綻びに気付いたのは、いつだったか？
堅さゆえの脆さ
幼い強さ

スーツ越しに触れた細い肩
小さく微笑ったアイツ
久しく忘れていた感情
おれには必要ないもの

身体が勝手に動いてた
こんなこともあるんだと思った
でも、おれにはやらなきゃいけないことがある

また、見たことのない表情に
心が揺れた

頭のひとつも撫でてやればよかったのに
今は甘やかすべきじゃないなんて
大人のふりして自分に言い訳して

本当は怖かったんだ
きっと、歯止めが利かなくなる
甘い夢が見たくなる

アイツはきっと許さない
おれもそれを望まない

ああ、わかってる
咎は受けるさ
一人でな……