● 優駿牝馬(第67回 オークス)(G1) ●
     5月21日東京11R 芝2400m、3歳、牝、定量、指定

     5月19日更新
     変更点 なし
13 アドマイヤキッス 55 武豊 06 コイウタ 55 横山典
17 キストゥヘヴン 55 安藤 10 アサヒライジング 55 柴田善
× 05 ニシノフジムスメ 55 藤田 × 15 シェルズレイ 55 岩田

【 過去4年経歴 】
回数 年、日程、条件 変更点 当日変更 1着馬名
63回 02年 4東2芝24、3歳、牝、定、指     スマイルトゥモロー
64回 03年 2東2芝24、3歳、牝、定、指 馬単・3連複発売、外国産馬一部開放
TR定量→馬齢
取消 スティルインラブ
65回 04年 3東2芝24、3歳、牝、定、指     ダイワエルシエーロ
66回 05年 3東2芝24、3歳、牝、定、指 3連単発売、TRフローラSに外国産優先権   シーザリオ
67回 06年 3東2芝24、3歳、牝、定、指      

【 考察 】

 様々な角度から考えることができるが、まずは、過去の連対した馬たちを振り返ってみたい。
 なお、サンプルは外国産馬に開放後の3年間とする。
03年 取消あり、馬単発売 500万 特指オープン、重賞 桜花賞TR 桜花賞 備考
1着 スティルインラブ 未経験 紅梅S チュー賞2着 2人気1着 桜花賞後不出走
2着 チューニー 出走あり クイーンC 未出走 9人気12着 桜花賞後不出走
04年 65回 500万 特指オープン、重賞 桜花賞TR 桜花賞 備考
1着 ダイワエルシエーロ 未経験 クイーンC、紅梅S2着 未出走 5人気7着 桜花賞後不出走
2着 スイープトウショウ 未経験 紅梅S チュー賞1着 2人気5着 桜花賞後不出走
05年 66回、3連単発売 500万 特指オープン、重賞 桜花賞TR 桜花賞 備考
1着 シーザリオ 寒竹賞 フラワーC 未出走 1人気2着 桜花賞後不出走
2着 エアメサイア 出走あり エルフィンS フィリー3着 3人気4着 桜花賞後不出走
 (赤字は優先権獲得)

 過去3年間だけを見てみると、「特指、別定」のオープンもしくは重賞に出走して勝っており、かつ桜花賞に出走していることが求められている。
 今年で該当する馬は、コイウタ(カンナS、菜の花賞、クイーンC)、キストゥヘヴン(フラワーC)のわずか2頭しかいない。

 ちなみに、この2頭を同じように書くと下の表のようになる。
  500万 特指オープン、重賞 桜花賞TR 桜花賞 備考
06 コイウタ 未経験 カンナS、菜の花賞、クイーンC 未出走 3着 桜花賞後不出走
17 キストゥヘヴン 未経験 フラワーC 未出走 1着 桜花賞後不出走

 この1点は押さえておく馬券となるだろう。

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 ただし、桜花賞トライアルを無視したオークスが施行されていないことも事実。

 キストゥヘヴン、コイウタともに桜花賞に出走してはいるものの、桜花賞トライアルには不出走。

 相手には桜花賞トライアルで優先権を獲得し、かつ桜花賞で3番人気までに入った馬を起用してきた。

年 馬名 着順 桜花賞TR 桜花賞 牝馬限定戦加算歴(赤字は特指)
03年 スティルインラブ 1着 チューリップ 2着 2人気 1着 紅梅S、チュー賞2着
04年 スイープトウショウ 2着 チューリップ 1着 2人気 5着 チューリップ賞、ファンタジーS
05年 エアメサイア 2着 フィリーズ 3着 3人気 4着 エルフィンS
06年 アドマイヤキッス ??? チューリップ 1着 1人気 2着 チューリップ賞、桜花賞2着

 実はアドマイヤキッスには心強い援軍がある。
 この3年間は「桜花賞TRで優先権を得た桜花賞最上位人気馬は、オークスで連対する」という実績がある。

 03年 桜花賞1人気アドマイヤグルーヴ 桜花賞TR不出走 → オークス1着は桜TR優先権のある桜花賞2人気馬

 04年 桜花賞1人気ダンスインザムード 桜花賞TR不出走 → オークス2着は桜TR優先権のある桜花賞2人気馬

 05年 桜花賞1人気シーザリオ 桜花賞TR不出走、
     桜花賞2人気ラインクラフト オークス不出走 → オークス2着は桜TR優先権のある桜花賞3人気馬
 
 06年 桜花賞1人気アドマイヤキッス 桜花賞TR出走 → オークス連対か?

