タンチョウ
Red-headed Crane (Grus japonensis)

鳥綱鶴水鶏目ツル科。全長140〜165cm、翼開長2〜2.5m、体重4.5〜12.5sになり、ツル類でも大きな種類のひとつ。極東アジア(シベリア東部から中国東北部、日本の北海道にかけて)に棲息する大型の渉禽類。学名は「日本のツル」と言う意味で、英語圏でも「Japanese Crane」と言えば本種を指す。また極北アジアに棲む事から「Manchurian Crane」とも呼ばれる。北海道のタンチョウは年中留まる留鳥だが、シベリアや中国東北部のタンチョウは冬になると中国東部から朝鮮半島にまで南下する。ヨシなどが密生する湿潤な低地につがいで暮らし、冬になると餌を得られ易い場所に数百羽が集まる。つがいの絆は非常に強い。白と黒の羽毛、頭頂部の赤い裸出のコントラストから日本では古くから神聖視された鳥で、縁起物としてお目出度い席には必ず意匠として用いられる。小動物、小魚、昆虫や水草、草の実を食べる雑食性。年1回、夏頃に産卵・育雛。一度に2個タマゴを生むが、育つのは大抵1羽だけである。
冬、越冬地でつがいが絆を深める為に取るディスプレイ行動(俗に言う「ツルの舞」)は荘厳の一言に尽きる。乱開発と狩猟が原因で一時期各地で絶滅の危機に瀕したが、熱心な保護活動により近年再び数を増やしつつある。