● 東京優駿(第73回 日本ダービー)(G1) ● 5月28日東京10R 芝2400m、3歳、牡牝、定量、指定 5月27日更新 変更点 当日11R施行日→12R施行日
【 過去4年経歴 】
【 考察 】 競馬の祭典、東京優駿(第73回日本ダービー)がやってきた。 ブログでは、木曜日まで4回に渡って人気になりそうな個々の馬を書いてきたが、こちらでは全体的な観点から結論まで見出したい。 今年は大きな2つの変更を受けてレースが施行されることの解釈がカギとなるだろう。 今回はかなり長いので、検討項目を5つに分けてます。 当日の12競走化 3歳特指重賞の別定規定変更 マイネルアラバンサの回避 レースそのもの ロジックの出走 ---------------------------------------- 今年は、昨年までの11競走日とは違い、最終12Rに第120回農林水産省賞典目黒記念(G2)(発走:17:00)を組み込むことで、当日の競馬を12競走化した。 これには、不思議に思うことがある。 「なぜ、目黒記念を最終12Rに組み込んだのか?」 「なぜ、発走時刻が17:00とはくぼ競馬並みの時間なのか?」 2年前のジャパンCとJCダートの同日開催では、10RにJCダート、最終11RにメインのジャパンCを設計していた。 どうせやるなら、ダービーを最終レースとする形の同じ手を打ってもいいはずであり、またダービーの前に目黒記念を持ってきたほうが数倍盛り上がることは誰もがわかっているだろうが、あえて目黒記念を最終としたことには注目したい。 これに関しては、ダービーが9R施行から10R施行になった02年が同じ流れを受け継いでいると考えてもいいだろう。 その02年のダービーを制したのは、皐月賞3着→NHKマイルC3着でダービーに駒を進めたタニノギムレット。 この馬だけが、皐月賞で優先権を取りながらダービーに直行していない。 また、2着馬シンボリクリスエスは唯一の外国産馬(青葉賞1着)。 そして、同枠のチアズシュタルクは皐月賞12着→京都新聞杯11着という結果。 「皐月賞に出走して、さらにその後にレースに出走し、賞金加算ができなかった」枠が来たと受け取れば、問題はない。 というのは、皐月賞出走後に他のレースで賞金を加算したファストタテヤマ、メガスターダムがともにダービーでは無残にも敗れ去っているからだ。 そうなると今年では皐月賞5着→マイルC6着のフサイチリシャール、皐月賞11着→端午S3着のナイアガラ。 この2頭に注目したいが、特指戦端午Sのナイアガラよりかは、指定戦NHKマイルCに挑んだリシャールを上位評価すべきだろう。 一方の、はくぼ競馬なみの最終レース発走時刻。 昨年から取り入れられた夏季小倉のはくぼ開催がどうしてもイメージから抜けない。 そのはくぼ小倉開催で勝ちクラがある馬は、皐月賞に次いで2冠を目指すメイショウサムソンただ1頭。 この馬のためのダービーかもしれない。 ------------------------------------- そして今年のもう1つの変更点として挙げられるのは、3歳特指重賞の別定規定変更(1600万ごと1K増→2000万円超過馬1K増)。 このような形での制度変更は過去5年間で2回ある。 1つは、馬齢表記の変更。もう1つは8頭立て以下の馬券発売方式の変更。 01年からの馬齢表記変更に伴い、「4歳S」と名乗っていた重賞はすべて名称を変更した。 そういったレースが最初に姿を見せたのは共同通信杯(旧:共同通信杯4歳S)で、勝ったのはジャングルポケット。 そして、昨年からは「8頭立以下での競走では馬連未発売→枠連未発売」という競馬法の改正があった。これを最初に受けた3連単併売戦は若駒S。勝ったのはご存知ディープインパクト。 いずれもダービーを制した。 今年から3歳特指G3は別定規定を変更して、最高でも57Kまでの負担重量となった。 その規定変更で、昨年までなら58K以上を背負わなければならなかったが、57Kで止まった馬が始めて現れたレースが共同通信杯。 昨年までなら58Kを背負ったはずの共同通信杯を57Kで制したアドマイヤムーンは切ることができない。 ちなみに2着はフサイチリシャール。この馬も昨年までの規定では59Kでの出走だった。 --------------------------------- もう1つ気になることが、水曜日に発覚したマイネルアラバンサの回避。 これで、9枚あるはずのダービー優先権を使わない馬が出てしまった。 そして、これは皐月賞と同じ。 弥生賞2着のグロリアスウィークの故障で反故にされたチケット。 グロリアスが捨ててしまった、発行元が弥生賞の皐月賞優先権を持ったアドマイヤムーン、ディープエアーどころか、その弥生賞に出走した馬には皐月賞で連対枠にすら入ることが許されなかった。 そうなると、今回消えるのはマイネルアラバンサが捨てたチケットと発行元が同じ青葉賞組のアドマイヤメイン、エイシンテンリューか? ちなみに、皐月賞前にそのグロリアスウィークがオープンで積み重ねた賞金は以下の通りだが、皐月賞馬メイショウサムソンと比較したい。