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 一方で、今年のクラシック。
 先行して行われた第66回桜花賞、皐月賞では昨年からはくぼ開催となった小倉出走歴のある馬を連対枠に用意した。
 ちなみに、今年該当する馬は阪神JF1着馬のテイエムプリキュアのみだが、この馬には1つの大きな欠点がある。

 それは、新馬勝ちをしたが、そのレースが外枠発走戦だったということ。
 これをマイナス評価としてテイエムは消したい。

 また、3連単馬券を発売して2回目のオークスとなるが、ワイド、馬単いずれも2年目は桜花賞優先権を全否定する結果となった。
 今年もこれが起きるのならば、枠連の1.2.4.6のボックスで終わる。

 しかし、馬単2年目かつ、3連単発売前年戦の一昨年のレースでこの手を使っている。
 来年も恐らくこのスタイルで行われると考えられ、本体が来年の変更でも起こさない限り、これを見ることはないだろう。

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 これらのことを踏まえて結論を出したい。
 
 過去10年の優駿牝馬の勝ち馬一覧表が週刊競馬ブックに出ていたが、前走で賞金を加算できなかった馬で決まったのは99年、02年、04年の3回。

 しかし、この3回はいずれも翌年から新馬券を発売する年でもあった。
 据置条件で施行される今年は、そういったことはないだろう。

 本来ならば、◎キストゥヘヴンの2冠達成と見てもいいのだが、今年になってからようやく初勝利をあげた上がり馬がここまでまとめるとは読みづらい。

 そのため、キストゥヘヴンは▲まで。

 今回は秋番組全休の経歴が気にはなるが、同枠に桜花賞優先権馬とオークス優先権馬で固めた枠に入ったことを評価してアドマイヤキッスに◎としたい。

 指定戦加算歴を持たず、特指重賞1着歴を持つコイウタを相手筆頭。
 
 その後は、特指重賞、トライアル両方で賞金を加算してきたアサヒライジング、3歳戦では年に2レースしかない「特指、馬齢」戦の1つ、忘れな草賞勝ちのニシノフジムスメ、アドマイヤと同枠配置のシェルズレイを押さえとしたい。
 
【 買い目 】 馬連 13-5.6.10.15.17、6-17の計6点


【 結果 】
1着 -- 09 カワカミプリンセス 2着 -- 02 フサイチパンドラ 3着 △ 10 アサヒライジング
( ◎ 13 アドマイヤキッス 4着、○ 06 コイウタ 競走中止、▲ 17 キストゥヘヴン 6着 )

【 再考 】

 桜花賞を一部入れ替えただけのオークスを見せると考えていたが、全くの見当違いとなった。
 
 枠順が発表されたときに、ある種の異様さを見せていたことも事実。

 その異様さが何かというと、優先権保持馬の枠の組み方。

枠、馬、馬名 トライアル
2枠3番 アクロスザヘイブン フローラS 3着
2枠4番 ヤマニンファビュル スイートピー 2着
5枠9番 カワカミプリンセス スイートピー 1着
5枠10番 アサヒライジング 桜花賞 4着
7枠13番 アドマイヤキッス 桜花賞 2着
7枠14番 ブロンコーネ フローラS 2着
8枠17番 キストゥヘブン 桜花賞 1着
8枠18番 ヤマトマリオン フローラS 1着

 同枠に優先権保持馬が組まれなかったコイウタを除く8頭がそれぞれ同枠になったのだが、5枠以外は賞金加算歴の「あるものどうし」と「ないものどうし」でまとめられている。

 逆に言えば、5枠だけが「トライアルで優先権獲得と賞金加算の両方ができた馬」と「優先権だけとって賞金加算をしていない馬」が同居した形となっていたことにもっと注意すべきだったのだろう。

 そして、もう1つ。
 オークスへの優先権は桜花賞から4枚、フローラSから3枚、スイートピーSから2枚の合計9枚。

 この9枚の優先権をすべて使ってオークスに参戦してきたのは、現行の「3歳」表記となってからは01年と03年の2回しかない。

 しかも、03年は出走取消戦で17頭立のため、これを省くと01年のみ

 その01年のオークスを制したのはレディパステル。
 この馬といえば、500万牝馬限定戦ミモザ賞を勝った後、桜花賞不出走→フローラS2着での出走。

 つまり、「牝馬限定500万勝ち→桜花賞以外のトライアルでの優先権獲得」ということになるだろうか。

 そういった視点で見ると、同じ形式の馬は「牝馬限定500万下君子蘭賞1着→スイートピーS1着」 のカワカミプリンセスしかいなかった

 さらに、もう1つ。

 今年は3連単2年目のオークス。

 ワイド馬券2年目の01年、馬単2年目の04年と桜花賞で優先権を得た馬は連から漏れている。

 そういった点からも、桜花賞でオークス優先権を得た馬は危険な人気馬だったということなのだろう。
 
 一方の2着馬フサイチパンドラ。
 この馬はよくわからないが、同枠のブルーメンブラッドが刻んだ前走矢車賞勝ちが大きかったのだろう。

 というのは、再検討のサンプルであげた01年と04年は、ともに1着同枠に前走500万勝ち馬が入っている。
 これが効いたのであろうか?
 
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