オオハゲコウ
Greater Adjutant Stork (Leptoptilos dubius)

鳥綱鸛鷺目コウノトリ科。全長120〜152cm、翼開張300〜328cmにも達する大型のコウノトリ。インドからタイ、カンボジアなどの河川・湖沼に棲息する。羽毛がなく剥き出しの頭部、太い嘴、喉からぶら下がった肉質の袋が特徴。100年ほど前までは人間が出す生ゴミを餌として利用する為に都市の中にも多数生息していたが、衛生管理が行き届くようになってから急速に姿を消し、今日ではヒトの居住地から遠く離れた奥地の水辺でしか見られなくなった。肉食で、腐肉を中心に魚やカエル、ヘビ等の小動物を食べる。水中の獲物を捕る時は旱魃などで水量の減った水たまりや沼で、魚が集まってくるところを探す。採食の時も殆ど活発に動く事はなく、嘴の射程距離に獲物が接近するまでは身じろぎせずじっと佇んでいる事が多い。その様子が、訓練を監視する軍隊の副官を連想させる事から、副官を意味する「Adjutant」の英名がつけられた。大木や崖に木の枝を寄せて大きな巣を作り、雌雄共同で育雛する。時にはコロニーを形成する事も。
生息域の乱開発と狩猟が原因で個体数が減っており、棲息地の各国で保護されている。
尚、本種を含むハゲコウ類の頭に羽毛が無いのは、食餌の屍肉に付着するバクテリアを、直射日光で消毒する為だと考えられている。