同じ競馬場、同じ形態のレースでの加算歴を持っていた。 今回、突如姿を消したマイネルアラバンサのオープン加算歴は青葉賞2着(G2 東京 指定 馬齢)のみ。 これと同じ形態の馬はいないのだが、解釈を変えれば4頭いる。 ・「青葉賞のあとに東京の重賞で賞金を加算」 → ロジック、(青葉賞で加算:アドマイヤメイン) ・「マイネルアラバンサと同形態(G2 指定 馬齢)のみの賞金加算」 → マルカシェンク、トーホウアラン、アペリティフ トーホウアランは青葉賞組のアドマイヤメインと同枠配置されているが、年明けの京都新馬戦勝ちが共通していることもあって狙ってみたい。 そして、ロジックとマルカシェンクの同枠配置が何を意味するのだろうか。 ----------------------------------------- さて、レースそのものは皐月賞を制したメイショウサムソンが2冠達成なるかという点に注目が集まる。 そこで、過去10年間の皐月賞馬の東京優駿での成績を表にしてみた。 参考 皐月賞1着馬の東京優駿成績(過去10年)
2冠達成となっているのは、皐月賞トライアルのG2を勝っている場合のみ。 皐月賞トライアルのスプリングSを制したメイショウサムソンには好データとして扱っていいだろう。 とはいえ、不安点も1つ。 新馬戦を負けた馬がダービー馬になれるのか?ということ。 現馬齢表記になってからの5年間で新馬戦を負けたにもかかわらずダービー馬になれたのはタニノギムレットのみ。 この点は気になる。 一方のダービー2着馬。新馬齢表記となってからは見事なそろい踏みを見せている。 10R施行後の過去4年間の東京優駿2着馬
単純に皐月賞後の重賞勝ち馬を買えばいいという結果で、同枠にも皐月賞後の「指定」戦に出走していることが求められているようだ。 今回は3枠と6枠が該当馬のいる枠になる。 一方で、同じ馬を組み合わせて連対させている構図が目立っていることが気になる。
出走回数が多いといわれればそれまでだが、フサイチリシャール、ドリームパスポートには注目したい。 --------------------------------------------- 最後に、誰も注目していないかもしれないが、気になるのはNHKマイルC馬券対象馬ロジックの出走。 現行馬齢表記となってからはダービーには以下の馬が出走している。 NHKマイルCで馬券対象になった馬のダービー成績(01年以降)
上表を見る限り、連対枠入りするための条件は1つ。 「3歳特指G3での連対」が必要ではないだろうか。 2着止まりの馬ということで一概には言えないが、勝っていないという事実できることも可能だろう。 しかし、NHKマイルC1着馬がダービーに出走した年はNHKマイルC組がダービーの連対枠にいたことも事実。 一方で、別解釈をすれば、3歳G3勝ちを求めているとも受け取れる。 NHKマイルC1着馬がダービーに出走した年のダービー馬戦歴
そうすると、アドマイヤメイン、アドマイヤムーン、ジャリスコライト、ドリームパスポートが狙えるのだが、ポイントは特指G3の増量1着歴。 前述したように、アドマイヤムーンになる。 ----------------------------------------------- さて、検討できる材料を長々と書いてしまったが、今年の結論を出したい。 年頭のブログでダービー馬と期待したメイショウサムソン。 個人的には出走できるだけでも嬉しいのだが、「皐月賞TR1着→皐月賞1着→ダービー出走」 のローテーションを取って出走できたことを評価して◎。 一方の相手馬だが、皐月賞で人気を裏切ったアドマイヤムーンを筆頭にする。 春季別定G3を57Kで最初に勝ったこと、そしてそれがロジックの出走で求められることを評価したい。 3番手以降は迷うが、決められた馬でまとめているイメージが強い今年の3歳牡馬クラシック路線という意味合いから、ドリームパスポート、フサイチリシャールを上位とする。 押さえにはロジックをいれ、最後にトーホウアラン。青葉賞組のアドマイヤメインと組んだことはネックだが、皐月賞後のG2での加算馬の集中の意義を問いたい。 印はこの6頭としたい。 馬券としては単勝を買ってみたいが、馬連でというのならば、◎○から流す9点となるだろう。 【 買い目 】 ◎○の単勝 計2点 【 結果 】 1着 ◎ 02 メイショウサムソン 2着 -- 06 アドマイヤメイン 3着 ▲ 15 ドリームパスポート ( ○ 10 アドマイヤムーン 7着 ) ( 単勝:380円 ) 【 再考 】 メイショウサムソンが好位から抜け出して、2冠達成となった。 これに関しては、本文中でも記載したとおり、「皐月賞TR勝ち→皐月賞勝ち」のローテーションでダービーに出走できたことから十二分に考えられたこと。 新馬戦勝ちがないことが不安だったが、杞憂に終わったのは、来年のこの日がどんな番組構成をしているかによるだろう。 また、この日は「12競走施行、10Rメインレース」の日。 同じ方式で行われているのは夏の小倉。 その夏の小倉で唯一勝ち上がったメイショウサムソンの実績に報いることもあったのだろう。 一方の2着馬アドマイヤメイン。 途中で、「皐月賞後の指定戦加算歴」を求める、対象馬が3枠と6枠に同居している、と書いたがまさにその通りだった。 とはいえ、2着馬のマイネルアラバンサが出走を回避したことで、弥生賞→皐月賞回避のグロリアスウィークがダブってしまったため、今回は評価を下げたが、マイネルアラバンサの「毎日杯3着→青葉賞2着」の実績、これを上回ったのは「毎日杯1着→青葉賞1着」のアドマイヤメインだったことに注目すべきだっただろう。 2着馬の回避は「1着馬を際立たせるため」に行われたのかもしれない。 また、「東京、G2、指定」で賞金を加算してきたのはアドマイヤメインだけになったことも効果があったのだろう。 一方で消えた○アドマイヤムーン。 「ラジオたんぱ杯2歳S」という、もう2度と行わないレースで2着に入り、今回、そのレースを勝ったサクラメガワンダーと同枠。 これと、皐月賞4着優先権が最大の欠点だったんでしょう。 |