ナマケグマ
Sloth Bear(Melursus ursinus)

哺乳綱食肉目クマ科。体長1.5〜1.8m、肩高61〜91cm、体重90〜115kg。インド東部からスリランカに棲息する。南国のクマ類らしからぬ、毛むくじゃらの姿をしたクマ。
毛の色はほぼ例外なく黒褐色で、個体によっては胸に「月の輪」模様を持つ者もいる。四肢の爪が非常に発達しており、特に前肢で顕著。管状の独特の口吻を持つ。低地の森林に単独で暮らす。餌はシロアリやアリなどの昆虫、サトウキビ、果実、屍肉、蜂蜜など。アリなどを捕食する時は巣を前脚の爪で暴いた後、強く息を吹いて埃を吹き払ってから、管のようにすぼめた唇で吸い込むようにして食べる。またこうした食性に由来する行動と思われるが、飼育下では前脚に唇を当て、大きな音を立ててズーズー啜っている様が確認されている。普通、クマは未熟な状態で子供を産み、産んだ子供が歩けるようになってから外に連れ出すが、このクマは成長した子供を産み落とし、母親が背におぶって連れ歩く。
尚、「ナマケグマ」の名称は、鋭い四肢の爪で樹にぶら下がる様子をナマケモノに見立てた命名。実際はかなり活動的な動物である。