フェネック
Fennec (Vulpes zerda)

2頭の猟犬は 彼を遊ばせ

3頭の猟犬は 彼を笑わせ

4頭の猟犬は 彼を走らせ

5頭の猟犬は 彼を逃げさせ

6頭の猟犬で やっと彼を捕らえる事が出来る

アラブのとある地域で言われる、
フェネックに対する賛辞(?)である。

この言葉以上に、彼等を的確に表した一言を、
浅学にして私は未だ知らない。
<データ>

*分類*
哺乳綱 食肉目 イヌ科
*分布*
北アフリカのモロッコからアラビアまでの砂漠地帯
*大きさ*
頭胴長36〜41cm、尾長18〜31cm、体重1〜1.5kg
*食性*
雑食性。昆虫や小型齧歯類、トカゲ、小鳥やその卵、果実など。
飼育下ではゆで卵やパンを摂食した例がある。
*備考*
イヌ科最小の動物。また、身体の比率に対する耳の大きさではイヌ科最大。
大きな耳は熱を放散させるラジエータであると共に、微かな音をも聴き逃さないアンテナの役割を持つ。
クリーム色を帯びた体毛と、黒目がちな大きな目が特徴。
足の裏にも柔らかい毛が生えており、砂の上を移動する時に滑り止めとして機能する。
岩がちの砂漠に通常10頭までの小さな群れで棲息し、
それぞれの個体が数メートルに及ぶ長い巣穴を掘って其処で暮らす。
厳粛たる夜行性の動物で、昼間は巣穴でじっとしており、
日没後に外に出て狩りをする。
砂漠の動物らしく乾燥に比較的強く、
獲物の体内に含まれる血液だけで必要な水分を賄って生きる事が出来る。
現地では毛皮と肉を目的とした狩猟の対象にされており、
また、愛らしい姿から昨今はペットとしても人気。