●ジャパン・オータムインターナショナル 第34回 エリザベス女王杯(G1)● 11月15日京都11R 芝2200m、牝、国際、定量、指定 11月14日更新 変更点 なし
【 過去8年経歴 】
【 考察 】 前走で仏国の牝馬限定G1オペラ賞を勝ったシャナラヤが出走する。 レーティングでは日本馬トップのブエナビスタを子ども扱いするような数値(119、ブエナビスタは113)が出ているが、まずはこの馬から考えたい。 3連単発売後と絞るが、「国際招待」のJC、JCダート以外で外国馬が参戦したG1は以下の16戦。 (見づらいですがご容赦を)
昨年のこのレースの前まではワンパターンだったが、今年は昨年の勝ち馬リトルアマポーラが出走予定。 1つの時代をまとめてしまうのが同一レースの連覇だが、その可能性を持つ馬がいるかどうか、という視点で見ることができるだろう。 そのため、「前年1着馬出走」(赤字表記のもの)で絞るとサンプルは10戦。 05年女王杯1着のスイープトウショウは過去1年以内に同距離G1での連対歴(宝塚記念1着)を持っていたが、それ以外は「直近1年間の海外出走歴、外国馬のいる枠、前年連対馬、前走ステップ戦1着馬」のいずれかを枠で求めていた。 これで見るなら、過去1年間に海外出走歴を持つ日本馬は不在、外国馬のシャナラヤは消せず、前年連対馬のリトルアマポーラ、カワカミプリンセスに加えて、ステップ戦府中牝馬S勝ちのムードインディゴの4頭が残ることになる。 人気を背負うであろうブエナビスタは「枠次第」という考えになるが、レッドディザイアの回避等で気になることが1つ。 現3歳馬は「G」格付と「Jpn」格付が混載した状況を通り抜けてきた。 昨年1着馬のリトルアマポーラの直前加算が「Jpn」最終年のクイーンC1着と再現不能なキャリアを持ち込んでいる。 これから考えると、混載の時代を象徴する馬を起用するのでは?という考えが浮かぶ。 現時点で出走を予定している馬を見ると、Jpn格付連対歴を持つ3歳馬はブエナビスタのみ。 この馬には札幌記念2着と「G」格付の連対歴がある。 ちなみに、古馬では昨年の桜花賞馬レジネッタが直前加算は「Jpn」格付戦(ちなみに、昨年は1着同枠)。 前述4頭以上に、この2頭の枠配置はしっかりと見たい。 (ここまで11/10記載) さて、例年は過去1年以内に牡馬相手に重賞を勝つ「男勝りのオンナ」という馬が1.2頭でてくるのだが、ウオッカが出てこないこともあり今年もいない。 テイエムプリキュアが日経新春杯を制しているが、あくまでも「弱者救済」のハンデ戦。 そこで「日本馬で定量、別定で牡馬混成重賞勝ち馬がいなかった年」という角度で見たい。 01年以降で見ると、該当するのは03年、04年、08年の3回。 03年〜04年はアドマイヤグルーヴが連覇し、ステップ戦勝ち馬が2着に入った。 当時と外国馬の頭数が同じことも気になるが、今年もやるのだろうか?。……。 ただし、勝てなかったまでも2着という馬もいた。 別定、定量戦で2着連対が最先着という顔ぶれになった年は01年で、ドバイWC2着のトゥザヴィクトリーが制している。 G1だから2着でもいい、2着までなら最先着OK、解釈はいろいろできるが、ここで引っかかるのが札幌記念2着のブエナビスタ。 よりによってこの馬なんだよね……。 (ここまで11月11日記載) 一方、今年は秋華賞勝ち馬が昨年に次いで不在だが、そういう女王杯は01年の馬齢表記変更以降までさかのぼっても昨年に次いで2回目。 その昨年はJpn格では最終年となるクイーンCを制したリトルアマポーラを勝たせ、同枠に11R最終年となった桜花賞を制したレジネッタを起用したが、昨年は秋の全ステップ戦勝ち馬が不在だったことは見ておく必要があるだろう。 そして、古馬牝馬G1といえば、06年にヴィクトリアマイルが創設されて春秋2大競走化したのだが、それ以降の勝ち馬はすべて3歳馬。 春の古馬牝馬界最高峰となっているヴィクトリアマイルの勝ち馬が出てこない以上(ちなみに創設以来勝ち馬の出走なし)、ここも3歳馬の出番と考えることも出来る。 3歳牝馬クラシックの国際化が行われる来年以降に真の世代間抗争を行うため、ヴィクトリアマイルの勝ち馬はここをパスすると同時に、今年まで3歳馬を勝たせて、来年からヴィクトリアマイルとオークスの勝ち馬が直接対決する形の女王杯が行われるのではないだろうか。 そう考えると3歳馬が浮かんでくるが、このレースを制した3歳馬を見ると、春のクラシックに全く出てこなかったファインモーション以外は古馬対戦歴がない。 裏返せばブエナビスタのような「クラシック&古馬戦出走」という3歳馬は昨年のレジネッタと同様に同枠馬までの位置づけとなるのではないか、とも考えられる。 長くなったが、そろそろ結論を。 「答えは出ない、馬券はケン」で終わりたいが、そうもいかない。 3歳馬が連勝しているこのレースだが、最初に書いた「前年1着馬&外国馬出走」の出馬構成から考えて、「外国馬、前年連対馬、ステップ戦1着馬」で該当する4頭を重視したい。 