●第11回 NHKマイルカップ(G1)●
     5月7日東京11R 芝1600m、3歳、混合、馬齢、指定

     5月6日更新
     変更点 TR クリスタルC→ファルコンS
01 マイネルスケルツィ 57 柴田善 02 ファイングレイン 57 横山典
06 ロジック 57 武豊 11 タガノバスティーユ 57 池添
× 15 キンシャサノキセキ 55 安藤 × 18 フサイチリシャール 57 福永

【 過去4年経歴 】
回数 年、日程、条件 変更点 当日変更 1着馬名
7回 02年 3東6芝16、3歳、牡牝、混、定、指   4R→5R→6R テレグノシス
8回 03年 1東6芝16、3歳、牡牝、混、定、指 馬単・3連複発売
(TR NZT 定量→馬齢)
  ウインクリューガー
9回 04年 2東6芝16、3歳、牡牝、混、定、指     キングカメハメハ
10回 05年 2東6芝16、3歳、牡牝、混、定、指 3連単発売   ラインクラフト
11回 06年 2東6芝16、3歳、牡牝、混、定、指 (TR クリスタルC→ファルコンS)    

【 考察 】

 今年から、3戦ある地方在籍馬へのステップレースの1つクリスタルCが消滅し、新たにファルコンSが加わる形となった。

 そのため、「本体は変更がないものの、トライアルの一部を変更したG1」としてこのレースを扱いたい。

 過去の3歳限定G1でそういったレースはどこかというと、
 
 05年の桜花賞、皐月賞、優駿牝馬、東京優駿(トライアル1レースのみ3着以内の外国産馬にも優先権付与)。

 04年の秋華賞(ローズSのみ日程変更)。

 03年のNHKマイルC(NZTのみ定量→馬齢)といったところだろうか。

 昨年の春のクラシックは記憶に新しいところだが、以下の結果となった。
レース名 着順、馬名 人気 前走と優先権有無
桜花賞 1着 ラインクラフト 2人気 フィリーズ 1着 ○
(65回) 2着 シーザリオ 1人気 フラワーC 1着 ×
皐月賞 1着 ディープインパクト 1人気 弥生賞 1着 ○
(65回) 2着 シックスセンス 12人気 若葉S 4着 ×
優駿牝馬 1着 シーザリオ 1人気 桜花賞 2着 ○
(66回) 2着 エアメサイア 2人気 桜花賞 4着 ○
東京優駿 1着 ディープインパクト 1人気 皐月賞 1着 ○
(11R制最終) 2着 インティライミ 2人気 京都新聞杯 1着 ×

 最もシンプルに考えれば、最上位の扱いとされるトライアルで最高着順の馬が出走して勝ったということだろう。
 (優駿牝馬は桜花賞1着馬ラインクラフト不出走)

 また、04年の秋華賞は1着スイープトウショウ、2着ヤマニンシュクルと前走3着かつG1連対歴がある馬どうしでの決着となった。
 しかし、2着馬ヤマニンシュクルの前走は古馬混合戦クイーンCのものであり、さらに今回の出走馬ではG1連対歴のある馬がフサイチリシャールのみ、さらには前走3着馬もロジックのみとなっており、それぞれ1頭しかいないためトレースすることはできない。

 03年のNHKマイルCは1着ウインクリューガー、2着エイシンツルギザンと芝1600mの重賞をともに7番人気で勝った馬が連対している。

 この年が馬単発売初年ということもあって、サンプルとするならば03年になるだろう。

 ちなみに、今年の出走馬で芝1600mの重賞を「勝った」馬は以下の通り
馬番 馬名 1600m重賞勝ち 人気、着順 変更点等
01 マイネルスケルツィ NZT 1人気1着  
08 ステキシンスケクン アーリントンC 3人気1着  
09 ゴウゴウキリシマ シンザン記念 8人気1着 祝日施行
18 フサイチリシャール 朝日杯FS 2人気1着 2頭取消

 さらには、今年は第11回のゾロ目開催。
 第66回桜花賞、第66回皐月賞に次ぐ3回目のゾロ目開催となるので、先行G1となる今年の桜花賞、皐月賞も振り返りたい。

桜花賞 トライアル 別定G3 500万
1着 キストゥヘヴン 未経験 フラワーC 1着 未経験
2着 アドマイヤキッス チュー賞 1着 未経験 未経験
皐月賞(当日8R⇔9R) トライアル 別定G3 500万
1着 メイショウサムソン スプリS 1着 きさらぎ 2着 未経験
2着 ドリームパスポート スプリS 3着 きさらぎ 1着 未経験

