ヤシオウム
Palm Cockatoo(Probosciger aterrimus)

鳥綱鸚鵡目オウム科。ニューギニア(中央高地を覗く)及び周辺の島々、オーストラリア(ケープヨーク半島)の森林地帯に棲息する大型のオウム。全長60〜80cm、体重は500〜1200gに達する。緑がかった黒い羽毛と、頬の赤い裸出が特徴。
標高1300mほどまでの低地にみられ、餌場では数十羽が集まる事もあるが、通常はつがいで暮らす。頭頂には、後方へカーブする長い冠羽があり、感情が高ぶると大きく広げる。また、嘴は大きく頑丈で、堅果の固い殻などを易々と噛み砕く事が可能。餌はヤシなどの植物の種子や果実、木の芽など。大きな嘴の割に小さな種子を好んで食べる。
発情期に、オスは手頃な大きさの小枝を用いて巨木の幹を叩き、大きな音を立ててライバルのオス及び配偶者に対しディスプレイする。繁殖は7月から翌3月にかけて行われ、巨木の洞に小枝を敷き、巣とする。一度に1つ卵を産み、メスが抱卵。オスはメスが卵を守る間、外で食べ物を探しメスに与える。
棲息地の破壊に及び食用やペット用目的の乱獲から数が個体数は激減し、現在ワシントン条約で商業目的の国際取引は禁じられている。