●第70回 菊花賞(Jpn1)● 10月25日京都11R 芝3000m、3歳、牡牝、馬齢、指定 10月24日更新 変更点 なし(翌年国際化)
【 過去7年経歴 】
【 考察 】 来年からクラシック路線も国際化されるため、3歳「Jpn1」は最終戦となる。 その点も踏まえて予想を進めていくことになるが、登録馬を見て気になる点が2つ。 1つは「優先権保持馬(神戸新聞杯、セントライト記念3着以内)が全馬出走予定」。 もう1つは「ダービー馬ロジユニヴァースの不出走」。 この2つから分析を始めたい。 基準の線引きをどこにするかで変わってしまうが、ここでは3歳と表記を変えたうえに、外国産馬の出走を可能にした01年以降の8年間で見たい。 優先権を得た6頭全てが出てきたのは03年、06年の2回。
03年の馬齢重量変更は秋番組のみの単独的なもので、定量戦のまま据え置かれた皐月賞や東京優駿と微妙な違いがある。 一方、06年はトライアルの神戸新聞杯が中京2000での代替施行だったが(その翌年から2400に変更)、翌年から「Jpn1」と菊花賞は変更される前の年であり、その点は来年から国際化されて「G1」を名乗る今年と酷似しているといってもいいだろう。 その06年の菊花賞を制したのは、春競馬は全く出番がなく、ラジオNIKKEI賞2着で初めてオープンでの賞金加算に成功してからトライアルで優先権を取ったソングオブウインド。 同様の馬としては、ダービーウィークの白百合Sで初めてオープンでの賞金加算に成功したイコピコ。 ダービーデー前日に行われた白百合Sの扱いは微妙だが、白百合Sでの賞金加算はダービーの出走資格に干渉しないものであり、「古馬対戦歴なし、実質的にダービー後の賞金加算あり」とまとめることはできるだろう。 こうなると、安直にイコピコを消すこともできなくなる。 ちなみに、この両年の1着枠は「春のクラシック路線に優先権を持って挑んだことがある馬がいない」馬で構成されていた。 一方、ダービー馬が出てこなかった菊花賞は4回あり、傾向はバラバラ。
「7日目」という奇数日での施行となった07年以外は、ダービー不出走で古馬相手に1000万下を勝っている。 トライアル歴があることを踏まえると、アドマイヤメジャー、セイクリットバレーあたりが狙い目となるのだろうか? ただし、ダービー馬不在、2着馬出走に加え、皐月賞連対馬が2頭とも出走を予定している顔ぶれが妙に07年と被る。 その07年といえば、きさらぎ賞勝ちから3歳のキャリアをスタートさせて、皐月賞惨敗後ダービー2着、そしてトライアル神戸新聞杯2着から菊花賞を制したアサクサキングスが制したが、古馬戦を経験していない点を除いては今年のダービー2着馬リーチザクラウンと被ることが引っかかります。 (ここまで10/20更新、10/21一部記載追加) さて、冒頭にも書いたのだが、今年の菊花賞は最後の「3歳Jpn1」として施行される。 その一方、春のきさらぎ賞などが国際化された「Jpn」と「G」が混在する中途半端な年。 ならば、同様のことが菊花賞まで続くと見てもいいだろう。 そこで、春に同じように行われた皐月賞、東京優駿を振り返りたい。
見て気になる点は2つ。 「資格賞金1位馬が負けている」(皐月賞:ロジユニヴァース、東京優駿:アンライバルド)ことに加えて、「勝ち馬に重賞加算歴があるが、国際戦出走歴がない」。 今回の資格賞金1位馬は皐月賞馬アンライバルド。 一方、重賞加算歴があるが国際戦出走歴を持たないのは、そのアンライバルドに加えて、セイウンワンダー、トライアンフマーチのわずか3頭。 この3頭と前述したリーチザクラウンの入った枠をしっかりと見てみたい。 (以上、10/21更新) 週中考察を上記のように書いたが、最終的な方向性を見出すことは出来なかった。 しかしながら、皐月賞1着同枠、ダービー2着、神戸新聞杯2着とクラシック戦線で主役の一角を張り続けたリーチザクラウンの巻き返しがあるとみて、この馬に◎とする。 ダービー2着馬が賞金を加算して菊花賞に出てきたことと、宝塚記念出走以外はアサクサキングスとの酷似したキャリアを持つ点、さらには今年が最後の「Jpnクラシック」で来年に変更されるレースでの賞金加算歴を続けている点を評価した。
