*稲妻を操り、雨を齎す鬼神*
雷を操り、地上に雨を齎す荒ぶる神。俗に言う「カミナリ様」である。
恐ろしげな鬼の姿をしており(時には虎の毛皮でこしらえた褌を着用している事もある。これは古代中国で獣の王と言われた虎をもひしぐ猛者、と言う意味合いが込められているのかも知れない)、背中に小さな太鼓を繋げた連太鼓を背負い、両手には太鼓を鳴らす為の撥を装備している。この太鼓を叩くと太鼓の音色が雷鳴となり、雲から稲妻が走ると言われている。
雷はその多くが雨の前触れであった事から、「雷神(らいじん)」は雷を司ると同時に雨を支配すると考えられ、その為仏教伝来以前の「雷神」は雨からの連想で龍や大蛇などの水と関連の深い幻獣の姿で伝えられる事もあった。
また、如何なる理由からかは不明だが、時として人間の子供の姿をとる事もあったと言われる。
人の命すら奪う雷を自在に操ると言う事で、恐るべき神と畏怖される一方、時には雲の上から足を滑らせて地上に落ち、人間にやり込められたり恩寵を齎したりもしたと言う話が伝えられている。
屏風絵等では、よく「風神(ふうじん)」と対で描かれる事が多い。最近ではコメディアン「ドリフターズ」のコントのモティーフとしても有名。