●第140回 天皇賞(秋)(G1)● 11月1日東京11R 芝2000m、国際、定量、指定 10月31日更新 変更点 JRAプレミアム
【 過去7年経歴 】
【 考察 】 まず、今年になってから行われた古馬G1で気になる点がある。
赤字で示したが、天皇賞春以外は綺麗に前年の1着枠が連対中。 問題はその天皇賞春をどう扱うかだが、2年連続の「祝日競馬」だったから外れるとも考えられるし、JRAプレミアムレースだったから外れたとも考えられる。 ただし、昨年の有馬記念のように「JRAプレミアムレース」と番組表に書かれるわけでもなく、配当が5%増えるだけで売られる馬券の種類も変わらないので、事実上の据置戦と考えることもできる。 そうなると、「前年1着馬出走、前年変更、当年据置」の形式が成立し、安田記念がサンプルレースとなる。 また、前年1着馬が出走しなくても「前年変更、当年据置」というのも、他に宝塚記念があるだけで前年1着枠が連対した。 前年1着の肩書きを背負って出走するウオッカと昨年の1着枠になる7枠との1点勝負で終わりということもありうるだろう。 ちなみに、宝塚記念の1着同枠馬がスクリーンヒーローで、天皇賞には宝塚記念勝ちのドリームジャーニーを加えた3頭のG1馬が出走を予定している。 この3頭ではステップ戦併設G1ということで、やはり前年1着馬のウオッカを重視したい。 そのウオッカの連覇があるか?ということも考える必要があるでしょうが、それは後日。 (ここまで10月27日更新) さて、登録段階で出馬が確定していないが気になる馬が1頭。 唯一の3歳馬のトーセンジョーダン。 現時点では出走順が26番目のため除外対象だが、この馬が除外されると3歳馬不在。 そういった年は01年以降では03年と9日目施行となった07年の2回。 ともに宝塚記念2着馬が連対していることもあるが、今年は公営馬コスモバルクが出走予定となっていることが意味するものが何かはまた考えたい。 そして、天皇賞秋といえば、「1着賞金が1億3200万、古馬58K定量戦」という点で天皇賞春、宝塚記念と共通しているが、秋季におこなれれるG1はここと女王杯だけが「3歳56K、4歳上58K、牝2K減」と他のレースに比べて1K重い。 その違いがもたらすものが何か、というのは疑問でもあるが、全く関連性がないというのも考えづらい。 そこで、今年は春の天皇賞馬が不在だが、そういった年の秋の天皇賞をまとめてみた(01年以降)。
3歳馬が不在になりそうなので、そういった年で見るなら03年。 「馬単、3連複時代」となった2年間だったが、前年1着馬が連覇を成し遂げている。 来年からはクラシックも国際戦となり、来年は「国際」ダービー出走歴保有馬なんて馬が出てくることもあるだろうが、それらが登場する時代までをウオッカに任せるということも考えられるだろう。 (ここまで10月29日更新) 枠順が出ましたが、フルゲート18頭で3歳馬トーセンジョーダンは除外され、3歳馬の参戦はゼロとなった。 その「18頭立」で行われた天皇賞秋は意外に少なく、01年以降では02年、03年、05年のわずか3回。
前年の勝ち馬が不在で中山施行となった02年を除いてはキッチリと連に絡んでいる。 今年と同様に3歳馬が不在のなか行われた03年もサンプルとなるだろう。 連覇を目指すウオッカに視点が向いてしまいましたが、そろそろ結論を。 前年枠をほぼ引き継いでいる今年だが、その前年1着枠の7枠にはステップ戦の勝ち馬マツリダゴッホ、オウケンブルースリに加えて宝塚記念2着のサクラメガワンダーが入り、前年勝ち馬のウオッカは昨年の皐月賞馬キャプテントゥーレと組んで4枠に入った。 今年は「3歳馬不在のフルゲート」という点が引っかかる。 02年〜03年の2年間をシンボリクリスエスがまとめたときの2年目は「3歳馬不在のフルゲート」。 おまけに前年1着馬付。 そうなると、セン馬開放後の2年間をウオッカがまとめるものと考えたい。 今年の顔ぶれから考えると、おそらく来年は「国際」クラシック出走歴を持つ3歳馬がこのレースに出てくるのだろう。 そういった馬が出てきてもいいように、こちらへ出ても何ら遜色ないブレイクランアウトが菊花賞に挑み、他のNHKマイルCなどの3歳国際重賞への出走歴を持つ馬が出てこなかったものと受け取りたい。 