しかし、そのうち3頭は再現不能な代替北海道開催での賞金加算歴を直前加算とする馬と同居した。 この秋のG1戦線を見ると、函館改修工事の影響で臨時的に2場開催日と化したスプリンターズS以外は北海道開催の連対馬を軽視していることもあり、北海道組と組まれないまま残った外国馬シャナラヤに◎とする。 勝てばボーナスが出るという面から出てきた外国馬というと、スプリンターズSで惨敗したシーニックブラストが浮かび上がるが、1回限りとなったスプリンターズSで失速したことを裏返せば、据置のここでは出番があってもいいだろう。 相手筆頭はステップ戦府中牝馬S勝ちのムードインディゴ。 降着明けで狙いづらいブエナビスタだが、唯一の「Jpn」重賞加算歴を持つ3歳馬であることに加えて、同枠に府中牝馬S1着のムードインディゴと組まれたこともあり、押さえることにする。 前年連対馬のリトルアマポーラとカワカミプリンセスは、それ以降に賞金加算歴を持たないため評価をさげる。 昨年の勝ち馬リトルアマポーラが「3歳牝馬3冠全戦負け」というキャリアを持つこともあり、同様の道を歩んだジェルミナルを最後の押さえとしてもいいが、それなら国際化時代となった秋華賞で出番を得たブロードストリートを上と扱い、この6頭でまとめたい。 これを書いている時点では何もないが、当日に取消等が発生したらブエナビスタの独壇場となるであろうことも付記しておきます。 【 買い目 】 単勝10、馬連 5.10.16.17ボックス、10-8.12 計9点 【 結果 】 1着 -- 07 クィーンスプマンテ 2着 -- 11 テイエムプリキュア 3着 ▲ 16 ブエナビスタ ----- 4着 ◎ 10 シャナラヤ 12着 ○ 17 ムードインディゴ 【 再考 】 結果だけ見れば、「降着明けのG1出走で狙いづらい」とした圧倒的な人気のブエナビスタが連から外れ、印を入れた6頭の枠(3.4.5.6.8)で決まったが、まるで明後日というか、レース前に考えていた形とは全く違っており、どうやってもこの結論にレース前にはたどりつかなかったし、今もたどり着かない。 そういう状況だが、順番に再考してみたい。 まずは、勝ったクィーンスプマンテ。 このレースが変更なく行われている以上、この馬をはじめ、ビエナビーナス、ブエナビスタ、ミクロコスモスといった今年の代替北海道開催という再現不可能なレースでの加算歴を持つ馬が勝つことは夢にも思ってなかった。 その中でこの馬が指名されたことは、同枠の×カワカミプリンセスの存在を外すわけにはいかないだろう。 そして、枠構成から振り返ると、「別の指定ステップ戦(秋華賞、京都大賞典、府中牝馬S)出走馬」だけで組まれた枠が2.4.6.7とあったが、この枠だけが過去1年間に重賞1着枠に入ったことがない馬で組まれた。 (2.6枠……重賞1着歴保有馬、7枠……サンレイジャスパー:福島牝馬S1着同枠、ミクロコスモス:クイーンC1着同枠) これくらいしか思いつかない。 一方、2着のテイエムプリキュア。 この馬はまだ理解できる。 というのは、この馬だけが過去1年間に「牡馬混成重賞1着歴」を日経新春杯勝ちで持っていた。 その日経新春杯はハンデ戦。 別定戦や定量戦なら印を入れていたが、同じようなハンデ戦新潟記念を制したアルコセニョーラが昨年飛んでいたことが引っかかった。 しかし、そこはG3とG2の違いなのだろう。 それに加えて、「国際、牝、G1」秋華賞2着の×ブロードストリートと組んだのもプラスだったか。 ただ、それなら「福島牝馬S1着→ヴィクトリアマイル2着」のブラボーデイジーが飛んだのもイマイチ理解できない。 舶来の3歳ではなく国産の3歳を重視するという戦略だったといわれたらそれまでなんでしょうけどね。 3着の▲ブエナビスタ。 能力はトップクラスだが、この流れでは「お先真っ暗」。 この馬が今年になってから勝ったチューリップ賞、桜花賞は1回限りの「10R、Jpn」戦、優駿牝馬は取消戦に加えて打ち止めJpn戦だったことに加えて、2着の札幌記念も再現不能な8日目施行戦。 降着明けのレースで連対したのは、メイショウサムソンが勝った9日目施行(!)天皇賞秋で「1着同枠&降着」の離れ業を見せたエイシンデピュティの鳴尾記念くらいしか思いつかないが、国内では同格では無理でG2やG3で格下げしたレースから出直すことしか出番がなかったのかもしれない。 カワカミプリンセスが降着後に故障もあったが長い不振にあえいだように、据え置かれるレースに顔を出す限り、毎度の如く「追い込み不発」に終わり、この馬にも同じ道が待っているのではないだろうか。 4着の◎シャナラヤ。 オペラ賞が牝馬限定という点は気になり、単なる外国人騎手なら切っていたが、騎手が「連覇権あり」のルメールということで狙ったが、見方は違っていたようです。 12着と大敗した○ムードインディゴ。 府中牝馬Sを勝っただけでは足りないということなのでしょうけど、ヴィクトリアマイルでポッと出のブラボーデイジーが2着に突っ込んだことと同じことがおきてもいいとは考えていましたが……。 |