ペナンガラン
学名:ペラニクテリス・ロンギダクティア

Penang-Galang(Pelanycteris longidactya)
分類*哺乳綱 有袋目 フクロコウモリ科
棲息時代*近未来(今から500万〜700万年後)
大きさ*全長70cm、翼開長1.5m(クマタカ大)
分布域*オセアニア各地の海岸沿い

フクロモモンガから進化した飛行性有袋類。
前脚の指の一部(薬指と小指)が異常に長く発達し、
これに皮膜が張られて翼状の器官に進化している。
また、発達した胸筋や、上下運動が可能になった肩、
筋肉を支える鎖骨なども先祖には無い特徴。
これらの新しい進化により、
先祖が送っていた滑空生活から一歩抜け出し、コウモリのように真の飛行が可能になった。
海岸線の崖に大規模なコロニーを形成して暮らしている。
餌は海面に浮かんだ魚、イカなどの海の動物や、昆虫、小動物、果実や樹脂なども好物。
一産一子で、子供はある程度の大きさまで育児嚢の中で育った後、
崖にある巣穴で飛べるようになるまで親に庇護されて育つ。
学名は「長い指を持つ有袋類のコウモリ」の意味。
*燦々と日光が照らすオーストラリアの海岸。静かに寄せる波の上に、コウモリに似た灰褐色の動物が数匹、ひらひらと舞うように飛んでいる。水面に浮かんできた小魚が狙いのようだ。この動物はペナンガランと言い、その外見はコウモリに似ているが、実際は有袋類の一種…フクロモモンガと言う滑空する小型有袋類から進化した生き物だ。これまで、コウモリ類や鳥類と言うライバルが多く存在した為に、有袋類が真の意味で空に進出する事はなかった。然し、長い時が流れ、環境が激変した事…より詳しく言うならば、本来の生息域である森林が大幅に消失した事により、彼等は新しい進化を遂げ、本当の意味での飛翔が出来るようになったのだ。甲高い鳴き声をあげ、波間の小魚を掬い取るペナンガラン。海面の遥か下部に潜む彼等の最大の天敵…大型の捕食性魚類を避けるように、少し水面に降りては獲物をつまみ、強い力で羽ばたいてまた水面を離れて飛翔する。波の音と彼等の鳴き声だけが、砂浜に静かに流れて行く。

*オーストラリアに棲息していた有袋類の中には、四肢の間に皮膜を発達させ、樹から樹へと滑空しながら移動する有袋類…フクロモモンガ類と言う動物群がいた。彼等は掌に納まるくらいの小さな種類から、全長が1mに及ぶ大型種まで様々な種類がいた。大型の種類は木の葉などを食べる植物食の傾向があり、小型の種類は主に雑食性であった。
ペナンガランはこれらの内、小型のフクロモモンガ類から進化した動物である。嘗て、樹から樹へと皮膜を用いて滑空していた彼等は、身体の構造を変化させ、滑空ではなく真の意味での飛行能力を手に入れる事に成功した。前脚の指が大きく発達して“翼”を形成し、また四肢の筋肉や骨格が著しく変化して羽ばたき飛行が可能になった。各部位の著しい発達に伴い、身体も大きくなった。移動能力が向上した事で、より様々な食べ物を利用する事も可能になった。こうして、鬱蒼とした森林間を滑空しながらつましく昆虫や樹脂を食べていた彼等は、遂には開けた土地の上空を強く優雅に羽ばたく力強い動物へと進化したのである。こうした進化は、嘗て恐竜時代に空を席巻していた飛行性爬虫類…翼竜類(Pterosauria)に酷似したものである。
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今の所処特になし