●有馬記念(第52回グランプリ)(G1)● 12月23日中山9R 芝2500m、国際、定量、指定 12月22日更新 変更点 祝日施行、国際化
【 過去6年経歴 】
【 考察 】 パートT国昇格にともなって、ようやく国際化されたのだが、どうしても気になるのが「JRAの国際化計画」との絡み。 JRAの国際化5ヶ年計画(第二次)のスタートは2000年。 翌、2001年に馬齢表記がそれまでの数え年から、現行の海外でも使われる満年齢表記に変更された。 この2年間をまず振り返りたい。 00年有馬記念(1着賞金増額) 1着 テイエムオペラオー(JC、宝塚記念、天皇賞秋、天皇賞春、京都大賞典、阪神大賞典、京都記念) 2着 メイショウドトウ(JC2着、宝塚記念2着、天皇賞秋2着、金鯱賞、オールカマー、中京記念、日経新春杯2着) 01年有馬記念(祝日施行、敬宮愛子内親王殿下御誕生慶祝競走、定量化、枠連万馬券決着) 1着 マンハッタンカフェ 3歳(菊花賞) 2着 アメリカンボス(AJCC、中山記念) 00年の有馬記念は同一年で4度目となるテイエムオペラオーとメイショウドトウの組合せで終わった。 これは、翌年に馬齢表記変更を抱えており、この2頭で数え年表記の最終年をまとめあげてしまうことで新しい馬の出現を妨げたかったのではないだろうか。 翌、01年。皇室関連の慶事があり慶祝競走になったが、定量化し新生した有馬記念が始まる。 勝ち馬は、これまでの有馬記念史には出てこない「3歳馬」マンハッタンカフェ。 キャリアで目に付くのは「外国産開放初年」となった菊花賞を制したことだろう。 そこで、今年を考えたい。 パートT国昇格元年の今年を象徴するものといえば、非国際戦で与えられた格付け「Jpn」の出現だろう。 そのJpnTを制した馬でここに顔を出すのは、ウオッカ(東京優駿)、ダイワスカーレット(桜花賞、秋華賞)の2頭。 ダイワスカーレットがエリザベス女王杯を制しており、この馬はJpnT勝ち馬であると同時にGT勝ち馬でもある。 「JpnT勝ちのみ」を持つのは今年のダービー馬ウオッカ。 当初、出走を予定していた菊花賞1着馬アサクサキングスがここを回避したのは、JpnT勝ち馬をウオッカのみにさせるためのすべだったのだろうか? ちなみに、ワイド馬券発売後の有馬記念で「G1連対歴」のない馬が連対したのは01年2着アメリカンボス、02年2着タップダンスシチーの2頭。 この2頭の共通点は「直前の賞金加算が賞金別定重賞(獲得賞金額で重量が決まる重賞)1着」。 今年は鳴尾記念を制したハイアーゲームが該当する。 ----- 一方、今年の有馬記念はジャパンC1着馬、菊花賞1着馬が出走しない。
資料をよく見ると、宝塚記念、菊花賞、天皇賞秋、JC、この4レースの1着馬がすべて連を外した年はない。 今年は宝塚記念、JC1着馬アドマイヤムーン、菊花賞1着馬アサクサキングスが不在。 こうなると、表中に出てくるメイショウサムソンを考えざるを得なくなってくる。 祝日施行の天皇賞春1着、唯一の「9日目施行」となった天皇賞秋1着の経歴を持つこの馬が「祝日」有馬記念を持っていくことも考えなければいけないだろう。 (ここまで 12月17日記載) 一方で本年のダービー馬ウオッカが出走する。 その年のダービー馬が有馬記念に出走するのは、00年以降では一昨年のディープインパクト、昨年のメイショウサムソンについで3年連続となる。 一昨年のディープインパクトは2着、昨年のメイショウサムソンは着外に終わったが、パートT国昇格を翌年に控えた「混合」冠としては最終年の施行となった昨年は不要だったとするならば、国際化された今年はウオッカの出番ということがあるのだろうか? そこで、3歳馬でJpnT(GT)連対歴のある馬の有馬記念を振り返りたい。
01年、02年は1着、03年と05年は2着でその他は着外。3歳馬同士での決着はないのだが、よく見ると、馬齢表記が変更された01年以降では有馬記念当日に変更がある年に3歳馬が連対している。 そうなると、「祝日施行」の本年は3歳馬の出番となる年なのだろうか? (ここまで12月18日記載) その3歳馬だが、南半球産の外国産馬ロックドゥカンブにキネーンが1週限りの短期免許を取得して騎乗するようだ。 菊花賞3着と53Kの軽量で人気の一角となりそうだが、古馬とのアローワンスは4K。 宝塚記念で5Kのアローワンスを受けたアサクサキングスなどが惨敗していることもあり、4Kでは厳しいような気もするが、唯一の外国産馬に外国人騎手が乗るということで、「仮想外国馬」として扱われるかもしれない。 