アメリカバク(ナンベイバク)
South American Tapir(Tapirus terrestris)

哺乳綱奇蹄目バク科。体長1.7〜2m、肩高1m、体重225〜250s。新大陸に棲息するバク3種のうちのひとつ。ブラジルバクとも呼称する。北部アルゼンチンからパラグアイ、ブラジルを経てコロンビア西南部までの南アメリカ各地の森林地帯に分布。灰色がかった褐色の短い毛を持ち、四肢の指に白い斑紋、頚部に密なタテガミと、それを支持する硬い皮膚の盛り上がりがある。夜行性で単独かつがいで行動し、性質は臆病だが追い詰められると獰猛な側面を見せる。木の葉や水草、果実等を食べる。驚くと水中に難を逃れ、5分程度潜水が可能だと言われている。また、胡鈍な外見とは裏腹に密生した藪を物凄い速さで疾走する脚力の持ち主で、捕食者に襲われると噛み付かせたまま藪を走り回り、樹に叩き付けて振り落とす。先住民族はワイルドミート目的でこの動物を狩る。乱開発による生息域の荒廃で個体数は減少気味。