3歳馬不在の顔ぶれとなったのはその影響もあるだろう。 そこで、勝ちきるのはどうかとも思えるが、2年連続の連対はあるとみてウオッカに◎とした。 相手は前年1着枠に入った7枠からステップ戦をパスしたサクラメガワンダーを筆頭に、レース設定の意図がイマイチ読めていないが、同じプレミアムレースでもあった春の天皇賞が日経賞の裏表ということで、毎日王冠の裏となるカンパニー。 この2頭が大本線。 また、ウオッカが勝った古馬G1というと、昨年の安田記念、天皇賞秋、今年のヴィクトリアマイル、安田記念と4レースあるが、相手がワンパターンになっていることが気になる。
自身が指定ステップ戦を通ったときは非ステップ組、ステップ戦以外はステップ戦組から前走連対馬を相手に持ってきている。 古馬Jpn1で2着に負けた昨年のヴィクトリアマイルもドバイDFを前走としたウオッカに対して、勝ったエイジアンウインズはステップ戦阪神牝馬S勝ちを持ち込んでいた。 その流れなら、前走がステップ戦毎日王冠なので、非ステップ戦連対馬から枠のゾロ目となる朝日CC勝ちのキャプテントゥーレを拾いたい。 非ステップ戦連対馬としてはコスモバルク、ホッコーパドゥシャがいるが、コスモは取消戦JC1着枠組が同居したこと、ホッコーはハンデ戦上がりのためそれぞれ評価を下げる。 押さえにG1格連対歴を持つ馬が並んだ6枠、7枠から58K連対歴のあるドリームジャーニー、マツリダゴッホを。 馬券はオッズ次第だが、前年連対枠の7枠から流す馬券も少しは考えたい。 【 買い目 】 馬連 7-3.8.12.13.14 枠連 2-7 計6点 【 結果 】 1着 ▲ 03 カンパニー 2着 -- 02 スクリーンヒーロー 3着 ◎ 07 ウオッカ ----- 13着 ○ 14 サクラメガワンダー 【 再考 】 収穫はオウケンブルースリ、シンゲンといった人気馬を無印に切れたことだけですが、肝心な◎ウオッカが3着。 そして、もう1頭切ったG1馬のスクリーンヒーローが2着に入ったという結果を見る限り、解析の方向が明後日を向いていた、ということでしょう。 ちなみに、予想内で「勝ちきるのはどうかと思えるが」と書いたとおり、2着と見ての◎ウオッカ。 「3歳不在のフルゲート」で03年をサンプルとしたが、これが違っていたのだろう。 勝ったカンパニーは昨年のマイルCSで2着同枠、そして、国際化時代に先駆けて外国人騎手を乗せてきたプレミアムレース中山金杯勝ちのアドマイヤフジと同枠になったうえに、前走の毎日王冠を勝ちで過去1年以内で「58KでG2を2勝」して天皇賞に出走してきた馬となった。 58Kでの毎日王冠勝ちとあわせて予想は▲としたのだが、この馬が勝ったことを見ると、勝ちクラの数まで考慮しろということだろうか? 天皇賞にはステップ戦がG2しかないのでG2上と限定してみるが、負担重量で2勝以上した馬は以下のとおり。(02年以降)
G2を春と秋で各1つ勝った馬は優勝馬への道が開かれているようだ。 とはいえ、02年は代替中山、06年は記念競走。 それを継続させるがためのプレミアムレースだったのだろう。 同一の形態とも受け取れる07年負けのダイワメジャー。 07年が唯一の9日目施行ということも、今回のプレミアムレース化が受け取ったものとすれば、今年は来年からのクラシック国際化を前にウオッカで時代の終息をはかると見ていた、その見立てが甘かったようだ。 そして、「公営馬コスモバルクが出走予定となっていることが意味するものが何かはまた考えたい」と本文中で述べたが、その同枠馬スクリーンヒーローが2着。 この両頭は昨年のJCでも3頭枠で1着枠を組んでいた(残る1頭はアドマイヤモナーク)うえに、スクリーンヒーローは宝塚記念で1着同枠だったが、このときの2頭がまた組んだか……というのは気にしていた。 この組んだ理由、さらにはコスモバルクが出走してきたことそのものの意図が見えなかったので今回は消したが、単発戦としてまかなうために取消戦JCの1着枠を再構築する必要があり、そのためにコスモバルクをわざわざ北の大地から呼び寄せたのではないだろうか。 |