シロイワヤギ
Mountain Goat (Oreamnos amerianus)

哺乳綱偶蹄目ウシ科。頭胴長1.2〜1.6m、肩高90〜120cm、体重45〜150kg。北アメリカのロッキー山脈に棲息する植物食動物。ロッキーヤギとも呼ばれる。ヤギと名がつくが、分類的には寧ろヤギよりニホンカモシカに近い。雪と見紛う程の美しい純白の毛並みと、極めて質の硬い黒く短い(20〜30cmくらい)ツノが特徴的。山間の草地や、岩石帯と森林帯の境界線と言った環境にオスは単独で、メスは小さな群れで暮らす。山岳地帯の動物らしく岩登りが巧み。餌はコケや草、低木の葉等。純白の被毛は嘗て先住民に珍重された天然素材のひとつで、潅木などに引っかかった抜け毛の塊を集めて紡ぎ、毛糸として利用されていた。春先に子供を産み、仔の成長は極めて早い。
北アメリカの高山帯に棲む動物は大半が人間の生産活動に追われ高山帯に「避難」した動物だが、その中でこのシロイワヤギは人間の影響が及ぶ遥か以前から高山を棲息地にしていた数少ない動物のひとつである。