「いよいよですね」
何気ない会話の中で僕は切り出した。
「…そうだな」
僕の言おうとしていることがわかったのかあの人は言った。
一体何年になるんだろう。この人と出会って。
きっと気が遠くなるほどの時間が経っているんだろう。
出会った時のことは昨日の事のように鮮明に思い出せるのに、
周りはすっかり変わってしまった。
長い時間の中で離れ離れになっていたこともある。
けれど、どれだけ離れていても僕たちは再びめぐり会う。
磁石が引き合うように。
同じ目的を持っている同志として…。
どんなに離れていてもお互いは不可欠な存在だった。
それだけがすべてだったんだ。

もうすぐ僕たちの願いが成就する。
だけど、そのために必要なのは僕じゃなくて。
皮肉なものだ。
でも、それでもいい。
僕は確かに必要とされていたのだから。
共に過ごしてきた膨大な時間がそれを教えてくれる。
確かな約束(あかし)なんてなくてもいいんだ。
これからだって同じ夢を見ていけるのだから。
それだけは誰にも真似できない。
僕だけにしか出来ない事なんだから。
今までもこれからもずっと…。


ベビビさんからのリク(88)
「タカルシ」 クリアできたでしょうか…。
瀬戸の根底はルシタカなので(精神的…?)
書きやすかったです。ヘボなのはご愛嬌。
イメソンはB’zの「Calling」
2001.8.30 UP