズキングダムが残る結果になる。 (ここまで12月23日更新) <5.ローズキングダムの出走取消> 枠順発表後にローズキングダムが出走を取り消したことで、当年の菊花賞出走馬が不在という異質な構成になった。 そんな有馬記念は聞いたことがないのだが、裏返せば「これまでにないことをやる可能性がある」ということだろう。 今年の古馬G1で出走取消は4戦目。 枠連ゾロ目となったフェブラリーSは前走JCダート勝ちのエスポワールシチーがテスタマッタを従えた。 宝塚記念は前走メトロポリタンS勝ちのナカヤマフェスタが、ヴィクトリアマイル勝ちのブエナビスタを抑えた。 エリザベス女王杯は外国馬スノーフェアリーが勝ち、2着に京都大賞典勝ちのメイショウベルーガ。 前走を制した馬か外国馬に出番が来ている。 ただ、この取消が05年のマイルCSと被る。 05年のマイルCSは第22回のゾロ目開催、さらには翌年から賞金が1億に引き上げられた中での取消戦。 勝ったハットトリックは天皇賞秋を惨敗、直前加算は同じゾロ目開催、取消戦となった第55回東京新聞杯1着。 2着のダイワメジャーは関屋記念2着を直前加算としていた。 ここでも似た馬がいる。 今年の東京優駿(第77回日本ダービー)を勝ったエイシンフラッシュ。 この馬がローズの代役を担うのだろうか。 <6.最終結論> ここまで長々と書いてきたが、そろそろ結論を。 天皇賞勝ちのブエナビスタ。 前年の桜花賞、優駿牝馬が最後のJpn1、さらに京都記念の枠連ゾロ目勝ちから今年をスタートさせたように、取消戦となった今回は買いの材料が揃った。 取消戦となった女王杯2着のメイショウベルーガが入ったことも後押しする。 しかし、それ以前に「前走降着」という事実は消えない。 メジロマックイーン、カワカミプリンセス、そしてブエナビスタ自身。 いずれも降着明けのレースで連対席の座は自身に回ってこなかった。 取消戦となったことで迷うが、「降着明けは勝てない」戒律は守られると考えたい。 そのため、この馬は2番手まで。 代わって、今回はダービー馬エイシンフラッシュを◎とする。 取消戦ダービー勝ちもあるが、同枠のダノンシャンティとともに3歳馬で枠を組んだこと。 さらには、ローズキングダムの回避により、唯一「3歳秋番組」の重賞で賞金加算歴を持つことを買いたい。 G1連対馬どうしで組んだブエナビスタは2番手。 その後は海外歴を持つ馬で組んだ1枠から当日番組変更のあった皐月賞を制したヴィクトワールピサ。 その後はダービー馬出走、菊花賞組不在年で出番のある古馬条件歴を持つトーセンジョーダン。 この4頭を上位とし、押さえに前年1着馬のドリームジャーニーと秋は取消戦で出番の来るメイショウベルーガを。 【 買い目 】 馬連 1.4.10ボックス、10-8.12、馬単 1.4.8.10.12→7 計10点 【 結果 】 1着 ▲ 01 ヴィクトワールピサ 2着 ○ 07 ブエナビスタ 3着 -- 11 トゥザグローリー ----- 7着 ◎ 10 エイシンフラッシュ (馬単 1640円)(参考 馬連550円) 【 再考 】 ヴィクトワールピサが8年ぶりとなる3歳馬の優勝を飾ったが、ローズキングダムの取消が最大要因。 その取消の意義を再検討したい。 取消があったときに気にすることは2つ。 1つは、取消馬のキャリアが不要(というか、あってはいけないものであり、消す必要性をアピールする必要がある)。 同じような馬が複数いて、1頭を排除するときに出てくる。 もう1つは、言い方は失礼だが、単なる数合わせと再現不能なキャリアを有する馬に出番を与えるため。 今回は双方を満たしたものだった。 ローズキングダムといえば、Jpn最終年の朝日杯勝ち。そしてクラシックは2着までだが、3冠全戦に優先権獲得馬の立場で出走している。 そして菊花賞出走歴を持つも勝ち歴なし。 3歳馬ながら「Jpn1勝ち歴あり、クラシック・3歳春未勝利、対古馬G1勝ち歴あり、別定戦未勝利」という変わったキャリア。 一方、ヴィクトワールピサは「Jpn3勝ち歴あり、クラシック・3歳春勝ち歴あり、対古馬未勝利、別定戦勝ち歴あり」とある種、逆の立場。 今年の代表的なものと言えば、クラシックの国際化。 その国際化された皐月賞(当日の番組変更あり)を持っている。 さらに、ネヴァブションと組んで海外歴保有枠を作り上げたうえに、ダービー馬出走/菊花賞不出走年の1着枠に必要なステップG2勝ち歴も弥生賞勝ちでクリアしている。 ここが本命を入れたエイシンフラッシュとの違いだったのでしょう。 そしてもう1つ。ローズキングダムは3歳馬ながらジャパンC1着。 3歳馬がジャパンCを勝ったのは01年以来。 その01年は外国産開放初年で、有馬記念は菊花賞馬マンハッタンカフェが制した。 これを考えれば、3歳馬で十分。相手を広げすぎだったのでしょう。 さらに古馬G1歴といえば、降着相手のブエナビスタの持つ天皇賞1着しか該当がない。 本来、降着明けなので連にも絡まないはずですが、取消戦となったことで出番がやってきました。 しかし、勝つことは許されません。 この馬の「2着まで」は正解でしたが、エイシンの取消ゾロ目開催G1勝ちに引っかかり、過去をないがしろにした結果でした。 まだまだ甘いですね。 |