「どうしたのよ、こんなところで」
何度目かわからないため息をついたところに
頭上から声をかけられた。
「ああ、未来か…」
「おおかた、刹那とケンカでもしたんでしょうけど」
「わかるか…」
「そりゃあね。で、今度はなに」
私はいきさつを話した。
未来は何度か口を挟みながらきいている。
「…なるほど」
大きくうなずいた。
「それでどうしたいの? このままでいいの?」
「いや…」
「刹那の事を大事に思うんならそばにいてあげるのが
いいんじゃないの?」
「…そうだな」
私がそう言うと、未来は満足そうに笑った。
「情けない父親ですまないな…」
「いいえ、最高の父親よ、ね?刹那」
私は驚いて未来が話しかけたほうを見る。
いつからいたのか、刹那がいた。
「刹那…」
「………」
「それじゃ邪魔者は消える事にしますか」
未来はそう言って立ちあがる。
「未来、ありがとう」
私は立ち去る背中に声をかけた。
未来は振り返らずに手を振る。
残された私達はしばし沈黙していたが、
やがて同時に声を発した。
「刹那、すまなかった」
「父さん、ごめんっ」
お互い顔を見合わせる。
そして笑った。

こんな気持ちを愛しさと呼ぶのだろうか。
うまく伝えることが出来ないけれど。
たわいのないことの繰り返しが
ふたりの未来につながってゆくのだろう。


会長からのリク(1000)
ルシセツ。そうです、これでもルシセツなんです。
ウチでは未来はお姉ちゃん。
だからカップリングは成り立たないのです〜。
しかし恋愛事を娘に相談する父親って…
情けなくもあり、微笑まスィ〜☆
イメソンはELTの「fragile」
2001.9.24 UP