 アドマイヤキッス以外は、賞金別定規定を改定したG3戦で賞金を加算しており、それから考えるならば素直にステキシンスケクンやゴウゴウキリシマといきたいのだろうが、そうはいかない。
 
 というのは、桜花賞、皐月賞ではトライアルの設計変更はなかったが、NHKマイルCはトライアルを前述したように変更しているうえに、今回狙い目とも受け取れたシンスケクンもキリシマもマイルCとは事実上無関係の皐月賞に出走している。

 そうなると、愚直にいくのではなく、捻りを入れることが必要になるのではないだろうか。

 さらに、桜花賞、皐月賞の連対枠には「500万下」の出走歴を持っている馬がいなかった。

 賞金別定G3で連対したキリシマ、シンスケクン、リシャールと比較すると、きさらぎ賞3着と賞金別定G3出走歴はあるものの賞金を積み重ねることに失敗したおかげで出走できた同距離戦500万下黄梅賞をステップにNZTも連勝して、勇躍ここに乗り込むマイネルスケルツィの戦歴が異様に見える。

 さらには、このレースを勝ちきるために必要な要素の1つ、「馬齢56K賞金加算歴」を持っていることもマイネルの存在をさらにクローズアップさせることに繋がるだろう。

 おそらくフサイチリシャールが1番人気になるだろうが、昨年と違い今年の3歳G1戦は1番人気が勝てないのでこれも好材料。騎手も今年36勝(4.30現在)で特別12勝と「平場の帝王」の汚名を返上しつつあるので、マイネルスケルツィを軸としたい。

 相手馬だが、前走桜花賞組の出走はなく、皐月賞組は東京優駿優先権獲得に成功した馬がいないので、今年は素直にトライアル組を狙いたい。

 このレースにはいろんなルートからの参戦が可能で、昨年のラインクラフト、デアリングハートのように、他のG1優先権を反故にする(もしくはした)行動をとった馬を救済している措置をとっていることも伺えるが、今年はそういった馬がいない。つまり、皐月賞組の救済をするのではなく、トライアルを重視した道をとってくるのではないかと考えている。

 筆頭は枠連ゾロ目となるファイングレイン、ロジックとNZTで優先権獲得に成功した2頭と、新設TR化したファルコンSを制したタガノバスティーユ、マイルのOP特別を勝っているキンシャサノキセキをあげたい。

 人気のフサイチリシャールは切る一歩手前の押さえの評価までとしたい。

 さらには、日程が現在の位置に変更されてから、1800m以上のオープンで連対している馬がここに出走したのはのべ9頭しかいないが、馬券対象にならなかった馬には共通点がある。

 それが「前走G1もしくはNZT以外での負け」と「皐月賞着外歴」。どちらかがあったら昨年までは確実に消えている。

 フサイチリシャールの皐月賞が5着とどちらでも取れる。範囲が「馬券対象」までなのかそれとも「掲示板」までなのかが見えないいわゆるグレーゾーン。

 しかし、皐月賞でダービー優先権獲得に失敗したことも事実。
 来てもマイネル相手ならば馬券的妙味も薄く、今回は押さえまでとしたい。  

【 買い目 】 ◎単勝と馬連流し 計6点


【 結果 】
1着 ▲ 06 ロジック 2着 ○ 02 ファイングレイン 3着 × 15 キンシャサノキセキ
( ◎ 01 マイネルスケルツィ 10着 )
( 参考配当:馬連 6110円、馬単 11590円、3連複 30100円、3連単 201600円 )

【 再考 】
 いつもなら、○−▲のタテ目を馬券フォーカスとしていれるのだが、なぜか今回は単勝馬券を入れてしまいハズレ。

 勝った▲ロジック、そして2着の○ファイングレインという結果だったが、「同じ先行G1桜花賞、皐月賞と対比すると捻りを入れてくるはず」と記載した通りとなった。

 2頭とも、「500万勝ちあり、重賞2着加算まで」という形態で、桜花賞、皐月賞連対の4頭が持っていた「重賞1着歴、500万下未出走」を見事にひっくり返すパターンとなった。

 ロジックが上位に来たのは、ロジックには別定規定を変更したアーリントンC2着歴があり、ファイングレインには別定G3連対歴がないという違いがあり、今年の3歳重賞のシンボルともいえる、春季別定G3変更戦加算歴を求めたのだろう。

 これまでのG1連対馬が重賞1着歴を持っていたので、それに拘ったのだが、そこは失敗だったか。

 そして、消えた1番人気フサイチリシャール。
 過去の伝統の否定というのはいつか来るものであり、皐月賞5着という判断に迷う着順だったので、最後の押さえに組み込んだが、皐月賞負けは「ダービー優先権を取れなかった」範囲で考えなさいということなのだろう。
このページ最上段へ  トップページへ