見る影もなくなってしまった屋敷跡。
私は刹那の姿を探し歩く。
何もかも失ってしまった。
自分以外の存在はわからない。
だけど私は希望を捨てない。
刹那は必ず生きている。
約束したのだから、一緒に生きてゆくと。
たとえ何があっても離れないと。

どれくらい歩いただろうか。
気を抜くと意識が飛びそうになる。
ふと足元を見ると、何かぼんやりと光っていた。
一輪の花だった。
荒廃した地で残っていたのは奇跡に等しい。
こんな小さな花だって生きているのだ。
刹那が死ぬはずはない。
だが同時に不安もかきたてられる。
闇に浮かぶその姿は少しの風にも消えてしまいそうな儚さを携えていた。
脳裏に浮かぶ悪い予感を必死に打ち消す。
ありえない、あってたまるものか。
ようやくたどりついたのだ。
刹那の想いに応えることが出来たのだ。
こんなところでつまづいている暇はない。
すべてこれからなのだ。

ふと、刹那の声を聴いた気がした。
幻聴でもいい、私は走った。
そして刹那は確かにそこにいた。
夢を見ている気分だった。
月だけが明るく闇を照らしていた…。


ルシセツにしては重いです(汗)
題してハルマゲドン編。そしてルシ様視点。
実は続きがあったりします…。
それは長いので同人のほうでやると思います。
イメソンはラルクの「花葬」
2001.9.1 UP