相手筆頭は優先権組で組まれた6枠からダービー3着のセイウンワンダー。 その後に春のクラシック未出走馬で揃えられた7枠から神戸新聞杯勝ちのイコピコ。 1000万下勝ちからトライアルで負けた馬からセントライト記念4着のアドマイヤメジャー。 この4頭を上位の評価とし、前回牝馬が出走した95年はトライアルで優先権獲得に失敗した馬が揃った枠が2着枠となったことから、失敗組が同居した3枠からアンライバルド、セントライト記念組は1着馬よりも2着馬を重視しているので、セイウンと同枠のセイクリットバレーを押さえたい。 馬券は馬連だが、今年の牡馬クラシック路線は1番人気受難の年でもあり、上位4頭のボックスも押さえる。 【 買い目 】 馬連 9-5.11.12.14.17、12.14.17ボックス、計8点 【 結果 】 1着 -- 01 スリーロールス 2着 -- 03 フォゲッタブル 3着 ○ 12 セイウンワンダー ----- 4着 ▲ 14 イコピコ 5着 ◎ 09 リーチザクラウン 【 再考 】 これまでずっと腑に落ちなかったリーチザクラウンのきさらぎ賞勝ち。 これが、小倉の日程変更に伴う3場開催日でのもの(例年は2場開催日)だったということが判明した時点で、リーチザクラウンが「形を変えつつ今年の3歳重賞を一手に担う役割の馬」と考えたのが敗因の1つ。 同枠のキングバンブーが毎年変更される小倉のアジアウィーク勝ちというのもその考えを強化する材料の1つだった。 いずれにしても、予想段階で1枠、2枠は完全に消しており、まるで明後日を向いていたが、考えられることをいくつか。 この菊花賞は出走馬選定の段階で抽選(ボーダーライン1500万、出走確率は7分の6で1頭だけ除外)があり、その抽選を潜り抜けたスリーロールスが制したことから振り返りたい。 東京優駿は抽選なく上位18頭がすんなり決まったが、皐月賞では抽選があり、1頭だけ勝ち残ったサトノロマネの同枠に入ったトライアンフマーチが2着に突っ込んだことが記憶に新しい。 「1頭だけ出走」の皐月賞で抽選同枠が2着。 今回は「1頭だけ除外」となると、当然の如く裏。 その「裏」というと、「抽選出走馬が勝つ」ということだったのだろう。 そして、トライアルから優先権を獲得して出走した馬が6頭全て出走したが、そのうち、2着のフォゲッタブルだけが抽選馬と同枠に組まれなかった。 これも唯一の枠であり、なおかつ、フォゲッタブルは皐月賞のトライアンフマーチと同様に「抽選賞金額>自身の賞金額」という優先権がなければ抽選の場にすら立たせてもらえない唯一の馬だった。 唯一の「古馬1000万負け、優先権獲得」というキャリアは気になっていたが、そこまでは見えずじまい。 そして、同枠のトライアンフマーチが2着と末脚を爆発させた皐月賞と同じ馬番(4)を背負っていたことも注目すべき点だったのだろう。 一方、勝ったスリーロールス。 同枠にその皐月賞で1着同枠に入っていたシェーンヴァルトというのはトライアンフマーチとの兼ね合いを考えると「お見事」といわざるを得ない。 1000万勝ちからトライアルをパスした時点で敬遠していたが、「秋番組1000万勝ち直行」というキャリア(これはこの馬のみ)もプラスに働いていたということか。 終わってみれば最初から最後まで違う視点で見ていたこともあり、レースを見る方向が明後日を向いていたということでしょう。 ダービー馬が出なかった時点で上がり馬を気にする必要はあったのだが、そこまで視野がまわらず、今回は「どうしようもない」としか書きようがありません。 |