「力を貸して欲しい」
と、その人は言った。
理想の実現のために僕の力が必要なのだという。
「…いいんですか?僕は死の王ですよ」
僕は自嘲してみせた。
「最後の最後であなたを裏切るかもしれない。
選ぶかもしれないんですよ、破滅の道を」
「お前がそうしたいと思ったのなら仕方ない。
だが今はお前の力が必要なのだ、ゼブル。
いや、タカジョー・ゼット」
まっすぐに前を見つめる瞳。
光を求め、未来を信じている目の前の人に僕は興味を持った。
「すべては真実と共にある」
何の根拠もない言葉だが重みがあった。
それ以前にこの人の前では小細工なんて通用しないだろう。
「…いいでしょう。でも無償というわけにはいきませんね。
何か見合ったものをいただかないと」
「そうだな…私は何も命じない。おまえの好きなようにしたらいい。
それでどうだ」
「契約成立ですね。よろしく、共犯者さん」
「…せめて同志といってもらいたいものだな」
「うーん…やっぱり共犯者ですよ。そのほうが重みがある」
「ふっ…そうだな」
その瞬間から僕はその人に未来を委ねた。
それは破滅への序曲か、再生へのカウントダウンか…。
何でもいい、最後まで見届けよう。
誰よりも純粋で、残酷なこの人のそばで…。


出会った頃の話?(わかってないし)
なんでこのふたりが組むことになったのか。
気になります…。
なんかタカルシっぽいかも。
イメソンはラルクの「虹」
2001.9.23 UP