JRAの国際化計画後では外国産馬シンボリクリスエス×ペリエの組み合わせで有馬記念連覇ということもあった。 それ以来の外国産馬と外国人騎手の組み合わせ。 ロックドゥカンブはJpn1連対歴のない3歳馬ということで本来なら消したいのだが、キネーンが乗ってくることで、外国産馬×外国人騎手の組み合わせとなり、国際化された有馬記念のシンボルとなる可能性はなきにしもあらず、と考えてしまう。 (週中考察はここまで) ---------- さて、様々なことを気の向くままに書き綴ってきたが、本題の結論に入りたい。 フサイチパンドラが出走を取り消したが、もともと祝日施行であったので大差はないと考えたい。 「有馬記念当日に施行変更があった年は3歳馬が連対」という事実を上表で書いたが、3歳馬どうしでの決着は考えづらいこともあり、古馬を軸とする。 その中からは、祝日施行の天皇賞春、唯一の9日目施行となった天皇賞秋を制したメイショウサムソンを◎とした。 同枠に前年有馬記念(混合最終年)1着同枠馬ドリームパスポートが入ったのも何かの縁だろう。 相手には、4枠に同居した3歳馬2頭を上位評価した。 ○のロックドゥカンブは有馬記念連対の3歳馬では例のない「Jpn1(G1)連対歴なし」だが、今年の有馬記念に出走する3歳馬では唯一古馬対戦歴を持たないこと、同枠のダイワスカーレットは唯一の対古馬勝ちがあることを考慮した。 古馬での相手馬は前年2着馬ポップロック。 前年有馬記念2着馬の翌年
タップダンスシチーが1回コケたが、その他では出走した場合は連対枠にきっちりと収まっており、連対枠入りした3頭はすべて直近1年間は重賞のみの出走だったため、今回は通用するのではないか?とも考えたい。 最後にダービー馬ウオッカを拾うが、あくまでの押さえまでとして扱いたい。 【 買い目 】 馬連 1-6.7.8.16、6-7.8 計6点 【 結果 】 1着 -- 03 マツリダゴッホ 2着 △ 07 ダイワスカーレット 3着 -- 04 ダイワメジャー ----- 4着 ○ 08 ロックドゥカンブ 5着 ▲ 06 ポップロック 8着 ◎ 01 メイショウサムソン 【 再考 】 祝日競馬、取消発生という視点から祝日施行天皇賞春1着馬メイショウサムソンを◎としたが、間違っていたようだ。 この1年間は「パートT国昇格初年」という1年。そして当日の変更あり。 この点から、3歳馬どうしで枠を組んだ4枠を選ぶ手があっただろう。 現行馬齢表記となった01年以降、3歳馬が勝ったのは2回 (01年マンハッタンカフェ、02年シンボリクリスエス)あったが、この2頭には秋のG1(Jpn1)を勝ったことと、古馬相手の賞金加算歴があり、4頭が出走した3歳馬でこれを満たすのはダイワスカーレットのみ。 一方、2着に終わったのも2回(03年リンカーン、05年ディープインパクト)あったが、こちらは、古馬相手の出走歴がないクラシック連対馬。 いずれにしても、ダイワスカーレットは両方を満たすうえに、同枠の3歳馬ロックドゥカンブは今年の有馬記念に出走した3歳馬では唯一、古馬との対戦歴がなかった。 そして、今年といえばパートT昇格と「奇数日数開催」導入。 パートT国昇格といえば、裏返しの「Jpn」導入元年。 最初に「Jpn」として施行されたのはシンザン記念。(2着ダイワスカーレット) 奇数日数開催となった1月の京都、中山、10月の京都、東京。 この1月、10月開催の両方で賞金を加算した馬はダイワスカーレットのみ。
ちなみに、前回の祝日有馬記念を制したマンハッタンカフェ。 この馬には古馬相手の賞金加算歴とクラシック勝ちがあったことはダイワスカーレットも同じ。 そして、ダービーに出ていない非1番人気馬、非1番人気でクラシックを制したということも。 ここまでダイワスカーレットに絡む材料は揃っていた。 ちなみに、古馬の最初のJpn戦はAJCC。 このレースの1着馬は前述した勝ち馬マツリダゴッホ。 唯一の7日目となったJpn初戦AJCCと祝日競馬オールカマー勝ちでG1未勝利のうえに前走天皇賞秋15着。 前回の祝日有馬記念2着馬アメリカンボスと似たような経歴。 (アメリカンボスはG1未勝利馬。AJCC、中山記念1着、前走ジャパンC10着) ここまで見切ればよかったのだが、祝日&9日目施行、さらには牡牝限定最終年の天皇賞1着馬という点でサムソンに目が行った以上、負けということなのでしょう。 |